チワワの小太郎
 
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●チワワの小太郎★保護犬ナナちゃん [2005年02月22日(火)]

祖母が亡くなって寂しいので叔母が犬を飼うことにした。どんな犬がいいか相談されたので、犬種図鑑などで見て、叔母の好みや、飼いやすさ、価格などを考慮してキャバリアやパピヨンなどがいいんじゃないかとアドバイスした。その後、叔母夫婦がそろって風邪で寝込んだりして、購入がのびのびになっていたのだけど、そんなときにたまたま、私の友人がキャバリアの里親を探している人がいるという話をしてくれた。そのときは友人もあまり詳しいことはわからず、「ブリーダーさんのところで余っちゃったらしい」などと言っていたので、なにかの理由で売れなくて親犬と一緒に育てられた犬なのかと思っていた。

叔母に話してみたら、もらいたいというので、友人を通じて、キャバリアの里親を探しているという人の連絡先を教えてもらうことに。その里親話にはその時点で間にたくさん仲介者がいたので、どんな犬なのかよくわからなかった。わかっているのは、キャバリアで、1歳過ぎていてメスらしいということくらい。なので連絡先がわかったら直接電話して、どういういきさつで里子に出されることになったのか、どんな犬なのか(性格や体重や病歴など)を聞いてみようと思っていた。その上で、改めて叔母に確認してそれでも欲しいというならもらえばいいと思っていたのだった。

…が、連絡先は教えてもらえず(故意ではないみたいなのだけど)、伊豆高原の別荘に犬が来るので、都合がよければ犬を見に来て欲しいという返事。相手は横須賀でこちらは小田原で、伊豆の方が近いだろうという配慮なのかもしれないのだけど、ちょっとなんだかなぁという感じ。でも、犬を直接見て、相手の方にも直接会えるのなら話は早いし、見てからキャンセルもできるというので、叔母夫婦と一緒に伊豆高原まで行ったのだった。

折しも行楽シーズン。しかも週末。伊豆は大渋滞。これなら平日に横須賀まで行く方が楽だったのではと思いつつ、別荘へ到着。午後に来て欲しいということだったので、2時くらいに行ったら別荘の主(仲介してくれた方)はいたのだけど、犬と犬をくれる相手がまだ来ていない。聞けば、これから犬を富士山の方に迎えに行って、それから伊豆に来るという。しかもまだ東名を走っているというから、着くのはいつになるかわからない。

2時間くらいだから待っていて、と言われたのだけど、伊豆も富士山も渋滞しているだろうから2時間では着かなそう。来るまでの渋滞でイライラしてしまった叔父は待ちきれず、とりあず今日は帰って、後日改めて犬を迎えに行くことになった。犬は仲介してくれた方が厚木の会社で預かってくれることになった。

まさか、犬が富士山にいるとは。しかも呼びつけておいて時間に来てないなんて、かなりいい加減。仲介してくれた方に、「どういう経緯で…」と聞いてみたけれど、あまりゆっくり話せなかったこともあって、相手の方はボランティアでそういう活動(犬の里親捜し?)をしているというくらいの情報しか得られなかった。ちっちゃくてかわいいらしいという以外、犬についてはよくわからないままだった。

数日後、犬は厚木の会社から仲介者の手を経て私の友人宅にやってきて、それを私と父で迎えに行き、叔母の家に届けたのだった。私が自分でもらうのだったら、もらう前に犬を見に厚木まで行くのだけど、叔母はもうもらうことに決めたというので、小田原まで連れてきてもらうことにしたのだ。

その時点で初めて、このキャバリアが保護犬で、繁殖目的でアメリカから連れてこられてひどい目に会っていたということを友人から聞いた。

もらう側が犬についてよく知らないまま引き取るのも困るけれど、この場合、里親探しをする側にも問題がある。ちゃんとした里親探しなら、引き取られる先の家庭事情や飼育環境についてよく調べてから引き渡すはずだ。ひどい目に会っていた犬が、もらわれた先で再び里子に出されてしまったり、繁殖に使われてしまったり、虐待を受けたりする可能性だってある。里親がそういう悪意のない人だったとしても、叔母夫婦のように保護犬についての知識がない人の元に引き取られる場合は、保護犬の里親になるための最低限の覚悟を説明してから引き取ってもらう必要があると思う。

保護犬は、過去にひどい目にあっていることが多いので、性格的に飼うのが難しかったり、しつけがしにくかったり、身体に障害があったりすることが多いらしい。そういうことを事前に説明せずに犬を引き渡すというのは、やはりいい加減だと思う。

詳しい事情はわからないのだけど、キャバリアと同時に里親探しをしていたというチワワは、一旦、里親候補に引き取られたあと、また戻されてしまったらしい。その後、別の里親が見つかったようだけれど、こんな風に里親探しをしても犬のためにいいのかどうか疑問だ。

叔母の家に引き取られたキャバリアは、ナナちゃんと命名された。叔母が以前に飼っていた猫と同じ名前で、ややこしいのだけど、叔母は呼び慣れた名前なので、これに決めてしまったらしい。しかし、ナナちゃんと命名されれば、自然とナナちゃんという顔つきに見えてくる。

ナナちゃんはキャバリアとしては小柄で、エサをあまり食べさせてもらえなかったのか、痩せている。お散歩もあまり連れて行ってもらっていなかったのか、足も弱いみたいだ。動物病院で診てもらったら、お腹に虫がいたらしい。毛並みはそれほど悪くなくて、顔もかわいい。エサは食べているし、お散歩も一日3回行っているそうなので、しばらくすれば健康体になるだろうと思う。

とにかく人懐こくて、だれにでもシッポを振って甘えてくる。ヒザの上でゴロンとお腹を出して寝転がる姿が愛らしい。でもその分寂しがり屋のようで、ひとりにするとクークー鳴く。叔母が洗濯物を干しに行く間ひとりにしても鳴いているらしい。長時間お留守番させるには、少しずつ慣れさせないといけないようだ。

叔母の家までは歩いて5分くらい。近いので小太郎を連れて二度ほど遊びに行った。小太郎は叔母の家では大人しくて、ナナちゃんがいるから、シッポをおしりの間に挟んで私に抱っこされたまま固まっている。ナナちゃんはナナちゃんで、犬には興味がないらしくて、小太郎には無関心。私が小太郎を抱っこしていてもおかまいなく、ヒザに乗ってこようとする。ますます縮こまる小太郎。ときどき会いに行って、慣らすしかないようだ。いつか仲良くなってくれるんだろうか…。

叔母の家には先住猫のハチ(オス)がいる。ハチはナナちゃんのことを怖がってあまり近づかないようだ。しかし小太郎はハチに睨まれた。小太郎よりハチの方が大きい。ビビる小太郎。だけど、猫パンチが届くほどの距離には近づかなかったので、危害は加えられなかった。

そうそう、以前にれーこさんからもらったフードボウルがナナちゃんにちょうど良さそうなので、使ってもらうことにした。小太郎には大きすぎて、ボウルの中で泳げそう。ナナちゃんにはぴったりサイズ。さっそく使ってくれていた。よかった〜。

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