□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0089   □□□□□□□□□□□ 2006/04/21 Fri.---Since2000/01/26  前号の発行部数206 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  やっと暖かくなってきました。春は気温の変化が激しくて体がついて  行っていません。でも少しずつ暖かい日が多くなるとなんだかうきう  きして楽しくなります。桜、菜の花、チューリップ。お花もたくさん  咲いています。どこかにおでかけしたくなる春ですね。    「チワワの小太郎」の photo album におでかけの写真などを追加し  ました。大量にありますので、お時間のある方はどうぞ。    ●チワワの小太郎 http://akane.pos.to/kotaro/    お花の壁紙は「ぱんだ雑貨店」に追加してます。    ●ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ ┏***━【チワワの小太郎が本に載りました!】━━━***━*┓ ┃                              ┃ ┃ 「手づくりでわんこと仲よく暮らそ!」           ┃ ┃  日本ヴォーグ社 ISBN:4529041794 \1260          ┃ ┃                              ┃ ┃  http://www.bk1.co.jp/product/2603676/p-akane01465/    ┃ ┃                              ┃ *━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━***┛   ◎本のブログ「てくまくぶっく」 ---最近読んだ本・買った本・気になる本--- http://chokora.livedoor.biz/   ◎毎日更新中! チワワの小太郎のこと、料理のこと、本のことetc... 「へにょへにょ日記」 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●爆笑・高齢出産記◆『45歳、もう生んでもいいかしら?』                          [2006年03月22日(水)] ●愛ゆえに◆『コバルト風雲録』 [2006年03月28日(火)] ●産んだあとのことを聞きたい◆『私は、産みたい』 [2006年04月01日(土)] ●かっこいい◆『ライオンキング』 [2006年04月5日(水)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【癒し犬の写真と壁紙】 ★ちょこらサーチ 【ショップ検索&ランキング】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── [PR] ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 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と思った。 ちなみに、ブログのコメント、私は最近は自分の気持ちに素直にやることにし ている。読みたいブログを読んで、コメントつけたいときにはつけて、書けな いときには書かずに読み逃げ。最優先は自分の日記、というのを決めないと、 ほんと、きりがない。私の場合はどちらかと言えば、人の日記を読むことより も、自分の日記を書くことのほうが楽しいのだ。だから、書くこと優先。逆に、 人の日記を読むことが生き甲斐、という人もいるようなので、そういう人には どんどん読みに来て欲しいもんだ。 さて、久美沙織。私がこの人の本を最初に読んだのが、たぶん『ありがちのラ ブソング』。これ、初期のパソコン通信を扱った小説なのだ。その頃はまだ一 部の人のモノだったパソコン通信が小説で重要なアイテムとして使われていた。 これを読んだとき、私は感動したのだった。ほんとに。この人はスゴイと思っ た。私にとって、パソコン通信はまだ憧れの域を出ておらず、そんなもの使う ことすら出来なかった。久美沙織の小説にちょっとだけ、大人の匂いを感じた のだった。 そして、大ヒット作の『丘の家のミッキー』。『ありがちのラブソング』とど っちが先に書かれたのか分からないけど、読んだののは『〜ミッキー』が後。 どうやら当時から「おかみき」と略されていたようだけど、私の周りではそん な略称で通るほどのフィーバーではなかった(と思う)。めるへんめーかーの イラストが私のツボでもあった。純愛小説だと思っていたけど、作者としては そういう意図で書いたのではなかったらしい。 その後『鏡の中のれもん』。これは禁断の近親相姦もの(だったはず)。あの、 『丘の家のミッキー』の作者がこんなものも書くんだ! と衝撃的だった。し かし、作品の好き嫌いは別にして(『〜れもん』は正直、あまり好きな作品で はなかった)これで私は久美沙織をますます、タダモノではないと思ったのだ った。 しかし、この本を読んで初めて知った。『ありがちのラブソング』は一般読者 受けしなかったらしい…。『鏡の中のれもん』を書いた頃から久美沙織はコバ ルトを去る決意を固めていたらしい(だから反コバルト的内容を書いたのか…)。 『丘の家のミッキー』のキスシーン論争(?)についてはどっか他で読んだが、 ここにも詳しく書かれていた。作者的にはキスなんてしなくてもよかったのだ けど、読者からの「ふたりはいつくっつくのか」という熱い要望に応えて、考 えに考えて書いたキスシーンに対してファンから強烈な批判の手紙がたくさん 来たという。「女の子からキスするなんてありえない!」という内容。そう かぁ?? 作者がそう書いたのだから、いいんじゃないかと私などは思うし、 そのシーンを読んだときにも別に何とも思わなかった。逆に、このふたりなら そう言うこともあり得るかも…くらいに思ったかもしれない。今となっては全 く覚えていないけど。 それで、ファンからの批判に久美沙織は深く悩んでしまったらしい。「あんた たちが見たいって言うから必死に考えて書いたのに、批判されるなんてヒド イ!」って感じかな(そうは書いてないけど、要約すると)。その気持ちもわ からんでもないが、小説家なら「私がそう書いたんだからそうなんだ」と開き 直ってもらいたかった。というよりも、それが小説家なのではないかと思う。 まず、読者の要望に応える、という時点でちょっと間違ってるのかも。自分の 書きたいモノ、書けばいいじゃん。読者に媚びなんて売らないで欲しい。そし て、もし媚びを売るなら、徹底的に媚びを売って欲しい。読者が求めているモ ノを書けばいい。つまり、この場合なら、かっこいい男の子からロマンチック なシチュエーションでウブな女の子がキスされる、というシーン。どうやら、 これをやっていたのが花井愛子らしい。 当時、ティーンズハートというコバルトと並ぶシリーズがあったけれど、花井 愛子はその筆頭だったはず。私にはあの、余白だらけ、句読点だらけのスカス カ小説(すみません)がどうにも我慢できなかった。どれも似たような話だっ た気がする。でも人気があった。読みやすくて、読者受けする内容だったから だ。我慢できないと言いつつ、私も友人から借りて数冊は読んだ(だってすぐ 読めちゃうんだもん)。 『コバルト風雲録』に彼女の言葉が紹介されていた。「私が書きたいものなん てないわ。読者が読みたいものを書くだけ」と言ったとか言わないとか。それ がホントなら、これはこれですごい職業意識だと思う。需要があるから供給が あるのである。読者の欲求を満たす作品をちゃんと書ける、というのはある種 才能だと思う。 しかし、久美沙織にはそれは出来なかった。彼女流に言えば、小説に対する愛 が強すぎた。書くときは本気で書くのだ。自分の書きたくないもの、作品とし て満足できないものは世に出したくなかったらしい。 それでコバルトを離れて、ドラクエのノベライズやらSFやらに鞍替えしたら しい。その頃私は、コバルトからいなくなってしまった久美沙織の行方が気に なって、「いったいどこへ行ってしまったの〜?」と思っていたのだった。 ドラクエのノベライズ、読んだことないのだけど、どうやらものすごく情熱を そそいだらしい。これって、子ども向けだと思うんだけど。ゲーム制作者側と の折り合えも付けなきゃならないし、ゲームの内容に則した内容でないといけ ないし、いろいろ制約が多かったらしい。敵の怪物(?)の色について、ゲー ムに登場する通りの色でないといけないのだけど、どうしてもその色を表すか っこいい表現が見つからなくて、宝石事典とか見たらしい。その結果、読んだ だけでは何色かわからない表現になったらしい。…それって、どうなの。 どうもね、このドラクエのノベライズ、気合い入りすぎて複雑で濃厚なものに なっちゃってたんじゃないかという気がする。子ども向けに、って簡単でわか りやすく書くってことはしなかったみたいね。 要するに、久美沙織的には、読者に合わせてわかりやすい作品を書くというこ とができないらしい。私の全身全霊を注ぎ込んだ作品なのだから、これが分か らなければ、それは分からない方が悪い。そんな思いがいつもあるみたいね。 それはさ、難しい演劇見せられてるのと一緒ね。ニナガワユキオなんて難しす ぎてよく分からないんだけど、なんだかスゴイ人みたいだから、この人が演出 している舞台はよく分からないけどなんかスゴイんだろうな…みたいな。 ニナガワユキオみたいに、それが本当にスゴイ人たちにスゴイ評価をされてい るならば別だけど、オイラたちはすごいんだぜ。これが分からない奴の文化レ ベルが低すぎるぜって思ってやっている人たちもいるわけで。久美さんがそう だと言うわけではないけど、やっぱり、エンターテインメントたるもの、ある 程度のわかりやすさは必要。賞なんてもらってなくたって、面白いものは面白 い。賞をもらっていてもつまらないものはつまらない。 自分が面白いと思うものを、こんなに面白いんだよって観客や読者にきちんと 伝えられる人というのがプロだと思う。それには、媚びを売る必要はないけれ ど、その相手に合わせたわかりやすさで伝えるということも必要なんではない のかなぁ。 つまり、ドラクエの場合はその読者層であると思われる子どもたちにわかりや すい言葉で伝える(多少かっこ悪くても)ことが必要だったのではないかと思 う。 読者を文化レベル、知的レベルの高い人に設定するならそれでもいいけれど、 久美さんが「ウケ」たいと思っている読者たちに本当に「ウケ」るためには、 ある程度は読者に歩み寄らなければならないのだと思う。 今回二冊続けて読んで思ったのだけど(一冊目は『45歳、もう生んでもいいか しら?』メディアファクトリー)、久美さんの文章って決して「美しい」日本 語ではない。もっと言えば、「正しい」日本語でもないかもしれない。ご本人 は、小説を書くときには「かっこよさ」を追求しているようで、「美しい」と か「正しい」とか言うのは二の次なのかもしれない。でも、どうせ書くなら美 しく、正しい日本語を目指してもらいたいものだ。 お子さんも生まれたことだし、このあたりで絵本などに目覚められて、作風も 変わってくることに期待したい。なにやらいっぱい批判めいたことを書いてし まったけれど、私は久美沙織のファンなのだ。だから、あの『ありがちのラブ ソング』を読んだときの感動をもう一度、と思っているのだ。 久美沙織作品、絶版になってるものが多いらしい。ここらで一発大ヒットが出 れば、復刊も夢じゃないぞー。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●産んだあとのことを聞きたい◆『私は、産みたい』 [2006年04月01日(土)] ──────────────────────────────────── 『私は、産みたい』野田聖子/著(新潮社)ISBN:4104729019 http://www.bk1.co.jp/product/2503809/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── 正直言って、なんでこの人がこんなに子どもが欲しいと思っているのか、さっ ぱりわからなかった。まぁ、そういうのは理屈ではないんだろうけど、それに しても、なんだか、「オンナは子どもを生んでこそ一人前」というような旧世 代的な考え方があって、彼女自身がそれにしばられているような気もする。私 ほどのオンナが子どものひとりも産めないなんておかしい、みたいな。だから こそ何が何でも産んでやる! っていうような。子どもを産んで育てるって、 そういうことじゃないんじゃないの。 なんかね、冒頭で結構引いた。婦人科の内診で「強い恥じらいを感じた」とい うところまではいいとして、夫に「お前の全部を見せるのか。できれば女医さ んに見てもらえないか」と言われたというのだ。そういう男性もいるのかもし れないけれど、それは冒頭でクローズアップする問題ではないと思う。今は20 代の未婚女性だってガン検診で婦人科のお世話になっているというのに、国会 議員でバリバリ働いている40代女性が婦人科の内診に対する感想を、そういう 女性週刊誌的な視点で書かないで欲しいと思った。 あとの方で、この夫の発言は夫婦間の意思の疎通がうまくいっていない為だっ たことが分かるのだけど、この本の構成上、こういう挿話を冒頭に持ってくる というのはセンセーショナルな話題性を作ろうと「狙って」いたように感じら れてイヤラシイ。 だいたい、40歳で結婚した時点で、子どもというのは自然に簡単にできるもの だと思っていたというのが信じがたい。その年令で出産する人は大勢いるだろ うけど、十分に高齢出産である。しかも、今まで妊娠したことがなければ、妊 娠するかどうかだって怪しいし、運良く妊娠したとしても初産だったら普通は 不安だろうと思うのだけど。結婚する前に、子どもができないとか、子どもを 作らないということは考えなかったんだろうか。それとも、子どもが産みたい が為に結婚したのか。そうだとしたら本末転倒という気もする。 この本を読んでいても、この人の家族感というのが非常に希薄で、よくわから なかった。国会議員で、超過密スケジュールをこなし、バリバリ働きながら、 ちょっとの時間を作って病院に行って不妊治療を続ける。これは並大抵の人に できることじゃない。 私も最近までよく知らなかったのだけど、不妊治療、それも体外受精というよ うな高度な治療を受ける場合、病院通いだけで大変な負担なのだそうだ。数日 おきに通院しなければいけなくて、普通に仕事を持っている女性でも、仕事を たびたび休まなければいけなくて辛いらしい。休めば、職場での立場も悪くな る。子どもが出来ないという悩みに加えて、仕事も満足にできなくて、ますま す精神的に追いつめられてしまうらしい。 だから、彼女がとても頑張って、一生懸命なのはよくわかる。わかるけど、そ れが目的になってしまっていて、夫と一緒にふたりの子どもを慈しみ育てて家 庭を作るという観点が抜け落ちているような気がした。それって、私の考えが 古いのだろうか。 始めの頃はひとりで突っ走り、詳しい治療の内容も夫に知らせなかったという。 夫は体外受精には反対で、治療に協力的でなかった。それでもひとりで頑張っ た。子どもって夫に反対されても強硬に作るモノなのだろうか。それって至極 不自然じゃないだろうか。それならば、結婚しないで未婚の母にでもなればい いのに。 あ、このお二人は夫婦別姓にしたい為に籍は入っておらず、事実婚らしい。こ の、夫婦別姓というのもよく分からない。そういう夫婦の形態があってもいい とは思うのだけど、野田さんがこれを推し進めようとしている気持ちがよくわ からない。子作りと一緒で、切実さが伝わって来ない。というよりも、この本 を読んでいると、夫婦別姓でこういう家族形態が出来てしまうのだったら、あ まりいいことはないなと思った。 野田さんが子どもを産んだとして、産んだあとのビジョンがさっぱり見えない。 きっとこの人は産むだけ産んだら自分では育てないんじゃないかと思う。産ん だあとに気が変われば別だけど。 「私がオトコだったら、仕事を休むこともせずに若い奥さんや愛人に好きなだ け子ども産ませられるのに」くらいに思っているかも。 子ども産んだら、「私は子ども産んだのよ。あんたたちには真似できないで しょ。お〜ほっほっほ」と言ってそれを利用して少子化対策の重要ポストに就 いて、「してやったり。」とほくそ笑むような気がする。つまり、子どもも仕 事の道具。 この人に、少子化の根本的なところってわかっているのだろうか。彼女のよう に、パワフル、傲慢な人ばかりじゃないと思うんだけど。そうそう、なんとな く、全体的に弱者に対する視点が欠けているのよね。車いすに乗ったときに、 「世間から見下ろされている」と感じたらしい。それって、普段自分が車いす の人間に対してそう思っていると言うことではないの。 私がこんなに頑張っているのに、世間は認めてくれないとか、夫が分かってく れないっていう記述が多すぎ。思いやりが欠けていると思わざるを得ない。そ れならそれで、徹底的に自分の考えを貫けばいいのに、変に言い訳めいたこと も書いてあって、うんざり。 犬を飼って、夫婦仲が良くなって、夫も不妊治療に協力的になったらしい。犬 ってすごいね、って思うけど、留守がちな夫婦に飼われたこの犬の世話はいっ たい誰がしてるんだ。お金があるから、秘書やらそばに住んでいる家族やらが しているのか。 なんかさ、この人って、なんでもかんでも手に入れたがりやなのかも。国会議 員という地位、名誉。それに加えて夫と子ども。全部は無理でしょう。この人 にとって、大事なモノの順序というのが、まず仕事、そして自分。そのあとに 家族という感じがする。国会議員として、国民のために、って言うよりも、自 分の名誉や地位を上げたいという出世欲のほうが強そう。 選挙の時も、夫を従えている印象が強かったけど、家庭でも、主導権は彼女が 握っているんだろうな。しかし男性社会で出世するにはこれくらいの傲慢さは 必要なのかもね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●かっこいい◆『ライオンキング』 [2006年04月5日(水)] ──────────────────────────────────── 『ライオンキング』劇団四季 出演:原田真理、雲多隆弘、川辺将大、熊本亜 記、金田俊秀、野中万寿夫、小川善太郎、田中彰孝、高島田薫、小原哲夫、遊 佐真一ほか ──────────────────────────────────── 前に観たのは数年前。多少変わっていたところがあったようだけど、どこがど う変わったのかはっきりとは分からない。 前回は二階席だった上にオペラグラスを持って行かなかったので、役者さんの 表情はまったく見えず、過剰な装置ばかりに目が行ってしまいあんまり感動し なかった。 今回は舞台に近い3列目のセンター。汗まで見える。相変わらず装置は仰々し いけれど、役者さんの息づかいまで分かるので、生きた舞台という感じ。 ムファサの金田俊秀さん、シンバの田中彰孝さん、かっこよかった。この舞台、 何が好きじゃなかったのかわかったのだけど、それはきっと、セクシーお姉さ んがあまり出てこないから。どちらかというと、男性陣が活躍する舞台なのよ ね。演出家が女だから? 子供がたくさん見に来ていたけれど、休憩挟んで3時間くらい。子供にはちょ っと長い気がしたが、意外に大人しく観ていた。 違うキャストも観てみたいので、一年に一度くらいは来てもいいかなと思った。 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 日記ブログ「へにょへにょ日記」は毎日更新中。。。 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ──────────────────────────────────── =[PR]================================ 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=IAO95+91O4OI+5WS+C2103 ==================================== =[PR]================================  ★┃今┃週┃の┃ベ┃ス┃ト┃セ┃ラ┃ー┃★┃  ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 【楽天ブックス】流行の本を今すぐチェック!! 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