□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0079   □□□□□□□□□□□ 2005/07/06 Wed.---Since2000/01/26  前号の発行部数141 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  梅雨です。湿気が多いです。食パンにカビが生えてしまいました。私  にもカビが生えそうです。梅雨時は毎年体調が悪いのですが、今年は  特にひどいです。薬の長期服用でだんだん弱ってきてるんでしょうか。  自分は早死にするのかなぁと思うと、年金を払うのがばからしくなっ  てきます。そのお金で元気があるうちにいっぱい遊んだほうが得かも  って思っちゃう。長生きしても年金もらえるかわからないですしね。   ◎本のブログ「てくまくぶっく」 ---最近読んだ本・買った本・気になる本--- http://chokora.livedoor.biz/   ◎毎日更新中! チワワの小太郎のこと、料理のこと、本のことetc... 「へにょへにょ日記」 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●爽やかに終わらなくてもいいのに◆『TRUTH』 [2005年03月12日(土)] ●チワワの小太郎★お嬢とおうちでデート [2005年03月14日(月)] ●癒しの名作◆『電車男』 [2005年03月18日(金)] ●嶽本野ばら×高橋真琴のコラボレーション◆『うろこひめ』                          [2005年03月24日(木)] ●それぞれの恋愛◆『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』                          [2005年03月29日(火)] ●やっぱり好き◆『レ・ミゼラブル』 [2005年03月31日(木)] ●ふわふわゆらゆら◆『薬指の標本』 [2005年04月03日(日)] ●怪しくない自然療法◆『癒しのホメオパシー』 [2005年04月09日(土)] ●怪物夫婦の里帰り◆『シュレック2』 [2005年04月13日(水)] ●明治の愉快な漂流記◆『無人島に生きる十六人』 [2005年04月17日(日)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【癒し犬の写真と壁紙】 ★小さな本屋さん ちょこら 【本とショップのリンク集】 ★ちょこらサーチ 【ショップ検索&ランキング】 ★りんくる 【わがままリンク集】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── [PR] ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 『Amazon.co.jp マーケットプレイスストア』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/1058424 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●爽やかに終わらなくてもいいのに◆『TRUTH』 [2005年03月12日(土)] ──────────────────────────────────── 『TRUTH』演劇集団キャラメルボックス 2005年2月17日-3月27日 サンシャイ ン劇場 作・演出:成井豊+真柴あずき 出演:岡田達也、上川隆也、大内厚 雄、細見大輔、畑中智行、筒井俊作、篠田剛、小川江利子、岡田さつき、岡内 美喜子、川原和久 ──────────────────────────────────── 演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』を観てきた。一昨日、水曜で平日の昼 間なのに、大混雑。圧倒的に女性が多くて、上川隆也が出ているのでおばさん 率が高い。おじさんもちらほら。 この作品は、私が初めて生で観たキャラメルのお芝居。作品自体はそれほど好 きじゃないんだけど、ちょっと感慨深いものがある。 幕末の江戸が舞台。上田藩士たちの汗くさいお話。男芝居で、時代劇ってこと で、キャラメルファンには人気のある作品。事故で聴覚を失った弦二郎(岡田 達也)は仲間の鏡吾(上川隆也)の陰謀で親友の英之助(大内厚雄)を斬り殺 してしまう。鏡吾たちに追われながらも、英之助の許嫁で弦二郎も思いを寄せ ていた初音(岡田さつき)にだけは真実を伝えようとする弦二郎。父が無実の 罪で切腹させられたために身分の低い鏡吾。友を思う弦二郎。弦二郎を信じる 初音。それぞれの「Truth(真実)」が交錯する。 鏡吾がなんで裏切ったのかがよくわからず(たぶん、出世したかったんだと思 うんだけど)、そこまでする鏡吾の思いっていうのが伝わってこない。もとも とそういう悪い素質を持った人だったってことなのかな。だとしたら単なる悪 役だよねぇ。これは脚本の問題。演じる上川隆也はもう汗まみれ泥まみれって 感じで熱い、熱い。で、悪役なら悪役でいいんだけど、なんだか最後、弦二郎 に諭されちゃったりして妙に爽やかっぽく終わるのが嫌なのだ。性根が悪いん だから改心はしないと思うんだけど。 今年はキャラメルの劇団創立20周年だそう。このあいだ15周年だったような気 がするのに、早いもんだ。20年続けるってそれだけで偉いと思う。継続は力な り。これからも、さらなる飛躍を期待している。 演劇集団キャラメルボックス http://www.caramelbox.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●チワワの小太郎★お嬢とおうちでデート [2005年03月14日(月)] ──────────────────────────────────── スムチーのお嬢とれーこさんがはるばる遊びに来てくれた。町田方面から東名 高速でびゅーん。意外と近い。 父と一緒に途中まで迎えに行って、私と小太郎はれーこさんの車に乗ってうち までご案内(父の車が先導してくれたのでほとんど役に立ってなかったけど)。 車の中でお嬢は助手席、小太郎は後部座席で私のヒザの上だったけど、ふたり とも知らんぷり…。きみたちってば。 途中のスーパーでお昼ゴハンを買って、おうちでまったりお食事しながらお しゃべりタイム。前回は町田のグランベリーモールで会ったのだけど、人が多 くて犬たちは落ち着かない様子だった。なにしろ二頭ともびくびく犬なもので。 なので、今回は邪魔者のいないところでまったりデートなのだ。小太郎が歩け ないフローリングの床をお嬢はトコトコ歩いている。おお! これが犬っても んだよ。自分ちなのにフローリングにオドオドしている小太郎と、他人んちな のにフローリングも絨毯も畳もズンズン歩くお嬢。すっかりリラックスモード。 いつも小太郎が日向ぼっこしている座布団をめざとく発見して、日向ぼっこし ちゃう、そんなお嬢がかわいい。 小太郎は私のヒザの上にいたり、隣の部屋にいる父のところに行ったりしてい た。お嬢はホットカーペットの上でのびのび。暖かいのよね。どっちがこの家 の犬だかわからなくなってきた。お嬢、馴染みすぎだよ。 広場までお散歩。小太郎はいつも通り走り回っていたけど、お嬢はあくまで早 足だった。晴れていたけど、風が寒かったので、一巡りして帰ってきた。 そのあと、またお茶を飲みながらおしゃべり。途中で、飼い主ふたりは二階の Macをいじりに行ったのだけど、その間一階にいたお嬢は二階のほうを見上げ て寂しげにしていたらしい。隣の部屋に父と小太郎がいて、私たちが二階に上 がる前はお嬢は寝ていたから、そのまま寝ているかと思ったのに、いなくなっ たのにちゃんと気づいたみたい。いじらしい。 せっかく会ったというのに、二頭で一緒に遊んだりしないし、喧嘩したりもし ない。途中で一回だけお嬢が吠えて、小太郎はびびって私のところに逃げてき た。それだけ。お互い、干渉し合わない主義らしい。いるのはわかっているけ ど、知らんぷりなのだ。 お嬢が家に入ってきたら、小太郎はもっと吠えるかと思ったけど、車の中から 一緒だった所為か、最初にちょっと吠えただけですぐに大人しくなってしまっ た。知らない人が家に上がるときも吠えるのに、れーこさんにもあんまり吠え なかった。家に父もいたし、お嬢とれーこさんが居る間も落ち着いていた。私 たちの方にはあんまり寄りつかなかったけど。 微妙な距離感のお嬢と小太郎。他のチワワとはどうなっちゃうのか見てみたい 気もするけど、ちょっと怖い気もする。お嬢だからいいのよね。また遊んでね。 れーこさんからもらったお洋服とリード。お嬢とお揃いでかわいい。リードも パーカーも欲しかったので、嬉しかった。リードっていいの、あんまりないの よね。シックで素敵。 TOBO...TOBO...(お嬢&れーこさん) http://tobo.j-mx.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●癒しの名作◆『電車男』 [2005年03月18日(金)] ──────────────────────────────────── 『電車男』中野独人/著(新潮社)ISBN:4104715018 http://www.bk1.co.jp/product/02480113/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── 積ん読のままにして旬を逃してはいかんと思い読み始めたのだけど、これ、す んごい面白い。夢中で一気に読んでしまった。 最初のいきさつを説明する電車男の「どうやって文章って短くするんですか… ?」とかいう朴訥っぽいセリフの数々になんかこの人の言葉のセンスのよさを 感じる。そして電車男の世界に引き込まれてゆくのだ。 電車の中で酔っぱらいから助けた女性との出会いからおつきあいに至るまで、 掲示板の住人たちとの臨場感あふれる迫真のやりとり。読んでいると興奮して きてしまう。 相手の女性は助けられたお礼にエルメスのカップを送ってきたことからエルメ スと呼ばれるが、ちょっと天然系のお嬢様。だけど思いのほか積極的。この話 って、もてない男が掲示板の住人たちのアドバイスのもとに自分に気のない女 性にアタックする話だと思っていたけど、エルメスって気がないどころか電車 男に惚れてるんじゃん。向こうからアプローチかけられてるじゃん。なんかそ このところはちょっと意外だった。 だけど、いくら向こうからアプローチされたって、もてたことのない電車男は どうしていいかわからず、掲示板でアドバイスを求めるのだ。最初は電話する 勇気がないと言っていた電車男が掲示板の住人たちに背中を押され、勇気を振 り絞って電話。そしてカップのお礼に、と食事に誘うことに成功。そしてその 後も次々と新たな展開が待っているのだ。その度に盛り上がる掲示板の住人た ち。ああ、この人たちって…なんだかかわいい。そして愛おしい。 なんかね、癒された。すごく。この感覚ってなんなんでしょう。 あの2ちゃんねるにこんな世界があったのね。 でも、この本に収録されているのは、実際のやりとりの極々一部らしい。なの で、実際はもっとひどい書き込みとかあったのかも。こんなほのぼのとしたや りとりばかりではなかったのかも。 そしてこの電車男も実は実在すら怪しいのかも。それでも、この話が例えフィ クションでも、いいと思う。だってこの本がベストセラーになったということ は、私のように、この本を読んでなんだか癒されるって思う人がいっぱいいた ということなんだと思う。癒されなくても、面白がって読んでる人たちがいっ ぱいいるのだと思う。それでいいじゃないかと思う。 そして、この本に掲載されている書き込みはたぶん、実際に2ちゃんねるの掲 示板でやりとりされたものなのだから、そういう意味ではこの本はノンフィク ションなのだ。うーん、掲示板から生まれた名作だ。すごすぎる。 2ちゃんねる http://www.2ch.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●嶽本野ばら×高橋真琴のコラボレーション◆『うろこひめ』                          [2005年03月24日(木)] ──────────────────────────────────── 『うろこひめ』 嶽本野ばら/文、高橋真琴/絵(主婦と生活社)ISBN:4391130300 http://www.bk1.co.jp/product/02503925/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── 嶽本野ばらの作品を初めて読んだ。映画「下妻物語」が面白くて、なんとなく 嶽本野ばら的世界を体験してみたくなった。 この本は絵本仕様で、一応子ども向けらしい。その割に文章はいっぱい。絵本 というより児童文学かなぁ。 著者は、「下妻物語」のロリータちゃんもそうだったけど、人になんと言われ ようと我が道をゆく、ちょっと根性が曲がった美少女というのが好きみたい。 うろこひめもそう。しかも自分で、性格がねじ曲がってるることをちゃんと認 識してる。分かっててやってるってところがまたいい。 双子のお姫様の一方はとても美しくて、性格もよい。もう一方はあまりの醜さ に塔に閉じこめられてその存在すら忘れられている。ところが、美しい方のお 姫様が急死して、醜いお姫様は魔法使いの魔法で美しくなって身代わりになる。 でも美しさを維持するためには、6日に一度、人を食べなければいけない。し かも、背中には醜いウロコが生えている。そして、姫は躊躇なく人を殺して食 べ続け、美しさを維持する。そうまでして美しさを維持したいと言い切ってし まうお姫様。性格悪くたって美しければいいのよって。 世間では、外見より中身って言うけど、実際は外見が勝負じゃないって公言し ちゃう強さ。そういうのってちょっと憧れる。だって、ほんとにそうだ、って 思うこと、あるし。そういうところが、きっと、嶽本野ばらファンを引きつけ ているんだろうな。 世間に迎合せず、他人は他人、自分は自分じゃない、っていう生き方。それが どんなに残酷だって、自分が信じてやっていることなんだからいいだ。このお 姫様にとっては。一番残酷なのはお姫様。だけど、そのお姫様に説得させられ てお姫様に迎合している王様たちのなんと哀れなこと。本人たちは気づいてな いけど。 で、お姫様は最後の最後まで自分の意思を貫き通してしまうのだ。単純にめで たしめでたしで終わらないところがまた、いい。 お姫様のイラストの大家、高橋真琴の絵が素敵。著者が是非にと指名したんだ そう。イラスト見てるだけで楽しめるのだけど、嶽本野ばら的世界と絶妙にマ ッチしていて、相乗効果で二倍楽しめる。子どもの頃、こういうお姫様に憧れ たのだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●それぞれの恋愛◆『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』                          [2005年03月29日(火)] ──────────────────────────────────── 『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』 江國香織/著(集英社文庫/集英社)ISBN:4087477851 http://www.bk1.co.jp/product/02516673/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── 恋愛の短編10編。それぞれの日常と、それぞれの「変」を描く。「変」ってい うのは、その人たちの間だけのルールのようなもの。どこの家庭でも、「普通」 っていうのはなくて、絶対にその家庭だけのルールとか文化のようなものがあ る。例えば、ご飯のときはテレビは見ないとか、お風呂はお父さんからとか、 ラーメンの賞味期限が過ぎても一週間は大丈夫、とか。お嫁さんとか同居する と、そういうルールに慣れないから大変なのだ。 で、そういうルールって友達の間とか、男女の間にも存在していて、本人たち には都合がよかったり当たり前なんだけど、他人から見たらちょっと「変」だ ったりする。江國香織はそういう「変」なところを普通に描くのがうまい。と 思う。 特別な事件は起こらない、淡々とした日常なのだけど、だけどそれは決して 「普通」ではなくて、その時、その瞬間にその人たちの間に起こった特別な事 なのだ。それに、なんとなく共感したり、「え?」って思ったり、そんなこと もあるのかなぁと思ったり。不倫とかね、普通の事のように書いてある。相手 に奥さんがいるというだけで、本人にとっては普通の恋愛なのよね。実際に好 きになったらそんな感じだろうなと思ってしまう自分がいる。恋愛って切なく て痛いなぁ。。。痛いのも切ないのも嫌だから、わたしは、ついつい敬遠して しまう。だから負け犬なのか…。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●やっぱり好き◆『レ・ミゼラブル』 [2005年03月31日(木)] ──────────────────────────────────── 『レ・ミゼラブル』 帝国劇場 2005年3月8日-5月29日 作:アラン・ブーブ リル、クロード=ミッシェル・シェーンベルク 原作:ヴィクトル・ユゴー  音楽 クロード=ミッシェル・シェーンベルク 作詞:ハーバート・クレッツ マー オリジナルのフランス語テキスト:アラン・ブーブリル、ジャン=マル ク・テナル 編曲:ジョン・キャメロン 翻訳;酒井洋子 訳詞:岩谷時子  潤色・演出:ジョン・ケアード、トレバー・ナン ──────────────────────────────────── 昨日、帝劇で『レ・ミゼラブル』を観てきた。センターブロックのS席中程の 列でいままで観た中では一番見やすい席だった。前回の公演のときはなぜかサ イドばかりだったので、観にくかったのだ。 『ミス・サイゴン』も同じシェーンベルクの曲だけど、『レ・ミゼラブル』の ほうが好き。原作も好きだし、話がいいのだろうな。いっぱい人が死ぬのだけ ど、それがなんだか清々しい死に方だからかもしれない。 ジャン・バルジャンが司教に銀の燭台をもらうシーン。バリケードで闘って若 者たちが死んでゆくシーン。マリウスが死んだ仲間たちを忍んで自分だけ生き 残ったことを後ろめたく思うシーン。テナルディエ夫妻のシーン。今回観てみ て、改めて、好きなシーンがたくさんあるなぁと思った。 『レ・ミゼラブル』という作品の中に、男女の恋愛とか、友情とか、若者の革 命への情熱とか、慈悲の心とか、金銭への執着とか人間の愛憎がたくさん込め られていて、複雑だけど、最終的には人間愛を感じさせるのだ。 今回のキャストは別所哲也(バルジャン)、岡幸二郎(ジャベール)、井料留 美(ファンティーヌ)、笹本礼奈(エポニーヌ)、剣持たまき(コゼット)、 森久美子(マダム・テナルディエ)、駒田一(テナルディエ)、坂元健児(ア ンジョルラス)、泉見洋平(マリウス)。 全体的にはぱっとしないキャスティングだけど、それでも楽しめたので、やっ ぱり作品がよいのだなぁと実感。別所さんは前に見たときの方がよかった気が する。坂元健児はやっぱりよい。泉見マリウスは初めて観た。泉見洋平は好き だけど、マリウスとしてはちょっと違う。泉見マリウスはやんちゃな感じなの だけど、私の中ではマリウスってもう少しクールな感じなのよね。森クミと駒 田一のテナルディエ夫妻はとってもよかった。彼らが出てくると楽しい。 この作品を観ると、いつも原作を読み返したくなるのだけど、長いので結局読 まないまま。 『レ・ミゼラブル』 http://www.toho.co.jp/stage/lesmis/welcome-j.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ふわふわゆらゆら◆『薬指の標本』 [2005年04月03日(日)] ──────────────────────────────────── 『薬指の標本』小川洋子/著(新潮文庫/新潮社)ISBN:4101215219 http://www.bk1.co.jp/product/01546448/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── またもや小川洋子的不思議空間に引き込まれてしまった。舞台は日本だと思っ て読んでいるものの、「薬指の標本」がフランスで映画化されると聞くと、そ うか、日本でなくてもまったく違和感ないなぁと思った。無国籍。 登場人物などの固有名詞があまり出てこない。無個性かと言えばそうでもない のだけど、つかみどころのない登場人物たち。生活感がないというか、現実感 がないというか。ふわふわした感じが読んでいて不安になる。心が揺れる。 収録されているのは表題作と「六角形の小部屋」の二編。 「薬指の標本」では事故で薬指の先を失った若い女性が「標本室」で事務員と して働くことになる。ひとびとの思い出のものを標本にして保管するだけの場 所。そこで一人標本を作る弟子丸氏。年齢不詳。もと女子アパートだった建物 で、老婦人二人が今も住んでいる。こんな設定だけでも小川洋子ワールド満開。 現実と切り離されたような不思議空間で繰り広げられる小さなエピソードが重 なって、とうとう最後に語り手の「私」はある決意を胸に最後の扉に向かう。 え、このあとどうなるのっていう終わり方。読後も不安感が続く。でもそれが いいのだ。読者の想像がふくらむ。 「六角形の小部屋」もまさに不思議空間。小部屋の中では何を語ってもいい。 主人公の女性が語る内容はリアルな現実なのだけど、その小部屋は異空間。そ の小部屋を管理する母と息子も非現実の住人っぽい。現実と非現実の絶妙なバ ランス。これが小川洋子ワールドなのね。やっぱりこの話も読後は不安感いっ ぱい。でも小説的には完結してるのよね。こういう発想ってどこからくるのか しら。小説家ってすごいと思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●怪しくない自然療法◆『癒しのホメオパシー』 [2005年04月09日(土)] ──────────────────────────────────── 『癒しのホメオパシー』渡辺順二/著(地湧社)ISBN:4885031680 http://www.bk1.co.jp/product/02217604/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── ホメオパシーというものを初めて知った。一種の自然療法のようなもの。日本 では馴染みがないが、海外では一般的だと著者は言う。 レメディと呼ばれる薬を使う。レメディの原料は鉱物や植物などすべて自然の もの。エキスを抽出して極度に薄めたものだ。その薄め具合のことをポーテン シーと言って、薄いものほどポーテンシーが高く、ポーテンシーが高いものほ ど精神的な疾患に効き、低いものほど肉体的な疾患に効くのだそう。その製造 過程では、液を振ることが重要で、薄める過程では同時に振るという作業も加 わっている。 レメディは自然由来のものであるということと、極度に薄められていることか ら、効かないことはあっても、基本的に副作用はない。レメディによって自然 治癒力に刺激をあたえ、それによって身体のバランスが整い、病気が治るのだ そうだ。現在、3000種類以上のレメディがあり、その数は増え続けているらし い。 ホメオパシーは19世紀初頭にドイツのハーネマンという医師によって確立され た医療体系のひとつ。日本では同種療法と訳される。 同種療法というのは、病気と同じような特徴を持つ薬を用いて病気を治すこと。 症状があれば病名がなくとも、どんな病気でも治せるそうだ。肉体的なものだ けでなく、精神的な症状にもよく効く。 …などと書いていてもとりとめもなくて、とても一言で言い表せない。 「ホメオパシーを一言で説明するならば、表に現れた症状を治すだけでなく、 感情、精神を含めたその人全体のバランスを整える治療法であるといえるで しょう。したがって病気や症状治療というより、人間そのものの治療ともいえ ます。」 本書からの引用すればこういうことのなのだが、これだけ読んでもおそらく何 のことか分からないだろうと思う。要するに…、と説明できないのだけど、こ の本一冊読めば、なんとなくだがホメオパシーの概略はわかる。 ホメオパシーの医師のことをホメオパスと言うんだそうだが、この診察は、き め細かに患者さんのことを知ることが重要で、現在の状況とか生い立ち、趣味 嗜好などから患者さんの性格や特徴を知って、その患者さんに合ったレメディ を処方するんだそう。カウンセリングに近いのかも。 日本ではあまりそういう心の深部をさらけ出すような文化がないので、たとえ 治療のためでも今の症状に関係があるかどうかわからないような個人的なこと まで話すような診療方法は馴染まない気がする。だからあまり普及してないの かも。 漢方に似ているのかと思ったけれど、漢方とはまた違う。少し神秘的で不思議 なところがある。でもその治療実績は確固たるもののようだ。英国の王室の主 治医にもホメオパスがいるんだそう。怪しい民間療法とも一線を画している。 日本で普及させるには、まずは優秀なホメオパスの育成から始めないといけな いだろう。診療者によって出される薬が違うだろうし、その治療実績にも大き な差が出てきそう。普及にはまだまだ時間がかかりそうな予感。メリットの大 きい治療法なので、もう少し一般的になるといいのに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●怪物夫婦の里帰り◆『シュレック2』 [2005年04月13日(水)] ──────────────────────────────────── 『シュレック2』(2004年/アメリカ) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=ASIN/B0001M0A8O/qid=1113347457/sr=1-2/ref=sr_1_2_2 ──────────────────────────────────── 前作『シュレック』で結ばれた怪物カップルが、今度は花嫁の実家に里帰り。 お城の王様とお后様は美しくなったとばかり思っていた娘のフィオナ姫が怪物 の姿でびっくり。おまけに結婚相手のシュレックも怪物だしね。 妖精のゴッドマザーは息子のチャーミング王子とフィオナ姫をくっつけようと 画策する。どうやら王様はゴッドマザーに弱みを握られてるみたい。王様が シュレックを亡き者にしようとして雇った刺客は長靴を履いたネコ。でもいつ のまにかシュレックの仲間になっちゃった。 前作同様、いろんなキャラクターが登場して、有名映画のパロディもいっぱい で楽しい。ストーリー的には今回の方が好き。フィオナ姫の両親は人間なのに、 なんで本当の姿が怪物なのかナゾだったのだけど、最後にそのナゾがちょっと 解ける。納得。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●明治の愉快な漂流記◆『無人島に生きる十六人』 [2005年04月17日(日)] ──────────────────────────────────── 『無人島に生きる十六人』須川邦彦/著(新潮文庫/新潮社)ISBN:02338390 http://www.bk1.co.jp/product/02338390/p-akane01465/ ──────────────────────────────────── 時は明治31年。無人島に漂着した16人の海の男たちの冒険譚。冒険好きの椎名 誠氏が絶賛するだけあって、面白い。子どもにも読みやすい文章で、ワクワク するようなストーリーになっている。 ストーリーと言ったけれど、実際にあったことらしい。だからノンフィクショ ンなのだけど、たぶん多少は味付けがしてあると思う。だって、とにかく悲壮 感がなくて愉快な漂流記になっているのだもの。実際には乗組員同士の喧嘩だ ってあっただろうし絶望したこともあっただろうと思う。解決できたトラブル ばかりではなかったはず。だけど、そんなことをおくびにもださない描き方が この本の魅力なのだ。 無人島に漂着してから決めた四つの決まり事。 「一つ、島で手に入るものでくらして行く。  二つ、できない相談をいわないこと。  三つ、規則正しい生活をすること。  四つ、愉快な生活を心がけること。」 十六人はこの決まり事を守って、助けが来るまで無人島生活をエンジョイした のだ。私が好きなのは、四つ目。生きていく上で必ずしも必要でなさそうだけ ど、実は一番大事なことなのではないかと思う。この「愉快に」というキーワ ードはたびたび登場する。それから、若者たちは無事に帰還したときのために、 勉強にも励む。教師は船長以下の先輩乗組員たち。無人島=サバイバルと考え がちだけれど、愉快に楽しく、勉強も…という船長の考えはリーダーとして立 派だ。こういう船長だったからこそ、十六人が一人も欠けることなく生還でき たのだと思う。 シャクルトンのエンデュアランス号の漂流記は寒いところの話だというのもあ るし、悲壮感が漂っていてあまり好きではない。こういう、悲惨な状況の中で 明るく楽しく前向きに頑張る人たちの話のほうが元気が出る。 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 日記ブログ「へにょへにょ日記」は毎日更新中。。。 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ──────────────────────────────────── =[PR]================================ 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/000389a5.22be7a25/?url=http%3a%2f%2fwww.rakuten.co.jp%2f ==================================== =[PR]================================  ★┃今┃週┃の┃ベ┃ス┃ト┃セ┃ラ┃ー┃★┃  ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 【楽天ブックス】流行の本を今すぐチェック!! http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=IGOG8+K8RCI+1N6+61JSJ ==================================== 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