□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0060 □□□□□□□□□□□ 2003/12/09 Tue.---Since2000/01/26  前号の発行部数146 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  展覧会が近づいて来て、慌ただしくなってきました。しかも年末。慌  ただしさも倍増です。展覧会終わったら年賀状も書かなきゃです。今  回の怪作展には油彩画50号2点と30号2点を出品予定。なんとか描き  上がりました。お近くの方はお散歩がてら観に来てくださいませ。  展示風景は「怪作展 Web Site」にも載せる予定です。    『怪作展』  12月11日(木)-17日(水)  11:00-19:00(最終日は16:00まで)  EPOホール(小田原エポ 5階)   小田原駅(JR東海道線・東海道新幹線・小田急線)から徒歩5分    出品者、過去の展示風景などは「怪作展 Web Site」で。   http://akane.pos.to/kai/   ÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷ 【お知らせ】《Pubzineをご利用されている方へ》 「無料メルマガ配信スタンドPubzine」が2004年2月9日でサービスを終了しま す。(→Pubzine終了についてのお知らせ http://www.pubzine.com/ ) つきましては現在Pubzineの配信サービスを利用されている方(このメールの From欄がpubzy@pubzine.comになっている方)で、2004年2月9日以降も「茜色 通信」の配信を希望される方はお手数ですが他のメルマガスタンドへ登録し 直してください。「茜色通信」は現在、まぐまぐ、E-Magazine、カプライト、 Macky!、melma!、めろんぱん、posbeeというスタンドから配信しています。 お好きなスタンドへご登録ください。(各スタンドのURLとメルマガIDなどは 文末および下記の「茜色通信」のサイトに記載してあります。参考にしてくだ さい) →「茜色通信」 登録・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●犬にハーブの効用◆『バスター先生と小さな仲間たち』[2003年10月27日(月)] ●犬と人間の物語◆『奇跡をくれた犬たち』 [2003年10月31日(金)] ●知らないということを知る◆『バカの壁』 [2003年11月03日(月)] ●結末はどうだった?◆『そして誰もいなくなった』 [2003年11月07日(金)] ●ティーンズから官能へ◆『貴腐(きふ)』 [2003年11月08日(土)] ●芸達者揃いで楽しい◆『十二夜』 [2003年11月10日(月)] ●それでも読んでしまう◆『陰陽師 太極ノ巻』 [2003年11月11日(火)] ●ちょっとネタバレ◆『そして誰もいなくなった』 [2003年11月13日(木)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ──────────────────────────────────── [PR] ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 『Amazon.co.jp マーケットプレイスストア』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/1058424 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●犬にハーブの効用◆『バスター先生と小さな仲間たち』[2003年10月27日(月)] ──────────────────────────────────── 『バスター先生と小さな仲間たち』 バスター・ロイド・ジョーンズ/著、坂本徹也/訳(実業之日本社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02330670 ──────────────────────────────────── この本は、とあるサイトのプレゼントで、応募したら当選した。帯には「世界 のペット愛好家たちに今なお慕われている伝説的な英国獣医師バスター・ロイ ド・ジョーンズの自伝。」と書かれている。私は知らなかったのだけど、そん な獣医師がいたんだ。 バスター・ロイド・ジョーンズ(1914−1980年)はイギリスで活躍した獣医師で、 幼い頃に小児麻痺を患い不自由な体をかかえながらも動物たちを愛し、獣医師と して多くの動物たちとかかわった。 彼はハーブを使った治療法を開発して、ディーンズという会社を作り、そのサ プリメントや薬などの製品は今でも販売されている。実は、偶然にもネットで その製品を販売しているところを見つけて、私の愛犬、チワワの小太郎のため に購入してしまった。秋に入ってなんだか身体がかゆいらしく、しょっちゅう カリカリしているので、なにかいい薬がないかなぁと思っていたところだった のだ。で、このバスター先生の薬は100パーセント自然のものらしいので、ちょ っと使ってみようと思って。 湿疹ができていたので、塗り薬と、身体に塗ってマッサージするクリーム、シャ ンプーを買ってみた。シャンプーは今まで子犬用の低刺激のものを使っていた のだけど、小太郎に合わなくなったみたいなのでいいものがないかと探してい た。犬にやさしいという触れ込みのシャンプーはいっぱいあるけれど、どれが いいのかよくわからない。ここは一つ、バスター先生のシャンプーを使ってみ ることに。結果、シャンプーは一回しかしてないのでよく分からないのだけど、 毎日クリームでマッサージしてあげていたらかゆいのはなくなったみたい。湿 疹も治った。 クリームは皮膚のかゆみを取ったり、毛のつやをよくしたりする効果があるも のなのだけど、手に取るとハーブのいいにおいがする。この匂いを嫌がるかな と思ったのだけど、全然平気で、むしろ目がトロンとして気持ちよさそう。ク リームマッサージは最近の朝の日課になっている。 バスター先生は、小さい頃から動物が好きで、動物のために生活を捧げたよう な人生だ。自宅に多くの犬を保護してスタッフを集めて世話をしたり、診察を したり。戦時中は疎開する飼い主たちから多くの犬を預かったりしている。中 には預けたまま迎えに来ない飼い主もいたようだけど。 その診察方法も独自の自然療法で、多くの動物たちを救った。しかし、弟子を 取らなかったので、それを継承する人がいないことを最後に悔やんでいる。あ まりに忙しすぎて、技術や知識を人に教える余裕がなかったのだ。それは私た ちに取っても残念。しかし、サプリメントなどは買えるので、バスター先生の 恩恵には預かっている。バスター先生ありがとう。 ディーンズの商品はここで買えます! 『GREEN DOG』 http://ad.trafficgate.net/f/n/188/137/31348/http://www.rakuten.ne.jp/gold/greendog/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●犬と人間の物語◆『奇跡をくれた犬たち』 [2003年10月31日(金)] ──────────────────────────────────── 『奇跡をくれた犬たち』篠原淳美/著、米山邦雄/写真(ダイヤモンド社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02194551 ──────────────────────────────────── 犬のしつけ教室を開く著者が出会った犬と人間の物語。飼い主に虐待されたあ と、隣人に保護され、新しい飼い主のもとへ引き取られた犬、奥さんに懐き旦 那さんに嫉妬する犬、やむ負えない事情で著者のもとへ引き取られた犬、病気 の飼い主の心の支えになった犬など様々な運犬たちの逸話が収録されている。 それと同時に、犬の繁殖で一儲けを、と飼い始めたラブラドール・レトリーバ ーと暮らすうちに犬への愛情にめざめ考えを改めた飼い主、犬を飼うことがで きない施設の子供たちとの交流、処分される犬たちを救うために奔走するボラ ンティアなど犬と関わる人間のエピソードも織り込まれている。 著者が暮らすのは自然がいっぱいの農業地域らしいのだけど、そこでは犬は昔 から番犬で、外で放し飼いというのが当たり前という意識が未だにあるらしい。 犬についての知識も乏しい人がいて、フィラリアことも知らず、当然、予防も していない。そういう人たちがいるということに驚いた。一昔前ならともかく、 今はフィラリア予防は常識だと思っていた。 今は犬の寿命は10年以上だけど、昔は数年というのが普通だった。塩分や添加 物の多い人間の食べ物のあまりものをもらっていたり、フィラリアにかかって 死んでしまうからだ。今は栄養バランスのいいドッグフードと様々な予防注射 などで犬の寿命は延びた。そのため、介護まで必要な長寿犬も多い。 犬と人との関係も、飼い主と番犬ではなく、家族の一員という風に変わって来 ている。ペットの役割も時代によって変わってくるのだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●知らないということを知る◆『バカの壁』 [2003年11月03日(月)] ──────────────────────────────────── 『バカの壁』養老孟司/著(新潮親書) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02309600 ──────────────────────────────────── 脳の先生、解剖学者の養老孟司センセイのベストセラー。あまりこの人の本は 読んだことがないけれど、大学時代、弟子の布施英利さんの本をよく読んでい た。布施さんは『死体を探せ!』(法蔵館)などの著書があって、都市から消 えてしまった死体の謎に迫っていた。人は確実に死んでいるのに、死体がない。 死体はどこにあるのかって不思議だった。人は死んでも一般人の目に触れるこ となく処理されてしまうのだ。なぜそんなに隠す必要があるのか、って当時考 えていたので、布施さんの著書に激しく共感したものだ。ちなにみ布施さんの 肩書きは芸術学者。 布施英利 美の解剖室 http://www.fuse-b.com/ で、養老センセイのこともその頃から知っていた。解剖学、脳についておもし ろそうな本を書いている人だと思いつつ、その著書はあんまり読んだことがな い。新聞や雑誌などにインタビューや対談がよく載っているので、そういうも のは読んでいるけど。そういえば、テレビに出演していたのを見たことがあっ て、そのときに、「恋愛は脳の病気」というようなことを言っているのが面白 かった。一時的に脳が病気になって、恋愛は燃えるけれども、あとで冷めてし まうものだということらしい。なるほどね。脳のメカニズムを説き明かすと恋 愛感情というのもそんなもんなのね。だから結婚してからもずぅーーっとラブ ラブってのは無理なのだ。 『バカの壁』はそんな養老センセイのエッセンスがたっぷり詰まっている。と にかく、社会のいろんなことが「バカの壁」という考え方でちょっと分かって くるから不思議。宗教、教育、未来の人間像、科学、戦争、政治、スポーツま でとにかくあらゆることについて語っている。この本は養老センセイがしゃべ ったことを編集者がまとめたものだと言うことで、文章もこなれていて読みや すい。 しかも、この本の内容は前書きに集約されているのだ。つまり、人間にはどう したってわからないことがある、ということ。それが「バカの壁」。わからな いことをわかろうとして悩むよりも、わからないことがあるということを知る ことが大事なのだ。「バカの壁」の存在を知っていれば、もっといろんなこと がスムーズに運ぶかも。 人は何かとわかったつもりになってしまうけれど、実はわかっていないことっ て多い。養老センセイは医者でもあるわけだけど、身につまされたのは、医者 と患者の関係について語っているところ。 「病気の苦しみには何か意味があるのか。医師のなかには、そんなものには何 の意味も無いとして、取り去ることを至上のこととする人もいるでしょう。し かし、実際はそうでないと、患者は苦痛で苦しいうえに、その状態に意味が無 いことになって、二重の苦しみを味わうことになる。 『苦痛に意味がある』というのは宗教的な考え方で、場合によってはいわれの 無い社会的な差別のようなものまでを必然としてしまうという危険な面もあり ます。それでもやはり、たとえ苦痛にでもプラスの面もある、という多面的な 考え方は必要なのです。」 思わずうなずいてしまった。医者は苦痛を取り去ることが患者のためだと思っ ている。でも患者からしたら苦痛は取り去って欲しいけれども、必ずしも医者 の考えと同じではないかもしれない。たとえば、私のように副作用の強い薬を 使うのであれば、多少は元来の病気の症状が出ても、時間がかかってもなるべ く副作用の少ない治療法を選ぶかもしれないし、人によっては、激しい副作用 が出ようともなるべく早く治療を進めたい人もいるかもしれない。 苦痛にプラスの面もあるというのは本当で、私は病気になってから階段の上り 下りが苦痛で、地下鉄の階段によく悩まされている。エスカレーターがここに ついていたら、とか、もうちょっとこうしてくれたら、などとよく思う。老人 や、障害者の視点に立つことができた。 そういうことに気づくことのできる医者とそうでない医者では、同じ治療をし ても、患者の受け取り方が全然違うはずだ。患者の気持ちをわかってくれる医 者、というのは、実は、病気の苦痛は本人にしかわからないということをわか っている医者なのかもしれない。 この本の最後の方で、一元論と二元論について語られている。これにも激しく 納得。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教は一元論の宗教なのだそうだ。一神 教で、ひとつの神しか認めない。だから一方からしたら一方は偽物以外の何者 でもない。その考え方はあらゆるものに及び、自分たちの考え方と違うモノは 認めないのだ。だから戦争になる。 そうではなくて、二元論の視点に立てば、男もいれば女もいる、私たちの神も いればあなたたちの神もいる、私たちの文化があればあなたたちの文化もある、 私たちの歴史もあればあなたたちの歴史もある、そんな考え方ができるはず。 日本人は元来、そういう考え方を持っていたはずなのに、最近はすっかり一元 論的な考え方になってしまっているよう。 しかし逆に、そういう風に一元論と二元論の違いを説明されれば、アメリカの あの強行姿勢はそうだったのか、とか、妙に納得するところもあって、一元論 的世界を知るきっかけにもなった。相手は二元論を理解できないのだ。自分が 知らないということを知ることも大切だし、相手も自分のことを知らないとい うことを知ることも大切。知らない同士でも話をすることはできる。相手の一 元論的視点に立ってみると意外にスムーズに話が進むのかもしれない。日本の 偉い人たちはこの本を読んでいるのかなぁ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●結末はどうだった?◆『そして誰もいなくなった』 [2003年11月07日(金)] ──────────────────────────────────── そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー/著、清水俊二/訳(ハヤカワ文庫 クリスティー文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02373749 ──────────────────────────────────── この小説が原作の舞台を観に行く予定。有名な話なので、だいたいは分かって いるのだけど、結末がどうだったか気になったので、買ってみた。ハヤカワ文 庫からクリスティー文庫が創刊され、新訳だというし、本屋に平積みされてい たからちょうどよかった。新訳だからかわからないけど、読みやすかった。 テレビドラマとか、この話を元にしたモノは見ていたんだけど、本家を読んだ ことがなかった。孤島に集められた10人がインディアンの歌の歌詞どおりに次 々と殺される。そういう話だというのは知っていた。で、犯人は?と思い当た って、結末がどうにもわからない。ドラマとかだとアレンジしてあったりして、 見たものによって違っていた。果たして原作はどうなんだろう。 ここで結末は明かせないけど(って有名な話だから明かしたっていいんだろう けど、一応お約束だから)、私の謎は解けたので、すっきり。なるほど、なる ほど。 でも舞台版はまたちょっと結末がアレンジしてあるらしい。どう変わっている のか見るのも楽しみ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ティーンズから官能へ◆『貴腐(きふ)』 [2003年11月08日(土)] ──────────────────────────────────── 『貴腐(きふ)』藤本ひとみ/著(文春文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02371602 ──────────────────────────────────── 藤本ひとみと言えば、私が中高生の頃に一斉を風靡したティーンズ小説の作家 だと思うのだけど、当時の作品はもう絶版になってしまっているのかなぁ。 まんが家まりなシリーズというのがあって(まりなはカタカナだったかも)、 友人が全部集めていたので、それを借りて読んでいた。登場人物は現実離れし ているものの、フランス史の知識に裏付けされた緻密なストーリー展開が魅力 だった。現実離れしている登場人物も、個性的魅力的で私は好きだった。自分 でシリーズを集めるほどではなかったけれど。 最近はマリー・アントワネットやナポレオンなど歴史上の人物を主題にした作 品を多く書いているらしい。あの藤本ひとみの作品ならきっと面白いだろうと は思うのだけど、かなりフィクションが入っていそう。と、思ってまだ読んで いない。歴史上の人物が出るのはノンフィクションっぽいほうがいいんだよな ぁ。 『貴腐』は、副題に「みだらな迷宮」とついていて、その帯には「満たされる ことのない欲望に身をこがし、性愛遊戯の餌食となった男と女」「快楽の果て の奈落にあなたは戦慄する……」なんてなコピーがついている。官能小説とま ごうばかり。 ティーンズ小説の藤本ひとみが書く官能小説はどんなもんかい、と思って読ん でみた。まぁ、フランスだし、マルキド・サドに影響受けてるんだろうなぁと は思っていたけど、サドほどに強烈ではなかった。だって、ストーリーがちゃ んとしてるし。ちなみに、藤本ひとみは『侯爵サド』という作品も書いている。 貴腐』はフランス革命のさなかの貴族たちの退廃的な性愛を描いている。日夜、 性の狂乱にふける貴族女性が結婚後15年も処女のままだという女性を手玉にと り貶めようとした過去を語る。計画はうまくいくものの、その先には意外な結 末が待っていた。 もう一編の『夜食(スペ)』は年老いた修道女が快楽へ導かれる様子が語られ る。そして若くして快楽に耽る未亡人。二人に対するのは美貌の修道士。なん だかこういう登場人物だけでもう淫らな感じ。藤本ひとみってこういうシチュ エーションを作るのがとってもうまいのだ。美貌の修道士って・・・(笑)。 こういう人を恥ずかしげもなく、もったいつけることもなく普通に登場させて しまうっていうのがすごいのよね。 二編とも語り口は上品なのに、きわどい場面もありつつ、いったいどうなるん だろうと期待させるストーリー展開。最後まで一気に読んでしまった。やっぱ りただの官能小説じゃなかった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●芸達者揃いで楽しい◆『十二夜』 [2003年11月10日(月)] ──────────────────────────────────── 大地真央主演のミュージカル『十二夜』を観てきた。帝劇の一階S席で、なか なかよい席。原作はシェークスピア。東宝のオリジナルミュージカルであんま り期待しないで行ったのだけど、思いがけず面白かった。 期待しなかったとは言うものの、キャストが割とよかったので、これでつまら なかったらなんだかなぁとは思っていたのだ。 物語の進行役の道化に川崎麻世、原作にない猫という役に本田美奈子。本田美 奈子の歌は、私は結構好きだったりする。この二人が狂言回しなのだけど、猫 がかわいくて◎。この時代の道化といえば川崎麻世のようないい男というより も、見た目が不細工なイメージがある。だから、なんとなく道化という感じは しなかったのだけど、オヤジギャグ連発でその役割はちゃんと果たしていた。 もともとシェークスピア劇の道化って場を和ませるのよね。そういう雰囲気は 出ていた。 主演大地真央は国を追われ、双子の兄セバスチャン(岡幸二郎)と生き別れた 王女ヴァイオラ。流れ着いた国の領主オーシーノー侯爵(鈴木綜馬)に男装し てシザーリオという名で仕えることに。そのオーシーノー侯爵は伯爵令嬢オリ ヴィア(愛華みれ)に求愛しているが、兄の喪に服していることを口実に断ら れ続けている。ヴァイオラは侯爵に恋をし、オリヴィアは侯爵の使者としてオ リヴィアの元に行ったシザーリオ(男装したヴァイオラ)に恋をする。恋の糸 はもつれてすったもんだのあげくに生き別れた双子の兄が登場してオリヴィア と結ばれ、実は女だとわかったヴァイオラと侯爵は結ばれて大団円。ま、この 終わり方ってかなりご都合主義だけど、それはもうお約束ってことで。 タイトルの『十二夜』というのはクリスマスから十二番目の晩のお祭り騒ぎと いう意味があるらしい。その通りのお祭り騒ぎ的楽しさが舞台からあふれてい た。ところどころで、歌と踊りのショー的なミュージカルシーンがあって、ア クロバットがあったりしてサーカスのような楽しさ。 脇を固める出演者も、鷲尾真知子、上条恒彦、山形ユキオ、治田敦、安崎求、 越智則英など歌も芝居もという芸達者揃い。大地真央を筆頭にコメディーとい うかコントというか笑いどころ満載で、とても楽しかった。 鈴木綜馬さんは今回は比較的まじめ路線の役どころで、ちょっと味気なかった けれど、セバスチャン岡幸二郎は歌がとってもうまいことが改めて分かった。 この前の『レ・ミゼラブル』のジャベールもよかったもんなぁ。大地真央と双 子役だけど、背の高さが大分違うものの、それほど違和感なかった。メイクな どをかなりマネしてるらしい。すごく美しい顔立ちで、二人はうり二つという 設定なのよね。 愛華みれは大地真央とダブル主演と言ってもいいかも。はじけたお嬢ぶりでと てもかわいかった。最初は喪服で登場だけど、だんだんと派手になって、ピン クの髪とおそろいのピンクの衣装で登場したり、ドレスにハートがいっぱいだ ったり、とってもキュート。この人は想像してたよりも歌がうまいなぁと思っ た。私は好き。 全体的にどたばた喜劇なのだけど、セリフのところからミュージカルシーンに 違和感なく移行したり、くだらないギャグ満載なのにそれがあまり浮き上がっ てなくちゃんとストーリーにはまっていたり、なんだか演出がうまいなぁと思 った。大地真央はコメディーが上手い女優さんだから、彼女が引っ張っていっ て、出演者たちもノリノリという感じ。 衣装は当時のゴージャスな感じと現代風のアレンジがうまく調和されていてか わいかったし、鏡を多用した舞台美術も綺麗だった。うーん、もう一回観ても いいかも。 『ミュージカル 十二夜』 http://www.toho.co.jp/stage/12ya/welcome-j.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●それでも読んでしまう◆『陰陽師 太極ノ巻』 [2003年11月11日(火)] ──────────────────────────────────── 『陰陽師 太極ノ巻』夢枕獏/著(文芸春秋) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02309527 ──────────────────────────────────── あとがきで著者が、陰陽師の物語はいくらでも書ける、と言っている。エピソ ードは尽きることはないらしい。 その言葉通り、収録されているどの話も同じテンション、同じ雰囲気。これっ ていいのか悪いのか。私は好きだけれど。陰陽師シリーズの、この何とも言え ない時間の流れというか、語り口というか、ストーリー展開というか。 映画では悪役の蘆屋道満も小説ではそれなりに仲良くやっている。特に大きな 展開はないのだ。清明の屋敷から出発し、そこそこに盛り上がり、そこそこに 解決し、最後は清明の屋敷に戻ってゆく。そういう小さな話が集まって一冊に なっている。 陰陽師シリーズ、装丁や組み版が好きだったりもする。内容がよくても組み版 が読みにくかったり、装丁がイマイチだとなんかがっくり。その点、陰陽師は 裏切らないのだ。文庫は別だけど。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ちょっとネタバレ◆『そして誰もいなくなった』 [2003年11月13日(木)] ──────────────────────────────────── シアターアプルで舞台版『そして誰もいなくなった』を観てきた。山口祐一郎、 匠ひびき、沢田亜矢子、金田賢一らの出演。 山口祐一郎はミュージカルスターだけど、今回はストレートプレイ。匠ひびき は元宝塚のトップスター。山口祐一郎の弾き語りとか、匠ひびきのダンスシー ンとかちょっぴりお楽しみシーンもちゃんと用意されていた。 ストーリーは舞台用に原作とは少し変えてあって、結末も違う。小説では全員 死んでしまうけれど、舞台版では二人は生き残る。観ながら、原作とは違うな ぁと思っていたところが、実はこの結末のための伏線だったらしい。私は原作 のが好きだけど、舞台にするに当たっては、こういう結末のほうが上演しやす いのかもしれない。 スピード狂の若者役で今拓也が出演していた。『レ・ミゼラブル』ではジャベ ールをやっていたけれど、この人って何をやってもいまいちパッとしない。歌 も演技もルックスもみんな平均点以上なんだけど、なんかね。華がないのかし ら。 会場は平日の昼の回ということもあって、おばさま多し。それがみんな山口祐 一郎ファンみたいな。私もその仲間か。祐一郎ファンには楽しめる舞台だった。 山口祐一郎も、匠ひびきも舞台映えするから、絵になる。匠ひびきの舞台は初 めてみたけれど、思ったよりも女っぽい演技できれいだった。 孤島に集められた10人が次々と殺されていくのだけど、犯人が分かっているの で、その人に注目しているけれど、いつ殺しているの分からなかった。そうい う演技をしていないみたい。舞台版では屋敷の広間のようなところがセットに なっていて、そこだけでストーリーが展開する。大きな窓から海が見えている セットはなかなか豪華でいい感じ。 歌の歌詞どおりに進められる殺人事件だけど、この歌、小説では「10人のイン ディアン」だけど、舞台では「10人の兵隊さん」になっていた。インディアン は蔑称なのかも。で、広間に置いてある人形も兵隊さんになっていた。見えや すいように、大きい人形で、セットのあちこちに置いてあった。これが、人が 殺されるたびにひとつひとつ無くなってゆく。 ためしにオペラグラスでこの人形をよく見てみたら、「兵隊さん」なんていう かわいいものではなく、『チャイルド・プレイ』のチャッキーみたいに凶悪な 顔で、目は赤く光っていて気持ち悪かった。夢に出てきそう。もっとかわいい のにすればいいのに。 『そして誰もいなくなった』 http://www.dipps.co.jp/soshite/ ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ──────────────────────────────────── [PR] ∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨ 【楽天市場】クリスマス特集! おしゃれなプレゼント選んでね。 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0007389c.2563a8d3/?url=http%3a%2f%2fevent.rakuten.co.jp%2fxmas%2f 【楽天市場】お歳暮特集! おいしいギフトを贈ろう。 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0007389c.2563a8d3/?url=http%3a%2f%2fevent.rakuten.co.jp%2foseibo%2f ¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ サイト更新情報 ◆ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音 【ギャラリーと日記】 ┃ http://akane.pos.to/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/11/30) 12月のカレンダーは赤く色づいた紅葉です。   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ┃ http://akane.pos.to/sozai/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/11/30) [壁紙-Photo]もみじ(秋)の壁紙50点、紅葉の壁紙9点、         ツバキの壁紙20点、庭園-六義園の壁紙5点追加しました。   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ┃ http://akane.pos.to/kotaro/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/11/29) goods 手作りアクセサリーやお洋服を追加しました。  (2003/11/30) チワワオーナーさんのサイト1件追加しました。          ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ┃ http://akane.pos.to/shopping/ ┃----------------------------------------------------------------------  お歳暮・クリスマスギフトなど。  改装中です。もうすぐオープン!? ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Pubzine  マガジンID:19602  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  めろんぱん  マガジンID:004615  posbee  マガジンID:00002428  Copyright(C) 2003 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛