□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0051 □□□□□□□□□□□ 2003/04/24 Thu.---Since2000/01/26  前号の発行部数122 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版をお届けします。                      ◇ ◇ ◇  春になって、チワワの小太郎とお散歩に行く広場は一面、緑のじゅうたんのようで  す。生えているのは、クローバー(シロツメクサ)やタンポポや、レンゲ草、それ  に名前を知らない小さい紫や黄色の花。日に日に草の背が伸びるので、場所によっ  ては小太郎が埋まってしまいそうな草むらも出現。小太郎にとってはジャングルみ  たいです。草が朝露で濡れているときにお散歩に行ったら、お腹がびしょびしょに  なってしまったことも。小さくてかわいいけど、それなりに苦労もあるのね。    [[[ News!! ]]]  チワワの小太郎のサイトがオープンしました!!            かわいい写真と壁紙がいっぱいです。遊びに来て下さいね。  『チワワの小太郎』 http://akane.pos.to/kotaro/   ________________________________________ _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●戦争よりも人間を描く◆『戦場のピアニスト』 [2003年03月06日(木)] ●チワワの小太郎★ウンチに血が! [2003年03月08日(土)] ●おばちゃんがいっぱい◆『太陽まであと一歩』 [2003年03月15日(土)] ●小さな本の大きな力◆『イラクの小さな橋を渡って』 [2003年03月16日(日)] ●オリジナルを楽しもう◆『シェイクスピアを楽しむために』 [2003年03月29日(土)] ●こんな高校生はいや◆『青の炎』 [2003年04月05日(土)] ●チワワの小太郎★チワワじゃないかもしれない疑惑 [2003年04月08日(火)] --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ★りんくる 【わがままリンク集】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ________________________________________ ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1の書籍詳細ページのURLです。  その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども  読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ________________________________________ -- 今日のほのぼの -- (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ●戦争よりも人間を描く◆『戦場のピアニスト』 [2003年03月06日(木)] ユダヤ人ピアニストがナチスドイツの迫害を逃れ、第二次世界大戦を生き抜くというスト ーリー。なのだが、悲しくて、寂しくて、少し滑稽で、見終わったあとに心に染みる映画 だった。(おすぎのCMみたい?) 似たテーマの映画で、『シンドラーのリスト』とか『ライフ・イズ・ビューティフル』に 比べると、その衝撃度はそれほど高くない気がする。この二つのほうが、戦争に対する恐 怖や反戦メッセージを強く伝えていると思う。 『戦場のピアニスト』は、主人公のピアニストが家族と別れ別れになって、その後さらに 同胞のユダヤ人たちからも離れる道を選び、協力者に匿われながら孤独の中を生き抜く。 協力者たちも捕まったりして、最終的には砲撃のなか、廃虚となった建物の中に隠れたり して、たったひとりでさまよい歩く。 なんだか、戦争という大きな枠組みを超えて、極限の状態の人間の寂しさというか、生き るということに向かってゆく気持ちの揺れのようなものが伝わってくる映画だった。それ も、主人公はピアニストなのだけど、その技術は全く役に立たない状況。しかし、孤独の なか、食料もない極限の状態のなか、彼の頭の中には音楽があるのだ。 映画を見ていると、彼は必ずしも積極的に生きようとしているようにはみえなかったりす る。なんとなく、死ぬよりは生きていたい。そんな風にみえる。同胞ユダヤ人たちにはナ チスに対して反撃を企て、派手に戦って死んでいったものもいる。彼はそれを隠れ家の窓 からそっと覗いているのだ。そして、自分は空腹を我慢して協力者のくるのをじっと待っ ているだけ。自分の生死はその協力者が来るか来ないかにかかっている。彼も生死の境に 立たされていることには変わりないのだが、戦っているものと比べると、受け身でしかな い(ように見える)。 でも、なんだか、見ている私は、受け身でしかない主人公の方が、自分に近い、本来の人 間の姿のように思えてしまった。自分は弱いと思う。だから弱い主人公のほうに自分を重 ねてしまう。そして、弱いながらも、主人公の孤独な精神を支えたのは、やっぱり音楽だ ったのではないかと思うのだ。音楽があったからこそ生き抜けた。戦争が終わったらまた ピアノを弾こう、そう思ったからこそ、孤独に耐えて戦場を彷徨しながら生き抜くことが できたのではないだろうか。 廃虚の中で、ひげ面で食料を捜しまわる姿ははっきり言ってかっこ悪い。その姿にピアニ ストという肩書きは似合わない。ただの飢えている男だ。しかし、ピアノを弾き始める と、彼はまぎれもなくピアニストに変身した。外見ではなく、内側から響いてくる音楽。 生きている喜び、ピアノを弾ける喜びが伝わってくる。 映画の本編では泣かなかったのだけど、戦後、大観衆の前でオーケストラを従えてピアノ を弾く場面がエンドロールに重なって、そこでなんだかジーンときてしまった。 音楽とか芸術というのは戦争の対極にあるものという気がする。民衆が自由に楽しく幸せ な気分で音楽や芸術を愛して、楽しむことのできる社会というのが平和な社会なのだ。戦 争に音楽を利用することはあるかもしれないけれど、これは幸せなことではない。いつで も自由に音楽を楽しめる社会で暮らしていけることは幸せなことだと思う。芸術はいらな いもの、役に立たないものではなくて、人々に生きる幸せや、生きる理由を与えてくれる ものなのだ、と改めて感じた。 『戦場のピアニスト』(映画) http://www.pianist-movie.jp/pianist/index.html 『戦場のピアニスト』ウワディスワフ・シュピルマン/著、佐藤泰一/訳(春秋社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02280835 ________________________________________ ●チワワの小太郎★ウンチに血が! [2003年03月08日(土)] 数日前の出来事。夜も更けてから、母が慌てた声で呼ぶので行ってみると、チワワの小太 郎(6ヶ月・オス)が下痢をしているという。しかも、血が混じってる! まだうちに来たばかりの頃、お腹に虫がいたせいで下痢と血便があったことがあるので、 念のため次の日の夜に動物病院に連れていくことにした。 次の日の朝のウンチはいつも通り。ちょっと安心。で、夕方、朝のウンチを持って動物病 院へ。夜8時まで診療してくれるので助かる。 検便の結果、虫はいなかった。よかった。下痢の原因はわからないけれど、様子を見て、 続くようならいけないけれど、一度くらいなら大丈夫とのこと。ふぅ。私が、虫がいたと きのウンチに似ていると訴えたら、獣医さん三人で確認したから大丈夫、と念を押されて しまった。いやはや、すみません。でも少しお腹の調子が悪いのは確かなようなので、療 養食のようなものを出してくれた。一食これに変えるとお腹の調子がとってもよくなるん だそうだ。 触診しながら、なぜか「すごい甘ったれだねぇ」と言われた。いったい何でわかるのか不 思議だけど、その通りなのでびっくり。というか、やっぱりよそのウチの犬は小太郎みた いに甘えん坊ではないようだ。 その動物病院、先生も大勢いて、丁寧に診てくれて説明してくれるのでとてもいい。しか も値段も良心的。今回、検便、診察、療養食二つ付きでなんと420円。人間より安いんじ ゃないか。聞くと、他のところはもっと高いらしい。ここの病院、ペットショップで紹介 してもらってよかったぁ。 療養食はシーザーみたいな容器に入った肉っぽい餌。いつものゴハンと違うので、最初は 不審がっていたけれど、お腹が空いているので全部食べてしまった。弱っぴぃな癖に食い 意地だけは張っているのだ。でも、一個で二食分くらいあって、それを二個もくれたの で、合計四食分。さすがにそんなに療養食ばっかりではかわいそうなので、一個はとって おくことにした。次の日の朝も療養食だった小太郎は特に文句も言わずまた全部食べてし まった。でも、その日の夜、ふつうのゴハンに戻ったら、ちょっと嬉しそうにすごい勢い で完食。やっぱりいつものゴハンのが美味しいのね。 その後は普段と変わらず元気に過ごしている。あの時の下痢の原因は未だに不明だけど、 母がチーズ(犬用)をあげたせいだとか、父が豆腐(人間のおかず)のかけらをあげたせ いだとか、小太郎が知らない間に変なものを食べちゃったせいだとか様々な憶測が飛び交 っている。 ところで、小太郎との散歩はいつもは原っぱに直行コースなんだけど、今日は天気が良か ったのでちょっと違う道を散歩しようと思って、住宅地を歩き始めた。でも、そこは弱っ ぴぃの小太郎。住宅地には嫌なものがいっぱいで、ちっとも前に進まない。 まず、知らない人が恐い。家の中から人の声、人の気配がすると止まってしまう。それか ら、知らない犬も恐い。飼い犬の気配、臭いを感じると止まってしまう。あげくの果てに 吠えられてますます怯えてしまった。それから、自動車も恐い。これは少し克服したけ ど、たまに、道路のまん中で固まってしまうので油断できない。 仕方ないので、結局、原っぱまで抱っこしていくことになってしまった。弱っぴぃ小太 郎。いったい、いつになったら弱っぴぃを克服できるのか。もっと鍛えねば。 ________________________________________ ●おばちゃんがいっぱい◆『太陽まであと一歩』 [2003年03月15日(土)] 水曜日に、演劇集団キャラメルボックスの『太陽まであと一歩』を見てきた。久々の上川 隆也の出演。隆也ファンらしきおばちゃんたちがいっぱい。なぜかチラホラとおじさんも いたけど。 舞台はいつものキャラメルの感じ。隆也パワー炸裂で楽しかった。今回は看板俳優の西川 浩幸と上川隆也の二人が主役という感じ。二人ともシックな黒っぽい衣装で、並んだ立ち 姿が絵になっていた。舞台のストーリーだけじゃなくて、こういう、ビジュアル的な要素 でみどころがあるっていうのはいい。 ストーリーは、最近のキャラメルの王道という感じ。西川さん演じる映画監督が自分の少 年時代の思い出を再現した映画を作るのだけど、その映画を見ているときに昏睡してしま う。本人は目覚めないのだけど、なぜか写っていないはずの映画に監督が写っている。な にかの理由でその映画のなかに入ってしまったらしい。こういうSFチックな設定はキャ ラメルっぽい。そして、その映画監督の弟で、大学の助教授という役が上川さん。兄とは あまり折り合いがよくないのだけど、兄を助けるために自分も映画の中に入ってしまう。 そこで少年時代の二人の思い出と秘密がだんだんと明かされてゆくというお話。 映画の中に入ってしまった二人と映画の登場人物。その映画を見ている現実の人たちとい う二重構造。私はこういう二重構造とか、劇中劇とか好きなんだけど、一緒に観に行った 友人はあまり好きじゃないらしい。こんがらかっちゃうからね。 今回、初演なのでまだちょっとゴタゴタっとしてるけど、もうちょっとすっきりとさせて 再演されたらいいなぁ。そういえば、ここ数年、上川さんは初演ものにばかり出演してい るような気がする。再演ものにはでないのかしらん。 演劇集団キャラメルボックス http://www.caramelbox.com/ ________________________________________ ●小さな本の大きな力◆『イラクの小さな橋を渡って』 [2003年03月16日(日)] 『イラクの小さな橋を渡って』池澤夏樹/文、本橋成一/写真(光文社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02277511 テキストと写真で構成されたハードカバーの小さな本。読むのにそれほど時間はかからな い。決して攻撃的ではなく、反戦を声高に訴えるような内容ではないのだけど、イラクの 人々の優しい表情の写真と淡々と語られる文章にはある種の力があるような気がした。 買ってきた夜、ひとりでこの本を読んでいたらなんだか無性に悲しくなってしまった。著 者の思惑にはまったと言うべきなのかどうなのか、本当に、この人たちの上に爆弾が降っ てくるのかと思うと、やるせない気持ちになる。 池澤さんはこう書いている。 『2001年の秋から、「ニューヨーク・タイムズ」は世界貿易センタービルの被害者一人一 人の人生を詳しく辿る連載記事を載せた。テロでも戦争でも、実際に死ぬのは家族も友人 もある個人だ。だからテロというものを徹底して被害者の立場から殺された一人ずつの視 点から見るという姿勢は大事だ。しかし同じ新聞がアフガニスタンの戦争のことは抽象的 な数字でしか伝えない。アメリカ軍が放つミサイルの射程はどこまでも伸びるのに、メ ディアの視線は戦場に届かない。行けば見られるはずの弾着の現場を見ないまま、身内の 不幸ばかりを強調するメディアは信用できない。 だから、自分の目で見ようと思ってぼくはイラクに行った。バクダッドで、モスルで、ま た名を聞きそびれた小さな村で、人々の暮らしを見た。ものを食べ、互いに親しげに語 り、赤ん坊をあやす人の姿を見た。わいわい騒ぎながら走り回る子供たちを見た。そし て、この子らをアメリカの爆弾が殺す理由は何もないと考えた。』 その通りだと思った。 私はイラクについて多くを知らない。だけど、この本の写真に写っているイラクの人々の 生活や、表情を見ていると、たとえこの人たちが独裁政権下で苦しい生活を強いられてい るとしても、その政権を覆そうという意志があれば自分達の力でなんとかするだけの力は 持っているのではないかと思う。食料は十分にあり、市場には人がたくさん集まってく る。遊園地で子供たちは遊び、大家族で暮らす人々。アメリカがなぜこの国を、この人々 を攻撃し、殺すのか、私にはよくわからない。 昔、子供のころに私がよく見た夢がある。それは、白い土でできた四角い家がたくさんあ る街に一人で迷い込んでしまうという夢。なぜかその夢を何度も見た。中東とか、地中海 とかには実際にそういう白い家の街がある。中東というと漠然と紛争地帯で恐い、という イメージがあったのだけど、大学生のときにトルコに行ってその認識が大きく変わった。 西洋と東洋の文化が混ざる地域で、人々はやさしく、どこか懐かしい雰囲気を感じた。西 洋でも東洋でもない国なのだ。それは、夢で見た街の不思議な雰囲気と通じるものがあ る。私はトルコに魅せられ、何度も通っているという人を何人か知っている。たぶん、イ ラクにもトルコと共通の魅力がたくさんあるのではないかと思う。イラクにも遺跡がたく さんあるという。平和であったら、たくさんの人が訪れるのだろう。 中東の国々は本来、自然も人も文化も、とても美しいはずなのだ。だけど、紛争や戦争で 自然は破壊され、建物も壊され、文化も育たなくなり、人々も苦しい生活を強いられてい る。イラクをはじめ、中東の美しい国々に平和と安定をもたらすために、わたしたちには 戦争ではなく、もっと他の方法があるはずなのだ。 どうやったら戦争が止められるのか、わからない。どうやったら紛争がなくなるのか、わ からない。どうやったら平和が訪れるのか、わからない。だけど、罪のない子供や、老人 や、女性が経済制裁で、爆撃で、死んでいく。戦争に参加した男性も死んでいく。それは 現実に起こっていることで、とても悲しいことだ。だから、せめて、わからないなりに、 なにか方法を考えなければならないのだ。こういう国があって、こういう人々が住んでい るということを忘れないようにしたい。 ●トルコの人々とのふれあいエッセイ 『イスタンブールの東では』夏苅裕一/著(文芸社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00013521 ●アフガニスタンの村を描いた絵本 『せかいいちうつくしいぼくの村』小林豊/作・絵(ポプラ社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01227546 『ぼくの村にサーカスがきた』小林豊/作・絵(ポプラ社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01365784 ________________________________________ ●オリジナルを楽しもう◆『シェイクスピアを楽しむために』 [2003年03月29日(土)] 『シェイクスピアを楽しむために』阿刀田高/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02265019 ずっと、美術をやっていて、展覧会にもよく行っていた時期があった。高校生のときと か、予備校に通っているときとか。昔の絵だと、聖書や神話を題材にしたものが多くて、 その解説を読むことも多かった。聖書とか神話のテキストから画家が想像力を働かせて描 いたものだと思うと感慨深いし、もとになったテキストについても知りたくなる。 そんなわけで、一時期はちょっとだけ聖書に興味を持ったりしたのだけど、キリスト教の 聖書って、分厚いし、難しい。で、阿刀田高さんの『旧約聖書を知っていますか』と『新 約聖書を知っていますか』を読んでみたのだった。これは分かり易い。なるほど、聖書っ てこんなお話だったのか、と納得。これだけ読めば十分と、それ以上難しい本は読んでい ない。ついでに『ギリシア神話を知っていますか』も読んでみた。これもなかなか面白 い。難解な文章を阿刀田さんが噛み砕いて説明してくれる。 で、最近になってこのシリーズ(?)のシェイクスピア版を発見。さっそく読んでみた。 だがしかし、これはこれは、むむむむむ。という感じ。正直な感想を言ってしまえば、こ の本を読むよりは、シェイクスピアの著作を読んで欲しい。本物の方が面白い。 もちろん、阿刀田さんの解説はわかりやすくて面白いから、もしかしたら、シェイクスピ アを読んだことのない人にとってはいいのかも知れないけれど、そのほとんどのページは 作品のストーリー解説になっていて、これを読むよりは本物を読んだほうがいいだろうと 思ってしまった。 だって、シェイクスピアの戯曲って、長くてもだいたい3時間くらいで上演されているわ けで、その脚本を読むのにだってそれほど時間がかかるわけではないのだ。だったら、わ ざわざ他人の口からストーリーを説明されるよりは直接シェイクスピア節(と言っても原 書でなく和訳なんだけど)を楽しんだ方がいい。原書のほうがいいのだろうけど、和訳で も十分楽しめる。 この本ではシェイクスピアの4大悲劇の『リア王』、『マクベス』、『オセロー』、『ハ ムレット』や、超有名な『ロミオとジュリエット』など10余りの戯曲についてのエッセイ が納められている。各作品に対する阿刀田さんの解釈は面白いけれど、シェイクスピア入 門書としてこの本を読むよりは、ひとつでもいいから本物を読んだほうがいいような気が した。 私がまだ読んだことのないシェイクスピアの作品もたくさんあったけれど、ストーリー解 説だけではものたりなくて、やっぱ本物を読まなきゃなぁと痛感。この本一冊読む間に本 物2冊くらい読めたかも、と思ったりも。 難解でいろんな解釈ができる聖書や、口伝えで伝わってきたようなギリシア神話と違っ て、シェイクスピアってそれそのものがオリジナルの作品。できることならオリジナルを 楽しんだ方がいい。そして、見れるものなら舞台で観たほうがいいのかもしれない。私は あまりシェイクスピア作品を舞台で観たことがない。蜷川幸雄さんの『マクベス』(唐沢 寿明、大竹しのぶ他)、劇団四季の『ハムレット』くらい。あとは映画でいくつかの作品 を観た。悲劇よりは喜劇のほうが楽しくていい。 いろんな味の作品を楽しめるのもシェイクスピアの醍醐味。そして、戯曲で、映像で、ス トレートプレイで、ミュージカルで、いろんな形態で楽しめるのもいい。 『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01088972 『新約聖書を知っていますか』阿刀田高/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01366300 『ギリシア神話を知っていますか』阿刀田高/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00304130 ________________________________________ ●こんな高校生はいや◆『青の炎』 [2003年04月05日(土)] 『青の炎』貴志祐介/著(角川文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02235977 蜷川幸雄監督で映画化された作品。映画館で見た予告編がなんとなくよかったので、原作 を読んでみた。映画はまだ見ていない。 著者は『黒い家』などの貴志祐介。私が読んだのは『青の炎』が初めてなんだけど、家の 本棚には母が買った『黒い家』が手付かずのままだったりもする。『黒い家』も映画が話 題になった。見てないけど。 『青の炎』は高校生が母と妹を守るために横暴な義父を殺害するというストーリー。しか も自分が捕まってしまっては母と妹に迷惑がかかるという理由で完全犯罪を計画する。映 画の予告編で見ると、主演の二宮和也が繊細で思いつめた感じの高校生役を好演している ようだ。 私はあんまり推理小説の類いを読まないので、この作品も最初ちょっと取っ付きにくかっ た。でもそれは推理小説に慣れていないという理由だけじゃないかもしれないのだけど。 この著者の文章運びやリズム感があまり肌に合わないのかもしれない。 主人公の高校生は瑞々しいとか若々しいとか爽やかとかそういうイメージが正しいのかも しれないけれど、私はすごく老獪で悟り切った「つもりでいる」気持ち悪い存在に感じて しまった。だって、普通の高校生が日常会話のなかで「微に入り細をうがって」なんて言 葉遣いしないでしょう、普通。わりと冒頭近くに登場したこの台詞を読んだ時に「う、こ の主人公、気色悪っ」って思ってしまった。その後も、この手の変な台詞が多かった。こ の高校生の思考回路も妙に優等生っぽくて嫌。ぜんぜん爽やかじゃないぞ。しかし、案 外、男の子ってこんな風なのかも、と無理矢理割り切って読みすすめた。 普通の推理小説は最初に犯罪が起こってそれを探偵なり刑事なりが解決するのだけど、そ れとは逆に犯人の側から描かれたものを倒叙推理小説と言うらしい。そして、『青の炎』 はこの倒叙推理小説の部類に入る。最初から最後まで主人公の高校生の視点で物語が進行 する。そのせいか、読み終わったあとになんとなくこの物語全体がもしかしたら主人公の 高校生の妄想なのではないかという感覚に襲われた。 若者のひとりよがりの妄想。それは作中で完全犯罪の計画を練っているところあたりでも 感じる。それほどの完璧な計画を立てられるのなら殺人以外の選択肢もあろうに、と思っ てしまうが、そこはそれ、主人公が殺人計画を立てなければストーリーが進行しないのだ から仕方ない。いやはや、こう思ってしまうところが推理小説をあまり読む気がしない理 由かも。推理小説って始めに犯罪ありきだものね。 ラストも釈然としない終わり方で、その方法は本当に彼の思惑通りに母や妹を守ることに なるのか、という疑問が湧く。それで良しとせず、もっと踏み込んだラストにして欲しか った。後日談を盛り込むとかね。 そうそう、この物語の舞台は湘南で、江ノ電なんかが出てくる。映画にしたら湘南の海を バックにロケーションは最高だろうと思うし、その通りに予告編でも江ノ電や海が登場し ていた。著者の思惑はよく分からないけれど、老獪な高校生と爽やかな湘南の海は似合わ ない、気持ち悪い。こんな感想、私だけなのかなぁ。 ________________________________________ ●チワワの小太郎★チワワじゃないかもしれない疑惑 [2003年04月08日(火)] 春になったので、チワワの小太郎(生後7ヶ月・オス)のフィラリアの薬をもらいに動物 病院に行った。なんだかんだで毎月一回くらいづつ行っている。体重は一ヶ月前より300g 増えて2.3Kgになっていた。見た目はそれほど変わらないけど、ちょっとだけまだ成長し ているらしい。 今回はノミの予防薬も一緒にもらった。首筋にたらすやつ。市販の薬は体重別に使用量が 書いてあるんだけど、最小の使用量が5Kg以下になっていて、小太郎はその半分以下なの で、適正の使用量がイマイチよくわからない。やっぱり病院でもらったほうが確実ね、と いうことで、ついでに出してもらうことにした。聞いたら、市販の薬はあんまり効かない らしい。値段も病院でもらう薬のが高い。 フィラリアの薬は数カ月分くれると聞いていたのだけど、まだ体重が安定してないから、 という理由で1ヶ月分しかもらえなかった。また来月もらいに行かねば。 ついでなので、狂犬病の注射もしてもらった。近所の公民館でやってもらえる日が広報に 載っていたので、その日に公民館に連れていこうと思っていたんだけど、ちっちゃいから 心配。病院でやってもらえば安心なのだ。犬の登録も病院で代行してくれる。後日、犬マ ークのシールが送られてくるらしい。 小太郎は乳歯が抜けて、大人の歯が生えてきた。抜けた乳歯は一本は飲み込んじゃったみ たい。ぐらぐらしていた歯が、ゴハンを食べた後には跡形もなかった。で、そのあと気を つけていたら、次々と乳歯が抜けて、5本回収。記念に取ってある。記念に取っておくの は変だと友人に言われたけど、そうかなぁ。 大人の歯は立派で、普段は本気で噛んだりしないんだけど、大嫌いな耳掃除をしようとす ると、本気で噛まれる。指に穴があいてしまった。犬歯が鋭いのだ。この鋭い歯で悪者を 撃退して立派な番犬になってくれればありがたいのだけど、お客さんが来ても部屋の中で 激しく吠えつつ、絶対に廊下まで出てこないという内弁慶ぶり。外では他の犬にも子供に も尻込みしてしまう。番犬は無理。 しかも、最近はなんだか知らないけど、ちょっとした物音にびっくりして吠えていること がある。爆睡しているときに、ちょっと音を立てたら、急にワンワン吠えたりする。しか もホットカーペットと布団の間に潜ったまま。母いわく、寝ぼけているらしい。 走るのも速くなったみたいで、普段はあまり居間から出ないのだけど、ちょっとの隙に隣 の部屋に行ってしまうこともある。ちょっとトイレに行こうと思って戸を開けた隙に出て しまって、それに気付かずに戸を閉めてしまって、閉め出しちゃったことも。私は小太郎 がいないことに全然気が付かず(布団の中で寝ているとばかり思っていた)、そのまま20 分くらい経過。小太郎は戻るに戻れず隣の部屋でウロウロしていたらしい。小太郎がいな いことに気付いて、もしや、と戸を開けたら全速力で走って戻ってきたのだった。ごめ ん。こんなときこそ、ワンワン鳴いて知らせてくれればいいのに。 ところで、小太郎はチワワのはずなんだけど、まだ血統書が来ない(購入時には4ヶ月以 内に送ると言われた)。ペットショップに問い合わせたら、そちらにもまだ届いていない らしい。ブリーダーさんに催促しているらしいけど、遅れているということ。血統書がな いので、「ほんとはチワワじゃないんじゃないの」疑惑が浮上。まぁ、外見から見てほぼ 確実にチワワなんだろうけど、チワワじゃなかった場合を想定してみるのも楽しい。急激 に育って巨大化しちゃったりして。 うちの場合は繁殖させる予定もないし、血統書なんてなくてもいい。チワワじゃなかった としてもそれはそれでいいんだけど(笑)、ペットショップで買った時の値段には、たぶ ん純血種という付加価値が入っているはずで、それを証明するのが血統書だから、やっぱ りもらっておなきゃ損だ。血統書がないのなら、チワワじゃないかもしれないんだから、 値引きしてもらわなきゃ。そんなわけで、今は首を長くして血統書を待っているのだった。 チワワの小太郎(写真や壁紙など) http://akane.pos.to/kotaro/ (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ________________________________________ --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 http://akane.pos.to/ ◇4月のカレンダーは早咲きのサクラです。(2003/03/31) ◇5月のカレンダーは4/30頃更新の予定です。 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 http://akane.pos.to/sozai/ ◇[壁紙-Photo] サクラの壁紙29点追加しました。 (2003/04/07) ◇[壁紙-Photo] 早咲きのサクラの壁紙2点追加。         サクラのつぼみの壁紙8点追加。(2003/03/31) ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 http://akane.pos.to/kotaro/ ◇チワワの小太郎のサイトがオープン!かわいい写真と壁紙いっぱいです。(2003/03/22) ◇写真と壁紙を追加しました。(2003/04/06) ★りんくる 【わがままリンク集】 http://akane.pos.to/link-ru/ ◇新しいドラマのサイトなど更新しました。(2003/04/18) ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 http://akane.pos.to/shopping/ ◇お得なキャンペーン情報、新しいお店のリンクなど随時更新中! ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Pubzine  マガジンID:19602  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  Copyright(C) 2003 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛