□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0046 □□□□□□□□□□ 2002/11/08 Fri.---Since2000/01/26  前号の発行部数128 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                 ◇ ◇ ◇    急に冬に突入です。寒い寒い。そんな寒いなか、なんとうちに犬がや  って来そうです。家族を説得して、飼うことは決定。今はかわいい子  犬を物色中。いったいどんなワンコがやってくるのか、犬を飼う事に  反対だった母も最近ちょっとウキウキしています。子犬がやってきた  ら母が一番甘やかしちゃうかも。   ___________________________________ _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●おうちで月旅行〜『フル・ムーン』 [2002年09月21日(土)] ●つんと生きてみる◆『おさんぽ』 [2002年09月23日(月)] ●オリジナル教科書カバーのつくりかた [2002年09月24日(火)] ●お店やさんごっこ◆『OLかなこのひらけ!ネットショップ 基本編』                          [2002年09月30日(月)] ●宮崎駿は超えられないかも◆『モンスターズ・インク』                          [2002年10月02日(水)] ●椎名誠の時代◆『むははは日記』 [2002年10月10日(木)] ●雑誌への愛◆『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』                          [2002年10月14日(月)] --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp )  の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報  のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ●おうちで月旅行〜『フル・ムーン』 [2002年09月21日(土)] 『フル・ムーン』マイケル・ライト/編・著、檜垣嗣子/訳(新潮社) 大判オリジナル版 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01686865 『フル・ムーン』マイケル・ライト/編・著、檜垣嗣子/訳(新潮社) コンパクト版 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02188117 世の中に、月の写真集は数多あるけれど、実際に月まで行って撮影された写真 を集めたものはこれだけだろう。なにしろ、月まで行ったことのある人間とい うのが、数えるほどしかいないのだ。この写真集に収録されている写真がどれ ほど貴重なものか、それだけでもわかる。 貴重な写真でもあるのだけど、それ以上に、とても美しくて、芸術的とも言え るような、月と、 月から(宇宙から)みる地球の写真たち。 何度か行われた NASAによる月へのロケット旅行の際に撮影されたものを一つのミッション のように編集してあり、一冊を通して、つかの間の月旅行を楽しめる。月まで の旅、月の上の散歩、月からの帰り道に見る青い地球。 この本を通して一番感じるのは、静寂の世界。しんとした世界。本当に宇宙に は音がないのか、それは知らないけれど、写真たちからは音が感じられない。 月という未知の世界での音を想像できないと言ったほうがいいかもしれない。 そして、月の表面には色がない。カラーフィルムで撮影されいるはずなのに、 モノクロームの写真のようだ。地球からもってきた家族写真だけがカラーで写 っていて、その背景の月の表面はグレー一色。荒涼として、神秘的な世界だ。 これが地球から見えていた月なのか。そんな感慨が涌いて来る。夜空に美しく 輝いて、毎日満ち欠けを繰り返し、ときには人々をロマンチックな気分にさせ たり、メランコリックな気分にさせたりする月。その月も、間近に見てみれば、 実は荒涼としたモノクロームの世界なのだ。 対照的に、地球はとても美しいブルー。この写真集を見ていて、「地球は青か った」という言葉を発した宇宙飛行士の気持ちが、初めて、分かったような気 がした。モノクロームの世界から見た地球というのは本当に、なんて美しいん だろう。真っ暗な世界に浮いた宝石のように輝いて見える。わたしたちが住ん でいる場所がどれほど美しいところなのか、それを改めて実感させられた。 この写真集、最初は大判で出版されたが、その後、安価で少し小さめのコンパ クト版が出版された。両方ともハードカバーで違いはおそらく大きさのみ。門 外不出だった、NASAが所有するマスターをデジタル画像化して印刷された 美しい写真たちを、大画面で堪能したいなら、大判のオリジナル版を。手許に 置いておいていつでもパラパラと捲って月旅行が楽しみたいならコンパクト版 がおすすめ。 ___________________________________ ●つんと生きてみる◆『おさんぽ』 [2002年09月23日(月)] 『おさんぽ』江國香織/作、こみねゆら/絵(白泉社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02198146 絵本。最初に読んだのは、月刊誌『MOE』の誌上だった。 もともと、こみねゆらの絵が好きだったし、この物語の主人公の女の子もこみ ねゆらチックでかわいかった。 江國香織の小説はあまり読もうと思った事がなくて、でもこの人の感性には反 発しながらもなにか惹かれるものがあった。江國香織のような繊細な女の感性 を刺激して若い女性の圧倒的支持を得てるのよ的な作家って、わたしにはちょ っと恥ずかしくて手がでない。ちょっと、読んだら負けって感じがする。読ん だってきっと共感なんかしないぞ、でも読んでみて共感しちゃったらやだし… という変な気持ち。別に共感してもいいんだけどさ。なんとなく、反発したい。 何にだろう。世の中の江國香織に共感してしまっている女性たちにかな。この 場合、江國香織という作家には罪はない。その作品に心酔している人たちに対 して、わたしはきっと反発してしまうんだろう。天の邪鬼だから。 結果から言えば、わたしはこの作品が気に入った。だから、今回ハードカバー の絵本として出版されていると知って、さっそく買ってしまったのだった。 江國香織とこみねゆらという組み合わせからして絶妙なのだ。なにか同じもの を発散させている。つまり、こみねゆらの絵にもたぶん、わたしが江國香織の 作品に対して持っているような反発したくなるような要素がきっと、あるはず なのだけど、絵というものに対してはなぜか素直に好きと言えてしまうのかも しれない。こみねゆらの絵とともに、江國香織の物語も素直に受け入れられる ような気がする。 ちょっとつんとしていて、読む人を跳ね返すような文章。でも、なぜか引き込 まれる。後を追いたくなるような文章。こみねゆらの絵もつんとしている。つ んとした女の子。かわいげのない、でもかわいい女の子。つんとした中には、 反面、とても繊細で壊れやすいものが包み込まれている。この女の子のつんと した姿勢に、なんだって、この女の子はこんなにつんとしているんだろう、と ちょっと微笑ましくもこの女の子の行動を見守りながら、家の外ではがんばっ ちゃってる自分を少し投影してしまって、なんだかこの女の子と同化してしま うのだ。 新しいレースのスカートを手に入れた女の子。散歩の途中で、スカートの生地 をもぐらや、へびに分けてあげる。でも自分でスカートを見れなくなってしま うのは嫌なので、切るのは後ろから。それで、スカートはエプロンになる。途 中で出会ったお皿も家に連れ帰り、散歩から帰った女の子は綺麗なレースのエ プロンとお皿を手に入れて、満足。 惜し気なく与えて、それを悔やみもせず、淡々と我が道をゆく女の子。わたし はこの女の子が好きだ。なぜかわからないけど。わたしと違ってモノに執着し ないからかな。こういう風に生きられたら楽だろうなと思う。実際は楽じゃな いのかもしれないけど、なんだかこういう生き方はかっこいい。 この絵本、子供と一緒に読んでも絶対、楽しいと思うのだけど、漢字にルビが ふってないので、小さい子はひとりでは読めないかも。大人向けに作った本な のかもしれないけど、絵本なんだから子供が読む事を考えて、ルビは必要だと 思う。装丁はとても可愛くて、見返しのところなんて大好きなんだけど、ルビ がないのが残念。 ___________________________________ ●オリジナル教科書カバーのつくりかた [2002年09月24日(火)] 部屋の模様替えをしていたら、中学と高校の教科書がでてきた。 わたしは教科書にビニールのカバーをつけて使っていたのだけど、そのカバー が年々進化して、最終的に、高校の教科書ではかなりオリジナルな教科書カバ ーとなっている。 中学のはじめの頃の教科書は、市販のビニールのカバーを掛けただけ。教科書 って使っているうちに表紙が黒くなったり、ボロボロになったりしてしまうの だけど、ビニールを掛けておくと、一年間きれいに使えるのだ。そのかわり、 ビニールはちょっと汚れる。見返しのところがポケット状になっているので、 プリントなども挟めて便利。 高校のはじめの頃の教科書は一歩進んで、下半分に帯状に包装紙を掛けて、そ の上にビニールカバーを掛けた。全部、包装紙でカバーを掛けてもいいのだけ ど、それだとなんの教科書かわからなくなってしまうので、教科名が隠れない ように、下半分だけに掛けたのだ。英字新聞っぽいおしゃれっぽい包装紙を使 ったりしてる。これで結構オリジナル感ががあっていい。 私はなぜか、人とまったく同じというのが嫌で(でも全然違うというのも嫌な のだけど)、教科書とか、制服とか、学校で決まっているお揃いのものなんか は、ちょっと工夫して「自分のもの感」を出すのが好きだった。目立ちたいと いうよりも、「これは自分のもの」と思えるようにしておきたかったのだ。だ から、今でも自分の蔵書や持ち物は、買うときは新品で綺麗なものが欲しいの だけど、使っているうちに傷とかよごれがつくと、それによって自分だけのも のになった感じがして、なんだか嬉しい。この傷は私だけのもの、っていう感 じがするから。その傷やよごれによって、世界で一つのものになる気がする。 愛着が湧くのだ。 教科書も、4月に新しい教科書をもらってくると、まずは他の人とは違う装丁 にしてみたくなる。ビニールカバーを掛けてる人も少ないから、それだけでも いいのだけど、包装紙で帯をつけたら、さらにオリジナル感が増す。 で、最終的に、高校の最後の方の教科書は、ファッション雑誌の切り抜きを貼 るという暴挙(?)に出てみた。暴挙だとは思うけど、これは結構、気に入っ ている。トレーシングペーパーを使っているので、教科のタイトルも見えるし、 適度なスケスケ感がおしゃれ。 作り方は簡単。まずはトレーシングペーパーで教科書サイズのカバーを作って 教科書に掛ける。そのトレーシングペーパーで作ったカバーに、好きな切り抜 きを好きなレイアウトで貼る。このときに、トレーシングペーパーから透けて 見える教科書の表紙の絵柄を見ながら、うまくバランスを考えて切り抜きを選 び、レイアウトするのがコツ(というかこれが楽しみ)。最後に上から市販の ビニールカバーを掛ければ出来上がり。 市販のビニールカバーはサイズが限られていて、横長の資料集などには掛けら れない。そんなときは、市販されている糊付きのビニールシートを使う。図書 館の本のカバーなどに使われているアレだ。これをトレーシングペーパーで作 ったカバーの上からぴっちり貼る。教科書自体には貼らないので、カバーは取 り外しもできる。 こんな風にほとんど全部の教科書にオリジナルカバーを作った。その教科書で それほどたくさん勉強はしなかったけど(笑)、このオリジナルカバー作りは 楽しかった。授業のたびに、教科書を見て、作ったときの楽しさを思い出した り、これはいいできだなぁと自分で感心してみたり、なんだかんだで一年間、 楽しく教科書を使う事ができたのだった。 ___________________________________ ●お店やさんごっこ◆『OLかなこのひらけ!ネットショップ 基本編』                          [2002年09月30日(月)]                           『OLかなこのひらけ!ネットショップ 基本編』杉木ヤスコ/まんが 月刊CYBiZ SOHOコンピューティング編集部/原案(サイビズ) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02140831 なんとなく、お店やさんに憧れている。「ごっこ」遊びに延長かもしれない。 自分の好きな商品を仕入れて、きれいにディスプレイして、それをお客さんが 買って行く。たまにはギフト包装なんかもしたりして。 そういうままごとみたいなお店に憧れている。でもね、実際はそんなに簡単じ ゃない。お金がからんでくるし、わたしはあまり損得勘定が得意じゃないから、 本当のお店だったら、採算が取れないんじゃないかと思う。 なんだか、好きなモノを売って、お金を取るのっていいんだろうか、って思っ ちゃう。商売だと思えばいいんだけど、人からお金を取るのって、なんか悪い 気がしてしまう。わたしが売る品物は、果たして本当にこの金額だけの価値が あるんだろうか、って考えちゃうのだ。品物だったらまだいいのだけど、それ がサービスだったり、労働だったりするともっとわからなくなる。世の中のこ とを、お金に換算するのって、とてもとても難しい。価値観は人によって違う し。 まぁ、でも、そこを割り切って、思いきってなにか商売を始めてみよう! と 思い立ったときの為に(実際はまだ思い立ってはいないんだけど)、ちょっと 本を読んでみた。本格的なネットショップ開業指南本は、本格的すぎて、具体 的すぎて肩が凝るので、軽い感じのものを探してみたら、あった。 『OLかなこのひらけ!ネットショップ 基本編』。タイトルのとおり、OL のかなこさんがネットショップを開く過程をマンガと解説ページでわかりやす く教えてくれる。軽い感じではあるのだけど、商品の仕入れの方法とか、法律 的なこととか、クレームへの対応などの接客のコツなんかも具体的に書いてあ るので、この一冊でもお店は開けるかも。 実際の店鋪での開業はお金もかかるし、大変だけど、ネットショップなら個人 でもわりと簡単に開く事ができる。でもそれは、リアル店鋪に比べれば簡単と いうだけで、実際の業務は結構大変そう。副業としてやるのは、わたしには無 理。お客さんが多ければ、それはそれで大変だし、少なければ、それなりに寂 しいし。相手が人間だけに、メールでの対応とはいえ、かなり気も使うだろう な。メールだからこそ気を使うということもある。うむむむ。 しかし、ショップ開業のだいたいの流れはわかったから、将来、本当にお店を 開きたいと思ったら、この本を参考にして、さらに詳しい解説本を読めばお店、 開けるかも。う〜ん、でもネットショップよりも、実際にお客さんと接するリ アル店鋪の方が楽しいかもしれない。店頭にきれいに商品をディスプレイして、 商品を選ぶ客さんを見て、気に入ったものを買って満足した顔をして帰ってい くお客さんを見る方がきっと楽しい。メールのやりとりは顔が見えないから味 気ないなぁ。 ___________________________________ ●宮崎駿は超えられないかも◆『モンスターズ・インク』                          [2002年10月02日(水)] 映画館で見れなかったので、DVDを購入。最近のCGの技術はすごい。動物の 毛並みが揺らめくところまで繊細に表現していてびっくり。なにしろ主人公の モンスター、サリーが全身毛むくじゃらで、それが自然に見えるのだから。で もそのきれいさは、うちのおんぼろテレビではなく、映画館の大画面で堪能し たかった。映画館に見に行かなかったことをちょっと後悔した。 CGの技術は技術として、やっぱりストーリーが面白くないと作品としてはヒ ットしない。その点、この映画は合格点。子供の悲鳴を集めてエネルギー源に しているモンスターの街が舞台で、そのモンスターの街というのが、なんだか 人間の街によく似ている。悲鳴を集めてエネルギーを供給しているのが、モン スターズ・インクという会社。その会社で悲鳴集めナンバーワンなのが、この 映画の主人公のサリー(青い毛むくじゃらモンスター)とマイク(緑色の一つ 目モンスター)。 ひょんなことからそのモンスターの世界に人間の女の子がやってきてしまう。 モンスターの世界では、人間の子供はモンスターにとって有害だという常識が あって(実際はそんなことないんだけど)、サリーとマイクは大慌てで、モン スターの街も大パニック。結局、二人(2匹?)はブーと名付けた人間の女の 子を匿って、無事に人間の世界に帰してあげようとするのだけど、それを邪魔 する奴らもいて、簡単にはいかない。まんまと罠にはめられてヒマラヤの雪男 (モンスター界を追放されたモンスター)のところにころがりこんでしまった り、実験台にされそうなブーを危機一髪で助けたり、ドキドキの展開なのだ。 ドアの格納庫でレール上を高速で移動するドアからドアへととび移りながらブ ーを助けるシーンなんてスピード感があって、迫力満点。毛むくじゃらサリー の毛が揺れる感じが風を感じさせて演出効果を高めているみたい。 CGだとなんでも表現できる反面、人間を表現するのって難しい。それは、わ たしたちがいつも見なれているものだから、ちょっとでも不自然だとすぐにそ の不自然さが気になってしまうからだ。この映画でも人間の子供のブーが不自 然だったらつまらないだろうな、と見る前に思っていたんだけど、そこはちゃ んと仕掛けがあって、映画の大半の部分で、ブーは人間だとばれないように、 モンスターの気ぐるみを着せられている。見えているのは顔の一部だけ。これ なら多少不自然でもあまり気にならない。それどころか、ブーの行動はとって も子供らしくて無邪気、奔放ですごくかわいい。モンスターたちとしゃべる言 語が違うのか、言葉が通じないという設定もいい。言葉がなくても、表情やし ぐさでモンスターたちと心を通わせるのだ。 いろいろな種類のモンスターがいるのだけど、その造形は爬虫類系、軟体動物 系、甲殻動物系、恐竜系となんだかどれも見た事あるようなものばかりであま り新鮮味がない。やっぱりデザイン的に見ると、宮崎駿監督のキャラクターの 方が優れているような気がしてしまう。『千と千尋の神隠し』にでてくる神様 キャラたちはどれも個性的だった。『モンスターズ・インク』のモンスターた ちは顔がアメリカン(目と目の間がくっついていたり、彫りが深かったり)な 感じで、日頃馴染んだ日本人顔の宮崎キャラのほうが親近感があるからなのか もしれないけど。 このDVD、2枚組で、特典映像がいっぱいついていて、 お得度は高い。制作過 程などがわかって面白い。 ___________________________________ ●椎名誠の時代◆『むははは日記』 [2002年10月10日(木)] 『むははは日記』椎名誠/著(角川文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02190999 角川文庫の新刊なのだけど、もとの単行本は1984年に本の雑誌社から出版され ているもの。なので、内容はちょっと古い。だいたいが、エッセイというよう なもので、時事ネタを含んでいるからなんだかすごく昔懐かしい気分になりな がら読んだ。 1984年といえば、今から20年近く前だ。わたしは小学生。この文庫、あまり内 容を考えないで買ったので、そんな昔のエッセイを読もうと思っていた訳では なく、読んでみたらそんな内容だったという、予期せぬ読書になってしまった。 本の雑誌社の単行本は長らく文庫化が封印されていたそうで、最近解禁になっ たそうな。で、『むははは日記』も『悶え苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』 (角川文庫)も晴れて文庫化となった。 わたしは角川文庫「最新刊」の帯のついたこの本を、病院の待ち合い室で赴ろ に読み始めたのだけど、なんだかネタが古いから、おかしいなぁと思いつつ読 みすすめていて、この時間差攻撃に気付くのにしばらく時間がかかってしまっ た。まったく、文庫というのは油断もスキもないのだ。 古いなら古いなりに楽しめるからいいんだけど、もっと早く気付けばよかった。 まぁ、それはそれとして。この本は30代の血気盛んな頃の椎名誠がつまってい る。勢いがもう、どどどっっという感じ。いろんな雑誌などに書いたものを集 めてあるので、内容はかなりバラエティに富んでいる。組版も途中、なぜかい きなり二段組になってたりしてびっくり。なんでもありだなぁ。 エッセイあり、日記あり、雑誌批評あり、なんでもあり。個人的には内容がバ ラバラな本ってあんまり好きじゃないんだけど、なんか、この本はその時代の 息吹きが感じられて面白かった。この頃の椎名誠はたぶん、ベストセラーを出 版したトキの人だったはずで、仕事もいろいろやっていて、ドキュメンタリー で海外に行ったり、雑誌の連載をたくさん持っていたり、かなり活動的。時代 的にもなんだかバブリーな時代への入り口といった感じで、今読むとちょっと 違和感があるんだけど、それがまた面白い。 だいたい、この頃のわたしはまだ子供で、椎名誠ってなに?っていう世代。そ の頃のものをなんの心構えもなく唐突に読み始めてしまったので、なんだかタ イムスリップしたみたいで、変な気分だった。今の時代のわたしが昔の本を読 んでいるのではなくて、大人のわたし自身が80年代にタイプスリップしてしま って、その時代の椎名誠を体験しているような。変だけど。そんな気分だった。 あの頃、わたしは子供だったけど、あの頃の大人の人たちはこんなことを考え ていて、こんな社会に生きていて、こんな雰囲気の時代の中にいたのか、と変 な擬似体験。 『むははは日記』ってタイトルが好き。世の中のなんでもかんでもを「むはは、 むはは」と笑い飛ばしちゃえ。こればっかりはいつの時代でもかわらないのだ。 むはははは。 ___________________________________ ●雑誌への愛◆『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』                          [2002年10月14日(月)]                           『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』椎名誠/著(角川文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00017765 なんといってもタイトルが凄い。その長さにも増してインパクトがありすぎ。 ホラー小説かとも思える毒々しさなのに、味噌蔵って・・・。いったいなんの 本なのかさっぱりわからん。そこがいいのだけど。 元の本は1981年に本の雑誌社から単行本として出版されている。これ以前に、 著者の椎名誠が「本の雑誌」やその他の雑誌に書いていたものをまとめたもの だ。表題の「もだえ苦しむ〜」は小説だけど、あとはエッセイのようなもの。 主に本や雑誌の周辺について思い付くまま好きなように書いているのだ。 椎名誠の文章にはウソがない。嫌いなものは嫌い。好きなものは好き。本音と タテマエなんてものもない。そういうところがいい。散々けなしておいて、だ けどそれはそれでいいのかもしれない、なんていう結論になっちゃうところも なんだか私の思考回路と似ている。 書かれたのが20年も前だから、今読むと違和感があったり、あまり実感として 感じられなかったりするのだけど、ま、今に通じるところがなきにしもあらず、 って感じで、とりあえず読み切った。本の周辺についてはそれなりに面白いの だけど、やっぱりその当時に読んだほうが30倍は面白かったろうと思う。だ って、本屋さんや出版界のありようが今と昔じゃ大分変わってる。この本に出 て来るような小さい本屋さんなんて今はかなり潰れちゃってるんじゃないだろ うか。そう思うとなんだか切ない気分にもなってくるのだった。 椎名誠は雑誌好きだ。雑誌について書いている文章にはどれも愛情が感じられ る。けなしてても誉めてても。この人のいいところは、けなすにしても誉める にしても、その雑誌をちゃんと全部読んで、きちんと検証してから批評してい るところだ。かなり酷いことを書いているにも関わらず、「数えてみたらこの 特集は何ページでこのコーナーは何ページで全体の何割がどーのこーの・・・ 定価をページ数で割ったら1ページ当たりの単価はいくらで・・・」なんて計 算をしたりして、実にことこまかにその雑誌を検証しているのだ。これでは批 評される側も文句の言い様がない。 椎名自身が発行している「本の雑誌」を誰かがけなしていることについて、 「読んでもいないのに」と怒っている一節があって、読んでもいないのにけな されるというのは、雑誌を愛する著者にとってはきっと我慢ならないものがあ るのだろうな、と思った。 この人の雑誌批評に好感が持てるのは、意味のないエロ雑誌、女のハダカを載 せてる雑誌を認めないというところ。認めない訳ではないのだろうけど、こう いう雑誌のことを「くだらない」と思っているところ。その反面、女性週刊誌 『微笑』については、女のエロ雑誌であると断言した上で、こういう雑誌があ ってもいいのではないか、なんて言ってるところもなんだかいい。 雑誌は、いまでも発行されているものがかなりあるけれど、この本に収録され ているものは、その当時の雑誌について語られているので、ここに書いてある 事を参考にして今発行されている雑誌を物色してもあまり意味がない。私がそ の当時、リアルタイムで読んでいたのは『幼稚園』くらいだった。しかし、気 になったらエロ雑誌から『幼稚園』までどんな雑誌でも(買って)読んでみる という姿勢には恐れ入る。雑誌を愛していないとできない芸当なのだ。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 http://akane.pos.to/ ◇11月のカレンダーは青と緑の透明なイメージです。(2002/10/31) ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 http://akane.pos.to/sozai/ ◇[ボタン・アイコン]動物のアイコン(ブタとパンダ)13点追加しました。                              (2002/10/23) ◇自動登録リンク集つくりました。(2002/10/25) ◇[背景パターン]ストライプ、シンプルチェック97点追加しました。                              (2002/10/29) ◇[背景パターン]ストライプAのタテバージョン8点追加しました。                              (2002/10/30) ◇[使用上の注意]に「素材の保存の仕方」と「操作ガイド」を追加しました。                              (2002/10/31) ◇[壁紙-Art]透明水彩の壁紙15点追加しました。(2002/10/31) ◇トップページ「季節のオススメ壁紙」更新しました。(2002/11/03) ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 http://akane.pos.to/shopping/ ◇お得なキャンペーン情報、新しいお店のリンクなど随時更新中! ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Pubzine  マガジンID:19602  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  Copyright(C) 2002 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛