□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0043 □□□□□□□□□□ 2002/08/04 Sun.---Since2000/01/26  発行部数104 =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    もうすぐ終戦記念日です。バイト先の本屋さんで子供の本を担当して  いて、毎年夏になると戦争と平和の本を置くのですが、去年まではい  まいち手ごたえがなくて、あまり売れなかったのです。やっぱり最近  は戦争って言ってもピンと来ないのね、とちょっぴり嘆いていました。  内容も表紙も暗い感じの本が多いですからね。仕方ないかなとも思い  ますが。しかし今年はちょっと違う。同時多発テロ、米国の報復攻撃  など世界情勢が緊迫しています。なんとなく、今年は戦争と平和フェ  アがいけるんじゃないか、とカンが働きました。で、お客さんの目に  つきやすいところで展開したらそれなりに売れているみたい。でもね、  私としては、もっと平和なときに戦争と平和について考えられる世の  中になって欲しいなぁと思うのです。戦争が起きてから「あの頃は平  和だったな」と思うよりも、戦争を未然に防ぐために「今は平和で幸  せだな」と思える世の中になったらいいな、と思います。平和ってあ  たりまえのことじゃないんですよね。   ___________________________________ _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●多発性筋炎 その後。 [2002年07月03日(水)] ●ラッキーなデジカメがやってきた。 [2002年07月05日(金)] ●大河小説を読もう!アンとローラが呼んでいるぅ。 [2002年07月06日(土)] ●「奇跡の詩人」は本当にいるのか。 [2002年07月14日(日)] ●TDLに通じる?〜『キス・ミー、ケイト』 [2002年07月20日(土)] ●眠りの魔法!〜DVD『ハリーポッターと賢者の石』 [2002年07月23日(火)] ●原作のイメージが濃くてマル〜映画『陰陽師』 [2002年07月26日(金)] ●うちのMacもやればできるのだ。 [2002年07月29日(月)] ●かっこいい「豚の美学」〜『紅の豚』 [2002年07月31日(水)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★茜音ミニショッピングモール ◆サイトマップ ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp )  の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報  のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●多発性筋炎 その後。 [2002年07月03日(水)] 梅雨。蒸し蒸しして暑くて、気持ちが悪い。どよ〜んと空気が重くて、身体も 重い。まだ半病人であるのを言い訳に、一日中ダラダラと過ごす日もある。こ れが、気候の所為なのか、病気の所為なのか、私の気力のなさなのか、よくわ からない。たぶん、全部ひっくるめてだと思うんだけど。 多発性筋炎は大分よくなって、30mg飲んでいたプレドニン(ステロイド剤)は 今は13mgになった。副作用で顎や頬のあたりにぷっくりと脂肪がついて、もと もとの丸顔がさらに真ん丸になっている。毎日、鏡を見ると二重顎の真ん丸顔 の自分がいる。なんだか自分の顔じゃないみたいだし、二重顎っていうのが嫌。 実のところ、あまり知っている人に会いたくないし、外出もしたくないなぁ、 と思うのだけど、そういう訳にもいかないので、なるべく気にしないことにし た。でも気になるから、最初に「薬の所為でちょっと顔が丸いけど・・・」と 言い訳してしまう。ちょっと太って見える。友人たちは「まんまるでかわいい」 と慰めてくれるけどさ。確かに見ようによってはかわいいかも・・・そんなわ けないじゃん。 副作用らしい副作用はほかにはあまりない。ちょっと全体的にむくんでるけど、 これはもともとかな。だからまぁ、いいんだけどね。顔が丸いくらい。 仕事にも短い時間だけど行っている。気晴らしになっていい。相変わらず時給 が安いので、たいした金額にならない。しかも、立ち仕事、肉体労働で結構き ついのだ。午前中だけ働いて帰ってくるとドッと疲れて寝ちゃったり。こんな んでいいのだろうか。体力が衰えているので、だんだんに慣らしていかないと ね。 薬が多かったときは、夜でも昼でもあまり眠れなかった。二時間くらい寝ると もう目が冴えてしまって、眠れない。だから夜中に起き出してビーズアクセサ リー作ったり、HP作ったりしていた。昼間も眠くなったときに寝ていたのだけ ど、睡眠時間はあわせて4時間くらいだったりした。起きてるときもなんだか ナチュラルハイ状態でやたらせっせと何かを作っていた。で、薬が減るにつれ て眠れるようになってきて、最近は普通の人くらい寝ているのにさらに昼寝を して、さらにダラダラと過ごしたりしている。ちょっと運動しろよって感じ。 反省、反省。(とは言っても、長時間外出するだけで、息切れするので、そん なに激しい運動はできないのだった。) この病気、国から難病に指定されているだけあって、手強い。症状はひどくな いものの、なんとなく調子はよくない。薬を飲んだからと言って完全に治るか というとそれはわからない。薬の副作用もある。薬が最低の維持量まで減るの に一年くらいかかるらしいし、忍耐力が必要だ。せっかちな人は大変。私はせ っかちじゃないけど、やっぱり時々ちょっとイライラする。いったいいつにな ったら体調がもとに戻るのかなぁ、と考え込んでしまったり。あせっても仕方 ないので、ゆっくりゆっくり病気とつきあってゆくしかないのだけどね。 思い通りに仕事ができない。お金がない。体力もない。遊びに行くのにもお金 と体力が必要。暇だけはたくさんあるけど。とりあえず、ディズニーランドで 一日遊べるくらいの体力がついたら、ミッキーに会いに行くのだ。待っててミ ッキー! あ、ドナルドもね。 多発性筋炎の説明 http://www.nanbyou.or.jp/tokuteisikkan/t/t2.html http://www.nanbyou.or.jp/tokuteisikkan/t/igaku/t2.html Tokyo Disney Resort http://www.tokyodisneyresort.co.jp/ ___________________________________ ●ラッキーなデジカメがやってきた。 [2002年07月05日(金)] デジカメが当たった。そんなキャンペーンに応募したことすら忘れていたのだ けど、確かに、希望商品「デジカメ」にチェックした記憶がある。FUJIのFine Pix A201。それほど高性能じゃないけど、軽いし、HP用の写真をパシャパシャ 撮るには十分。 思えば、HP用に買った初代デジカメ(SANYO DSC-V100)を使わなくなって久し い。なにしろ、シリアルポート接続で、Mac G3には直接繋げないので古いMac (Peforma5440)で読み込んだ画像をLANでG3に送るという手間がかかるのだ。 しかも30万画素で色が悪い。父が新しいデジカメを買ってからはほとんど使わ なくなってしまった。そして、あまりにも長期間放置されていて、ホコリだら けになっていたのを不憫に思い、つい先日、箱にしまってあげたのだった(た ぶんこれで二度と使わないだろうと思いながら)。 そんな訳で、デジカメを使うときは父のを借りていたのだけど、これからは Fine Pixで気軽に撮れるようになりそう。これは結構、嬉しい。画素数も200 万画素。HPに使うには十分なのだ。 ___________________________________ ●大河小説を読もう!アンとローラが呼んでいるぅ。 [2002年07月06日(土)] 「本の雑誌」7月号の特集は「レッツゴー大河小説!」。いや、もうすぐ次の 号がでちゃうんだけど、今日読んだから。 長編小説は好き。はまるとすごく夢中になれる。しかし、どのくらいの長さ以 上が「大河小説」なんだろう。記事を読むと全三巻では大河小説じゃないなん て言ってるし。全五巻以上くらいですかね。 一番何度も読んだのはやっぱり『風と共に去りぬ』(新潮文庫、全五巻)。久 しぶりに棚から取り出したら、背表紙がぼろぼろで、ページも黄ばんじゃって た。いやぁ、青春時代の遺物って感じ。昔はスカーレットに憧れたし、レット ・バトラーみたいな人が理想だったなぁ。もう今はあんな危ないオトコはダメ ダメだと思うけれど。今、読んだらまた全然違うんだろうな。続編『スカーレ ット』(新潮文庫、全四巻)は作者も違うし、一度読めば十分。 青春といえば、『赤毛のアン』シリーズも夢中で読んだ。これは一度しか読ん でなくて、いつか読み返そうと思いつつ、まだ読み返せていない。アンは最初 の『赤毛のアン』(新潮文庫)が一番有名だけど、ギルバートと文通しながら 愛を育んだり、子育てしたり、子供たちが戦争に狩り出されてしまったりしつ つ、アンがだんだんと歳をとってゆく姿がまたいいのだ。アンはどんなときも アンで、素敵に年老いてゆく。 それにくらべて『大草原の小さな家』シリーズは巻が進むにつれてだんだん悲 惨になってゆく。実話だから仕方ないのだけど、最初は夢いっぱいだったのに、 どんどん、不幸になっていって、なんだか世の中の不条理を感じてしまった。 しかも、このシリーズ、最初から最後まで同じ出版社から出てないみたいで、 途中から違う訳者の本を買うことになってしまった。それまで「とうさん」と だったのに、シリーズの途中から突然「とうちゃん」になってしまって、これ もショック。いや、訳した方の感覚の違いなんでしょうが、私はこれで訳者に よって本の印象がまるで違ってしまうということを学習したのだった。(たし か、前半は青い鳥文庫、後半は岩波少年文庫で読んだような。青い鳥文庫は幸 せなところで終わっている。今思えば教育的配慮だったのかも。) 大河と言えば歴史。歴史小説ではやっぱり『竜馬がゆく』(文春文庫、全八巻) でしょう。これも一気に読んだ。もともと坂本竜馬は好きだったから、これで ますます好きになった。なにしろ司馬遼太郎は読みやすい。ほかには『箱根の 坂』『燃えよ剣』なんかを読んだ。しかし司馬遼太郎ファンはい〜っぱいいそ うなので、今回は多くを語るまい。(あんまり読んでないから) あと、大河小説っていうとなんだろう。『大地の子』(文春文庫、全四巻)と か『ワイルド・スワン』(講談社文庫、全三巻)、『レ・ミゼラブル』(新潮 文庫、全五巻)なんかは面白かった。やっぱり歴史物やノンフィクションはい い。 今、読んでいるのが『モンテ・クリスト伯』(岩波文庫、全七巻)。これは書 評を見ると誰も彼も一様に「面白い!」と太鼓判を押している。これはウソじ ゃない。まだ3巻の途中だけど、ほんとに面白い。ストーリーの展開もトント ントンと進んでゆく。陰謀によって牢獄に入れられてしまった男が14年後に脱 獄、巨万の富を手に入れ、身分を偽って復讐に燃えるという、あらすじを聞い ただけでもわくわくする。作者アレクサンドル・デュマは『三銃士』も書いて いる。次は『三銃士』を読みたくなりそう。 WEB本の雑誌 http://www.webdokusho.com/ 『風と共に去りぬ』 マーガレット・ミッチェル/著、大久保康雄・竹内道之助/訳 (新潮文庫、全五巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00160877 『スカーレット(1)』アレクサンドラ・リプリー/著、森瑶子/訳 (新潮文庫、全四巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01080759 『竜馬がゆく(1)』司馬遼太郎/著(文春文庫、全八巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01616206 『箱根の坂(上)』司馬遼太郎/著(講談社文庫、全三巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00470369 『燃えよ剣(上)』司馬遼太郎/著(新潮文庫、全二巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01491982 『大地の子(1)』山崎豊子/著(文春文庫、全四巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01043203 『ワイルド・スワン(上)』 ユン・チアン/著、土屋京子/訳(講談社文庫、全三巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01554975 『レ・ミゼラブル(1)』ユゴー/著、佐藤朔/訳(新潮文庫、全五巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01606916 『モンテ・クリスト伯(1)』 アレクサンドル・デュマ/著、山内義雄/訳(岩波文庫、全七巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00165239 『三銃士(上)』 アレクサンドル・デュマ/著、生島遼一訳/訳(岩波文庫、全二巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00164766 ----------------------------- 「赤毛のアン」シリーズ ----------------------------- 「赤毛のアン」、「アンの青春」などは新訳や完訳が多数出版されているけれ ど、シリーズ全部が読めるのはおそらく新潮文庫だけ。新訳ですべて読めるよ うになったら読んでみたい。 『赤毛のアン』モンゴメリ/著、村岡花子/訳(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00628579 ※以下、すべて上と同じ著者・訳者で新潮文庫に入っています。 『アンの青春』 『アンの愛情』 『アンの友達』 『アンの幸福』 『アンの夢の家』 『炉辺荘(イングルサイド)のアン』 『虹の谷のアン』 『アンの娘リラ』 ----------------------------- 「大草原の小さな家」シリーズ ----------------------------- ここに書いたのは子供向けの文庫シリーズ。大人でも十分楽しめるけれど、大 人向けには講談社文庫から青い鳥文庫とほぼ同じタイトルで出ている。これも シリーズ最初のほうはいろいろな出版社からでているものがある。 『大きな森の小さな家』 ローラ・インガルス・ワイルダー/著、こだまともこ・渡辺南都子/訳、 かみやしん/絵(講談社青い鳥文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01723920 ※以下、すべて上と同じ著者・訳者で講談社青い鳥文庫に入っています。 『大草原の小さな家』 『プラム川の土手で』 『シルバー湖のほとりで』 『農場の少年』 『大草原の小さな町』 『この輝かしい日々』 ****ここから岩波少年文庫(青い鳥文庫と重なっているものもある)**** 『長い冬』 ローラ・インガルス・ワイルダー/著、谷口由美子/訳(岩波少年文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01779491 ※以下、すべて上と同じ著者・訳者で岩波少年文庫に入っています。 『大草原の小さな町』 『この楽しき日々』 『はじめの四年間』 『わが家への道』 ___________________________________ ●「奇跡の詩人」は本当にいるのか。 [2002年07月14日(日)] 『文芸春秋』8月号に、「NHK『奇跡の詩人』重大な罪」という記事が。 http://www.bunshun.co.jp/honshi/honshi.htm 「奇跡の詩人」というのは、先日読んだ『ひとが否定されないルール』の著者、 日木流奈くんのこと。NHKがドキュメンタリーとして放送した番組のタイトル。 やらせ疑惑も含めてかなりの反響があったらしい。 脳障害の少年が天才的な頭脳をもっていて、文字盤を使って会話をし、すばら しい詩を作る、という内容。だと思う。私はその番組は見ていない。放送当初 から、やらせではないかという声が多くあったようだ。 私が読んだ本だけではなんとも言えない。テレビを見た人たちは何を根拠にや らせだと言っているのか、よくわからなかった。脳障害の子供がそれほどの知 能を持ち得ないという思い込みからなのか、それとも他の理由があるのか。 「文芸春秋」を読んでその謎が少し分かった。どうやら、映像で見ると、文字 盤の差し方がおかしいらしいのだ。母親が右手で文字盤を持ち、子供の左手に 自分の左手を添えて、文字盤を差すのだが、その差すスピードがとても速い。 しかも右手で固定されていなければならないはずの文字盤もよく動くという。 なるほど、それならやらせ疑惑が浮上するのも納得。 確かに、本の内容は、子供が書いたにしては立派だが、世間に出回っている本 と比べてそれほど優れた内容とは思えない。大人が書いたものだとしたら、ベ ストセラーになるような内容の本ではないと思う。これが、たとえやらせだっ たとして、親が書いたものだったとしても、本の内容が本当に良ければ、それ はそれでいいと思うのだけど、内容がねぇ。 「文芸春秋」の記事では、番組が世間にあたえる影響として、脳障害の子供を 持つ親に対する世間の目が厳しくなったり(どうしてあの番組でやっていたド ーマン法をあなたの子供にもやらないのか、という目で見られる)、一民間療 法でしかないドーマン法を過大に取り上げていたり(医学的な実験では否定的 な結果がでているらしい)、その問題点を指摘している。 NHKの取材班としては、自分たちの目で流奈くんが本当に天才であるという証 拠を見たのだ、と言っているらしい。そうだとしても、番組には本当に問題が なかったのか、疑問だ。 流奈くんが天才であろうが、そうでなかろうがどっちでもいいのだ。いったい、 何が一番、彼と家族にとって幸せなんだろう。「奇跡の詩人」と騒がれて、マ スコミに取り上げられることは幸せなんだろうか。多数のボランティアの手を 借りて、24時間体制で本人にとっても、家族にとっても過酷なドーマン法を続 けることは幸せなんだろうか。自分に脳障害の子供が生まれた時に、私だった らどうするのだろうか。しみじみ考えてしまう。 『ひとが否定されないルール』日木流奈/著(講談社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02166223 Online Luna http://www2.odn.ne.jp/luna/ ___________________________________ ●TDLに通じる?〜『キス・ミー、ケイト』 [2002年07月20日(土)] 帝劇で『キス・ミー、ケイト』を観てきた。一路真輝が主演のミュージカル。 1948年にブロードウェイで初演、最近になってリバイバルされてあちらでは大 ヒットらしい。音楽はコール・ポーター。 全体的に古き良きミュージカルという印象。私はすごく楽しかったのだけど、 一緒に行った友人は『ジキル&ハイド』に次いでイマイチだったらしい(ちな みに『ジキル&ハイド』は私たちのなかでワースト1に輝くつまらなかった舞 台)。 コール・ポーターの曲はすごく有名らしいんだけど、私はよく知らなかった。 でもなんだか懐かしい感じで耳に心地よい。きっとどこかで一度は聞いたこと のある曲なんだろうと思う。 ドタバタラブコメディという感じで、ストーリーがあってないようなもの。軽 い軽い。もとネタはシェークスピアの「じゃじゃ馬ならし」で、この作品が劇 中劇で演じられる。劇中劇と現実の世界が交互になって、リンクしている。だ いたい「じゃじゃ馬ならし」って、じゃじゃ馬娘を力づくで大人しい娘にして 結婚するっていう話で、あんまり好きじゃない。でもこのミュージカルでは最 後には女の子の方が一枚上手・・・かな?って思わせるようになっている。で も、ストーリーよりも部分部分の掛け合いの面白さで笑わせてもらったという 感じ。 歌やダンスは実力派が揃っているので、もうバッチリ。私は特にダンスシーン が好きだった。振り付けがかなり激しい。こんなの毎回やってて大丈夫なの? ってくらい。それだけに見入ってしまった。でも主演の二人はほとんど踊らず、 まわりの人たちがすごくがんばってるように見えてしまった。 リリ(ケイト)は一路真輝で、その元夫で俳優兼演出家のフレッド(ペトルー チオ)が今井清隆。もう一組のカップルがビル(ルーセンショー)の赤坂晃と ロイス(ビアンカ)の伊織直加。なにしろ劇中劇が入って二重構造になってる もんだから役名だけでもふた通りあってちょっとややこしい。カッコ内が劇中 劇の役名。 一路真輝はものすごい弾けぶりで、じゃじゃ馬を演じていた。私はこんな彼女 も好きだけど、ちょっとやりすぎという気も。もっと歌をじっくり聞きたかっ たなぁ。今井清隆フレッドは平均点。歌はもちろんとても上手い。芝居もまあ まあ。うーん、でも他の人のフレッドも観てみたい。もうちょっとパンチがあ る感じでね。 赤坂晃は舞台では初めて観た。歌、ダンス共にがんばっていて、個人的に結構 好きなのだけど、人によってはダメだって言うかも。宝塚男役の伊織直加は予 想外にとってもかわいい女の子を演じていてとても良かった。ダンスも歌も芝 居もさすが。そういえば、この舞台、なぜかセクシーサービスシーンがたくさ んある。女の子たちが下着姿で踊りまくる。ロイスも元ショーガールという設 定なので、かなりきわどい衣装でセクシーな歌とダンスを披露。中学生の団体 が観に来ていたんだけど、いいんだろうか。(いいんだろうな) ショー的な要素がディズニーランドに通じる。このミュージカルの方が古いか ら、ディズニーランドでこの音楽を使っているのかもしれない。ダンスのシー ンを観ていると、ついついディズニーランドのショーを思い出してしまう。 「ああ、ディズニーランド行きたいなぁ」って。 『じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ』 ウィリアム・シェクスピア/著、福田恒存/訳(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00161060 ___________________________________ ●眠りの魔法!〜DVD『ハリーポッターと賢者の石』 [2002年07月23日(火)] 映画の『ハリーポッターと賢者の石』のDVDを借りて見た。これ、映画はか なりヒットしていたと思うのだけど、予想以上につまらなくて、びっくりした。 母と一緒に見ていたら、母は途中で寝てしまった。私もかなりの睡魔に襲われ たけれど、なんとか最後まで見た。 ストーリーやCGを多様した世界感は原作にほぼ忠実。原作での文字の世界を 映像で再現している点はすごいと思うけれど、再現されすぎてしまって、つま らくなってしまっていたのかも。しかしつまらなかった主な原因や脚本じゃな いかと思う。なにしろ、原作は一年間のできごとを一冊にしている。それを二 時間半の映画で全部やるのは無理。映画では原作のそれをそれぞれのエピソー ドをほとんど全部盛り込んでいるのだから原作を読んでなければ何が何やらわ からないのではないかという状態。そういう小さいエピソードの中に次作以降 の伏線をいっぱい含んでいるから仕方ないといえば仕方ないのだけど、映画と してはちょっとねぇ。 映画を見た人が原作を読んでみようと思うかどうかも疑問。映画がつまらなか ったから原作もつまらないだろうと思ってしまうかもしれない。 『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング/作,松岡佑子/訳(静山社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01709711 ___________________________________ ●原作のイメージが濃くてマル〜映画『陰陽師』 [2002年07月26日(金)] 映画の『陰陽師』を見た。主演は狂言師の野村萬斎。 マンガやTVドラマ版と比べると、この映画が一番、原作のイメージに近い。原 作者の夢枕獏氏も脚本にかかわっているようだし、キャスティングにもこだわ ったらしい。 野村・清明はとても洗練されている感じでよかった。立ち姿が美しい。所作が セリフの言い回しが決まっている。ちょっと芝居掛かっているのがまたいいの かも。原作のイメージとぴったりかというとそうでもないんだけど、こういう 清明もあり。得体のしれないつかみどころのないような雰囲気をうまく出して いるのがいい。 源博雅は伊藤英明。最近、この人ちょっと好き。小説からのイメージだともっ とゴッツイ感じなんだけど、こんな華奢な博雅もまたいい。朴訥さは原作通り。 笛の名手で繊細な神経の持ち主という面がよく出ていた。 悪役・道尊は真田広行。整ったお顔だちが悪役ぶりを引き立てていてマル。悪 役のキャラが立ってないとヒーローは際立たないもんね。しかし、道尊の僕(?) のトリがいかにも作り物っぽい動きで笑えた。ディズニーランドの「魅惑のチ キルーム」にいる鳥みたい。他にも、この映画、CGを使いつつも変な作り物 っぽい小道具がところどころに登場して笑えた。呪われた赤ん坊もすごい人形 っぽかった。しかしCG全盛の今、こういう手作りっぽい感じが私は好きだな ぁ。 不老不死の女・青音は小泉今日子。この役をキョンキョンはとても魅力的に演 じていてちょっとびっくり。もう少し癖があるかと思ったんだけど、すっきり 美しい。ほんとに150年生きてそう。鈴の音と共に登場するせいか、 透き通る ような儚い感じがとてもよかった。 私の好きな夏川結衣も出ていた。博雅が思いを寄せる女で、別の女を寵愛する 帝を恨んで生成り(鬼のなりかけ)になる。この特殊メイクがまた笑える。や るならもうちょっとちゃんとやった方が・・・。ま、いいけど。 清明の式神、蜜虫は今井絵理子。TVドラマでは清明の恋人のような設定だった けれど、これは原作から考えても強引なTV向けの設定。映画ではマスコット的 なキャラで、いつも清明の後を付いて回っているようなかわいい役。「ブラッ クジャック」で言うとピノコみたいな感じ。この方が自然。 映画全体は適度に謎めいた感じといい、適度な暗さといい、適度な盛り上がり といい私の期待を裏切らない出来。道尊と清明の対決シーンもなかなかよかっ た。もっとショボいかもと思ってたし。脚本がいいんだ、きっと。そして、C Gもほどほどな感じが好感持てる。作り物っぽい生物たちも微妙な特殊メイク も私は許す。もっとやって欲しいくらい。第二弾があるとしたら、それにも期 待大。 映画『陰陽師』公式サイト http://www.onmyoji-movie.com/ 『陰陽師』夢枕獏/著(文春文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00739950 『陰陽師 飛天ノ巻』夢枕獏/著(文春文庫) 『陰陽師 付喪神ノ巻』夢枕獏/著(文春文庫) 『陰陽師 鳳凰ノ巻』夢枕獏/著(文春文庫) 『陰陽師 瘤取り清明』夢枕獏/著、村上豊/絵(文芸春秋) 『陰陽師 龍笛の巻』夢枕獏/著(文芸春秋) 『陰陽師生成り姫』夢枕獏/著(朝日新聞社) コミック『陰陽師』岡野玲子/作(白泉社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01850128 ___________________________________ ●うちのMacもやればできるのだ。 [2002年07月29日(月)] ものすごく久しぶりにMacをアップグレード。普段使いのパソコン、Macintosh G3のOSを9.2.2にした。今までは2年くらい(3年か?)ずっとOS 8.6。 その 前にはMacintosh Performa5440で、漢字Talk7.5.3→MacOS 8.Xと段階的に細か くアップフレードしていたんだけど、その度にソフトもアップグレードしなき ゃいけなくて、なにげにお金がかかる(いわゆるMac貧乏)ので、 最近はOSは 手付かず。しかもOSXも出て、なにがなにやらよく分からなくなっている状態。 OSXの評価を見定めてから〜 なんて思っているうちに月日が経ってしまったの だった。 iBookはOS 9 。これが、メインのG3で使っているOS 8.6と比べてあまり使い勝 手がいいとは言えなかったので、パッケージを買ってまでG3をOS 9にアップグ レードする気になれなかったのだ。 ところがところが、今回、 AdobeのイラストレーターをVer.10にアップグレー ドしたら、OSXに対応しているのはいいとして、なんと動作環境がOS 9.1から! ほぇ〜。何も考えずに買ってしまって、後から気付いたのだった。当然OS 8.6 でも使えると思って買ったのに、びっくり。最近発売されたフォトショップ7.0 も同様らしい。せっかく高いお金を出してアップグレードしたのに、インスト ールできないなんて宝の持ち腐れ。あまりにも勿体無い。だから、これを機に OSもアップグレードなのだった。 OSXのパッケージを買ったのだけど、まだXにするのは恐いので(対応してない ソフトが多すぎ)、同梱のOS 9.2にアップグレード。 う〜ん、しかしXのあの 透き通ったインタフェイスにはちょっと憧れるのだ。ドックがウニウニ大きく なったり小さくなったりするのもすごーく気になる。でも、まだもう少し我慢 することにした。 OS 9.2にする前に、メモリをかなり増やした。そのせいなのかどうなのか、今、 うちのMacはかなり快適に動作している。 いままでの経験上、OSをアップグレ ードするとマシンの性能が追い付かなくて、動作が遅くなるのが普通だと思っ ていたから、これにはちょっと驚いた。 9.2って結構安定してるOSなのね。と いうより、今まで不安定なまま、8.6 を騙し騙し使っていたのかもしれない。 だって、なんだか知らないけれど、 USBマウスがしょっちゅう止まるのが普通 だった。うちのMacのこの癖は一生(?)直らないと思っていたんだけどなぁ。 本当は、今の(快適な)状態が普通の状態なのかもね。 うちのMacもやればで きるのだ。 スキャナとプリンタも新しくしたし、 Mac周りが新鮮な感じがする。どうせな らMac本体も新しくしたいなぁ。贅沢な願いだけど。 Adobe アドビ http://www.adobe.co.jp/ アップルコンピュータ http://www.apple.co.jp/ ___________________________________ ●かっこいい「豚の美学」〜『紅の豚』 [2002年07月31日(水)] 久しぶりに宮崎駿監督の『紅の豚』を見た。宮崎作品の中でも、この作品が一 番好き。 まず、タイトルが好き。紅=クレナイという言葉って日常であまり使わないか ら、どこか非日常的な響きがあって、その後に、大衆的で猥雑な響きの豚=ブ タ。このアンバランスな組み合わせがいいのかも。で、作品の内容もこんな感 じ。 なにか好きかって、外見が豚な主人公が、外見が人間の普通の人たちの中で普 通に存在できている、不思議なその世界観が好き。こういう物語って、どうし て豚になっちゃったのかとか、どうやって人間に戻るかとか、そういうところ にストーリーの中心が来るのが普通だと思うんだけど、そんなことはただのサ イドストーリーに過ぎず、もっと別のところにストーリーの中心があるのだ。 外見なんて大した問題じゃないのね。結局、最後まで豚になった理由はわから ないし、人間に戻れたのかどうかも分からないまま。肝心の恋の行方も分から ないまま。それが豚(宮崎監督?)の美学なのだ。 主人公の豚って、ほんとに、ただ、外見が豚であるってだけで、それで得もし なければ損もしない。豚であるがゆえの特殊能力もない。一流の賞金稼ぎで、 空賊(空の海賊)たちには嫌われている(恐れられている)けど、それは彼が 豚だからではなく、自分達の敵だから。空賊達は豚を豚であるという理由では 侮辱しないのだ。豚はかっこいい。そのかっこよさに空賊たちもちょっと憧れ ている。 自分達とは違う種類の人間を、自分達とは違うという理由だけで排除したり、 差別したりすることは多い。意識的であれ、無意識であれ。豚になった人間が、 豚として平然と生きることができてしまう、なんだか大らかな宮崎ワールドな のだ。そしてあくまで、豚はかっこいい。 「飛べない豚はただの豚さ」 スタジオジブリ http://www.ntv.co.jp/ghibli/ 『紅の豚』DVD http://www.ntv.co.jp/ghibli/info_y2/#buta (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ ・ 「最近の私」ひさびさに更新。  新しいスキャナとプリンタを買いました。(2002/07/26) ・ 8月のカレンダーは海の中のイメージ。(2002/07/31) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ ・[背景パターン]にストライプBを追加。  絵の具で描いたような背景です。(2002/07/23) ・[壁紙-ART]に壁紙9点追加しました。蒼い、海の中。(2002/07/31) ★茜音ミニショッピングモール http://akane.pos.to/shopping/ ・バナーを集めてWEB商店街を作りました。ちょこちょこと更新しています。 掲載しているサイトも増えました。掲載ジャンルは下記のとおり。 プロバイダ・電話/ホスティングサービス/パソコン・ソフト/本・CD・DVD /食べ物/旅行/ファッション/英会話 ◆サイトマップを作りました。これでもう迷わない。  行きたいところに一発です。(2002/07/23) http://akane.pos.to/sitemap.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】  「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。  Copyright(C) 2002 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛