□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0035 □□□□□□□□□□ 2001/12/01 Sat.---Since2000/01/26  発行部数104  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    雅子さまご出産というニュース一色。暗いニュースが多かったので、  これで日本全国が明るい気分になれれば不況もふっ飛ぶかも。皇室と  いうのは不思議で、それがあるというだけで日本人の心の拠り所にな  っている。子どもの頃は、天皇陛下が災害の被災地を訪問したニュー  スの映像で、おばあさんなんかが声をかけてもらえただけで涙してい  るのを見ても、全然その気持ちがわからなかったけれど、最近はなん  となくわかるようになった。皇室を国民の関係は親子の関係のようだ。  母親は見返りを求めずに子どもを愛するように、皇室も常に国民を見  守っているという感覚があるのかもしれない。国民は皇室に無条件に  愛されているという思い。なにがあって私達には皇室があるという思  い。    今回のニュースを「何をそんなに大騒ぎして」と思っている人もいる  だろうけど、このニュースで国民全体の心があったかくなって、明る  い気持ちになれるのならそれでいいじゃない。改めて、日本に皇室が  あって良かったと思った。報道の仕方の問題、テレビがそのニュース  一色になるという弊害(?)はあるものの、ともかく、お子さまの誕  生をお祝したいと思います。 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●人間として、司祭として苦悩の物語〜『沈黙』 [2001年10月05日(金)] ●うそつき。 [2001年10月10日(水)] ●ぼ〜〜〜〜〜っ [2001年10月13日(土)] ●副業サイト(?)と反戦サイト。 [2001年10月15日(月)] ●博多の旅〜『エリザベート』 [2001年10月20日(土)] ●人との出会いは摩訶不思議 [2001年10月23日(火)] ●浜木綿子は芝居上手〜『極楽町一丁目−嫁姑地獄編−』                        [2001年10月27日(土)] ●これでいいのか?いいのだ。 [2001年10月31日(水)] ●隠れた英雄の再発見〜『双頭の鷲』 [2001年11月04日(日)] ●予想外の失敗。 [2001年11月15日(木)] ●履歴発見。 [2001年11月15日(木)] ●音楽はいいんだけど〜『ジキル&ハイド』 [2001年11月17日(土)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★いるかプロジェクト ★グループ展「怪作展」のHP =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp ) の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報の ほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●人間として、司祭として苦悩の物語〜『沈黙』 [2001年10月05日(金)] 『沈黙』遠藤周作/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00205682 かつて、日本でキリスト教が厳しく弾圧された時代があった。島原の乱が鎮圧 されて間もない頃、布教の志しを持って密航してきたポルトガルの司祭の苦悩 が描かれている。 よく、「隠れ切支丹(キリシタン)」という言葉は聞くが、その実体はよく知 らない。キリスト教を信仰することが禁じられていた時代、政府に隠れて信仰 を守った人々のことだ。キリスト教徒であることを隠すために、聖母マリアが 仏教の菩薩像のように描かれた話などは聞いたことがある。外国人の多く渡航 してきた長崎周辺にはキリスト教が広まっており、禁止されたあとも密かに信 仰しつづける人たちが多かったらしい。 私などは信仰らしい信仰をもたない身なので、聖書の言葉も、祈りの言葉もよ くわからないのだけど、主人公の司祭が人間として苦悩している様は心にズシ ンと来る。 時々思うのは、無信心でいられるのはたぶん平和な証拠だということ。人は辛 いことや苦しいことが多ければ、必然的に何かにすがる。それが、仏教なのか、 キリスト教なのか、信仰宗教なのかわからないけれど、たぶん、心の均衡を保 つために、何かにすがりたくなると思う。なんの根拠もないけれど、神様、仏 様はきっと救ってくれるはず、と信じて祈ることで、少しは辛いことや苦しい ことに耐えられるのだと思う。そして自分の生きている意味を確認しようとす るのだと思う。 厳しい弾圧にも関わらず、信仰を捨てなかった貧しい農民達。拷問にかけられ ながらもキリスト教を信じて死んでいく人たち。何が彼らをそこまでしたのか。 農民たちが信じているのは、本当のキリスト教ではなく、彼らの中で形を変え たキリスト教である、という話が作中で何度も出てくる。厳しい年貢の取り立 てに日々精一杯に生きる彼らにとって、死んでから行けるパライソ(天国)だ けが救いだったのだろうか。拷問に変えられようとも、処刑されようとも、 (本来のものとは違うかもしれないけれど)キリスト教を信じて、何かに救い を求めようとしている農民達の姿は痛々しい。 弾圧によって司祭を失った日本人切支丹(キリシタン)たちを救うべく、高い 志しを持って密航した司祭ロドリゴとガルペ。上陸した彼らは隠れ切支丹の貧 しい農民たちに匿われながら、役人の探索から必死に逃れる。だが、彼らと関 わった農民たちは役人に捕らえられ、踏み絵を拒否して惨い方法で次々と処刑 される。 キリスト教徒を救う為にやってきたはずが、逆に彼らを苦しめ、死に追いやっ てしまう。やがて、役人に捕まった司祭ロドリゴは厳しく棄教を迫られる。司 祭は一緒に日本に密航した司祭ガルペが、処刑される農民たちと共に海に沈む のを見る。 ロドリゴは、信徒がいかに苦しめられようともひたすら沈黙を守り続ける神に 問いかけ続ける。「なぜあなたは沈黙しているのか。なぜ私や彼らを救ってく れないのか」と。 役人は巧妙な手口で司祭ロドリゴに棄教を迫る。司祭が棄教すれば、捕らえら れて拷問にかけられている切支丹たちを釈放するというのだ。自分が頑なに信 仰を捨てなければ、貧しく、弱い彼らが命を失う。棄教すれば彼らを救えるの だ。しかし、司祭にとって、信仰は絶対だった。激しく苦悩するロドリゴ。神 は沈黙を守ったままだ。 ロドリゴの師でもあるフェレイラは二十年以上も日本で布教した末、キリスト 教が禁止された後に穴吊りの拷問にかけられ棄教した。ロドリゴには尊敬すべ き師であるフェレイラがなぜ拷問にかけられたくらいで棄教したのかが謎だっ た。かつて、多くのキリスト教徒が拷問にかけられ、そのために命を落とすこ とになっても信仰を捨てなかった。あれほど信仰厚いフェレイラが拷問にかけ られたからといって信仰を棄てるとは思えなかった。 しかし、自分が棄教をせまられた今、フェレイラと再会し、説得され、ロドリ ゴはついに棄教を決意する。 それは信仰を超えた大きな愛。信仰とはなにか、劇的な展開で深く心に突き刺 さる。人を救うのが宗教であって、そのために犠牲になることは決して美しい ことではないと思う。 しかし、この物語の大前提として、キリスト教を弾圧している日本政府という ものがあって、やっぱり宗教は自由がいいなぁと思った。思想を完全に弾圧す ることなんて出来ないでしょう。 ___________________________________ ●うそつき。 [2001年10月10日(水)] アメリカが報復攻撃。民間人多数死傷。うそつき。 カフェ・オ・レ色の猫を見つけた。ミルクティー色でもある。可愛い。 父親が子猫をたくさん買ってくる夢を見た。逆さ夢?願望かも。犬猫は触ると ほんわか暖かい。 ___________________________________ ●ぼ〜〜〜〜〜っ [2001年10月13日(土)] 日記、滞り中・・・・。 風邪なのか秋の花粉症なのか、鼻水&頭がぼ〜っとしている。あ、五月病みた いな感じでもある。ぼ〜〜〜〜っ。寝ても寝ても眠いし・・・。なんだろね。 最近、よくわからないことだらけ。身近なことでも遠い国にことでも。日本は 戦争に加担しないで、もっと難民の人たちの為に人もお金も使えばいいのに。 なんでわざわざ戦争に?よくわからん。 ___________________________________ ●副業サイト(?)と反戦サイト。 [2001年10月15日(月)] なんで「茜音」の更新ができないのか。それは、別のHPの更新をせっせとやっ ているから。高校の同窓生のページが最近だいぶ軌道に乗ってきてしまって、 いろんな登録などの申請が多い。それにできるだけ最新の情報を載せたいから、 そちらを優先して更新していると、いかんせん、個人ページ(同窓生の方も一 応個人ページなのだけど)の方は後回しになってしまう。なんとか日記だけで も・・・と思っても、忙しいとなぁ〜〜んにも思い付かなかったりね。 同窓生の方も、面白いのでよかったら見て下さい。今年、創立百周年!たぶん 一番若い方のスタッフとして大活躍(自分で言うな!)の私です。なぜか私設 HPも公式HPも制作を一手に引き受けているのでした。 WEBおだこう http://akane.pos.to/odako/ 小田高創立百周年記念事業実行委員会のHP http://homepage2.nifty.com/odako/index2.htm アメリカの報復攻撃、どうしても心理的に許せないので、反戦サイトを探して みた。政治的にはどうなのかわからないけど、あの日本の新しい法律ってのは 絶対作っちゃいけないのでは?これを通してしまう国会議院を私達は選んでし まったのだね〜。 しかし、反戦といってもただ反対するだけじゃだめ。内容をよく読まないと。 いろんな考え方の人がいるだろうし。・・・と考えてると、なんだかなぁって 気分にもなってくる。反戦サイトはある意味、ちょっと過激だったりする。こ れに踊らされてはいかんのだ。自分で考えないと。 反戦平和アクション http://peaceact.jca.apc.org/ JCA-NET http://www.jca.apc.org/ Anti War http://antiwar.jca.apc.org/ 日本の憲法研究者の緊急共同アピール(2001年10月9日) http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/appeal.html ___________________________________ ●博多の旅〜『エリザベート』 [2001年10月20日(土)] ミュージカル『エリザベート』を追い掛けて、博多まで行ってきた。 博多は、観光するところはあまりなくて残念だったけど、美味しいものも食べ たし、よい旅だった。ほどよく都会なので、住むのにはいいのかも。ビルが濫 立していて、買い物するところもいっぱいあって、劇場もあって、いい街だと 思った。都会なんだけど、東京に比べるとやっぱり人は少なめで、歩く速さも ゆっくり。エスカレーターも急ぐ人の為に片側を空けたりしない。見た目は東 京と一緒だけど、人を観察すると地方って感じなんだなぁ。 半年ぶりの『エリザベート』は博多座で見た。同じ日の昼の部と夜の部。帝劇 とは音響が違うので、帝劇では聞こえなかった音までよく聞こえる。劇場の広 さも狭いし、舞台も狭い。半年の間に演技や振り付けも少しずつ変わっていた。 ライブ版のCDを聞き過ぎていて、CDとの違いがやけに気になる。「しまっ た」と思った。これはCDの悪影響。でもCDがないと寂しいし、仕方ないか。 昼は一階の一番後ろの方の席。でも中央だったので、真正面から舞台がよくみ える良席だった。夜は二階の左側のバルコニーのように張り出した席。これが 以外とよくて、一階の二列目くらいの近さで舞台をほぼ真上から見下ろすよう な良席。オーケストラピットの中までよ〜く見えた。しかも、役者さんもすご く近くで見れる。この劇場、二階が低いので余計に近くで見れる。 全体的に、役者さんがみんな上手くなっているような気がした。一路真輝は以 前見た時には少女時代の演技が不自然だったのだけど、今回は自然になってい て、すごく可愛かった。ソロで歌うところは相変わらずとても上手。惚れ惚れ する。 山口祐一郎、井上芳雄、鈴木綜馬、高島政宏・・・みんな上手いのう・・・。 ゾフィー役の初風諄さんは前はまだ堅い感じがしたけれど、慣れてきたからか、 歌も芝居もよくなっているような気がした。さすがもとタカラジェンヌ。 『エリザベート』も博多公演が最後。もうこのキャストでは二度と見れないだ ろうと思うとちょっと寂しい。ビデオでもいいから売り出してくれないかしら。 祐一郎さんは飯島直子のダンナ役でドラマに出ていて、いい味だしてた。でも やっぱ、歌のがいいかな。演技は『風と共に去りぬ』のレット・バトラーとあ んまり変わらなかったぞ。それでいいのか!?来年の大河ドラマにも出るらし いので楽しみ。大河では天海祐希のダンナ役。相変わらず、タカラヅカの人た ちとの共演が多い。 ___________________________________ ●人との出会いは摩訶不思議 [2001年10月23日(火)] 生まれて(たぶん)初めて取材を受けた。出身高校のHPを作っている関係。母 校は今年、創立百周年なので、地元の新聞に連載記事が載るらしい。 インターネットも同窓会も、それとかかわっていなかったら出会えなかったよ うな人たちとの出会いがあるのが面白い。今日お会いした方も、HPを作ってな かったらお会いしなかっただろうと思う。 同窓会では単純に年代の違う方々と何かするというだけでも貴重なのに、いろ んな仕事をされている人からいろんな話が聞ける。時には戦時中の体験談まで 飛び出して、その生々しさに驚きながらも、笑い話になっているところもあっ て、その話がより自分に近く感じられるし、本やテレビからは得られないよう な貴重な体験をさせてもらっていると思う。こういう話が聞けたり、人生の先 輩と言える方々と一緒に委員会の仕事をさせてもらうのって、なにか自分の中 の引き出しがどんどん増えていくようでワクワクするのだけど、同年代の友人 に話てもあまり感動してもらえない。やっぱり私ってちょっと特殊なのかなぁ。 自分のことを話すのは嫌じゃないけれど、メールでもおしゃべりでも、長い付 き合いの友人は別として、ちょっとしか会わない人に自分のことを話すと、後 で反省して、あの質問にはこう答えればよかったとか、やっぱあの事も話せば よかったとか、いろいろ考えてしまう。一言ではうまく言えないし、とっさに いい答えが浮かばなかったり・・・。変なことを言ってしまったり。それはそ れで私の性格なのでいいのだけど、やっぱり反省してしまうんだな。で、そこ から発展して全然関係ない過去の出来事まで反省しちゃったりするから困りも の。あんまり後悔はしないけど、一応、自己反省会はしておかないとね。次も 同じ失敗をしないように。 言葉って難しい。そう、その点、絵については私はあまり反省はしない。出来 上がった絵はそれでおしまい。気持ちは次の絵に行ってしまう。絵って不思議 で、ある意味、自分の分身なのだけど、できあがって人様に見せる段階になる ともう自分からは離れて、他人のように思えてくることがある。絵は心の鏡。 自分の心の中にあるモノを吐き出して描き出す。描いているときは絵は自分自 身なのだけど、描き上がったと思った瞬間、もう分身になって自分の身から離 れていってしまう。離れていったらもう絵は一人歩きしてゆくのだ。私が描い た絵だけども、見る人の見方によってどうとでも見れる。絵は見る人のモノに なってしまう。 絵はゆっくり描く。だから言い忘れとか、言い間違いとかがない。それが私に は合っていると思う。絵は私の分身。だから、こんな風に文章をいくらたくさ ん書いたとしても、一枚の絵以上に私自身を表現することはできないと思う。 でも文章を書くことも大切。たとえ少しずつでも私を表現する手段であること に変わりはないから。 そんな取り留めもないことを考えた一日。12月の展覧会に向けて絵を描かなけ ればならない。今日、やっとキャンバスを張った。どんな絵にしたいかはもう 決まっているけれど、とりかかるまでが遅い。始めてしまえば一気なのに。相 変わらず、のんびりな性格なのだ。 ___________________________________ ●浜木綿子は芝居上手〜『極楽町一丁目−嫁姑地獄編−』                        [2001年10月27日(土)] 母に付き合って芸術座で『極楽町一丁目−嫁姑地獄編−』を観劇。浜木綿子が 主演で、左とん平や植木等、菅井きんなどテレビでよく見る俳優さんが出てい た。最初から最後まで笑えるコメディー。 宝塚歌劇の檀れいさんも出ていて、個人的には彼女を観るのが楽しみだった。 元月組の娘役トップで、今は専科にいる。最近はタカラジェンヌの外部出演も 多いみたい。タカラヅカの舞台はまだ観たことがないけど、雑誌などで知識だ けがついてしまったので、本物のタカラジェンヌを見れて嬉しい。檀さんはタ カラヅカの中でもすごく美人だと思う。実際、舞台で見ても綺麗で可愛らしか った。タカラヅカで見てみたいなぁ。 タカラヅカと言えば、モーニング娘。の新曲のプロモがミュージカル調で、タ カラヅカっぽい。タカラヅカファンのフジテレビアナウンサー笠井さんもそう 言ってモー娘。のファンをヅカファンにしようとするかのような発言をしてい たそうな。それもありよね。だってタカラヅカの方が歌も踊りもうまいと思う し(笑)。モー娘。も好きだけど。 舞台はおじさんおばさん向け。コメディーですごく笑えるけど、なんか渋いお 話。タイトルからして嫁姑だから、仕方ないか。でも芸達者な役者さんたちが 出演しているので、純粋に笑える。千秋楽の前日だったからかわからないけど、 やけにアドリブっぽい台詞が多くて、左とん平のボケに出演者がみんな、素で 笑ってた。観劇らしい観劇という感じでほんとに楽しかった。しかしあくまで 母に付き合っただけなので、自分では絶対に見に行かないだろうと思う。ま、 たまにはいいかな。 ___________________________________ ●これでいいのか?いいのだ。 [2001年10月31日(水)] 「やらなければいけないこと」と、「やりたいこと」がいっぱいありすぎて混 乱。それでも一つ一つ片付けていけばそのうち・・・ね。 私の「やりたいこと」の中には読書やビデオ鑑賞(鑑賞というかたまったビデ オを見るだけなのだけど)や、ぬいぐるみ作りや、映画鑑賞や、 WEB制作や、 演劇鑑賞や、お散歩や、なんやかんや雑多な趣味がいっぱい。どれか一つなら 空いた時間にちょこちょことコツコツとできるのだけど、いっぱいありすぎて どういう順番で手をつけたらいいか分からなくなってしまう時がある。 たまったビデオを見ながらテディベア作りをしたりするのだけど、字幕付き映 画だとそう簡単にはいかない。外国語が分からない私は字幕にを見逃すとスト ーリーが分からなくなってしまう。まとまった時間も、もったいなかったり。 WEB制作はもっといっぱい時間があったらいろんなことをしたいのだけど、 こ れも中々進まない。時間があってもあっても足りない。 頭の中が混乱。そんなときは昼寝をする。面白い本を読んでいるときなら読書 に逃げる。そうして肝心のモノは何もできずに一日が過ぎてしまう。ダメだな ぁ。 「やらなければいけないこと」はなんとか時間を作ってやるのだけど、「やら なければいけないこと」に入っているにも係らず、やらないで後回しにしてい ることも実はいっぱいあったりする。これもダメだなぁ。 ダメダメじゃん、私。まぁ、そんなんでもなんとか毎日過ぎてゆく。「ダメダ メでもいっか」と思ってしまう私。それでいいのか、ダメなのか、もうわから ん。 この文章もわからん。 今日は久々にHPをいっぱい更新。でも本当は今日は絵を描かなければいけない 日だった。絵は後回し。もう、これでいいのだ。バカボンボン。 ___________________________________ ●隠れた英雄の再発見〜『双頭の鷲』 [2001年11月04日(日)] 『双頭の鷲』佐藤賢一/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02041061 (上巻) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02041062 (下巻) やっと文庫化。ハードカバーで出版されてからずっと、買おうかどうしようか 迷っていた。今年になっていから意を決してハードカバーの上下巻を買おう! と思っていた矢先の文庫化。お財布の中身の寂しい私には嬉しかった。 佐藤賢一は『王妃の離婚』で確か直木賞を受賞している。『王妃の離婚』も噂 に違わず面白かった。私は前作が面白かったからといって同じ著者の新作も買 ってしまうというタイプではない。だって他に読みたい本がいっぱいあるんだ もん。 だがしかし。この『双頭の鷲』は『王妃の離婚』にも増して面白いらしい。だ けど、こんな宣伝文句は新刊にはつきものなので、それだけでは騙されないの だ。この本は、出版されてからだいぶ経つのに書店店頭の平積みからなかなか はずされない。これは面白い本の特徴。長く売れる本はいい本だ。 そんな訳で、相当に面白いだろうと思って読んだ。こんなに期待して読んだに も関わらず、期待を裏切らない、いや、予想を上回る面白さだった。と、言っ ては言い過ぎかもしれないけれど、実際、夢中になって一気に読み切ってしま った。 日本人が書いている西洋モノは、翻訳のものと比べて、生の文章が活き活きし ているのがよい。翻訳だとどこかもったいぶった節回しになってしまったり・ ・・いや、本当は何が違うとはうまく言えないのだけど、なにかが違うのだ。 主人公はベルトラン・デュ・ゲクラン。言い難い名前。イギリスとフランスの 百年戦争の時代に活躍した人物。歴史、それも世界史は特に疎いので、そうい われても一体いつの時代なのやらよくわからかったのだけど、そんなことは置 いておいて読み進めてしまった。読み終えてみたら、ものすごい大人物なのだ。 私が知らいというのはともかく、今まで、日本人にはあまり馴染みのない人物 らしい。百年戦争というと、ジャンヌ・ダルクが活躍したのがとても有名で、 それは実は戦争の後半の時期らしいのだが、この物語の主人公はその戦争の前 半でフランスの将軍、大元帥として大活躍した人なのだ(そうだ)。 貧乏貴族の出身ながらその天才的な戦の能力でどんどん出世し、最後には国の 軍事の最高の地位である大元帥にまで登り詰めた。無理矢理に日本の歴史上の 人物に例えるなら豊臣秀吉というところかな。性格的に秀吉と似ているなと思 ったのは、人の心を捕らえて離さない人柄だ。性質はちょっと違うが、回りの 人たちの信頼というか心を掴む、生まれつき持って生まれたものが秀吉にもデ ュ・ゲクランにもあったようだ。 デュ・ゲクランは膝まで届くほど長い腕と丸狩り頭に丸い顔、クリクリと動く 真ん丸い目玉という外見。幼い頃、実の母からその外見ゆえに疎まれ、虐待さ れたという暗い過去を持つせいなのか、子どものように無邪気な性格で、傍若 無人な態度であるにもかかわらず多くの人に好かれた。その中でも、若きフラ ンス王シャルル五世からは絶大な信頼を寄せられ、二人でタッグを組んで破竹 の勢いでイギリス軍を駆逐する。 デュ・ゲクランの造形もさることながら、その周りを固める登場人物の描き方 には恐れ入る。デュ・ゲクランの従兄弟で常に側にいて行動を共にする修道士 エマヌエルは奔放すぎるデュ・ゲクランの頭脳といったところ。ライバルであ り、よき友でもあるグライーはいわゆるイイ男。デュ・ゲクランの妻で占星術 師のティファーヌ・ラグネルは夫の為にひたすら星の計算をする。ひ弱だがず ば抜けた頭脳を持ち、後に賢王と称されるフランス王シャルル五世とその妻。 などなど・・・歴史小説にありがちなように大量の登場人物がいるにもかかわ らず、ひとりひとりが物語の中でとても活き活きしている。それぞれの家族、 それぞれの過去についても触れることで、その人物像がより深く分かってくる。 読み終わってみると、ベルトラン・デュ・ゲクランは本当にすごい活躍をした 人なのだ。だからもっともっと人に知られてもいいと思うのだけど、なぜかあ まり有名ではない。それはナポレオンの嫉妬心の所為ではないかと、著者は文 庫版あとがきで述べている。悲劇のヒロインであるジャンヌ・ダルクを大々的 に宣伝したナポレオンは一方でデュ・ゲクランについては完全に無視した。そ れはナポレオンが唯一勝てなかった相手がイギリスのネルソン提督であり、イ ギリス軍を破竹の勢いで倒したデュ・ゲクランに嫉妬したというのだ。その真 相はともかく、あとがきのちょっとした文章の中にも人間のドラマを感じさせ るエピソードを盛り込んでしまう、佐藤賢一という人はすごいな、と改めて感 じた。 ___________________________________ ●予想外の失敗。 [2001年11月15日(木)] サーバ移転の関係で、CGIのデータが消えている。掲示板とか・・・。 私がの んびり構えている間に、前のサーバのデータはさっさと消されてしまった。ほ んとはもっと早くにデータの移転をしなきゃなんなかったのね。 で、幸か不幸か日記はここのところさぼっていたので、あまり消えないですん だみたい。でも幾つの記事が消えたのか不明。とりあえずパソコンの方に残っ ていた『双頭の鷲』の記事だけ再掲載しておく。 ここ数日、頼まれごとのハガキ制作や、12月の展覧会の案内状制作(これもハ ガキだ)や、肝心の絵の制作で心の中がてんてこまい。おまけにちょっと風邪 をひいてダウンしていた。HP更新、日記書き、やりたいんだけどなぁ。そろそ ろパソコンまわりが寒くなってきたので、これもネックだったりして。窓際は 寒い。 ___________________________________ ●履歴発見。 [2001年11月15日(木)] 日記更新を申告しているReadMeで更新履歴発見。いやぁ、なんでもやっとくも んだね。消えたのは『双頭の鷲』の記事のみ。ラッキー。っていうか11月は全 然更新して無かったんだわ。でもちょっとほっとしたりして。 ___________________________________ ●音楽はいいんだけど〜『ジキル&ハイド』 [2001年11月17日(土)] ミュージカル『ジキル&ハイド』を日生劇場で観てきた。チラシには「全世界 を興奮の渦に巻き込んだ大ヒットミュージカル堂々日本上陸!」と書いてある。 これはそれほど誇大なコピーではないと思う。ミュージカル雑誌でもブロード ウェイなどで絶賛という記事が出ていたし、だからこそ、すごく期待して行っ たのだ。 ただし、一つだけ不安要因が。それもかなり大きな不安。演出が山田和也氏な のだった。東宝のミュージカル『ローマの休日』や先日の『風と共に去りぬ』 の演出家。私は彼の演出が好きではない。全然ダメダメだ。舞台を観て「演出 がいい」というのはよく感じることだけど、「ダメダメ」っていうのは実はあ まりない。特にいいとは思わなくてもダメだとも思わない場合が多い。だけど、 彼はほんと、ダメ。本当は面白くなりそうな舞台なのに、役者が上手く動いて いないというか、舞台を上手く使っていないというか、「ああ〜、もう!」っ ていうことが多い。私みたいなド素人にこんなことを言われるのは彼の本意で はないかもしれないけど。 で、その不安はこの『ジキル&ハイド』でも的中した。音楽はいい。テレビCM でも流れていて、耳に残る。衣装も好き。俳優さんも実力派そろい。鹿賀丈史、 マルシア、茂森あゆみ、段田安則、浜畑賢吉、みんな演技、歌がいい。セット もきれい。なのに、なのに、演出が最悪だった。舞台が狭い所為もあるかもし れないけれど、全体的に平板で、同じようなフォーメーション(『風と共に去 りぬ』でもやっていた)でアンサンブルが歌い、ソロは照明の下でピンで突っ 立って歌う。この繰り返し。セットの階段や建物の窓なども生かされてない。 最初から山田氏を信用していないので、ダメなところばかりが目についてしま った。舞台上の空間を上手く使えていなくて、観ていてモタモタしているし、 つまらない。 一緒に観に行った友人は、「いったいなんだったんだろう。こんなになんにも 残らないお芝居も珍しい」と感想を漏らしていた。本当に、人が何人も殺され たり、心の葛藤があったりするお芝居のはずなのに、まったく心に残らない。 なんだったんでしょう。 娼婦役のマルシアは露出度もすごいが、歌がとてもよかった。鹿賀丈史はジキ ルからハイド、ハイドからジキルへの変身ぶりがすごかった。歌ももちろんい い。役者さんはいいと思うんだけどなぁ。やっぱ演出か。 一言で言うと、タモリさんが嫌いなミュージカル。芝居の途中から急に歌いだ す。おいおい・・・と突っ込みたくなる瞬間がいくつも。もっと自然に歌い出 せばいいだろうにね。それから、山田さん、特殊効果がお好きなようで、火花 が散ったり、火が燃え上がったり、血のりがべったりだったり、火薬がパンパ ンしたりする。私はこれが大嫌い。入り込んでた気分が一気に冷めちゃう。特 殊効果を使わずにどう表現するかっていうことを考えて欲しいんだけどなぁ。 セットもやたらと説明的すぎてうるさい感じ。この小物はいらないんじゃない の?っていうものも。セットで状況説明するんじゃなくて、人の動きとか歌と か台詞とかそういうのでやって欲しいのよ。歌は歌、芝居は芝居になっちゃっ てて、不自然。 あんなに音楽がいいのに、なんでこんなになっちゃうんだろう。ほんと、不思 議。この舞台、チケットもあんまり売れてないみたいだし、大丈夫かなぁ。演 出家を替えたらきっとヒットすると思う。正直、チケット買う時に「また山田 さんかぁ、じゃあいいや」って思った。でも音楽がいいからひょっとしたらっ て思った私がいけなかったわ。 ああ、ぼろくそに書いてしまった。ちょっと反省。いや、よかったよ。俳優さ んも美術も音楽も・・・。日本語版のCDは買う気はしないが、本場のCDは ちょっとほしいかも。 そうそう、今回初めて日生劇場に行ったのだが、この劇場もかなり曲者だった。 たぶん相当古いと思うのだけど、客席の傾斜が緩くて、舞台が見にくい。舞台 が低いのも原因かも。舞台のちょうどセンター3分の1くらいが前の人の頭で見 えなかった。変な姿勢で観ていたら首が痛くなってしまった。見難い劇場のブ ラックリストに加えておこう。作りはガウディを意識しているみたいでモザイ クのタイルを張り詰めた天井とか湾曲して波打つようなバルコニーになってい て面白かった。でも舞台が見難いのは致命的。 『ジキル&ハイド』 http://www.toho.co.jp/stage/jh/ (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ ●オンライン書店bk1のクリスマスフェアに参加。クリスマスにお薦めの本  をご紹介!トップページからどうぞ。 (01/11/18) ●トップページのカレンダー更新しました。12月はステンドグラスです。  (01/11/30) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ ぱんだ雑貨店にステンドグラスの壁紙5点追加しました。(01/11/30) ★いるかプロジェクト http://akane.pos.to/iruka/ 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