□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0034 □□□□□□□□□□ 2001/11/04 Sun.---Since2000/01/26  発行部数105  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。  相変わらずのんびりとした日常。の、つもりなのだけど、ときどき、  私って世間の人と比べたらどのくらいの忙しさレベルなのかしらん、  と考えることがある。すると、もの凄く忙しい人よりは暇、ぶらぶら  としてる人よりは忙しいという、至極もっともな結論に。何に対して  忙しいのか、ということを考えると、仕事(お金がもらえる労働)と  してはかなりな暇レベル。なんてったってフリーターだからね。だが  しかぁし、お金がもらえない労働で私の時間は埋まってゆくのだった。  趣味(遊び)、ボランティア(福祉とかそういう高尚なものではなく  て、ただの無賃労働)、ぼんやりタイムなどなど。ぼんやりタイムを  忙しいコトの中に入れるのが間違っているといわれるかもしれないけ  れど、これもスケジュールの一つにいれておかないと、ボロボロにな  ってから、最近ぼんやりしてないなぁ、と気付くことも。人間、働き  過ぎはイケマセン。 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●さくらももこのエッセイ〜『憧れのまほうつかい』他                        [2001年09月08日(土)] ●台風が来た! [2001年09月11日(火)] ●念願の松たか子〜『セツアンの善人』 [2001年09月13日(木)] ●劇団☆新感線を初体験〜『大江戸ロケット』 [2001年09月16日(日)] ●ミステリーフェア [2001年09月19日(水)] ●新しい傘と奈良美智。 [2001年09月21日(金)] ●宮沢賢治、透明な世界〜『銀河鉄道の夜』 [2001年09月22日(土)] ●激動の・・・。 [2001年09月28日(金)] ●人が生まれる奇跡。 [2001年09月30日(日)] ●のほほんと生きていこう〜『こころの処方箋』 [2001年10月03日(水)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★いるかプロジェクト ★りんくる =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp ) の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報の ほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●さくらももこのエッセイ〜『憧れのまほうつかい』他                        [2001年09月08日(土)] 『そういうふうにできている』さくらももこ/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01687305 『憧れのまほうつかい』さくらももこ/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02041059 その昔、「りぼん」(集英社の少女マンガ雑誌)に「ちびまるこちゃん」が連 載され始めた頃、学校でちょっとブームになった。そしてアニメになるという ニュースはちょっとしたスクープだった。あの「ちびまるこちゃん」がアニメ になる!あの面白さをアニメで再現できるの?と半信半疑ながら、ちょっとワ クワクしながら放送を見た覚えがある。アニメ化は大成功で、まるちゃんファ ンとさくらももこファンは爆発的に増えた。 私は、まるちゃんは大好きだったけれど、特にさくらももこのファンではなく、 「おどるぽんぽこりん」のブームに乗ってカラオケで歌ったりしたけれども、 アニメを毎週見ることもなかった。だから、さくらももこのエッセイが出たか らといって、別にどうでもよかった。本屋でパラパラめくることすらしなかっ たような気がする。今でも、まるちゃんのアニメは時々見るけれど、だからと いって作者のさくらももこには別に興味がわかない。まるちゃん=さくらもも こ、というイメージがあるから、まるちゃんで満足してしまったら、それ以上 はもういい、という感じ。エッセイという分野をあまり読まないというのもあ るかもしれないけど。 で、なぜ突然この二冊を読んだかといえば、新潮文庫の100册に入っていたと いうことと、『憧れのまほうつかい』の「まほうつかい」、エロール・ル・カ インが好きだったから。エロール・ル・カインはイギリスの絵本作家で、装飾 的な挿し絵がとても美しい。本によって画風も変えていたりして、とても上手 い作家だと思う。ファンも多い。 新潮文庫の夏の100册は二冊買うと携帯ストラップがもらえる。だから『憧れ のまほうつかい』を買うついでに、さくらももこのもう一つのエッセイ『そう いうふうにできている』も買ってみた。こちらは出産のときの話。さくらもも この出産ってなんか面白そう。なにげに私は出産モノのエッセイに弱い。 二冊ともかなり期待して読んだ。結論から言えば、さくらももこは意外と普通 の人だった、という感想。つまり、私生活は全然ハチャメチャじゃなくて、面 白い出来事に遭遇してしまうとか、普通でない行動をとってしまうとかそうい うことがあまりない。面白いのは文章の書き方で、内容は普通だ。ちょっと期 待はずれだった。こういう文章の面白さが好きな人はいいんだろうけどね・・。 まぁ、確かに「ちびまるこちゃん」も話の内容は普通だわね。私は花輪くんが 好きだけど(常識はずれな大金持ちだから・笑) 『そういうふうにできている』では子どもの名付けに四苦八苦するところがあ るのだけど、姓名判断の本を買ってきて、徹底的に画数を調べるところは本当 に普通の親。どうせなら明石家さんまのように「いまる」ちゃんなんて珍しい 名前をつけて欲しかったなぁ。しかも結局どんな名前になったのかはこの本に は書かれていなくて消化不良。書きたくない気持ちは分かるけど。その気持ち が分かってしまう感じが普通の人だという印象を強くする。 途中、帝王切開するかどうか迷ったあとに、きっぱりと帝王切開することに決 めて、「死んだら死んだで死を体験してみよう」と思うところがあって、私は 自分が手術するときに同じような気持ちだったことを思い出した。手術って普 通の人はすごく恐くて前日は緊張するらしいのだけど、私は全然緊張しなくて、 それは絶対に成功するという確信からではなく、「死んだら死んだでいいや」 と思ったからなんだけど、同じように感じる人が少なくともひとりはいるんだ ということが分かった。私が特殊な訳じゃなかったんだなぁ。死ぬってそんな に恐いことじゃない。死ぬときに苦しむのが恐いだけで。 さくらももこは産前産後、かなり精神的に辛かったらしい。読んでいても辛く なってしまった。出産・育児エッセイでは松本明子の『生んだら無敵』(小学 館)や石坂啓の『赤ちゃんが来た』(朝日文庫)の方が面白かった。出産を楽 しんでいる感じがする。 『憧れのまほうつかい』もこれまた「う〜ん」という内容。さくらももこがエ ロール・ル・カインに多大な影響を受けていることはその作風からもよくわか る。最初にこの文庫の内容説明を読んだ時に、「ああ、なるほどね」と思って しまった。単なるマネでなくてちゃんと、さくらももこの画風になっているの がすごい。だから絵については何も言うまい。 しかしイギリスに行ってエロール・ル・カイン(1941〜89年)の知人や関係者 を訪ねるというのはいいとして、ただのイギリス旅行記になってしまっていて、 ル・カインについてはほとんど何も分からない。カラーでル・カインの絵本原 画やル・カインの影響を受けたさくらももこの作品がたくさん掲載されている ので、ル・カインを知らない人が読めば面白いかもしれないが、それにしても ル・カインの魅力を知るには絵本を読む方が手っ取り早い。 これには本当にがっかり。さくらももこは一体何をしにイギリスに行ったんだ ろう(エッセイを書きにだろうけど)。肝心のル・カインの知人の家に行って も眠くなってしまって話を聞いていないのだ。別にいいけど、それならそうと 先に言ってくれ。しかもイギリス料理は不味いと連呼している。私はそんなに 不味いと思わなかったけどなぁ。 さくらももこのファンって、本当にこの文体とか、なんだかわからなさ加減が 好きなんだろうな。個人的にはエッセイじゃなくて、もっと漫画でヒットを飛 ばしてもらいたい。『コジコジ』はあんまり好きじゃない。『ちびまるこちゃ ん』的ヒットはもうないのかなぁ。 そうそう、『そういうふうにできている』の中に、『ちびまるこちゃん』にで てくる、おじいちゃん(友蔵さん)はフィクションで、実際はあんなに優しく なかったって書いてあって、個人的にはこれが一番ショックだった。ああ〜、 友蔵さん好きなのに、実際にはいないのかぁ〜って。他の人はフィクションで もいいから、おじいちゃんだけはノンフィクションであって欲しかったな。 『赤ちゃんが来た』石坂啓/著(朝日文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01355083 『生んだら無敵』松本明子/著(小学館) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02017650 ___________________________________ ●台風が来た! [2001年09月11日(火)] 巨大な台風がやってきた! この頃、雨に風情を感じるようになって私も大人になったなぁ、と感慨に耽っ ていたのだけど、それと同時に台風にワクワクするようになってしまって、こ れは逆に子ども返りしているのかもしれない。子どもの頃は台風なんてなんと も思ってなかったのに。 出かけるときは困るけど、今日は幸いお休み。朝から両親は仕事の関係で電話 かけたり、かかってきたり、なんだか家の中がワヤワヤしていて、私もつられ て早起きしていまった。雨は最高潮。なんだか楽し〜い。 昨日の夜は道路がすごい水浸しで、大変は大変なんだけど、これもまたなんだ か面白くて(不謹慎?)、ドキドキしてしまった。普通と違うってこんなにワ クワクするものなのね。 しかし、それもこれも自分に被害が及ばないから楽しいだけであって、家が浸 水したり、土砂崩れがあったり、屋根が飛んだりしたら、こりゃあもう大変だ わさ。ほどほどに楽しいのがいいなぁ。うちの両親は道路が通行止めになって 昨日は帰宅困難で大変な目にあったらしい。今日も出かけるのに大変だったけ ど。私、休みでよかったぁ。 ___________________________________ ●念願の松たか子〜『セツアンの善人』 [2001年09月13日(木)] 台風が去ったと思ったら、今度はアメリカから大規模なテロのニュース。本当 におったまげた。映画みたい。実はCGだったりして(そんなことはナイ)。 赤坂ACT劇場(TBS本社のそば)での公演だったので東京から地下鉄で赤 坂へ向かう。途中には霞ヶ関、国会議事堂前などがあって、田舎者の私たちは ちょっぴりドキドキしていた。地下鉄でテロがあったらひとたまりもないねぇ、 なんて言いながら。 『セツアンの善人』はドイツの劇作家ブレヒトの作品。過去に何度も上演され ているらしい。で、内容も難しいらしい。でも今回の串田和美演出のものは面 白い、と評判。私は主演の松たか子がみれればなんでもいいか、と思ってチケ ットとったんだけどね。松たか子は『ラ・マンチャの男』『オケピ』『夏ホテ ル』とずっと見たかったのに見れなかったのだ。来年は『ラ・マンチャの男』 にも出演するらしいので見逃せない。 共演に岡本健一。実は男闘呼組(古い!)の頃にファンだったので、生で見れ るのはうれしい。この人、最近はいろいろな舞台に出ているけど、なんだかち ょっと華がナイ。でも好きだけど。 演出の串田和美も出演している。その他には外国人の俳優さんがたくさん。在 日の人やフランスから来日している人もいるらしい。台詞は日本語。もっと聞 き取りにくいかと思ったけど、発声がしっかりしているからか、思ったよりも 全然聞き取りやすかった。雑多な雰囲気を出すために外国人俳優を起用したそ うだが、狙いどおりにセツアンの街のほこりっぽいような、ムンとした熱気が 伝わってくるような舞台になっていた。 内容はやはりちょっと難しい。隣の人は一幕の途中で寝ていた。もっと狭い空 間で上演した方がいいような気がした。劇場が広すぎて、舞台の熱気が薄まっ てしまうような感じ。あまり笑いもないので、ストーリーを追っていると疲れ てしまう。でも二幕に入って加速する感じで面白くなった。松たか子はやはり 上手い。歌も上手い。芝居も上手い。おまけに可愛い。うらやましいのう。し かし裏では相当な努力があるのだろう。 全然関係ないが、唐沢寿明が観に来ていた(山口智子はいなかった)。顔ちっ ちゃい。細い。かっこいい。しかも素。素の唐沢寿明、テレビと一緒だった。 っていうか前に『マクベス』で舞台上のナマ唐沢は観ているんだった(あのと きは菅野美穂が観に来ていた)。しかし素の唐沢さんはナチュラルでよかった よ。大河ドラマがんばっておくれ。 松たか子オフィシャルウェブサイト http://www.universal-music.co.jp/matsu/ ___________________________________ ●劇団☆新感線を初体験〜『大江戸ロケット』 [2001年09月16日(日)] 『大江戸ロケット』を観てきた。例の、いしだ壱成が降板した舞台。代役の山 崎裕太はなかなかがんばってた。 もともとは友人が取ったチケットを譲ってもらったので、今回は珍しく夜の回。 午前中は仕事して、午後から東京へ。青山劇場での公演で、ちょうど大学時代 の友人が青山で個展をやっていたので、劇場に行く前にそちらに寄った。それ でも時間がかなり余ってしまって、おまけに道を間違えたりして、青山辺りを ウロウロ、ウロウロ・・・・。歩き回っていたら疲れてしまった。公演が終わ るのは夜の10時。新幹線の終電にもギリギリだ。そしてきっと眠くなる〜。 最近、劇場に行くと有名人を見かけるが、今回は演劇集団キャラメルボックス の佐藤仁志さんを発見。最初はそっくりさんかと思ったけど、よくみれば本人。 びっくりした。 『大江戸ロケット』は関西出身の劇団☆新感線とホリプロが組んで公演してい る。新感線はすごく面白いという評判で前から気になっていた。奥菜恵、藤村 俊二、峰岸徹などの有名どころと、新感線のメンバーの古田新太、粟根まこと らが共演している。新感線のメンバーはこの二人以外はよく知らないのだけど、 でてきただけで笑いをとっている人とかいて、なかなか奥が深そう。羽野あき や高田聖子も新感線のメンバーだが、今回は出演してない。 主役の突然の降板で一時はどうなることかと思ったけれど、代役の山崎裕太の がんばりもあって、期待を裏切らない面白さ。最初からがんがん笑わせて頂い た。やっぱ古田新太は面白い。ダテに『演劇ぶっく』(小劇場系演劇雑誌)で 人気投票一位になってない。ちょっぴり放送禁止っぽいネタもいっぱいあって、 劇場だからできるのね、って感じ。 奥菜恵はかわいい。ビデオで『キレイ〜神様と待ち合わせした女』をみたけれ ど、そのときよりもさらに舞台慣れしてきたようだ。『キレイ』のときは無理 しているようにも見えたけれど、今回はよりナチュラルにギャグをとばして笑 いをとっていた。あの可愛さとネタとのギャップがまた面白いのよね。このま ま行け行け、奥菜恵!まぁ、しかし、『キレイ』も『大江戸』も極端な舞台だ なぁ(どちらかというと過激、今風)。これから正当派な舞台にもでるかしら。 そういえば昔、『アンネの日記』の舞台をやっていた。今の時点でまた、正当 派舞台に出演したらまた一歩成長するかもね。 山崎裕太はソツなくこなしていた。私の見た限りでは、いしだ壱成でもそれほ ど出来はかわらなかったんじゃないかな。知名度と集客力が違うだけで、演技 力の差はないでしょう。むしろ、短期間でこれだけやっている山崎裕太はエラ イ。このチャンスを生かして大物になってくれ。 劇団☆新感線の舞台を他に見たことがないのだけど、とにかく音響がすごかっ た。噂には聞いていたがあれ程とは。比較的前の方の席だったこともあって、 ものすごい音量だった。椅子がビリビリしていて、歌なんて歌詞が全く聞こえ ない。音が割れているのだ。そして照明が眩しい。やたらと客席側に向かって 照らす照明が多くて、非常に眩しい。いつもこんななのかしら。この音響と照 明が新感線の特徴なのかもしれないが、私はあまり好きじゃない。なんだか肉 体的についていけない。ある意味ディズニーランドのアトラクションみたいだ。 スターツアーズとかスペースマウンテンみたいだった。 で、昼間働いて、歩いて疲れきっていた私は、照明と音響に麻痺して二幕でと うとう眠気が最高潮になって、一瞬ウトウトしてしまった。後で一緒に行った 友人に聞いたら、「あそこはちょっと中だるみだったよね」と言ってたのでち ょっと安心。確かに笑えるギャグもなくストーリーも展開せず、だらだらして た。休憩を入れて3時間20分は長過ぎるかもしれない。もう少し短くてもよか ったかも。 帰りの新幹線では運良く座れたので、グーグー寝てしまった。そして家でもグ ーグー。次の日の仕事もすごく眠かった。人間無理しちゃいかんね。 それにしても劇団☆新感線は面白いのはわかったが、ストーリーはあんまりな かった。結局どんな話だったの?って感じだった。次の公演を観に行くかどう かはまだわからない。 劇団☆新感線 http://www.vi-shinkansen.co.jp/ ___________________________________ ●ミステリーフェア [2001年09月19日(水)] オンライン書店bk1のミステリーフェアに参加してみた。 とくにミステリーファンではないが、なんとなく企画が楽しそうだったので。 実際、それ用のページを作るのは楽しかった。文章は以前ここに載せたものだ けどね。 ミステリーのファンって、活字中毒みたいに、一日に一冊や二冊読んでしまう 人が多いような気がする。でもそれじゃもったいない。もともと私は読むのが 遅いから、小説でもミステリーでもノンフィクションでも一週間くらいかけて 一冊を読む。宝くじみたいなもんで、結論を先延ばしにして楽しい時間を過ご すのだ。 ミステリーというのは、いったいどこまでがミステリーなのか謎だけど、考え ようによってはあらゆる分野の本がミステリーと言える。(しかしそれでは元 も子もないが・笑。) ノンフィクションでも、恋愛小説でも、科学論文でも、結論が気になる本はみ んなミステリー。「事実は小説よりも奇なり」というけれど、作られた推理小 説よりも、ドキュメンタリーのような事実をもとにしたものの方が感動や驚き を感じたりすることがある。 私が読むミステリー作家って、京極夏彦くらいだなぁ。昔は赤川次郎なんかも ちょっとだけ読んだけど。面白い本はたくさんあるだろうけど、他の本を差し 置いてどうしても読みたい!というのはない。今、一番気になっているのは宮 部みゆき。この人の本は近いうちに読んでみなくちゃ。 オンライン書店bk1 http://www.bk1.co.jp/ ___________________________________ ●新しい傘と奈良美智。 [2001年09月21日(金)] 急に秋らしくなって、今日は寒い。雨まで降ってきた。傘が壊れてしまってい るので、新しいのを買った。安いので色が変。昔の銀行員の制服みたいな紺。 雨の日におしゃれすることもないのでいいか。 『たけしの誰でもピカソ』に奈良美智さんが出ていた。奈良さんの作品、好き。 本当に吸い込まれるような少女像。製作風景を見ていたら私と似ている(いや、 それは失礼か)。私も下書きなしで描き始める。下書きすると、書きの方がい い出来になることが多い。だから下書きなんかいらない。 奈良さんみたいな絵を描きたいとは思わないが(今からやったら真似っこだし ね)、奈良さんのような気持ちで絵を描きたいとは思う。絵を描いていたらお 金が入ってきたっていうのが理想だわ。お金のために絵を描くのはやだなぁ。 だからいつまでも貧乏なのか、私。 横浜美術館の奈良美智展を見に行く予定。混んでるかなぁ。グッズもいっぱい 売ってるらしい。 横浜美術館での個展の図録↓ 『I don't mind,if you forget me』(淡交社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02062249 ___________________________________ ●宮沢賢治、透明な世界〜『銀河鉄道の夜』 [2001年09月22日(土)] 『新編 銀河鉄道の夜』宮沢賢治/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00705242 子どもの頃に宮沢賢治を愛読した記憶はない。読んだことはあるが、好きでは なかった。かといって、全く嫌いだったわけでもなく、あえていうなら、難し くて理解できなかったというところだろう。 読んだ記憶があるのは、「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」「やまなし」。 他にも読んでいるかもしれないが、記憶にない。「注文の多い料理店」は分か りやすくて、最後にどんでん返しがあって面白かった。「銀河鉄道の夜」は何 がいいたいのかよくわからなかった。「やまなし」は教科書に載っていた。宮 沢賢治は有名だけど、子ども心に「宮沢賢治はよくわからん」と思ったのは覚 えている。 それからも宮沢賢治を読もうとは思わなかったのだけど、なぜだか急に読んで みたくなって、この本を買ってみた。大人になって初めて、賢治の良さがわか った。しかし、これは子どもにはわからんだろう...とも思った。自分で好 んで読む子どもならよいが、大人が子どもに勧めるものではない。人生経験の ない子どもは混乱するだけだ。 賢治の代表作「銀河鉄道の夜」。今の私達だと、この童話よりも先に『銀河鉄 道999』なんていう漫画を知ってしまっているので、完全にピュアな気持ち では読めない。何しろ、銀河鉄道といえば鉄郎とメーテルだし、あの999が 星空の中を走っているアニメの一場面がビジュアルとして、はっきりと浮かん でしまう。これは賢治の「銀河鉄道の夜」を読むにははっきり言って不幸だ。 だって、銀河の星の間を走る列車なんて、普通に考えればとても素敵だ。だか らこそ999が強烈に印象に残っているのだけど、「銀河鉄道の夜」の賢治の 文章から自分の銀河鉄道を想像するには邪魔な記憶だ。 「銀河鉄道の夜」には、走る列車、そこから見える光る三角灯、汽車に乗って いる客たち。幻想的な世界が繰り広げられている。 その他には「よだかの星」「双子の星」「ひのきとひなげし」「黄色のトマト」 などが収められている。一冊読んでみて感じるのは、賢治の童話は文章がとて も美しい。言葉遣いが綺麗なのだ。 「双子の星」の冒頭は透明感あふれる文章で、夜空に輝く星たちの物語の始ま りに相応しい。 「天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。あれはチ ュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮 です。このすきとおる二つのお宮は、まっすぐに向かい合っています。夜は二 人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合せて、一 晩銀笛を吹くのです。それがこの双子のお星様の役目でした。」 この冒頭部分を読んだだけでメロメロになってしまう。このお話はどこまでも 善良でやさしい双子のお星様たちの物語で、この本に収められているお話の中 でも特に好きになった。 その他には「カイロ団長」「猫の事務所」「オツベルと象」「セロひきのゴー シュ」「北守将軍と三人兄弟の医者」は割と好み。動物たちが描かれているも のは、擬人化されてはいるのだけど、その動物の特徴をよく捕らえていて、面 白い。観察眼がするどい。 思ったのだけど、賢治の童話は、童話とはいうものの、子どもらしい子どもは あまり出てこない。「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカムパネルラもどこか悟 ったような子どもで、子どもっぽくない。もしかしたら、昔の子どもはこんな 風だったのかもしれないけど。だから子どもの時に読んでもあまりピンと来な かったのかもしれない。 今読むと、世の中の矛盾とか、汚い部分とか、そいういうものを知っているか らこそ、賢治の童話の中の美しすぎる星空や、どこまでも透き通っているよう な、現実間のない世界に憧れを抱くのかもしれない。 ___________________________________ ●激動の・・・。 [2001年09月28日(金)] 9月もあっという間だった。 今週は激動の一週間。旅行の計画を立てたものの、それが消え去ってしまった り、タダで美味しいものを食べたり、キャラメルボックスのクリスマス公演の チケットを予約したり、横浜美術館に行ったら休館日だったり・・・・。 楽しいことと、寂しいことと、釈然としないことと、まぬけなことが混然一体 となってやってきたようだった。いやいや、もしかしたらこの激動はまだもう 少し続くのかもしれない。 後輩のお父さんが亡くなられた。明日お通夜。 いろんなことを考えてしまう。私も結構、長く生きてきたなぁという感じ。長 く生きてるといろんなことがある。これからはもっといろんな事があるんだろ うな。楽しいことがいっぱいだといいんだけど。 ___________________________________ ●人が生まれる奇跡。 [2001年09月30日(日)] 一人の人間が生まれるのって不思議。なんにもないところから生命が誕生して、 一つの人格になり、一つの人生が生まれる。なんにもないところから生まれる。 生まれたばかりの赤ちゃん。一年前にはこの赤ちゃんはこの世に存在しなかっ た。でも今はここにいる。そして何年か経つと、言葉を発し、自分の意志を表 明し、自分の足で歩き始める。数年前にはこの世に存在しなかったというのに。 だから子どもを見ると奇跡の結晶だと思う。そして、大人たちも、昔は子ども だった。だからこの世に存在する人々すべてが奇跡。私がここにいることも、 私の回りにいる人たちも、私が一生出会うことのない人たちも、みんなみんな、 奇跡。 もともとは、なんにもないところから生まれたのだから、人はみんな、いつか は、生まれる前の状態に戻ってゆく。だから「死」は恐くない。死ぬことは、 生まれる前に帰ることだから。もとに戻るだけ。 この世に生まれたことが奇跡なのだから、生まれたことを感謝して、そしてい つかはもとの場所に帰ってゆこう。そして、私たちよりも一足先に帰って行っ た人たちを見送って、もう少しだけ、がんばって生きてゆこう。 生まれた場所に帰る。もとの場所に帰る。別れは悲しくて辛いけれど、この世 界に残された私たちは、「もう少しこの世界を見てから帰ってきなさい」と神 さまに言われているよう。先に帰って行った人たちはきっと、この世での役目 を果たして「おかえり、よくがんばったね」と神さまに誉められているね。 だから、いつか役目が終わったときに「よくがんばったね」って誉めてもらえ るように、自分にウソをつかないように、一生懸命、生きていかなきゃ。この 世界に生まれたのには意味があるはずだから。いつか、胸を張って、生まれる 前の場所に帰る日のために、生かされているような気がする。 仏教もキリスト教もほかのどの宗教もわからないけれど、生と死について考え ると、なんだか宗教的になってしまう。どこかに神さまがいるように思えてく る。こころの中の神さま。生きることと死ぬことを考える時に、神さまがいた 方が都合がいいのかな。 アメリカも、テロリストも、もっともっと、純粋に宗教の原典に帰って、生と 死について考えてみればいいのに。他人の命を絶つ権利なんて誰も持ってない。 人それぞれの神さまがあって、人それぞれの生き方がある。人と人が完全に分 かり合うことなんてできないと思うけど、分かり合おうと努力することはでき るはず。 私たちは生かされている一つ一つの命なのだから、自分の命も、他人の命も大 事にしないといけない。テレビではわからない。一つ一つの命の重さ。一つ一 つの思いの重さ。一人一人の人生の重さ。それぞれに家族がいて、それぞれに 友人がいて、それぞれに夢があったはず。一人の命を奪えば、家族や、友人や、 その人の夢を全部背負わなければならない。一度にあんなに大勢の人々の命を 奪ったのはいったい誰なんだろう。失われた命の重さは誰が背負うのだろう。 もしかしたら、私にもその重さの一部を背負う責任があるのかもしれない。ア メリカが報復攻撃をして、日本がその片棒を担ぐようなら、さらに重みは増え る。犠牲者が増えれば増えるだけ・・・。これ以上、犠牲者が増えないといい のだけど。攻撃がなくても難民が増えたり、食糧難で犠牲者が増える可能性が あるみたい。 この世の中は理不尽なことがいっぱい。つらいこともあれば、楽しいこともあ るけれど、なんだか、この世に生きているのは「いろいろ勉強して来いよ」っ て神さまが送りだしてくれたからかもしれないと、時々思う。いろんなことを 考えて、いろんなことをやってみて、それで死ぬ時にやっと「ああ、私が生き てきた意味ってこういうことだったんだ」って思うのかな。 高校の後輩のお父さんのお通夜に行って、ふと、こんなことを取り留めもなく 考えてみた。私は将来、自分の両親の死をどんな風に受け止めるのかな。どう せならすご〜く長生きして欲しいけど。 ___________________________________ ●のほほんと生きていこう〜『こころの処方箋』 [2001年10月03日(水)] 『こころの処方箋』河合準雄/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01568868 みんなそうだと思うのだけど、精神的に不安定になるときがあって、そういう ときにはこういう本を読みたくなる。特に何かショックなことがあったとかで なく、普通に生活していても、自分で、ちょっとこれはヤバいっていう瞬間が あったりして、そういう時にはいろんな方法で精神のバランスを保つようにし ている。 私の場合は、本を読むこと、漫画を読むこと、雑誌を読んだり見たりすること、 映画を見ること、演劇を見ること、絵を観ること、絵を描くこと、お風呂に入 ること、寝ること、どこかへ行くこと、買い物すること、友達と会っておしゃ べりすること、テディベアを作ること、料理すること、美味しいものを食べる こと、いろいろ想像してみること・・・・・そんなことをいろいろ試してみる。 うまく浮上できるときと出来ないときがあるけれど、そんなことをしているう ちに、だんだん新しくやりたいことなんかがでてきて、なんとかなることが多 い。 「こころ」について書いてある本を読むのは好き。本にもよるけど。 あまりに説教臭いものや、決めつけてるのはダメ。当たり前のことを当たり前 にできなくてもいいんだよ、って言ってくれる本がいい。当たり前のことを当 たり前にできる人はこんな本、読まないでしょう。できなくて、悩んでいる人 が読むのでしょう。 人間の心って不思議で、目に見えないものだから、百人百通りの心があって、 一概にどうって言えない。でも、人間の習性というか、だいたいこんなときこ んな風に行動したり感じたりする人が多いっていうのは実験なんかで分かって きている。そういうのを読むと、「ああ、私だけじゃないんだ」と妙に安心し たり、「なんだもっとひどい人だっているじゃん」と思ったり。 『こころの処方箋』は一つ一つの章が短くまとまっていて読みやすい。全体的 に、人間関係を円滑にするような話が多くて、子育てに役立つ話も多い。読ん だからといってすぐに実践もできないし、急に性格を変えられる訳でもないん だけど、なんとなく、ホッとするような文体に癒される。 いろんなことがあるけれど、とりあえず生きていかなきゃいけないからね。の ほほんと、マイペースでがんばろう。出来ることしか出来ないし、出来ないこ とは出来ないのよ。のほほん、のほほん。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ 「最近の私」久々に更新。博多の写真です。(2001/10/31) トップページのカレンダー更新しました。11月は水族館のお魚。 (2001/10/31) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 魚の壁紙3点追加しました。 (2001/10/31) ★いるかプロジェクト http://akane.pos.to/iruka/ 【いるマガ】バックナンバー随時追加してます。 ★りんくる http://akane.pos.to/link-ru/ 新しいリンクを追加しました。最新ドラマHPやお役立ちサイトなど。 (2001/10/31)   私の管理する各サイトのトップページに「平和の白いリボン」と   平和のミニリンク集を載せました。ささやかな意思表示を。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2001 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛