□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0014 □□□□□□□□□□ 2000/06/21 Wed.---Since2000/01/26  発行部数103 {magclick} _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●乙武洋匡『乙武レポート』 講談社 [2000年06月01日(木)] ●落ち込むとき。 [2000年06月06日(火)] ●『星屑の町』シリーズ(舞台です) [2000年05月25日(木)] ●映画『エリン・ブロコビッチ』 [2000年06月10日(土)] ●『星屑の町 長崎慕情篇』 舞台。 [2000年06月11日(日)] ●ピカソとルーベンス [2000年06月18日(日)] ●ありがとう。 [2000年06月21日(水)] =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm 梅雨真っ盛り。梅雨に真っ盛りという表現を使うのかどうかわかりませんが、 じめじめ、しとしと、今年の梅雨はとても梅雨らしい梅雨です。 雨が降らない日はとても暑くなります。もうすぐ夏だなぁと感じます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●乙武洋匡『乙武レポート』 講談社 [2000年06月01日(木)] ベストセラー「五体不満足」の著者、乙武さんが一年間におよぶTBS 『ニュー スの森』でのサブキャスター体験を綴った本です。 この人にはモノを伝える能力(というか才能)がとても優れています。乙武さ んの視線から見た、スタッフの仕事への誇りと情熱、そしてテレビには写らな かった、乙武さん自身の思いがひしひしと伝わってきます。 それは、「障害者」としての視線ではなく、「乙武洋匡」という23才の青年の 視線です。彼には手足がありませんが、それは彼にとっては障害ではなく、個 性なのです。彼はとても人間が好きなのでしょう。この本に登場する、キャス ター、ディレクター、その他のスタッフ、みんな個性的で魅力的です。そこか ら、おのずと乙武さん自身の人柄も伝わってきます。 乙武さんは、「五体不満足」が爆発的に売れてしまったことで、自分が障害者 の代表と見られることを危惧しています。彼は彼であって、単純に「障害者」 という枠でくくることはできないのです。健常者にさまざまな人がいるように、 障害者も人それぞれなのです。乙武さんのように積極的に社会にでてゆく人も いれば、障害と「戦い」、世間と「戦って」いる人もいるでしょう。 いままで気付かなかったことに目を向け、考えさせてもらった一冊です。乙武 さんにはこれからも彼の視線でいろいろなことを伝えて行ってもらいたいと思 いました。 ___________________________________ ●落ち込むとき。 [2000年06月06日(火)] なんだか、どうでもいいことで落ち込んだり、なんでこんなことで怒られるん だというようなことで友だちに怒られたり、そんなことを考えていると、最終 的に、生きるって辛いなぁ、なんて大袈裟になってしまって、私、なんでこん なことでこんなに落ち込んでいるんだろう、とさらに鬱々としてしまって、ド ツボにはまってしまいます。 数日、ぼーっとしているか、忙しくしているうちに復活するんですけどね。根 が脳天気だから。いやはや。 ___________________________________ ●映画『エリン・ブロコビッチ』 [2000年06月10日(土)] ジュリア・ロバーツは変な色気がなくて、あっさりさっぱりしていて好きです。 この映画では特性ブラをつけて巨乳になっていますが、それでもねっとりとし た色気がでないのがジュリア・ロバーツのいいところ。お色気を武器にしつつ も嫌味がなくてとってもよいです。 お医者さんとか、弁護士さんって、頭が良くないとなれない職業だと思われて いますが(実際、相当勉強しないとなれませんけど)、その仕事をきちんとこ なすためにはコミュニケーション能力が高くないといけない職業だと思います。 人間相手ですから。だから、勉強ばっかりやってお医者さんや弁護士 さんになっても、職についたときにきちんと職務を果たせるかっていうとそれ はまた別問題じゃないかと思います。 この映画は実話を元にしているそうです。モデルの女性は無学で、離婚歴二回、 子供三人、服装は派手で一般的には決して立派な経歴の持ち主とはいえないの ですが、人とコミュニケーションする力に優れていて、それに一生懸命に仕事 することが重なって、依頼人の信頼を得たのでしょう。人と話して相手を安心 させ、信頼される、というのはある意味、自分の中に知識を貯えること以上に 難しいことなのかもしれない、と、映画を見ながら考えてしまいました。 でも、何にも考えないで見ても、元気が出る映画です。 ___________________________________ ●『星屑の町 長崎慕情篇』 舞台。 [2000年06月11日(日)] 地元の小田原市民会館で『星屑の町 長崎慕情篇』を観てきました。市民会館 で本格的なお芝居を見るのははじめて。地元の方、それも熟年の方が多くて、 いつもとちょっと違う雰囲気の観劇になりました。 売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の面々が繰り 広げる人情喜劇。今回は、とうとう解散してしまった「ハローナイツ」のメン バーが長崎に集まって・・・・というお話。これがシリーズ4作目になります。 キャストは私の高校の大先輩の小宮孝泰さん、ラサール石井さん、太平サブロ ーさん、でんでんさん、有薗芳記さん、渡辺哲さん、菅原大吉さんがこのシリ ーズのレギュラー。それに加えて村上ショージさんや、人気劇団「ナイロン 100°C」の三宅弘城さんや、きれいどころの女優陣等が脇を固めます。 田原でこの公演をやるときいて、ビデオで前3作を観たのですが、渋いおじさ んたちの繰り広げる人情劇にすっかりはまってしまいました。なんにも起こら ないんだけど、なにか心に残る舞台です。太平サブローさんはとっても歌がう まいし、もちろん劇中に漫才ネタももりこんで、渡辺哲さんなどのベテラン舞 台俳優さんはしっかり演技もみせてくれます。 渡辺さんは顔は鬼瓦みたいなのに、ふにゃふにゃしててかわいいです。これか ら観に行く方は、ぜひ、渡辺さん演じる「コミさん」から目を離さないでくだ さい。面白いから。(この方、「奇跡の人」という舞台では菅野美穂さん演じ るヘレン・ケラーのお父さん役でした。ちなみにサリバン先生は大竹しのぶさ ん。これで渡辺哲さんのファンになっちゃったんです。) このお芝居、小宮さんの小、中、高の同級生が中心になって小田原公演を実現 させたそうです。そのせいかどうか、会場は妙な熱気に包まれていました。普 通のお芝居ではそんなことないのに、今日は主要メンバーが登場するたびに拍 手が沸き起こり、地元ネタで大ウケ(←これは私だけかも)。その割りにカー テンコールが一度で終わってしまってがっくりしましたけど、これも小田原な らではなんでしょうか。こういうのもいいもんです。 ___________________________________ ●ピカソとルーベンス [2000年06月18日(日)] 久しぶりに展覧会を見に行ってきました。高校、予備校、大学時代はよく美術 展に行っていたのですが、大学卒業後はあまり行っていません。東京までの交 通費と時間がもったいないし、それほど魅力的な展覧会がない、ということも 原因かも。高校、予備校時代はバブルの影響もあって良いものがたくさん来日 したし、私もフットワークが軽かったのでかなりたくさんの展覧会を観ました。 そのときのストックがあるから、それと比べて、どうしても観たいと思うよう な展覧会があまりなかったのです。気持ち的にはたくさんの作品を観たいです けどね。なかなか。 今回は、上野の都美術館でやっている『ルーベンスとその時代展』と西洋美術 館でやっている『ピカソ 子供の世界展』を観てきました。この二つの美術館 は近いし、二つともとても良さそうだったので、「よし、行くぞ」と意を決し てでかけました。最近は一人で遠出するのに意を決しないとでかけられない。 休みの日は家にいる方が気が楽なもので。 『ルーベンスとその時代展』は「その時代」っていうのがクセモノ。ルーベン ス以外の画家の作品も大量に来ていました。これは喜ぶべきことなのかもしれ ないけれど、知らない画家の絵、しかも似ているものを大量に見ると疲れちゃ うんですよね。だから、こういう展覧会では、ルーベンスはもちろんちゃんと 観るとして、その他の絵はざっと見てピンと来ない絵はどんどん飛ばします。 全部きちんと観たほうが、入場料の元がとれるような気がするけど、いっぱい 観すぎるとホントに観たかったものの印象が薄れてしまいます。今回はやっぱ りルーベンスに的を絞って、じっくり鑑賞することにしました。絵っていうの は、図版でみるのもよいですが、やっぱり実物を観て大きさを感じることが大 切。ルーベンスは構図も大胆だし、動きが大きくて好きです。人物の躍動感と いうか、動きのとらえ方が見事。女性像がふくよかなのも個人的に好きです。 『ピカソ 子供の世界展』は子供を扱った作品だけを集めた、その主旨が面白 い。ピカソは長生きだし、その作品の数は普通の作家よりもかなり多い。ピカ ソというと、キュビズムの抽象と具象がまざったような絵画の印象が強いけれ ど、私は初期の青の時代の作品が一番好きです。教科書なんかに載っている図 版だけしか知らなかったときは、どうしてこの絵がいいのかよくわからなかっ たし、あまり好きな作家ではなかったのですが、本物の作品を観てからは好き な作家の一人になりました。 余談ですが、「箱根彫刻の森」にピカソ館があります。地元なので小さい頃か ら遊びに行ったりして、ピカソの作品を観ていました。私がピカソをあまり好 きではなかったのは、実はここの所蔵品のピカソ作品がピカソの代表作だと思 っていたからでもあります。わたしはここの美術館のピカソ作品はあまり好き ではありません。ピカソのよさが分かってから改めて観てみると陶器や版画な ど、面白いな、と思いますが、ここの作品がピカソの魅力を十分に伝えている かといえば、それはノーです。せっかくのピカソ館、もっと良い作品を集めて もらいたかったな。 それはともかく、上野のピカソは良い作品が多かったです。私がピカソを好き になった理由の一つに、配色の美しさがあります。「青の時代」、「バラ色の 時代」と、作品の傾向でわけられてつけられた時代名に色の名前がついている ことからも、色の画家であったことが窺われます。ピカソはデッサンも達人級 で、人体の形も美しく、それと淡い色合いがマッチして独特の世界が描かれま す。青の時代の道化師の親子の絵などは私のもっとも好きな絵です。ただ、残 念なことに、この色を印刷で正確に再現するのは至難の技なのです。だから、 図録ではこの美しさは伝わりません。ぜひ、本物のピカソを観て欲しいと思い ます。 この展覧会で特に思ったのは、ピカソの目線の暖かさ。描く対象を形としてで はなく、内面から描いているようです。ピカソの描く子供達の真摯な目線は鑑 賞者の心に響きます。配色の美しさ、ということを書きましたが、この配色も 暖かい色合いです。人の体温や、愛情を感じさせる絵だと思いました。 ルーベンスをメインに観に行ったのですが、結局、ピカソに魅了されて帰って きました。時代は違いますが、どちらも天才的に「上手い」作家です。真似で きません。 ___________________________________ ●ありがとう。 [2000年06月21日(水)] 気がつけば『日々のほのぼの』に書いている文章も結構、溜まりました。継続 は力なりです。 日々いろいろなことを考えていたり、本を読んだり、映画を見たり、舞台を見 たりして思ったことをどうにか残しておきたい、という思いで続けています。 私は考えるのは好きだけど、すぐに忘れてしまいます。データを蓄積できない 脳みそです。だから、昔からなにか残せないかと思っていたのですが、日記の 類いは続きません。記録することは好きで、ダイエットのために毎日の食事と 体重をノートに記録したり、お小遣帳や、家計簿をつけたりするのは平気なの に、日記はダメです。 自分に向かって、自分の思ったことを書く、というのがダメなんでしょう。HP だと、誰かはわからないけれど、自分以外の人に向かって書くので書きやすい のです。でも、目的は将来自分で読んで、こんなことあったな、って思い出せ るように残しておくことなんです。だから、結局自分に向かって書いているの ですけど、その、将来の自分と今の自分の間に、この文章を読んでくれている であろう、誰かを想定しないと書けない文章なんです、きっと。おそらく、HP を持たなければこんな文章を書くこともできなかったと思います。だから、こ の文章を書く力を与えてくれる、見知らぬあなたに感謝したいと思います。あ りがとう。 (茜音「日々のほのぼの」より抜粋) http://akane.pos.to/ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2000 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ {magclick} {magclick} {magclick}