チワワの小太郎
 
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● バカな子ほどかわいい◆『デキのいい犬、わるい犬』 [2004年07月22日(木)]
デキのいい犬、わるい犬―あなたの犬の偏差値は?
スタンレー コレン(著) 、Stanley Coren(原著) 、木村 博江(翻訳)

文藝春秋
¥ 690 [文庫] 2000-09
ISBN:9784167309978 / ASIN:4167309971

副題は「あなたの犬の偏差値は?」。現在の犬になるまでの進化の過程や人間との関わりの歴史をひもときながら、犬にも知性はあるのかということを検証している。で、知性があるとして、それは犬種によって差があるのかどうか、犬の専門家たちの意見を聞きつつ著者がまとめている。

犬に知性があるのかどうかという問題は昔から議論されていたようだ。著者はかなりの犬好き。当然、知性はあると思っているのだけど、知性がないという論を取り上げて客観的に検証しているところが面白い。

前半の犬の成り立ちや歴史もさることながら、この本の醍醐味はやっぱり後半部分の犬のIQテストだろう。犬を飼っている人ならば、自分の愛犬の知能指数がどのくらいなのか気になるところだ。

多くの専門家たちの意見をまとめた結果、個体差はあるものの、犬種別に知性に差があることがわかった。そのランキングが「服従・作業知能における犬の順位」として掲載されている。トップはボーダー・コリー。2位はプードル。3位はジャーマン・シェパード、次にゴールデン・レトリバー、ドーベルマン・ピンシャー、シェットランド・シープドッグ、ラブラドール・レトリバーと続いている。プードルは意外だったけれど、一般的に利口とされている犬種ばかり。

気になるのはうちの小太郎。チワワは何位かなぁと見てみると・・・79位中67位。下から数えたほうが速いよ。いままで家族の中では「うちの小太郎は頭がいい」と言っていたのだけど(親ばか)、この瞬間から「なんだ意外とバカなんじゃん」ということに。そういえば、何度怒っても外を通る通行人に吠えるし、隠したおもちゃのこともすぐに忘れちゃう。何回も教えれば芸も覚えるけど、利口な犬はもっと速く覚えるらしい。そうか、そうか、君はあまりデキのよくない犬だったんだね。

ためしに、この本に載っている犬のIQテストをいくつかやってみた。テストは12項目あって、それぞれ5点満点で総合得点で判断するのだけど、全部は無理そうだったので家ですぐにできそうなものを選んだ。

まずはタオルを頭にかけてそれを何秒で取れるか、というもの。問題解決能力のテスト。これは比較的簡単。小太郎はあっというまにタオルから抜け出してしまった。5点!

それから、犬の観察学習能力を測るテスト。いつもと違う時間に散歩に行く用意をして、それに犬がどういう反応をするかというテスト。小太郎はもともとあまり決まった時間に散歩してないのだけど、とりあえず、やってみる。私が散歩の道具を取りに行くとトコトコやってきた。これも5点。やったね。

さて、ここからが問題。次は記憶力テスト。短期記憶力テストと長期記憶力テストを続けてやる。まずは犬の見ているところでおやつを置く。そのあと犬を部屋の外に出して15秒を越えない程度で部屋に戻って犬を部屋に放す。すぐにまっすぐおやつに向かえば5点。小太郎はすぐにおやつに向かっていった。すごいじゃん。

次は長期記憶力。同じ要領で、今度は5分くらい部屋から離れる。なんかもう飼い主的にはこれはもう無理と思っていたら、その通りで、おやつの部屋に戻っても小太郎はきょとんとしている。おやつを探すどころか、おやつが置いてあること自体を忘れてるよ。なので0点。

そして、最後に問題解決能力テストの上級編(小太郎にとって)。おやつを見せて床に置いて、その上に筒状の缶をかぶせる。缶を倒しておやつを食べるまでの時間を計る。これはできるかどうか微妙だなぁと思いつつテスト開始。小太郎は缶の中におやつがあることはわかっているようだけど、缶を倒せば食べれるということはわからないらしい。周りを嗅ぎ回るばかり。あげくの果てに、缶の前でお座りをしてこっちを見てる。「おやつくれ」と目で訴えてる。いや、そうじゃなくて、自分で取るテストだから。そんな訳でこのテストも0点。

まぁね、缶の前でお座りっていうのもある意味、頭いいよね。他人に取らせようってんだから。

こんなテストをしてみて、飼い主としてはほぼ予想どおりの結果。小太郎はほどほどにバカでほどほどに利口だ。そしてその知能指数はうちの家族にとって都合がいい。あまりに頭が良すぎる犬はいたずらにも創意工夫があるらしい。小太郎はゴミ箱もひっくり返さないし、家具などにいたずらしたり、家の中を冒険したりしない。いつも決まったおもちゃで遊んで、いつも決まった部屋にいる。飼い主としては余計な心配をしなくていいのだ。

この本の中でもちゃんとフォローされていて、あまりに頭がいい犬はそれはそれで大変なのだということが書いてある。バカな子ほどかわいいというし、IQテストで点が良くても悪くてもみんな、自分の愛犬が一番かわいい。それでも心理的にはちょっとでも点数が高いほうが自慢ではあるけれどね。

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