□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0124   □□□□□□□□□□□ 2014/04/27 Sun.---Since2000/01/26  前号の発行部数125 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akaneiro.com/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    ■日々のほのぼの   http://blog.akaneiro.com/  すっかり若葉の季節。2月に恒例の「怪作展」が終わり、のんびりして  いる間に桜の季節も過ぎてしまいました。今年こそ「積ん読本」を読  んで在庫を減らそうと意気込んでいるのですがなかなか減りません。  電子書籍で買う本もぼちぼちと出てきて、このまま電子書籍に移行し  てしまったら我が家の紙の本は一向に減らないかもという危機感も募  らせています。 ────────────────────────────────────  ◎毎日更新中! チワワの小太郎のこと、デジモノのこと、本のことetc... 「へにょへにょ日記」 http://ameblo.jp/henyo2/ ◎気まぐれ写真ブログ「さぼてん日記。」 http://ameblo.jp/fuwafura/ ◎茜音-AKANE- Facebookページ http://www.facebook.com/akaneiro ◎Twitter(日々のつぶやき) http://twitter.com/noriko_v ◎Twitter(ブログなどの更新情報信) http://twitter.com/henyo2 ◎Google+ http://gplus.to/norikov ◎note https://note.mu/noriko_v ──────────────────────────────────── ━━PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 楽天トラベル http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/0a708f00.8fbf7e57.0a708f01.fc30a6d7/ 家族旅行も出張もペットホテルもみ〜んなおまかせ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── ■チワワの小太郎 チワワ星通信 -- 今日のほのぼの -- ●軽やかな椰月作品◆『るり姉』 [2013/07/13] ●少年の夏休み◆『しずかな日々』 [2013/08/29] ●小説のガリレオ、ドラマのガリレオ◆『虚像の道化師』『禁断の魔術』                              [2013/08/29] ●生きづらさと家庭環境◆『インナーマザー』 [2013/09/07] ●悲壮感のない連続殺人◆『毒婦』 [2013/10/05] ●デキる一人より凡人百人◆『御社の営業がダメな理由』 [2013/10/05] ●ぼんやりキャラの江姫◆『乱紋』 [2013/10/05] ● 子育て、出産、夫婦エッセイ◆『ガミガミ女とスーダラ男』[2013/10/05] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、Amazonの詳細ページへのリンクです。  Amazonの詳細ページではその本の値段、サイズ、出版年、書評などを見られ  ます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            **◆*◆* チワワの小太郎 チワワ星通信 *◆*◆**       ──────────────────────────────────── ストーブは片付けましたがまだホットカーペットは出してあります。小太郎用 のホットマットもまだまだ必要。ほかほかの場所で手足を伸ばして、たまに寝 言を言いながら寝ています。 ■へにょへにょ日記■(小太郎の日常はこちら) http://ameblo.jp/henyo2/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── こちらに掲載している記事は『日々のほのぼの』ダイジェスト版です。 『日々のほのぼの』はこちら http://blog.akaneiro.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●軽やかな椰月作品◆『るり姉』 [2013/07/13] ──────────────────────────────────── 『るり姉』椰月 美智子/著(双葉文庫/双葉社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575515272/akane-22/ ──────────────────────────────────── 読みながらずっと、椰月美智子作品を何かに例えたら何だろうって考えていた。 なにかこう、特別じゃなくて日常的なもの。日本茶とか。 江國香織作品はコーヒーや紅茶。ちょっと気取った場面でお客さまに出したい ような。小川洋子作品は羊羹かな。好きな人は好きだけど、苦手な人もいるか も。そしてお客さまに出すのもいいけど、ひとりでこっそり食べるのもいい。 日本茶は場所を選ばすに誰にでも出せて、好きとか嫌いとかあんまりない。椰 月作品はそんな感じ。まだ二冊しか読んでないけども。 「るり姉」は、三人姉妹の叔母。シングルマザーの母の妹。るり姉以外の登場 人物たちによって語られるるり姉。それぞれの人物がみんな魅力的で、好きに なる。もちろんるり姉も。 ささやかな日常で、特別なことはなくて、どこにでもいそうな家族で、どこに でもありそうな家庭内の問題もあって、るり姉も離婚して再婚していて、大病 もして、大げさに書こうと思えばもっと大げさに書けるだろうし、悲劇的な物 語にもなるだろうし、逆に淡々と書くことだってできるような物語なのだけど も、椰月さんにかかると絶妙のさじ加減でなんとも軽やかな物語になってしま うから不思議。 いろいろあるけど、とりあえず前向きに元気に生きて行こう、って思えるとこ ろが椰月作品の魅力なのかもしれないなぁ。途中でなんとなく結末が想像でき てしまったのだけど、それでもみんなが楽しそうだからいっかと思える読後感 なのだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●少年の夏休み◆『しずかな日々』 [2013/08/29] ──────────────────────────────────── 『しずかな日々』椰月 美智子/著(講談社文庫/講談社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062766779/akane-22/ ──────────────────────────────────── 祖父の家で過ごす少年の夏休みを描いた作品。大人が読んで、ああ、子ども時 代ってこうだったな、って思えるようなシーンが多い気がする。ある種、ノス タルジックな。 椰月美智子作品を読むのは3冊目なのだけど、この人の作品、つまらないとは 思わないのだけど、好きでも嫌いでもなくて、それなりにスイスイ読めるのだ けど、心をかきむしられるような激しいものや、ドキドキするような結末はな い。好きな人にとってはそれがいいのかもしれないけれど、ちょっともの足り ない。 この作品だと、主人公の少年の母親がスピリチュアルな方向に行ってしまって、 「どこにでもいる少年」の「しずかな日常」の話ではない。普通の人から見た ら特殊な生き方を選んだ母を持った少年の話だったら、もう少し事件を期待し てしまう。 しかしこの小説はあくまでも少年と祖父の話だから、母のエピソードが邪魔な 気がしてしまった。少年が祖父と暮らすようになる理由は、母は病気だとかそ ういう一般的なことのほうがよかったんじゃないかなぁ。そのほうが、なんで もないような日常をみずみずしい小説に描いた、という感動がある…気がする。 いや、逆に「訳あり少年」の「なんでもない夏休み」だからいいのか。 ちょっとした場面で、随所に素敵な表現がちりばめられていて、それがひとつ の作品のなかに、自然に全部溶け込むとすごいんだろうなと思いながら読んだ。 私が言うのもおこがましいけれども、まだまだ伸びしろのある作家さん。今後 の作品にも期待。 あ、「しずかな日々」の続編なんかもあるかもしれないのかな。少年の恋愛、 結婚とか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●小説のガリレオ、ドラマのガリレオ◆『虚像の道化師』『禁断の魔術』                              [2013/08/29] ──────────────────────────────────── 『虚像の道化師 ガリレオ 7』東野 圭吾/著(文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163815708/akane-22/ ──────────────────────────────────── 『禁断の魔術 ガリレオ8』東野 圭吾/著(文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163816909/akane-22/ ──────────────────────────────────── ガリレオシリーズの7冊目と8冊目。このシリーズは最初のテレビシリーズの ときに1冊目と2冊目を買って読んでいるのだけど、今回は父が図書館で借り てきたので2冊まとめて読んだ。 短編ばかりなので読みやすい。しかしテレビドラマで結末(トリック)は知っ ているので新鮮味はなく、小説は小説で面白いとはいえ、のめり込むほどでも なかった。 映画化もされたシリーズ3冊目の「容疑者Xの献身」も読んでいるので、読ん でいないのは4冊目から6冊目。その中に、映画が公開されている「真夏の方 程式」も入っているけれど、そのうちに映画版を見ればいいかなという感じ。 「容疑者X〜」はよかったけれど、東野圭吾作品はそれほど好きじゃないな、 と今回改めて思った。 最近、映像化された作品は好きだけど原作は(小説として)それほど好きじゃ ないなと思うことが増えた。年を取って自分の価値観が固まってきたというの もあるし、限られた時間を無駄にしないように好きな小説家を優先的に読みた いと思うようになってきたこともあるのかもしれない。 ストーリーが面白いだけの話は映像で見ればいいや、と。小説は、文体までも 好きな小説家の作品をじっくり味わいたい。 ──────────────────────────────────── 『容疑者Xの献身』東野 圭吾/著(文春文庫/文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4167110121/akane-22/ ──────────────────────────────────── 『真夏の方程式』東野 圭吾/著(文春文庫/文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4167110156/akane-22/ ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●生きづらさと家庭環境◆『インナーマザー』 [2013/09/07] ──────────────────────────────────── 『インナーマザー 〜あなたを責めつづける心の中の「お母さん」〜 』 斎藤 学/著(だいわ文庫/大和書房) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4479303766/akane-22/ ──────────────────────────────────── 生きづらいのは母との関係、それも実際の母ではなくて「インナーマザー」、 心の中にいる母親との葛藤が原因である、という内容。 前半は、かなり深刻な例ばかりで、自分には当てはまらないと思いつつ読み進 めたのだけど、後半ではわりと一般的な例も挙げてあって、自分に当てはめて、 なるほどな、と思う部分もあった。 自分と母親とのなんとも言い表せない違和感は解消されないのだけど、解決方 法としてはやはり「親離れ、子別れ」であるらしい。つまり、この違和感はき ちんと「親離れ、子別れ」できていないことからきているということなのかも しれない。 子どもが、経済的、精神的に自立して、親の側も子どもに対して執着したり頼 りすぎたりしないことが大事なのだけど、我が家の場合は私の病気などもあっ て、なかなかうまくはいかない。そのあたりをどう折り合いをつけるかが問題 だと思った。 子どもに期待したり、ある程度、行動を制限したり(門限を決めるとか)する 親が特別とは思わないけれど、それが過剰になるとひずみが出てくる。例えば、 親が子どもの日記を見るとか、親の期待通りの進路に進まないとあからさまに がっかりするとか。 しかしどこまでが普通でどこからが普通ではないのか、そのあたりは難しいと 思う。明かにおかしな家庭環境で育っても、それなりにきちんとした大人にな ってそれなりに生活できている人も多いと思うし、それほど問題がないと思わ れる家庭環境でも大人になってから生きづらさを抱える人もいる。 その人の生来の性格にも寄るのだろうなとも思う。家庭環境に問題があったと しても、経済的に自立して社会に出て働けば、親以外の要素で学ぶところは多 いし、そこからの人生は自分の責任で、良くも悪くもなる。すべてが親の責任 ではないはずだ。 けれども、やはり、トラウマというか、幼少期の家庭環境が大人になってから もずっと影響するというのは否定できない。恋愛に消極的だったり、自己肯定 感が持てなかったり、親と同じ事を自分の子どもにもしてしまったり。 深刻なケースでは本を読んだだけで解決はしないのだろうけれど、どこが問題 なのか、ヒントが見つかる人もいるかもしれない。しかし肉体的な病気のよう に目に見えないものだから、なかなか難しいなと思う。自分自身も、ヒントが あったようななかったような、もやもやした感じが残る読後感だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●悲壮感のない連続殺人◆『毒婦』 [2013/10/05] ──────────────────────────────────── 『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』北原 みのり/著(朝日新聞出版) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4023310816/akane-22/ ──────────────────────────────────── 婚活サイトなどで出会った男性たちからお金を巻き上げた上で次々と殺害した (とされる)木嶋佳苗死刑囚の裁判傍聴記録。著者の北原みのりさんは1970年 生まれの女性。木嶋佳苗は1974年生まれで私と同い年。同世代の女性目線での 裁判のレポートに共感するところが多かった。 なんというか、検事も弁護士も男性率が高いなかで、被告人の女性と同年代で 同時代を生きてきた女性目線で見た突っ込みが的を射ていて、なんだか爽快で 面白い。いや、事件自体は悲惨だし、本書の内容もしごく真剣でまっとうなの だけど、どこか現実離れしていてコミカルな印象を受けるのだ。 「事実は小説よりも奇なり」と言うけれど、これが小説だったら逆に「ありえ ないでしょ」と思ってしまいそう。とにかく、主人公の木嶋佳苗が魅力的とい うか個性的。外見は美人とはほど遠いのに、しぐさや声は上品で優雅。検事の 恫喝的な質問にも一切動じず、悠々と質問に答える様子に憧れすら抱く。 そしてなぜか殺された人も含めて木嶋佳苗にお金をあげた男性達に悲壮感がな い。むしろ幸福感を感じる。木嶋佳苗が男性達に与えていたのはお金以上のも のだったのかもしれない。 メールでの誘いの文章、お金を振り込むようにお願いするやり方、嘘のつき方、 セックスするかどうか、などなど、ターゲットとなった男性それぞれに合った 方法で近づき、心(と身体も?)を虜にして、驚くほど短期間でお金を引き出 してゆくその才能。なにか他のものに生かすことはできなかったのかと思うの だけども、今となっては後の祭り。 料理もうまくて達筆で、おそらく洋服のセンスなどもそれなりによかったのだ と思う。和歌や芸事にも秀でていないとなれなかったという、昔の花魁のよう。 そういうところに、同年代の女性達が惹かれる要素があるんじゃないかと思う。 同じように才能があっても、社会的に成功した女性に対しては劣等感を抱くの だけども、木嶋佳苗の場合は逮捕され死刑を求刑されるという、明かに反社会 的であるがゆえに、一応、まっとうに生きている身としては(才能がなくとも) 優越感は維持していられる。 だからこそ、木嶋佳苗の裁判には佳苗ガールズと呼ばれるような女性たちが多 く傍聴に訪れたんじゃないかとも思う。彼女たちは、佳苗のような才能はない けれども、少なくとも自分は反社会的なことはしないで生きているという優越 感を感じたかったのかもしれない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●デキる一人より凡人百人◆『御社の営業がダメな理由』 [2013/10/05] ──────────────────────────────────── 『御社の営業がダメな理由』藤本 篤志/著(新潮新書/新潮社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4106101653/akane-22/ ──────────────────────────────────── 帯に「企業人必読。」「凡人だけで最強部隊を作る!」というコピー。企業人 ではないけれど、営業さんというお仕事はどういうものかと思い、読んでみた。 結局、当たり前じゃないかと思われる内容ではあったけれど、それが当たり前 ではない現実が、実際の企業では当たり前になってしまっているのか、と想像 してふむふむと思いつつ読んだのだった。 要するに、一人のデキる営業マンを雇用するよりも、普通の能力の営業マンの 潜在能力を引き出すような働かせ方をしたほうがいいよってこと。運良くデキ る人を採用できたとしても、そういう人はより条件のいい企業にヘッドハン ティングされてしまう可能性が高い、だったら今居る人材とノウハウを生かす 方法を考えましょう、ってこと。 これ、営業職に限らず、どの職種にも言えると思うのだけど、凡人はいくら教 育しても凡人。しかし、適材適所で、凡人の集団が最大限の能力を発揮できる ような組織を作ることは可能。それができるかどうかで会社の収益も変わって くるのではないかな。 突出してデキる人はそれだけ待遇もよくしなければ会社に居着いてくれないけ れど、それなりの能力のある凡人であれば、それなりの待遇で長く会社に尽く してくれるはずだから、見方を変えればお得な人材なんじゃないかと思う。 仕事にやりがいを感じて長く働いている社員が多い会社は、魅力のある会社だ と思う。そこを目指して欲しいなぁ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ぼんやりキャラの江姫◆『乱紋』 [2013/10/05] ──────────────────────────────────── 『乱紋〈上〉』永井 路子/著(文春文庫/文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4167200465/akane-22/ ──────────────────────────────────── 『乱紋〈下〉』永井 路子/著(文春文庫/文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4167200473/akane-22/ ──────────────────────────────────── 織田信長の妹、お市の方の三人の娘の末っ子、おごうの生涯をその侍女の目線 から描いた作品。 大河ドラマ「江(ごう)」では明瞭快活な姫として描かれていた江姫だけど、 この小説ではぼんやりとして、しつかみ所のない姫として描かれている。 これだけ波瀾万丈の生涯を送りながら、主役として描かれることはあまりない キャラクター。脇役としては様々なドラマに登場しているけれど、その作品に よって性格はかなり違うように思う。 父(浅井長政)も母(お市の方)も母の再婚相手(柴田勝家)も戦によって命 を失い、姉(茶々、淀君)は豊臣秀吉の側室となり、おごう自身は三度の結婚 を経て八人の子を産生む。長男の乳母である春日局との確執もよくドラマにな っている。 この小説では語り部が本人ではなくて創作のサイドストーリーも入っているの で、あまりおごう本人の物語という感じがしない。自分から運命を開くわけで も、翻弄される身を嘆くわけでもなく、ただただ流されてゆくような女性で、 読んでいてもすっきりとはしない。こういう生き方もあるのだろうとは思うの だけど、それを踏まえて、もう少し魅力的に描いてもよかったんじゃないかと も思う。 史実から見れば、悲劇的な死を遂げた母親や姉の淀君、戦で夫を失ったもう一 人の姉のお初よりも恵まれた生涯だったのかもしれない。しかし、自ら何かを 成し遂げたという印象は薄くて、やはり物語の主人公にはなりにくそうだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 子育て、出産、夫婦エッセイ◆『ガミガミ女とスーダラ男』[2013/10/05] ──────────────────────────────────── 『ガミガミ女とスーダラ男』椰月 美智子/著 (講談社文庫/講談社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/406277609X/akane-22/ ──────────────────────────────────── 椰月美智子さんの痛快エッセイ。エロネタ連発のダンナさんとそれに対抗する べくいっつも怒鳴りっぱなしの妻・椰月さんの日常。なんだけども、このエッ セイがウェブに連載されていた当時、椰月さんは第二子を妊娠中ということで、 子育て&出産エッセイとしても読めて面白い。 しかし、正直言って、こういう夫婦ネタって、一般人がそこここでブログに書 き殴っているような内容であり、面白いけども、特殊な夫婦ではないよなぁと 思いつつ読む。小説家として売れているからこそ、これを出版社のウェブサイ トに連載して原稿料が成り立つということが羨ましい。夫の憂さを晴らすのだ ったら無料ブログでもいいと思うのだけども、それを収益に結びつけてしまう ところがプロ。書籍化まですれば完璧だわ。私も小説で一発当てればブログ記 事でお金もらえるかしら…(無理無理)。 むしろ、こういうことをフィクションというオブラートに包み込んで小説とし て成り立たせてしまうところにこそ椰月美智子さんの本領が発揮されるんじゃ ないかとも思ったり。 個人的には、椰月さんのお住まいの場所が、とってもよく知っている地域なの で、あ、これはあのお店か、産婦人科はあそこね、駅伝を見てる場所は、うち の父もよく見に行くけどもテレビ中継ではいつもCMになってあまり映らないん だよなーって言っていた場所だわ、とか、そんなローカルなツボでひとりで盛 り上がり。 小説もそうなんだけど、椰月作品の語り口って、どうも小田原っ子っぽい感じ がする。小田原人って自分が訛っているとは思っていない(標準語だと思って る)んだけども、外から来た人が聞くとすごく訛ってるそうな。私たちの年代 になると、字面で見るとそうでもないのだけど、やっぱり下町口調というか、 会話のリズムがトタタタタタタ〜としてるらしく、怒ってないのに「怒ってる の」って言われたり、ケンカしてるわけじゃないのにケンカしてると思われた りする。 だから、スーダラ男とガミガミ女のやりとりも、日常会話の延長なのかしら ねーなんて思いつつ読んでいた。小田原人の会話って、うるさいのだ。でも スーさ ん(スーダラ男さん)は平塚(小田原から少し離れてる)出身らしいので、微 妙に違ってもう少しのんびりしているのかもしれない。なので、ガミガミを スーダララとやり過ごせるし、二人はそれでうまくいっているのかも。いや、 たぶんご本人達は大きく否定しそうだけども。 それにしても、椰月さんは男性にモテるのね。歴代の彼氏がいっぱいいて、結 婚も二度目で、そしてさらに、なぜかたまたま私が読んだものがそうだっただ けかもしれないけれど、椰月作品を絶賛しているのは男性(おじさん)が多い。 いや、よい作品だと思うけど、そんなに!? ってくらい絶賛。なにかおじさ んのツボをくすぐる作風なのか。おじさんの中の少年の心を呼び覚ますのか。 よくわからない。 それなのにスーさんは妻の作品をまともに読まない(読めない?)というのも また面白い。エッセイの内容は「100%事実です」ということ椰月さん。ブログ もそうだけども、事実しか書かないけどもすべてを書くわけではなく、あえて 書かない事実というのもあるわけで、やはりフィクションの要素が入って来る し、主観によって誇張されてる部分もあると思う。小説だったらありかもしれ ないけど、実際にこれやったらダメでしょうっていう行為もあるし、そこをぼ かすと面白くなくなってしまうということもあるので、こういう暴露系のエッ セイって難しいと思う。たぶん、書かれてないところでもっと面白いことがあ るんじゃないかと勘ぐってしまう。 小説なら思いっきり書けるから、次は是非、小説ではじけて欲しい。…ってこ のエッセイが書かれたのがかれこれ5年前だそうなので、すでにいろんな作品 に反映されているのかもしれない。 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」 http://blog.akaneiro.com/ より) ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 日記ブログ「へにょへにょ日記」は毎日更新中。。。 http://ameblo.jp/henyo2/ ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ サイト更新情報 ◆              ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音 【ギャラリーと日記】 ┃ http://akaneiro.com/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2014/04/08) トップページのカレンダー更新しました。4月は八重桜です。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ┃ http://sozai.akaneiro.com/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2013/11/04) [壁紙-花・植物]ノギク、ウィンターコスモス、イヌタデ、         ミゾソバなど秋の草花の壁紙14点追加しました。  (2013/12/03) [壁紙-花・植物]紅葉、ウィンターコスモス、ミゾソバなど         の壁紙18点追加しました。  (2013/12/31) [壁紙-花・植物]サザンカ、イソギク、セイタカアワダチソ         ウなどの壁紙11点追加しました。  (2014/02/03) [壁紙-花・植物]梅と南国の植物の壁紙15点追加しました。  (2014/03/06) [壁紙-花・植物]とオオイヌノフグリの壁紙10点追加しまし         た。  (2014/04/08) [壁紙-花・植物]桜、スイセン、レンギョウ、ユキヤナギな         どの壁紙25点追加しました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム     Twitter(@noriko_v)     Twitter(@henyo2)  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  melma!  マガジンID:m00073386  めろんぱん  マガジンID:004615  Copyright(C) 2003-2014 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛