□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0118   □□□□□□□□□□□ 2011/08/12 Fri.---Since2000/01/26  前号の発行部数113 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akaneiro.com/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    相変わらず記事が古くてすみません。最新の記事はサイトのほうで更  新しています。よろしければご覧ください。  ■日々のほのぼの   http://blog.akaneiro.com/  長い闘病生活を続けていた叔母が亡くなりました。元気に長生きして  くれるのが一番ですが、抗がん剤、手術、手足の麻痺、寝たきりでの  入院生活と経過をみてきたので、今は辛さから開放されてよかったね、  という気持ちです。叔母の治療、ホスピスでの看取りを経て、我が家  でも生き方、死に方について考える機会を多く与えられました。まだ  まだ長生きして欲しかったけれど、たくさんのものを残してくれた叔  母に感謝です。叔母さん、ありがとう。 叔母の闘病生活については「へにょへにょ日記」の「癌(がん)・抗が ん剤」カテゴリーなどに書いています。 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/diary/?ctgy=34 ────────────────────────────────────  ◎毎日更新中! チワワの小太郎のこと、デジモノのこと、本のことetc... 「へにょへにょ日記」 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ◎気まぐれ写真ブログ「さぼてん日記。」 http://ameblo.jp/fuwafura/ ◎クラフト・ラッピング素材「いちごのしっぽ」 http://sippostore.com/ ◎茜音-AKANE- Facebookページ http://www.facebook.com/akaneiro ◎Twitter(日々のつぶやき) http://twitter.com/noriko_v ◎Twitter(ブログなどの更新情報信) 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ったけれど、一緒にいても怖がるようなこともなかったです。小太郎も少し寂 しくなりますが、ナナちゃんと叔母は天国で再会して一緒にお散歩しているこ とでしょう。いつまでも見守っていてね。 ■へにょへにょ日記■(小太郎の日常はこちら) http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── こちらに掲載している記事は『日々のほのぼの』ダイジェスト版です。 『日々のほのぼの』はこちら http://blog.akaneiro.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●生き残るのは誰か◆『インシテミル』 [2010/11/14] ──────────────────────────────────── 『インシテミル』米澤 穂信/著(文春文庫/文藝春秋) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167773708/akane-22/ ──────────────────────────────────── 映画化されたそうで、原作本として書店に平積みされてるのを見て買ってみた。 ここのところ、小説(それもミステリーっぽいもの)をほとんど読んでいなか ったせいか、かなり楽しめた。 アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる設定。こう いう「閉ざされた空間」というミステリー小説の設定を「クローズドサークル」 というんだそうだ。後半で明かされる、主人公の意外な特性。過去の著名なミ ステリー小説から引用される不気味なメッセージ。解けない謎。 高額の報酬につられて集まった12人が、「主人」の思惑に翻弄されながら疑心 暗鬼になり殺人ゲームにまきこまれてゆく。最初は、12人という登場人物の多 さに「うわっ」と思ったのだけど、なるほど、一人また一人と殺されて、登場 人物たちはどんどん減っていく。いったい誰がこんなことを思いつき、これだ けの人数を集めたのか。生き残るのは誰なのか。報酬はきちんと支払われるの か。 ついつい引き込まれて夜更かしして読み切ってしまったのだった。映画も見て みたいもんだ。 しかし、「そして誰もいなくなった」のほうが、設定がシンプルできちんと犯 人と動機が明かされる。「インシテミル」はルールが複雑だし、結局最後まで わからない謎もある。そこが味噌でもあるんだろうけど。「そして誰もいなく なった」はシンプルで効果的なストーリーとトリックで鮮やかに終盤を迎える。 それが名作たる所以だろうな。「インシテミル」は他にもさまざまな作品の要 素を内包しているようなので、一概にアガサ・クリスティとだけ比べるのもな んだけど、ほかにあんまりミステリーを読んでないのでつい比べてしまった。 ■映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/incitemill/ ──────────────────────────────────── 『そして誰もいなくなった』アガサ クリスティー/著、清水 俊二/翻訳 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫/早川書房) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN//4151300805akane-22/ ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●Facebookとはなんぞや◆『ソーシャルメディア維新』 [2010/11/15] ──────────────────────────────────── 『ソーシャルメディア維新 〜フェイスブックが塗り替えるインターネット勢 力図〜』オガワ カズヒロ(小川 浩・小川 和也)/著 (マイコミ新書/毎日コミュニケーションズ) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839936471/akane-22/ ──────────────────────────────────── Facebookを使い始めて数ヶ月経つけれど、いまだによくわからない。いや、技 術的な使い方はだいたいわかったのだけど、「で、なに?」って感じなのだ。 やりとりが手軽で情報収集にもある程度役立ちそうだし、ビジネスでの人脈を 広げるにも役には立ちそうだけども、「だから?」って感じ。はまりこむほど 面白いかというとそんなことはなくて、正直、悩んでしまっている。だって、 Twitterの次に流行るのはFacebookだって言ってる人が多いんだもの。それな ら早めに始めて後から来る人たちを待っていようと思うんだけども、実感とし ては、「これ、ほんとに流行るの?」。 使い方の本は似たり寄ったりなので、もうちょっと根本的に、Facebookとはな んぞや、という本を読みたかった。で、この本を読んだら、なんとなく分かっ た。分かったけれども、やっぱり、「これ、ほんとに流行るの?」という感じ ではある。 猫も杓子もみんなが登録したらそりゃぁ便利だろうけれども、まず、そういう ことはなさそうだし、早々に登録した人たちも、「よくわからない」と言って る人がかなり多い。そういう人はあまり積極的に友人を誘ったりもしないだろ うし、そこからねずみ算式に増えるという可能性は低い。 Facebookの目指すところは、オープン化なんだそうだ。いや、オープンにされ ちゃ困るでしょ、と思う。閉鎖空間が心地いいのだから。オープン化しちゃっ たら、逆に退会する人も出てくるんじゃないかなぁ。mixiも一時期そんな騒動 で抜けた人たちもいたし。あれは著作権がからんでいたんだったか。 ともかく、Facebookの登録者が爆発的に増えるという予想には懐疑的なのだけ ど、この本を読んで、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを取り巻 く環境やそれらの目指すモノが(おぼろげながら)分かって勉強になった。 なんかもう、流れが速すぎてついていけてない感じ。一般の、インターネット の世界にはまってない人はもっと訳が分からなくなっているのかも。というか、 分からないことにすら気付いていないのかも。すごい、革新的、と声高に叫ん でいるのは一部のとんがった人たちで、実は世の中の大半の人たちはそんなこ とにはお構いなく、ゆるゆるとした日常を営んでいるのかもしれない。人間の 営みなんてそんなに急激には変わらないのだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●人生も教えてくれる◆『リンゴが教えてくれたこと』[2010/11/18] ──────────────────────────────────── 『リンゴが教えてくれたこと』 木村 秋則/著 (日経プレミアシリーズ/日本経済新聞出版社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532260469/akane-22/ ──────────────────────────────────── 私は農業をやったこともないし、親戚に農業をやっている人もいないのだけど、 家の周りには田んぼが多く、地域柄、梅の実の収穫用の梅の木も多くて農作業 をする方々の姿を目にすることも多い。だから、なんとなく、四季を通じての 農業というか、農作業の大変さはわかる気がする。同時に、収穫の歓びも。 年々、農業従事者が高齢化し、田んぼだった場所が宅地になっていくのを見る につけ悲しく寂しい気持ちになる。この本はリンゴ栽培について書かれている けれど、稲作などの他の農作物に関しても触れられていて興味深かった。無農 薬だと収穫量が減る代わりに肥料代が減るので収入は増えるというのが目から ウロコ。労働時間も少なくて済むので高齢の農業従事者の負担も減るそうだ。 また、農業を通じて著者の木村さんの生き方も見えてきて、学ぶところが多い。 失敗を繰り返しても辛抱強く何度もチャレンジする。目的に向かって骨身を惜 しまず勉強する。無理に自我を通さず、周囲の人々を説得して協力を得る。し かし信念を曲げない。 無農薬や有機農法と呼ばれる手法にはさまざまなものがあるようで、おそらく 木村さんの到達した方法もそのうちのひとつであり、異論もあるだろうし、地 域差もあるだろうとは思うのだけど、それとは別に木村さんご自身の生き方や 考え方にはなにかひとつの哲学のほうなものがある気がして、農業に従事する 人だけではなく、迷っている人、悩んでいる人にも読んでもらいたい一冊であ る。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●本の世界の裏話◆『何がなんでも作家になりたい!』[2010/12/05] ──────────────────────────────────── 『何がなんでも作家になりたい!』鈴木 輝一郎/著(河出書房新社) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309014984/akane-22/ ──────────────────────────────────── 作家になるための指南書。ではあるのだけど、文章の書き方ではなく「職業と しての作家」について書かれている。 収入の内訳から、原稿の依頼のされ方、本になるまでの工程など、出版業界の 裏話も満載で、作家志望でなくとも本好きには興味津々の内容。デビューまで の近道はまず賞に応募すること。賞を取った後も作家として食べていくにはど うしたらよいか、かなり具体的で面白い。 作品が売れれば印税だけで食べていける…なんて甘い世界ではないことがよく わかる。一発当てるのだって大変なのに、一発屋で終わらずに、ずっと作家や っていくのって、相当大変なことなのだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●宝石のネックレス◆『刺繍する少女』 [2010/12/05] ──────────────────────────────────── 『刺繍する少女』小川 洋子/著(角川文庫/角川書店) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043410042/akane-22/ ──────────────────────────────────── 小川洋子さんの短編集。いつもながら、美しくて残酷な物語の数々に脱帽。 書かれている内容はグロいのに、文章はきれいで、そのアンバランスさに引き 込まれてしまうのだった。写経のように書き写したくなる。 透き通った琥珀に閉じ込められた太古の昔の昆虫たちの遺骸。美しいのだけど、 そこには死がある。そんな感覚と似ている。 まったくのファンタジーのような作品もあれば、現実からそう遠くないような 作品もあるのだけど、ファンタジーのほうが現実味を帯びていて、リアルな作 品のほうが異世界の話のように感じられたり。そういうところが、小川作品の 魅力なのだろうな。 短編集は、ひとつひとつの作品がどれも色の違う宝石のようで、それらを繋げ たネックレスのように、一冊読み終わるとなんだか贅沢な気分になるのだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●凡人にははかりしれない◆『嫌われることを恐れない突破力!』[2010/12/05] ──────────────────────────────────── 『田原総一朗責任編集 2時間で人生が変わる! 嫌われることを恐れない突 破力! 世間という牢獄から脱出する方法 (2時間で人生が変わる!)』 勝間和代・堀江貴文/著(アスコム) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776206382/akane-22/ ──────────────────────────────────── 「2時間で人生が変わる!」ってキャッチコピーは大げさだけど、堀江さんと 勝間さんの考え方、物事の捉え方、人生観のようなものが集約されているとい う意味では濃い一冊ではあるかも。 「それはどうして?」と言葉を引き出す田原さんがうまい、と思った。という か、編集の力なのかな。あ、「田原総一朗 責任編集」となってるから、やっ ぱり田原さんの力だな。 このお二人が書かれた本などではおそらく、自分が言いたいことを書いている から、嫌悪感のある人が読むと最初から受け入れられないのだろうけど、田原 さんという媒体があることで、一般の人が「そうそう、そこが聞きたかったの よ」っていうところをうまく引き出している感じがした。 このお二人、そうとう頭がいい。たぶん。だから並大抵のインタビュアーでは 太刀打ちできなそう。田原さんも頭良さそうだし、この三人という取り合わせ が面白い。 まず、お二人の生い立ちから始まって、団塊世代がダメだという話や検察批判、 経済、農業からこれからの夢まで、話題が幅広い。完全に共感はできないのだ けど、なるほどねぇ、と理解はできる部分はあった。何より、全体から、この お二人の思考回路みたいなものがちょっとだけ見えてきたところが収穫。いや、 私のような凡人にはホントのところは、わからんのだけど。 本気で、お金があれば総理大臣になれると思った、っていうホリエモン、なん か別の意味ですごい。テレビ局の買収話で、みんなが喜んでくれると思った、 っていうのもすごい。考えてることはピュアな気がするんだけど、頭がいいだ けに本気でそれをやろうとしてある程度まで出来てしまって、社会全体を巻き 込んでしまうという迷惑な話。 ホリエモンが彼の思惑通りに総理大臣になってしまう世の中もイヤだけど、彼 らのような人材が簡単に潰されてしまう世の中もイヤだな。こういう人がいる から面白い。しかし、今、ホリエモンや勝間さんの本が売れているということ は、もしかしたらいい傾向なのかもしれない。そして、どんどん批判もすれば いい。いろんな意見がでることで、社会が良くなるんじゃないかな。彼らは問 題提起をしているんだと思うのだ。 情報収集の仕方についても語っていたけれど、ニュースを見て、それについて ブログなどで考えを書いて、読者からのコメントを読んでやりとりをして、そ して自分の中に蓄積する、そのやりかた自体は私も一緒だと思った。けど、そ の処理速度、処理能力が全然違う。私がひとつやる間にホリエモンは100くら いできちゃうんじゃないだろうか。勝間さんは速読法で本を読んでいるとなに かに書いてあったし。凡人との違いはそこだな。 まぁ、頭のいい人は世の中にたくさんいるのだろうけれど、どうして彼らだけ が叩かれるのか。お金持ってるからとか、頭がいいからとか、そういう理由 じゃないと思う。…なんだろう。他人に対して、「アナタはこうしたら今より 幸せになれる」って決めつけるところかなぁ。なにが幸せかなんて人によって 違うのに、他人に幸せの定義を押しつける(あるいは、押しつけられたように 感じさせてしまう)ところがいけないのかも。そこが宗教っぽい所以か。 これが、芸術家や音楽家だったら、「変人」で「天才」で片付けられるのだろ うけど、起業家、経済評論家であるが故に叩かれてしまうのかもしれない。誰 でも宇宙旅行ができるようにしたい、なんて夢のある話だと思うんだけどな。 ホリエモンがやるとすぐ「金儲けか」って思われちゃうんだろうな。マイケル ・ジャクソンがやったら絶賛されたかもしれない。自宅に遊園地作っちゃった くらいだし。もう、ホリエモンは、小説をじゃんじゃん書いて、小説家という 肩書きでいろんなことしたらいいんじゃないかな。そしたら私財をなげうって 「夢」に投資する文化人、みたいな立ち位置になれるかもしれない。 そういえば、美大時代に法学の先生が言っていた。あなたたちのような人たち (アーティスト)が世間を批判する目を持って様々な問題を提起していくこと が重要、というようなことを。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●未来への扉◆『夏への扉』[2010/12/08] ──────────────────────────────────── 『夏への扉』ロバート・A. ハインライン/著、福島 正実/翻訳 (ハヤカワ文庫SF/早川書房) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415011742X/akane-22/ ──────────────────────────────────── 雑誌のSF作品オールタイムベストには必ず入る古典的名作。今度、演劇集団 キャラメルボックスが舞台化するというので、この機会に読んでみた。 読み始めたら面白くてやめられず、一気読み。書かれたの50年以上前で、本の 中での「現代」が1970年、主人公が冷凍睡眠(コールドスリープ)から目覚め るのが2000年という設定。ややこしい…。 もう、すべてが過去である。 そういう時代に自分が生きているというのもなんだか不思議だけれど、本の中 の、「過去だけど未来」な世界はもっと不思議だった。本に出てくる未来の世 界にあるもののいくつかは実際に今の世界にある。自動お掃除ロボットは実現 しているし、自動製図機だってパソコンでちょいちょいだし、3D映像も実現し て3Dテレビが普及しはじめた。 しかし、現実にはあるのに、本には出てこないものもあって、本の中の2000年 の世界では新聞はまだ紙で、PCでできる自動検索なんてものもなくて、電子マ ネーも出てこない。読みながら、「あー、そこはRSSに登録しとけばいいのに…。 あっ、それはSUICAでいいんじゃ…」などと思ってしまう自分が、ものすごく 「未来人」になった気分だった。この小説が書かれた1950年台だと、クレジッ トカードですら一般的でなかったかも。っていうかクレジットカードなんても のがなかったのか。 改めて、いまの世界って、昔の人の想像を超えたすごい世界になっているのだ、 と思ったのだった。鉄腕アトムもドラえもんもいないけど、21世紀、すごい。 コールドスリープやタイムマシンが出てきて、なんとなく読みながら、「あ、 これってあとでこうなる伏線なのかな」なんて思う部分がいくつかあったのだ けど、それはきっと、この作品からインスピレーションを受けた、この作品以 後のSFなどで使われる手法だったのかもしれない。どこかで読んだことある、 その作品のほうがこの作品の手法を真似ていて、こっちがオリジナルなのかも。 この作品が名作たる所以は、もちろんストーリーが面白いからなんだけど、も しかしたら、他のいろんなものが実現しているなかで、コールドスリープとタ イムマシンは未だに実用段階ではないからかもしれない。同じく実現不可能か と思われた試験管ベイビーは、体外受精技術で半分実現しているけれどね。そ れもすごいことだ。 主人公のダンはもうすぐ30歳。猫のピートとともに暮らす優秀な技術者。会社 も人生もうまくいっているはずだったのに、恋人と、仕事のパートナーに裏切 られて30年間のコールドスリープに入れられてしまう。目覚めた世界は30年後。 そこは素晴らしい世界だったけれど、30年前の出来事の真相を知るために再び 過去に戻ろうとして…。というストーリー。猫のピートと主人公との関係が、 なんともいい。お互いを尊重しあっている感じ。 そして、出てくる人々が、意外にみんなやさしい。やさしくない人も出てくる けど、やさしい人が多い。なんとなく、そこがこの作品の魅力のひとつかなと 思った。ああ、みんながやさしいのは、主人公のキャラクターが「いいやつ」 だからかも。読みながら、おもわず応援したくなってしまうそんなキャラク ターなのだ。 21世紀は、1970年よりも素晴らしい世界、過去には戻りたくない、と言う主人 公。そんな、夢のようないい世界に、今の現実の世界はなっているのかな。そ う、なっていたらいいな。としみじみ思ったのだった。 ■演劇集団キャラメルボックス「夏への扉」 http://www.caramelbox.com/stage/natsutobi/ ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」 http://blog.akaneiro.com/ より) ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 日記ブログ「へにょへにょ日記」は毎日更新中。。。 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ サイト更新情報 ◆              ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音 【ギャラリーと日記】 ┃ http://akaneiro.com/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2011/08/01) トップページのカレンダー更新しました。8月は雨上がりの         葉っぱです。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ┃ http://sozai.akaneiro.com/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2011/08/01) [壁紙-花・植物]稲、雨上がりの葉っぱなど4点追加しま         した。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム     Twitter(@noriko_v)     Twitter(@henyo2)  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  melma!  マガジンID:m00073386  めろんぱん  マガジンID:004615  Copyright(C) 2003-2011 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛