□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0102   □□□□□□□□□□□ 2007/11/08 Thu.---Since2000/01/26  前号の発行部数166 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akaneiro.com/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  おひさしぶりです。発行をさぼっていたら、あっという間に11月。  すっかり秋になりました。チワワの小太郎はぬくぬくのいちご型  ハウスの中から出てきません…。    叔母がガンの手術をしました。治療について知りたくて、ガン関  連の本を読みあさったのですが、ガンの治療ってまだまだ発展途  上なのですね。一応、標準的な治療というのはあるらしいのです  が、現状は医師や病院によって治療方法がかなり違うようです。  自分で調べて納得のいく治療法を見つけるのって大変です。   ◎本のブログ「てくまくぶっく」 ---最近読んだ本・買った本・気になる本--- http://chokora.livedoor.biz/   ◎毎日更新中! チワワの小太郎のこと、料理のこと、本のことetc... 「へにょへにょ日記」 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●逆に落ち込むかも◆『子宮癌のおかげです』 [2007/09/07(金)] ●吉原遊女の物語◆『花宵道中』 [2007/09/09(日)] ●知られざる大奥◆『大奥の奥』 [2007/09/13(木)] ●独身女が病になったとき◆『がんから始まる』 [2007/09/14(金)] ●ガンの原因は食生活◆『抗がん剤拒否のススメ』 [2007/09/16(日)] ●医療と生と死◆『医者が癌にかかったとき』 [2007/09/22(土)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【癒し犬の写真と壁紙】 ★ちょこらサーチ 【ショップ検索&ランキング】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、「日々のほのぼの」の該当ページのURLです。  該当ページにはAmazonの詳細ページへのリンクがあります。Amazonの詳細ペ  ージではその本の値段、サイズ、出版年、書評などを見られます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akaneiro.com/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●逆に落ち込むかも◆『子宮癌のおかげです』 [2007/09/07(金)] ──────────────────────────────────── 『子宮癌のおかげです―女弁護士の全摘57日間の記録』渥美 雅子/著(工作舎) ISBN:9784875023746 / ASIN:487502374X http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=152 ──────────────────────────────────── 叔母が子宮癌の手術をしたので、癌関係の本を読みあさっている。これを書い たのは弁護士さん。初期の子宮頸ガンでの子宮全摘手術の体験記。 この方の性格のせいか、あっけらかんと明るい闘病記となっている。同じ病気 の人が元気になるような内容…だと思って読んだのだけど、明るすぎて読んだ 方は逆に落ち込むかも。 この方よりも軽い症状、または同じ程度の病ならいいけれど、もっと重い人は、 こんなあっけらかんとしていられない。 確かに、軽い病気ではないし、子宮全摘は身体的にもダメージは大きいのだけ ど、生命の淵を彷徨うような症状ではないのだ。もっと症状が重ければ、抗ガ ン剤やら放射線やらの治療も加わって、その副作用に苦しめられる。ガンの治 療の辛さはそこだと思う。 そうは言っても、自覚症状から診断、手術にいたる経過や、かかった手術費用 や保険で降りた金額などは参考になる部分が多い。また、安楽死、尊厳死につ いての法律的な見解も興味深かった。本人が強く望んでも安楽死は簡単にはで きないのだ。 読みながら共感するところも多い反面、おいおい…と突っ込みたくなるエピソ ードも満載。入院中に飲酒して大変なことになったり、病院を抜け出して仕事 したり。 もともとパワフルな人のよう。強いんだろうなぁ。だから、読みながら、あん たはそうかも知れないけど、普通の人はそうじゃないだろって思っちゃった。 自分が病気になったから病人の気持ちがよくわかったって本人は思っているか もしれないけれど、もっともっと弱い人もいっぱいいるのよ。 だから、逆にこの人とは病気の苦労を分かち合えないかもしれないと思った。 同じ病気になっても、考え方は人それぞれなんだなぁ。この人みたいに即決即 断できる人って、珍しいのではないだろうか。 だからね、これ読んで元気になる人と、これ読んで落ち込んじゃう人と、両方 いると思う。病人に読ませるのは要注意。だけどもう叔母さんに渡しちゃった。 落ち込まなきゃいいんだけど…。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●吉原遊女の物語◆『花宵道中』 [2007/09/09(日)] ──────────────────────────────────── 『花宵道中』宮木 あや子/著(新潮社) ISBN:9784103038313 / ASIN:4103038314 http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=153 ──────────────────────────────────── 「新人とは思えない完成度」との書評多数。根っからの吉原好き、というか遊 女好きなので、これは読んでみなければ。 噂に違わず面白かった。遊女は切ない。しかしただ単に切ない女ではなく、遊 女なりのプライド、生き方があるのだ。恋をして、恋にやぶれて、仕事に燃え るものもあり、自害するものもあり。そして恋人と共に外の世界に飛び出して ゆくものもあり。 幾人かの遊女たちが描かれているのだけど、それぞれのエピソードが繋がり合 って、意外な真相が明かされる。織りなされる人間模様が面白い。そして、遊 女の世界はやっぱり、儚く美しい。女のための官能小説の題材としてはもって こいなのだった。(官能なしでも十分いけるけど) 霧里、朝霧、茜、緑、八津、三津、東雲…出てくる名前がいいなぁ。 吉原遊女のお話はこれ一冊でお腹いっぱい。この人の、別の小説が読んでみた くなった。 そうそう、あとね、この本の装幀がすごく好き。半分ジャケ買い。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●知られざる大奥◆『大奥の奥』 [2007/09/13(木)] ──────────────────────────────────── 『大奥の奥』鈴木 由紀子/著(新潮新書/新潮社) ISBN:9784106101915 / ASIN:4106101912 http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=154 ──────────────────────────────────── 知られざる大奥の真相。実はこうだった。…っていう内容なんだろうけど、エ ピソードはみんなドラマ「大奥」で見た内容を同じだった。ちょっとがっかり。 この本をもとにドラマを作ったのかしら。 大奥の文化を知りたいのなら読む価値はあるかも。大奥女性の髪型とか、衣装 とか、部屋割りとか、将軍との夜の営みとか。 髪型や衣装についてはもっと図があるといいと思った。文章だけでは何が何や らさっぱりわからん。ある程度の基礎知識がある人が読めば面白いのかもしれ ないけれど、まったくわからない人が読んでも、ほんとにまったくわからない。 しかし、ドラマ「大奥」を見てなかった人は大奥での人間模様やエピソード満 載なのでそれだけでも楽しいと思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●独身女が病になったとき◆『がんから始まる』 [2007/09/14(金)] ──────────────────────────────────── 『がんから始まる』岸本 葉子/著(文春文庫/文藝春秋) ISBN:9784167599072 / ASIN:4167599074 http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=155 ──────────────────────────────────── 40歳で虫垂がんになった女性エッセイストの著作。がんになってみてわかった こと、いままでとは違う世界、手術後の生活、死と向き合うこと、自分で治療 法を選ぶということ。 私はがんではないけれど、膠原病という、現代の医学では完治しない病にかか っている。がんほど死と直結しないものの、薬の副作用で免疫力が落ちている ためにただの風邪でも健康な人よりも死に到る可能性が高い。そして、体力が 落ちているのでフルタイムでの労働は無理。心境的には、がんの人よりは切迫 感はないものの、健康な人よりは病人の気持ちがよく分かる。 このエッセイを読んでいて、共感というか、共鳴する部分がとても多かった。 この著者の感じ方や考え方は私に近いような気がする。もちろん、全部ではな いけれど。 なにより、著者は40歳独身ひとり暮らし。まだ老後を考える年代ではなく、無 条件に長生きすると信じて生きてきたのに、突然、死というものが身近になる。 長年払ってきた年金だって、もらえるようになる年まで生きられるかどうか… それどころか二、三年先の予定さえおぼつかない。 私が病になって、一番ありがたいと思ったのは家族の存在だった。しかし、順 番からいけば両親は先にいなくなり、私は独身のままなら老後はひとりぼっち だ(弟はあてにならない)。漠然とした不安。経済的にも、年金をちゃんと払 っていけるのかすら不安。 この本を読んだきっかけとなったのは叔母のがんが発覚したことだったのだけ ど、その叔母夫婦には子どもがいない。私が子ども代わりとなって支えてあげ よう、と思うものの、そこはやはり別世帯の事なので、自分の家族ほど深く関 わりあえないのだった。自分の親ならば、無理矢理にでも抗ガン剤治療をやめ させる事もできるかもしれない。でも、叔母の治療にはそこまで口を出せなか った。 翻って、我が身を考えれば、将来、このまま結婚もせず、子どももいない場合、 いざ大きな病にかかったら、すべて自分一人で事を運ばねばならない。治療法 を決めるのも、病院で身の回りのことをするのも、経済的な負担もすべて自分。 まさに、この本の著者と同じ状況だ。 家族についてのサポートグループについて言及している箇所で、著者は家族は 「ある意味患者以上にストレスフルだ」と書いている。「患者は当事者だから、 がんについて、どんな受け止め方をしようが自由だが、家族には、それがない。 患者ががんについて言うことが絶対となり、反論も、感情を表すことも許され ず、パートナーまたは共同体であるべき家族が、支配-被支配官界になってし まう。」 これはよく当たっていると思う。私自身、家族(または親類)が病気になって お見舞いに行くのはとても憂鬱。自分が入院しているほうが数倍気が楽だと思 う。 逆に、自分の同居している両親がストレスフルかというと、そうではない気が する。気がするだけかもしれないけれど、元来、私の両親は楽観主義で呑気な のだ。呑気すぎてそれが私のストレスになったこともある。しかし、呑気がス トレスになるというのも変な話なので、私自身の考え方を180度変えて、思い っきり両親に寄りかかることにしてしまったら楽になった。その家族ごとに、 病人を囲む状況は違うのだろう。 この本の中でも著作が挙げられている竹中史良医師が、最後に解説を寄せてい る。竹中医師はがんの専門医で、自身もがんを患った経験を持つ。その竹中医 師が、「本書では、著者が自らのがん闘病を可能なかぎり客観視し、闘病中に もかかわらず、間延びしたと感じさせる程の安定感がある」と評している。 それはとても当たっていると思うのだけど、私は読みながら「この人の感じ方 や文章への変換の仕方は自分ととてもよく似ている」と思っていたので、この 一文を読んだときに、「ああ、私の文章も間延びしているのかも」と思ったの だった。この場合の間延びっていうのはネガティブな意味ではなくて、呑気、 楽観的というような意味合いだと思う。 内容にももちろん共感したり、感心したりした部分が多かったのだけど、この 著者の文章は見習いたいと思う部分が多かった。さすがプロだ。私もこういう 風に自分の考え方を表現できたらいいのに、と思ったのだった。この人ががん になったのは、ひょっとしたらこの本を書くためだったのではないかとまで思 った。もちろん、そんなことはないのだろうけど。 著者ががんにならなかったらこの本は生まれなかったと思うと、不謹慎ながら、 がんに感謝すらしてしまい、そのあと著者には非常に申し訳ない思いでいっぱ いになった。 しかし、病が仕事に結びつく職業というのもあまりないから、それが収入に結 びつくというのはある意味うらやましい。私のこんなだらだら文章なんてなん の価値もありませんから。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ガンの原因は食生活◆『抗がん剤拒否のススメ』 [2007/09/16(日)] ──────────────────────────────────── 『末期がんを克服した医師の抗がん剤拒否のススメ』星野 仁彦/著(アスコム) ISBN:9784776202806 / ASIN:4776202808 http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=156 ──────────────────────────────────── 大腸がんから肝臓への転移を経験した医師が、抗がん剤を拒否し、がんを克服 するために実践した代替療法について書かれている。著者は精神科医というこ とで、がんと精神医学、メンタルケアについても書かれているところが興味深 い。 文章は比較的読みやすくて理路整然としているのだけど、読み物としては面白 くないなぁと思いつつ読み進めた。その原因は、夫に「です・ます」調で話し かける妻、著者の几帳面で潔癖症気味な行動、そしてプライドの高さを感じさ せる記述が鼻につくからだと、終盤に至って理由がわかった。しかし、そのと きには、逆にそれを「けっ」と思いながら楽しむ余裕もでてきて、読み物とし ても面白いかもと、前言撤回。 内容については、がんを患っている方、その家族に役に立つのはもちろん、現 在大きな病気を抱えていない人にもお勧め。がんの原因は食生活であると思っ た著者が実践したのはゲルソンという人が考案した食事療法(ゲルソン療法)。 塩分抜きの野菜中心食なのだけど、日本人のライフスタイルからすると厳しす ぎて働きながら実践するのは困難。そのため、著者はこれに少し改良を加えて 独自の、星野式ゲルソン療法として実践した。 当初は自分の病気克服のためであったのが、次第に周りに理解者が増え、現在 では、講演会やがん患者への指導も行っているらしい。 著者の星野医師は5年生存率0%というがん発症から15年を経て、いまもお元 気で活躍中。がん発症前はグルメを自認して肉食、油物中心の食事だったそう だけど、ゲルソン療法のおかげで、いまは病気の前よりも体調がいいらしい。 がんの再発の危険はほぼないそう。 がんになるのは、食生活が原因と書いてあった。油物や塩分を取りすぎるのが いけないらしい。ただ、それを認識している医師は多くはないようだ。 がんに限らず、食生活の乱れは病へ繋がる。だから、ゲルソン療法ほど厳格で ななくても、健康なうちから低塩分で野菜中心の食生活を心がけることは重要 だと思う。そうは言ってもなかなか実践はできないのだけど、がんになってか らでは遅いので、いまのうちから頑張って食生活改善せねば、と反省しきりな のだった。私の場合は、特に、間食のお菓子を辞める努力が必要かも。 ゲルソン療法は納得できたのだけど、星野医師が実践しているという尿療法に は大きな抵抗感がある。本書の記述内容から、それがとても体によくて免疫力 を高める効果も大きいということは納得できたのだけど、実際にやるとなる と…。それをやらなければいけないくらい追い詰められる前に、食生活、改善 しよう…。 星野医師の場合、この療法を文献から探し出し、実践しよう決意したのは他な らぬご本人なのだけど、実際に食事を作っていたのは奥様。本書の中でも奥様 への感謝の言葉はいくつもでてくる。それは間違ってはいないのだけど、なー んか違和感がある。偉そうに言ってるクセに、結局自分で作っちゃいないんじ ゃん。味の薄いまずい食事で、いかにも自分ばっかり苦労しているようなこと 言っているけど、ほんとに作る方の苦労がわかっているのか、と突っ込みたく なった。いや、奥様がとても苦労して作っているという記述はあるのだけど、 本人が実際に作ったという記述がないから、つい、そう言いたくなってしまっ た。 しかし、このご夫婦はこれでいいのだろうな。著者は、奥様が初めて作ったゲ ルソン食に思わず「まずい」と言ってしまったそうだ。まぁ、それはいいのだ けど、その後もまずいと思いながら食べ続けたそう。 いくら塩分がないからと言っても、それなりに野菜の味もするだろうし、そこ までまずいだろうかと思いつつ読んでいたら、案の定、奥様は「ずっと前から こういう食事がいいと思っていたんですよ」「自然が与えてくれるものは、で きるだけそのまま食べたほうがいいと思っていました」とおっしゃったという。 その言葉に激しく共感。 これは奥様の本心だな、と思ったのもつかの間、次の行で著者は「嘘でも、そ う言ってくれることがうれしかった」「いくら自然食派といっても、ゲルソン 食が美味しいとはお世辞にもいえない。それでも妻は、野菜の味がよくわかる、 といって私と同じメニューを食べてくれた。」とほざく。確かに、美味しくは ないのだろうけれど、それが体にいいのなら、奥様は夫が思うほどまずいとは 思っていなかったのではないだろうか。それを、いかにも奥様がまずいのを我 慢して自分に付き合って食べているかのように書かれていたことに違和感を覚 えた。 グルメな著者は、料理上手な奥様の工夫にもかかわらず(無農薬の食材探しか らしてくれる奥様の苦労には常に感謝していたようだけど)、ゲルソン食はま ずいと思い続けていたらしい。しかし、さすがに何年も食べ続けているうちに、 やっと、野菜の味というものが分かるようになってきたようだ。遅いよ。 近所に野草を摘みに行ったり、有機野菜の販売所を探したり、料理に工夫を凝 らしたり、星野医師の奥様は元来こういうことが好きなんだろうなと感じた。 夫が思うほど、それを苦には思っていないと思う。むしろ、使命感のようなも のができてやりがいすら感じているのではないかと思えた。病気のおかげで、 夫婦関係も良くなったのではないかと思えてしまう。夫が飲酒して(ゲルソン 療法では飲酒はダメ)弱音を吐いてもゆったりと対応する奥様の余裕に、著者 はかなり救われているように思えた。 それにしても、この療法は、食材を厳選しなければいけないのでお金がかかり そう。そして一から調理しなければいけないから手間もかかる。ある意味、贅 沢な食事だ。手間の大部分は奥様が負担している。その分、夫は働いて稼いで いる。一人暮らしだったら大変だ。家族の支えと協力があってこそ実践できる 療法である。 興味深かったのは、人間のゲルソン食の残り物を与えていた飼い犬のフィラリ アが数ヶ月で根治してしまったというところ。病院では余命幾ばくもないと診 断されていたそうだ。このエピソードが何年前の話かわからないけれど、10年 くらい前なら犬に人間の余り物を与えたりフィラリア予防が徹底されてなかっ たりというのも当たり前だったと思う。今だったら、フィラリアにかかる前に 予防するのだけどね。それにしても、ゲルソン療法でフィラリアまで根治する のかと驚きだった。 抗がん剤の効果についてはいろいろ言われているけれど、効くがんと、効かな いがんがあるらしい。それを素人が判断するのは難しい。病院の医師は、抗が ん剤であろうと放射線であろうと、患者を早死にさせたくてそれをするのでは ないだろうし、良かれと思ってその治療を勧めるのだろう。患者がどういう判 断基準で抗がん剤を拒否するかは、実際の場面になってみないとわからない。 でも、選択肢のひとつとして、抗がん剤ではなく、ゲルソン療法などの代替療 法があるということをあらかじめ知っておいても損はないと思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●医療と生と死◆『医者が癌にかかったとき』 [2007/09/22(土)] ──────────────────────────────────── 『医者が癌にかかったとき』竹中 文良/著(文春文庫/文藝春秋) ISBN:9784167343026 / ASIN:4167343029 http://akaneiro.com/cgi-bin/honobono/diary.cgi?no=158 ──────────────────────────────────── 読んだのは文庫版だが、単行本が最初に出版されたのは1991年らしいから、今 から15年以上も前の話。 医学は日進月歩。治療法は数年で格段の進歩を遂げている。当時は治らなかっ た癌も、今は治せたり、昔は「医師におまかせ」だったのが、今では「説明と 同意(インフォームド・コンセント」が当たり前になったり。看護師という言 葉も、最近やっと普通に使われるようになってきたが、この本では看護婦。以 前はこれでなんの違和感もなかったのだから不思議。 著者は長年外科医として癌治療に携わってきて、五十代半ばで自らも大腸癌を 患う。そこで、患者としての立場に立ってわかったこと、そして医師として多 くの患者と接してきて感じたことなどがこの本には綴られている。 前半では自らの闘病についてや、同僚医師らの癌闘病と死の様子などが語られ る。患者本人に徹底的に病名が伏せられる様子(ときにはカルテや検査結果の 改ざんもいとわない)は、とても容認しがたいのだけど、当時としてはこれば 普通だったのだろう。 私自身はこれが患者への「思いやり」だとは思えないのだけど、著者としては 深い「思いやり」からの行為だ。それを受け取る側(患者)も医師の「思いや り」を痛いほど感じ、本当の病名を隠されているのではないかと疑いながらも あえて問い質そうとはしない雰囲気も感じる。 医師側としては、本当の病名や余命を知らせることで患者が落ち込むのではな いかという懸念をしているのだが、たとえ落ち込んでも、そこから立ち上がれ る人は多いはずだ。そして、その後の生を慈しみ大切に生きることができるの ではないかと思う。告知しないということは、そういう権利を医師の一方的な 「思いやり」で患者に与えずに死を迎えさせることになり、それはとても残酷 なことだと思う。 しかし、告知することによってパニックになったり、うつ状態になることも十 分考えられる。そのために精神科医などと連携してメンタルケアをする必要性 は感じる。告知することやその後の精神面でのサポートなどをすべて外科医や 内科医に任せるのは荷が重すぎる。告知しない、というのはその後のサポート などに手が回らないという側面もあったのではないかと思う。 後半では、著者が内戦後のビアフラで医療活動をした体験が語られてる。まと もな医療設備がない状態での診察や手術。ネイティブドクターと呼ばれる祈祷 師による治療によって適切な処置を受けられなかった患者や、日本では見られ ない狂犬病の患者の処置、戦争による銃創などのけが人、極限状態ともいえる 場所での医療活動。 こういう活動を経験しているからこそ語れる生死感があるのだろうと思えた。 手の施しようのない狂犬病患者を見捨てるしかない状況、毒蛇に噛まれた手を 切断する手術を拒否して死んでいった若者、カルテに残る各国の医師の記述、 現地の人々の純粋さ。 日本の医療現場の話では、移植医療についても触れられていて興味深かった。 移植の必要性を感じる気持ちは痛いほどわかるが、著者としては臓器移植には 反対であるという。脳死移植ではまだぬくもりのある、心臓の動いている人間 から臓器を取り出すのだ。生体移植でのドナーの体に及ぼす影響はよくわかっ ていない。移植医療に関しては読みながらとても共感した。 少し昔の話なので、最新の医療の現場とは多少ずれているのだけど、医療と生 と死について、考えさせられる一冊だった。医師として、診察を受けたいかど うかと訊かれるとちょっと考えてしまうのだけど(告知でウソをつかれるのは つらい)、著者の竹中医師は人間として尊敬できる方ではないかと思ったのだ った。 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akaneiro.com/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 日記ブログ「へにょへにょ日記」は毎日更新中。。。 http://plaza.rakuten.co.jp/fuwafura/ ──────────────────────────────────── ==PR================================================================== ■今話題の本&売れてる本!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ オンライン書店ビーケーワンなら1,500円以上で国内送料無料です!  http://af1.mag2.com/m/af/0000124224/001/s00000004777002/032 ========================================================================  ==PR==================================================================  ★┃今┃週┃の┃ベ┃ス┃ト┃セ┃ラ┃ー┃★┃  ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 【楽天ブックス】流行の本を今すぐチェック!! http://af1.mag2.com/m/af/0000124224/001/s00000000213001/015 ======================================================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     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