□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0064   □□□□□□□□□□□ 2004/04/19 Mon.---Since2000/01/26  前号の発行部数136 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  春になって、小太郎を連れて毎週のようにおでかけしています。今年  は3週連続で週末にお花見に行ってしまいました。1週目は寒くてあ  まり咲いていませんでした。2週目は満開。3週目はハラハラと花び  らが散り始めていました。今年のサクラは例年にくらべて長く楽しめ  たのもよかったし、こんなにたくさんお花見したのも初めてです。    おでかけの写真、レポートは「チワワの小太郎」で。  http://akane.pos.to/kotaro/   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●壮絶な日航機事故のルポ◆『墜落の夏』 [2004年02月18日(水)] ●キリスト教的「愛」とは◆『イエスの生涯』 [2004年02月25日(水)] ●ファンタジーかオカルトか◆『りかさん』 [2004年03月04日(木)] ●子犬ころころ◆「丸山応挙展」 [2004年03月10日(水)] ●多発性筋炎その後・病院のエキスパートになれる? [2004年03月16日(火)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ★ちょこら 【小さな本屋さん】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ──────────────────────────────────── [PR] ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 『Amazon.co.jp マーケットプレイスストア』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/1058424 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●壮絶な日航機事故のルポ◆『墜落の夏』 [2004年02月18日(水)] ──────────────────────────────────── 『墜落の夏 日航123便事故全記録』吉岡忍/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00612214 ──────────────────────────────────── 1985年、群馬県御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機。事故に至る経緯とその後 の原因究明までを多くの関係者の証言などを元に詳細に記録したノンフィクシ ョン。 以前読んだ『墜落遺体』はこの事故での遺体確認作業についてかかれていて、 それは壮絶だった。遺体の損傷の激しさを見るだけで、この事故の凄惨さが分 かる。 『墜落の夏』では、生存した4名のうちのひとり、落合由美さんの証言が掲載 されている。著者が7時間に渡って落合さんにインタビューし、それをさらに 落合さんが確認したもので、墜落までの機内の様子がつぶさに分かる。 落合さんは日航のアシスタント・パーサーだが、この日は乗客としてジャンボ 機に乗っていた。520名が死亡した事故で奇跡的に生存者がいたことで、墜落 までの様子が分かったということもすごいが、彼女がアシスタント・パーサー だったということで、機内のスチュワーデスたちの動きやどこの壁が壊れたか など、航空業界に居る人ならではの視点での証言が取れたというのがすごいと 思う。 座った位置によっては墜落の衝撃で身体がばらばらに吹き飛んでしまった人や 墜落後の火災で燃えてしまった遺体も多かったこの事故で生き残ったというの はどういう気持ちだろう。私には計り知れない。乗客の生死を分けたものはな んだったんだろう。落合さんの証言では墜落後も多くの人が生きていたようだ。 救助が早ければ生存者はもっといたかもしれない。 墜落までの機内の様子を語る証言はまさに手に汗にぎるような緊迫感と臨場感 で迫ってくる。これはフィクションではなくノンフィクションなのだと思うと なおさらだ。もし自分がこの機に乗っていたらと思うと背筋が寒くなった。 夏休み中ということで、ひとりで乗っていた子どもたちも数人いたようだ。迷 走し、やがて墜落する運命のジャンボ機の中で彼らはたったひとりでどんな気 持ちだったろう。 この事故で家族を失い、生活ががらっと変わってしまった人も多い。それはた ぶん、どんな事故でも家族を失うということはとても辛いことだ。しかし、悲 惨な航空機事故で、遺体の確認作業も難航したりして、この事故の遺族たちの 心労は並大抵ではなかっただろう。 日航側は遺族ごとにひとりずつ社員をつけた。日航側の社員も大変だったよう だ。事故の責任のある日航社員にあからさまに嫌がらせをする遺族もいたとい う。気持ちはわかるが、日航社員側でもかなり大きなストレスを抱えていただ ろうと想像がつく。 本書では、遺体確認作業や、事故後の補償交渉、航空保険の複雑な仕組み、事 故原因究明の流れや事故原因と思われる航空機の構造の解説まで詳細に記され ている。事故から1年後に発行されているので、現在とは違っているかもしれ ないけれど、航空保険の仕組みなどはなるほど、そうだったのかという思いで 読んだ。航空機の構造などは文章だけで読んでも何がなにやらよくわからなか ったけれど、ともかく、この事故についてはおおよその事故原因は想像される けれど、肝心の機体が完全に復元できずに事故原因を特定することは不可能ら しいということはわかった。事故の衝撃で、事故原因と思われる尾翼部分など が散らばって全部回収できなかったからだ。 このジャンボ機は事故の7年前にしりもち事故を起こして修理されている。そ の時に修理を担当したボーイング社が、墜落事故後に修理時のミスを認めてい る。そのミスが、直接か間接かわからないけれど、事故の原因になっている可 能性が極めて高いらしい。 ジャンボ機に異常が起きたあと、ほとんど操縦が不可能になった。本来なら、 完全に操縦が不可能になることはないように設計されているジャンボ機だが、 墜落した日航機は操縦不能に陥ってしまった。本書を読む限り、読者の私とし ては、これはもう操縦席に居たパイロットたちにはどうしようもなかっただろ うな、と思える。墜落を回避する策はなかっただろう。それだけに、コクピッ ト内の会話を記録したボイスレコーダーのやりとりを読むと必死に操縦を試み る操縦士たちの会話が空しく切ない。 いったい、事故の責任はどこにあるのか。ジャンボ機を作ったボーイング社、 日航、操縦士たち、それとももっと違う何か。本書では、事故原因も事故の責 任の所在もなんとなくよくわからない。でもそれはいくら追求してもわからな いままのような気がする。なんとなく釈然としないけれど(これは遺族の方々 にとっては非常に苦々しいと思う)、今後こんな悲惨な事故が起こらないよう に航空会社などに日々努力してもらうしかないだろう。 ──────────────────────────────────── 『墜落遺体』飯塚訓/著(講談社+α文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02020421 ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●キリスト教的「愛」とは◆『イエスの生涯』 [2004年02月25日(水)] ──────────────────────────────────── 『イエスの生涯』遠藤周作/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00221297 ──────────────────────────────────── もともと、日本には「愛」という概念がなかった。というのを何かで読んだこ とがある。「愛」は英語の「LOVE」という単語とともに日本に入ってきた言葉 なのかも。最初に入ってきたのは英語ではなかったかもしれないが、ともかく、 西洋から入ってきた概念であるらしい。だから日本人が大まじめに「愛」を語 るとキザっぽく、なんだかこそばゆいのか。 キリストはひたすらに「愛」を説き、実践する。それは素晴らしいことで、常 人にできることではない。それは分かるのだけど、キリスト関係の本、聖書関 係の本をいくら読んでも(私が読んだのは世の中に出回っているうちのほんの 数冊ではあるけれど)キリストやキリスト教の教えに共感、共鳴できない。聖 書といえば世界のベストセラー。キリスト教徒は世界一の信者数。これだけ信 仰を集めるものなのだから、なにか人々を引きつけるものがあって、私にも共 感できる要素があるはず、と思うのだけど、どの本を読んでも、どうして人々 がそれほどまでにキリスト教の教えに惹かれるのかがわからない。確かに、部 分的には共感するのだけど、全体として見たときには「ん?」と思ってしまう のだ。 そんなことを考えながら、『イエスの生涯』を読んだ。かつて同じ遠藤周作の 『沈黙』を読んだときに、迫害され、苦悩するキリスト教の信者たちに対して ひたすら沈黙する神の存在が描かれていて、この小説には激しく共鳴してしま った。絶対的な神、人々を救う存在であるはずの神が自分を信じるものたちを 救ってはくれない。信じるが故に苦しみ、生命を奪われる人々。神とは、信仰 とはなんなのか。そう、私がキリスト教に共感できない理由がこの小説に描か れているような気がしたのだった。 『イエスの生涯』は著者が聖書などから独自に考察したキリスト像が描かれて いる。聖書に書かれている奇跡なども、実際はこうであったろうという推察も 交えて描かれていて、興味深い。私は聖書そのものをちゃんと読んだことがな いのだけど、聖書を勉強している人にはもっと面白く読めると思う。 聖書の内容は、読み物として面白い。荒唐無稽。矛盾だらけ。そしてたぶん、 都合の悪いところはカットしてある。だから、自分たちに都合のいいこと中心 のいいとこ取り。どこまでが本当なのかわからない。たぶん、遠藤周作はその ことを十分に承知した上でイエスの生涯を聖書の中から追っている。そして、 イエスを否定するでもなく肯定するでもないような語り口。クリスチャンであ るので、信仰心に基づいてイエスに一定の尊敬の念を感じるけれど、全面的に 信仰しているという感じではないのだ。しかし、否定もしない。著者が自分自 身に問いかけているような印象も受ける。 イエスが説く「愛」は実は私にはよく分からない。人々のために自分を犠牲に する「愛」なのだ。そして、イエス処刑の場面で師を裏切った弟子たちもイエ スの死後には各地に散って布教し、迫害され殉死している。聖書の中では殉死 は美徳のように描かれる。信仰に死ぬことは果たして美しいことなのだろうか。 私にはそうは思えない。どう死ぬかではなく、どう生きるかということこそ大 事なことなのではないか。 そこで、分かった。私がキリスト教に共感できないのは、死の宗教だから。生 き方ではなく、死に様がクローズアップされているように感じるのだ。だいた い、十字にかけられたキリスト像からして死を連想させる。そして、聖書の中 の人々がなんだかあまり幸せそうに思えないのだ。キリストも弟子たちも苦悩 し、迫害され、耐える。読んでいて苦しくなる。苦しみの宗教。彼らが信じる 神は絶対に手を差し伸べない。これがキリスト教的「愛」なの? 聖書の中では、流血の場面や、拷問、紛争、大量殺戮なんかもある。暗い。こ んな話を読んでも幸せな気持ちにはなれないのだ。キリストが私たちの暗い部 分、苦悩を背負って死んでくれたという考え方。それで私たちは幸せになれる んだろうか。キリストが背負ってくれても、やっぱり苦悩は減らない。それよ りは、苦しみは自分で背負い、最後まで自分が抱えていなければいけないんじ ゃないか。キリストひとりが世界の苦悩を背負うのではなく、ひとりひとりが ちょっとずつ背負ったほうがどんなに幸せか。悩みのない人間ほど魅力のない ものはない。 だから、私は世の中の不幸を一身に背負って処刑されたとされるキリストには 魅力を感じないのだ。それのどこが偉いの? 何の意味があるの? 人々の不幸を自分が背負うよりも、人々にどう不幸を背負うか、不幸を乗り越 えるかを教えて欲しい。私は重い荷物を人に持ってもらうよりも、その荷物を どう持ったら持ちやすいかを教えてくれる人の方がいい。ひとりに負わせるの ではなくみんなで少しずつ持てばいいじゃんと思う。 なんだか、この本を読んでいると、イエスの「愛」って一方的。イエスは「愛」 を与えるけれど、民衆は「愛」を返してはくれない。「愛」って双方向なもの じゃないのかなぁ。一方的な「愛」って苦しい。お互いに「愛」を与え合って こそ、お互いに幸せになれるんじゃないのかなぁ。本当は、聖書はそういうこ とをいいたいのかもしれないけれど。 宗教って幸せに生きるためにあるものだと思う。宗教によって苦しむのなら、 信仰しない方がいい。迫害され、死んでも信仰を守ることが美徳だという宗教 はあまり信用できない。そう、迫害されて死ぬということは、殺す方もいると いうことで、信仰を捨てても生きようと思えば、殺す方も殺さなくて済むこと になって、お互いに救われる。 キリスト教って、なんだか自己中心主義で嫌だ。迫害する人たちは徹底的に敵 なのだ。選ばれた者たち意識も強い。博愛主義っぽいけど、実はそうじゃない。 イエスは博愛主義だったみたいだけど。あ、でもイエスも神殿を占拠してる人 たちを蹴散らしたりしてるし。 イエスの十字架の死を思うと暗い気分になる。それに比べれば仏陀は沙羅双樹 の下で動物たちに囲まれて死んだそうだから、穏やかで幸せな死だと思う。私 は仏陀の方が好きだなぁ。手塚治虫の『ブッダ』くらいしか読んだことないけど。 ──────────────────────────────────── 『沈黙』遠藤周作/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00205682 『ブッダ(潮ビジュアル文庫)』手塚治虫/著(潮出版) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01852571 ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ファンタジーかオカルトか◆『りかさん』 [2004年03月04日(木)] ──────────────────────────────────── 『りかさん』梨木香歩/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02338563 ──────────────────────────────────── もともと、児童書として出版されていたのだけど、割と最近になって文庫にな った。児童書だとハードカバーでちょっと高かったから買うのと迷っていたん だけど、文庫になったのでやっと読むことができた。この本の続編の『からく りからくさ』のほうが先に文庫になっていて、『りかさん』を読む前に読むべ きかどうかすごく悩んでいたところだったのだ。やっぱり『りかさん』から読 んで正解だった。ちなみに、『りかさん』に収録されている「ミケルの庭」は 『からくりからくさ』の続編で、これは『からくりからくさ』を読んでから読 んだ方がよかった。ついつい先に読んじゃったけど・・・。 さて、『りかさん』。りかさんというのは市松人形の名前。主人公ようこが誕 生日におばあちゃんからもらった人形だ。本当はリカちゃん人形が欲しかった のに、なぜかおばあちゃんは、りかさんをくれた。 日本人形ってなんだか怖い。魂がありそうで。私は昔からちょっと苦手。家に あるおひな様もちょっと怖い。ここ何年も出してないから余計に怖い。変容し てそうで。 で、この物語のりかさんもちょっと怖い。いや、怖くないんだけど、意志の疎 通ができちゃう不思議な人形なのだ。それは、主人公のようことおばあちゃん 限定なんだけど。りかさんは毎日、服を着替えさせて、ご飯をあげて(りかさ んが食べたあとは量は減っていないけどなんだかすかすかしているらしい。残 りものはようこが食べる)、お世話をしてあげないといけない。みずから動く わけではないから他の人から見たらただのお人形だけど、ようことは会話でき るし、ちょっと不思議な力もあったりするし、特別な人形だ。 りかさんを通していろいろなことを知ったようこは精神的に少しずつ成長して いく。りかさんは古い人形なので、いろんなことを知ってるし、経験豊富なの だ。ようこ的には、もうりかさんなしではいられないみたい。 でもやっぱり人形に意志があるってちょっと気味が悪いかも。この話を子ども の頃に読んだら、きっと怖かっただろうと思う。他にも日本家屋とか古い人形 とか出てくるし。ファンタジーと言えばそうなんだけど、オカルトって言えば オカルトかも。 だからね、この本は、読んでいてこんな人形が身近にいたらいいなぁと思える 人はいいかもしれないけど、ちょっと気持ち悪いかも、と思う人は駄目かもし れない。 ようことりかさん(とおばあちゃん)の関係はとても好きだけど、私は心の底 では日本人形が怖いので、いまいち入り込めなかったのだった。 ──────────────────────────────────── 『からくりからくさ』梨木香歩/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02114171 ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●子犬ころころ◆「丸山応挙展」 [2004年03月10日(水)] ──────────────────────────────────── 両国の江戸東京博物館で開催中の「丸山応挙展」を見てきた。金曜の昼間で平 日だからそれほど混んでないかな、という予想と裏腹に、年配の方々がいっぱ い。かなり混んでいた。会期中、頻繁に展示替えがあるので、何度も来ている 人もいそう。 応挙といえば、犬と幽霊。幽霊には足がないというイメージが定着したのはこ の応挙の絵が影響しているらしい。応挙はただ単に足を省略しただけかもしれ ないらしいのだけど。この展覧会に出品されているのは「幽玄図(お雪の幻)」。 おどろおどろしい感じはなくて、美しい。病気がちだった奥さんがモデルとも 言われている。だからか。 子犬の作品は数点出品されていて(「狗子(くし)図」など)、ころころした体 と愛らしい表情がこころ和ませる。写実的というよりも、かわいさがデフォル メされていて絵本の挿絵のような味わい。 写実的な作品では、鳥や植物を描いた作品があって、特に、生き物では鳥を題 材にしているものが多いと感じた。クジャク、鶴、ニワトリ、ガチョウ、文鳥。 鳥って、日本人にとって身近なペットだったんだなぁと思った。今は鳥を飼っ ている家ってあんまりないけど。 虎は当時は日本にはいなくて、半分は想像上の生き物だった。猫をモデルにし ているのかもしれないけれど、応挙の虎はなんだかちょっと丸っこくてかわい い。表情も独特。想像上のものといえば、「雲竜図」。雷雲の中に眼孔鋭い竜 がいきいきと描かれている。ウロコとか爪とかリアル。こういう部分部分は実 在するものをモデルにして写実的に描いているのだ。 私は洋画をやってきているので、日本画の墨で一発決め、っていう描き方に感 動する。失敗できないじゃん。すごい集中力が入りそう。特に、応挙作品は、 これ、どうやったんだろうって思うような描き方がしてあったりする。見ても わからん。 技法はともかく、応挙の絵って動物でも子どもでも表情がいい。柔和でほのぼ のとした気分になる。対象への愛があるからかなぁ。こういう絵を描く人はや さしいんだろうなと思う。実際はどうかわからないけれど。 展覧会の最後に、写真だけ残っているものの、現在の所在がわからない作品が パネルにして飾ってあった。かなりの数がある。この展覧会をきっかけに、そ の存在すら知られていなかった応挙作品が個人宅から見つかったりしている。 日本画の大きな展覧会ってこういうことがあるから開催の意義は大きい。 ついでなので江戸東京博物館の常設展示も見てきた。でも、ついでというには もったないくらい広くて、あまりちゃんと見られなかった。これはもっと時間 のあるときにちゃんと見に来なくては。江戸の街のミニチュア模型や、原寸大 の長屋とか見せ物小屋とか、明治の建物や当時の品物などがいっぱい。江戸時 代から現代までの庶民の文化がよくわかる。面白い。ひとりでかなり楽しんで しまった。今度は友達と来よう。 江戸東京博物館 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/ 丸山応挙展 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/2003/ki_2-3.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●多発性筋炎その後・病院のエキスパートになれる? [2004年03月16日(火)] ──────────────────────────────────── 医療費の控除の書類を書くために昨年4月から今年3月までに行った病院の領 収証を整理した。今年度は病院を転々としたので、思っていたよりもたくさん の病院の領収証があってびっくり。 まず、地元の総合病院。これはもともと膠原病で通っていたのだけど、4月か らは膠原病の外来がなくなってしまったので、行かなくなった。はずなのだけ ど、婦人科で検診を受けたのでそのときの領収証がでてきた。 それから年末にウィルス性の胃腸炎で入院した別の総合病院。 4月から8月まで通っていたインチキ漢方医のいる大きい病院。(ここで多発 性筋炎が悪化) 9月から今も通っている漢方の病院。 そして、現在通っている大学病院なのだけど、ここだけでも、主として受診し ている膠原病の外来と、皮膚科、検査だけ受けた付属病院と3つの病院が。そ れぞれ別のものらしい。 これで7つの病院を渡り歩いていることが判明。私、すごく不健康な感じがす る。しかしいろんな病院や医者を見ているので、だんだんと病院のエキスパー トっぽくなってきている。そんな大それたものではないけど、いい面、悪い面 いろいろ分かってきた。今も十分大変だけど、家族なんかがもっと大変な病気 になったときにこの経験が生きるといいんだけど。 病院で治療を受けるということや、病気、生と死に対して考えることも多くて、 そういう精神面でもすごく影響があった。病気を治すことも大切だけど、それ よりも、治療しながらどう生きていくかが大事。クォリティ・オブ・ライフな んて言われてるみたいだけど、これを大事にすると言っている医者(インチキ 漢方医)が全然わかってなかったりするのを見てきたので、医者は信用できな いというのが大前提。もちろん、信頼に足る医者もたくさんいるけれども、ま ずは疑ってかかる。そして自分で判断する。医者の言うなりじゃなくて、自分 で納得して判断することが大事。その上で結果的に間違っていたらそれはそれ で仕方ないと思う。 インチキ漢方医にしたって、そこに行くことに決めたのは自分で、通った結果、 悪化してしまったけれど、それはそれで自分で判断して元主治医に勧められた 大学病院じゃない病院に行こうと決めたことだから、仕方なかったと思う。そ の結果、自分で情報を集めて別の大学病院に転院。これも自分で納得の行く判 断だったから今のところ満足。元主治医の言うなりに納得いかないまま、勧め られる病院に通っているよりもよかったと思う。結果的に治りが遅くなってし まったのかもしれないけど、勧められた病院に行っていたとしてもどうなって いたかわからないのだから。 医療費の控除では交通費や(医師の処方による)漢方薬も認められるみたいな ので、数万円は返ってくるらしい。まだわからないけど。それにしてもかかっ た医療費はかなり高額。 多発性筋炎は特定疾患(難病)に指定されているので、医療費の一部を国が負 担してくれるのだけど、今までは自己負担が一回の受診で1000円以内、月に 2000円以内だったのが、昨年10月からは収入にあわせて自己負担額が違うよう になってしまった。収入が少ない場合は自己負担なしになるのだけど、うちは まだ父が現役で私はその扶養になっているので、自己負担額が結構高い。まぁ しょうがないのだけど。医療費、父が出しているのだし。しかし、父が3月で 定年退職して4月からは収入が減ってしまうのに、自己負担額は9月まではこ のままなんだろうか。そういうのって考慮されないのかなぁ。ちなみに薬代は いままで通りタダ。これだけでもありがたい。 現在、プレドニン(副腎皮質ホルモン・ステロイド)は15mg。一番多いときで 30mgだったので、半分に減った。でも体重は相変わらず減らず、微妙に増えた り。維持するので精一杯。食欲は大分減ったような気がするけれど、それでも 食べることが最大の楽しみなので、ついつい食べてしまっているみたい。かな り浮腫んでいるのでそれで体重が増えてるのと、顔もぱんぱん。副作用でお腹 やあごに肉が付く。お腹は妊婦並みだし顔は浮腫んでるのと相乗効果でアンパ ンマンなのだ。増えた体重以上に太って見えるのが嫌だなぁ。 集中力がないのも相変わらずだけど、前よりはよくなったかもしれない。一時 期はビデオを予約する時Gコードを入力するのをよく失敗していた。なんかわ からないけれど、ちゃんとテレビ欄に書いてある通りに入力できなかったのだ。 睡眠時間はだいぶ長くなった。前は2時間置きに起きてしまっていたけど、最 近は4時間くらいは寝てられる。一度目が覚めても、トイレに行ってからまた 寝たり。昼寝もするから睡眠時間はたっぷり。でも長くは寝てられないのだっ た。病気の前は8時間くらい熟睡だったのになぁ。あの頃が懐かしい。 あとはいろいろあるけど、歯茎に冷たいものがしみるとか、目がチカチカする (これが結構つらい)とか、体力がないとか、細かいことを言ってもしかたな いので、諦めモード。今飲んでいる漢方薬で多少副作用が抑えられているのか もしれないけれど、実際はよくわからない。ともかく、今は副作用に耐えるこ とと、毎日楽しく過ごすことと、ちょっとダイエットすること。 薬が減るといいのだけど、いつも15mg以下になると悪化するので、慎重に、慎 重に。まだまだ副作用に耐える日々は続きそうなのだ。がんばれ、私。(たま には自分を励ますことも必要) 難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/ 多発性筋炎・皮膚筋炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/067.htm ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ──────────────────────────────────── =[PR]================================ 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/000389a5.22be7a25/?url=http%3a%2f%2fwww.rakuten.co.jp%2f ==================================== =[PR]================================  ★┃今┃週┃の┃ベ┃ス┃ト┃セ┃ラ┃ー┃★┃  ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 【楽天ブックス】流行の本を今すぐチェック!! http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=IGOG8+K8RCI+1N6+61JSJ ==================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ サイト更新情報 ◆ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音 【ギャラリーと日記】 ┃ http://akane.pos.to/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2004/03/31) 4月のカレンダーはサクラ満開です。         最近の私 伊豆の旅編を追加しました。   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ┃ http://akane.pos.to/sozai/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2004/03/21) [壁紙-Photo]ツバキの壁紙2点、菜の花の壁紙8点追加し          ました。  (2004/03/22) [数字]シンプルなカウンター用数字40点追加しました。  (2004/04/01) [壁紙-Photo]サクラの写真9点、サクラのつぼみの壁紙20          点追加しました。  (2004/04/03) [壁紙-Photo]サクラの壁紙106点追加しました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ┃ http://akane.pos.to/kotaro/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2004/03/25) story お話ひとつ追加しました。  (2004/03/31) photo album ディスクドッグ大会の写真などいっぱい追加          しました。         story お話ひとつ追加しました。  (2004/04/14) links チワワオーナーさんのサイトにスムチーお嬢ちゃん          のサイトを追加。         story お話ひとつ追加しました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ちょこら 【小さな本屋さん】 ┃ http://akane.pos.to/shopping/ ┃----------------------------------------------------------------------  なかなか思うように更新できていませんが、今後は本の紹介、読み物など  を追加していきたいと思っています。           ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  めろんぱん  マガジンID:004615  posbee  マガジンID:00002428  Copyright(C) 2003-2004 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛