□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0059 □□□□□□□□□□□ 2003/11/27 Thu.---Since2000/01/26  前号の発行部数146 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  書いた文章が溜まってしまったので、今月二回目の発行です。    今年も12月11日(木)から17日(水)までグループ展「怪作展」が開  催されます。50号の油彩画を出品すべく、制作中です。毎年、毎年、  今年で終わるかも・・・といいながらも続けているグループ展です。  やっぱり発表の場がないと絵を描くこともなくなってしまうので、年  に一度のグループ展を今後も続けていけたらと思っています。プロで  はない人たちが集まる展示で、年代も職業も作品のジャンルもぜんぜ  ん違うのでその交流も楽しい展覧会です。    『怪作展』  12月11日(木)-17日(水)  11:00-19:00(最終日は16:00まで)  EPOホール(小田原エポ 5階)   小田原駅(JR東海道線・東海道新幹線・小田急線)から徒歩5分    出品者、過去の展示風景などは「怪作展 Web Site」で。   http://akane.pos.to/kai/   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●時間の流れが心地いい◆『リセット』 [2003年10月10日(金)] ●やっとわかりやすい本が出た◆『HTML+CSS WEBデザイン・スタイルガイド』                          [2003年10月11日(土)] ●チワワの小太郎★深爪・セーター・迷子札 [2003年10月13日(月)] ●美しい日本語を堪能◆『夜叉ヶ池・天守物語』 [2003年10月21日(火)] ●死刑について考える◆『57人の死刑囚』 [2003年10月24日(金)] ●「知の巨人」は秘書もすごい◆『立花隆秘書日記』 [2003年10月26日(日)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ★りんくる 【わがままリンク集】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ──────────────────────────────────── [PR] ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 『Amazon.co.jp マーケットプレイスストア』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/1058424 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●時間の流れが心地いい◆『リセット』 [2003年10月10日(金)] ──────────────────────────────────── 『リセット』北村薫/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02338151 ──────────────────────────────────── 『スキップ』『ターン』に続く「時と人」シリーズの三作目。熱烈にすごく好 きという訳ではないのだけど、なんとなく好感をもつ作品郡。時間がテーマな のだけど、中心にいるのは「人」で、SFっぽくない。 『リセット』は、ほんとうにゆっくりした時間の流れが描かれていて、読んで いて心地いい。主人公の回想っぽい語り口がおっとりと、ですます調で、戦時 中の話だというのに安心感があるというか、あまり危機感がない。神戸のお金 持ちという設定のせいもあるけれど、こういう戦時中の描き方をしている作品 ってあまり読んだことがなかったので、新鮮だった。確かに、こういう人たち も大勢いたんだろうなぁ。 33年に一度やってくる獅子座流星群が大量に流れる年がキーワードになって輪 廻転生をして来世で結ばれる恋人たちの話。前世を覚えている人って実際に居 そう。赤ちゃんなんかは覚えているらしいし。実らなかった恋が次の人生で実 るっていうのはロマンチックかも。 それよりも、なんだか戦時中の女学生と男子学生の淡い恋心がくすぐったくて、 なんだかほんわかする作品だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●やっとわかりやすい本が出た◆『HTML+CSS WEBデザイン・スタイルガイド』                          [2003年10月11日(土)] ──────────────────────────────────── 『HTML+CSS WEBデザイン・スタイルガイド』 エ・ビスコム・テック・ラボ/著(毎日コミュニケーションズ) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02318779 ──────────────────────────────────── 私がホームページを作り始めたのはもう5年以上も前で、その頃はまだHTMLソ ースを手書きするのも一般的で、簡単なホームページ作成ソフトが出始めた頃 だった。 根っからの文系人間の私にはソースを手書きするなんて芸当は到底できないの で、ホームページ作成ソフトがなかったらホームページを作ろうなんて思わな かったはず。でもソフトを使えば、それなりのものができた。その後、少しは HTMLの基礎なんかを本を見て独学したけれど、未だに真っ白なところからソー スを書き起こすことはできない。修正はできるけど。 で、その頃はCSSなんてものも関係なくて、とりあえずHTMLという感じだった。 CGIのプログラミングも勉強しようとしたけど、私には無理だった。数字、ア ルファベットの羅列のどこが面白いんだか。でもそれが上手に動いたときには 感動なんだろうなぁ。 最近はもうCSSも当たり前になってきていて、いろんなサイトを見ていても、 これ、どうやってるんだろうと思うことが多い。ソースを見るとどうもCSSら しい。それに、今後はWEBのデザイン面ではHTMLではなくCSSを使うことが推奨 されているらしい。 「そろそろCSSを勉強せねば」とだいぶ前から思っていたのだけど、それらし いわかりやすい本がなくて、避けて通ってきた。 この本はわかりやすい。 HTMLとCSSと両方載っていて、同じデザインでもHTMLでの表記とCSSでの表記が 並列されており、双方の特徴や違いも詳しく書いてある。 今まで、どういう場面でCSSを使った方がいいのか、またはHTMLの方がいいの かよくわからなかったのだけど、この本を見ると、デザイン面はCSS、それ以 外はHTMLだということがよく分かる。例えば、文字の修飾や画像関係はCSS、 フォームなんかは従来のHTMLのまま。HTMLの基礎も載っているので、初心者で もわかりやすいと思う。 それから、CSSで何ができるのかというのもあんまりよく分からなかったのだ けど、それもよく分かった。読んでいて、「おお、これは便利!」って思うも のがいっぱい。さすが、デザイン重視のCSS。さっそく使ってみたいけれど、 うまくできるかどうか。今使っている Dreamweaver MX もCSSに対応している みたいだけど、どこまでできるのかわからん。手書きするのは大変だしなぁ…。 ま、ゆっくりやりましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●チワワの小太郎★深爪・セーター・迷子札 [2003年10月13日(月)] ──────────────────────────────────── 寒くなってきたので、小太郎にセーターを編んであげた。犬の服の本を参考に、 かなり適当に編んだら、ちょっと小さくて窮屈なのができてしまった。仕方な いので、もう一度挑戦。今度はぴったりサイズ。見た目もかわいい。・・・な んて思っていたら、ハイネックだったせいか、首のところに湿疹みたいなのが できてしまった。うーん、せっかくの力作だったのに、あんまり着せられない かも。 おとといは、小太郎を洗ってあげたあとに、爪を切ったら、後ろ足を深爪して しまった。切った瞬間、「きゃん」と言ったので、びっくりして見たら、血が! 前にもあったので、すぐに止まるかなと、放っておいたら、流血しながら、歩 いている。血、血が! これはいかんと思って、あわててティッシュで押さえ た。しばらく押さえていたら止まったのだけど、ちょっと興奮して動いたらま た流血。ああ、いっぱい切っちゃったのね、とかなり反省。 以前に、獣医さんに、血が止まらないときは、マッチを擦って、火を消した燃 えがらを当てると血が止まると聞いたので、やってみたら、なんだか痛がって すぐにやめてしまったら、余計に血が出てしまった。中途半端はだめか。ごめ んね、小太郎。 飼い主の所為で最近、災難続きの小太郎なのだった。結局ひたすらティッシュ で押さえて血を止めたあと、絆創膏を足に巻いてあげて(小太郎の足は人間の 親指くらいの太さ)、この日はゲージに入れておとなしくさせておいた。傷口 からばい菌が入るかもしれないので、お散歩もお休み。つくづく災難だった ねぇ。って私の所為か。 ところで、ずっと前から、小太郎用の迷子札を買ってあげたくて、ネットなど で散々探していた。でもチワワサイズの迷子札って全然ない。デザインを選ぶ 以前に、小さいサイズの迷子札がないのだ。 家の中で飼っている犬でも、ちょっとした拍子に外に出てしまったり、地震や 火災などの災害時に逃げ出したまま帰って来れなくなってしまったりするらし いので、迷子札は絶対につけておいたほうがいい。 うちの場合は、いつも洋服を着せているので、洋服の裏にアイロンで貼り付け る布に名前と電話番号と簡単な住所を書いて貼り付けてある。普段から首輪を しているなら、首輪に必要事項を書いておくといいかも。 実は、法律で、飼い犬には鑑札をつけなければいけないと決まっているらしい。 大きい犬なら首輪につけられるけど、鑑札はチワワにはちょっと大きすぎてつ けられない。迷子になったときに、この鑑札をつけていれば、かなりの確率で 処分されるのを避けることができるらしい。 そんな訳で、鑑札のかわりになるような迷子札を探していたのだ。大きさは、 15mm×15mmくらい。アクセサリー代わりにつけられる大きさ。20mm×20mmくら いのものはあるのだけど、これだと少し大きすぎる。ずっとつけているものだ から、あまり妥協してしまいたくなかった。 ふと思いついて、人間用のアクセサリーも見たのだけど、刻印してもらえる文 字数に制限があって、小さいモノで電話番号などの必要事項を全部刻印しても らえるような商品はなかった。 犬用のものでも、刻印してくれる項目は犬の名前と電話番号だけというのが主。 モノによっては飼い主の名前も入る。もちろん、サイズが大きくなればなるほ ど文字数も多く刻印してもらえる。 そんなこんなしていたら、やっといい迷子札を見つけた。見つけたのは、ごっ ついシルバーアクセサリーのお店。意外なところで発見。サイズは17mm×22mm でほぼ希望どおり。少し大きいけど、これくらいなら大丈夫。しかも刻印して くれる項目は、犬の名前と飼い主の名字、簡単な住所と電話番号とすごく多い。 デザインもかっこいい。値段は張るけれど、いままで探して探してなかったの で、これを買うしかないと思って買ってしまった。 少し、重さが重いかもしれないけれど、その分、刻印も深くて安心。簡単には ずれないように気をつけて、特製の皮ひもを作ってあげた。今はいつもこの迷 子札をつけている。これで万が一迷子になっても安心なのだ。 彫銀「ほりぎん」 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/000727f4.2aa19340/?url=http%3a%2f%2fwww.rakuten.co.jp%2fhorigin%2f ドッグタグ http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/000727e6.dd0940c3/?url=http%3a%2f%2fwww.rakuten.co.jp%2fhorigin%2f434152%2f%23381806 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●美しい日本語を堪能◆『夜叉ヶ池・天守物語』 [2003年10月21日(火)] ──────────────────────────────────── 『夜叉ヶ池・天守物語』泉鏡花/著(岩波文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00298215 ──────────────────────────────────── しばらく前の話だけれど、テレビで、女優の松坂慶子が「泉鏡花の『天守物語』 が昔からずっと好きで、いつか自分で上演したいと思っていた」と言っている のを聞いて、女優さんがそんなに惚れ込む戯曲というのはどんなもんだろうと 思って、買ってみた。松坂慶子は夢を叶えて、自分が主演で『天守物語』を上 演することになって、そのインタビューだったと思う。美女で魔物が主役とい うことだった。妖艶な松坂慶子、ちょっと見てみたかった。 『夜叉ヶ池』も『天守物語』も人間でないものが出てくる話。『夜叉ヶ池』で は龍神とか水の神とか水の精のようなものたち。『天守物語』では天守に住む 美しい夫人とその侍女たち。これはこの世のものではない。 読んでみて最初にびっくりしたのは、日本語の美しさ。戯曲だから当然、声に 出して演技することが前提に書かれている。これこそ、声に出して読みたい日 本語、と言う感じ(この戯曲が『声に出して読みたい日本語』に収録されてい るのかどうか知らないけれど)。 シェイクスピアの戯曲は原文では詩になっているのだと言うけれど、英語に弱 い私にはさっぱりわからない。英語を理解する人が読めば美しい響きを持って いるのだろうなぁと思うと、英語を解さない私はちょっと損をした気分。 だけど、日本語の美しさを堪能できるのならそれでも十分かも、と今回思った。 なんかもう、リズムが美しいし、言葉の選び方もセンスがいい。 物語もこの世のものならぬ美女が登場したり、空を飛んだり、大洪水が起こっ たりする割には人間世界と完全に隔絶しているわけではなく、人間との関わり の中で事件が起こってゆくという展開が好き。妖怪たちももとは人間で、訳あ って妖怪となってしまったといういきさつがある。なんだか、儚く、憂いを帯 びた存在なのだ。大洪水を起こして村を壊滅させてしまうほどの力があって、 人間に対して絶対的な強さを持っているにもかかわらず、どこか悲しい存在。 そして美女というのがまたそそられるのだ。やっぱり美しい魔物には惹かれて しまうのね。女優さんだったら、こういう役、やってみたいかも。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●死刑について考える◆『57人の死刑囚』 [2003年10月24日(金)] ──────────────────────────────────── 『57人の死刑囚』大塚公子/著(角川文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01580648 ──────────────────────────────────── 著者が取材した当時、日本には57人の死刑囚が居た。そのすべての死刑囚につ いてのレポート。 著者は死刑反対の立場をとっているが、内容は淡々としていてできるだけ、事 実を伝えようとしているような気がする。それだけに、興味深くはあるものの、 面白いという本ではない。 死刑囚の一人一人について調べるのは容易ではないだろうし、並々ならぬ熱意 が必要だ。獄中で生きていることは分かっているものの、外部との連絡をまっ たくとっていない死刑囚もいる。そういう人の記述は数行で終わっているもの もある。 また、本人からの書簡や、関係者の話で割と詳しい様子が分かる人もいる。ひ とくちに死刑囚といっても、その待遇も心境も様々であることが分かる。心境 はともかく、刑務所によってその待遇がまちまちで、ひどい扱いを受けている 人もいるようだ。 日本は人権後進国なのだそうだ。これは大学のときに法学の授業で聞いたのだ と思う。美大の法学の授業なのだけど、授業が面白くて人気があった。先生は 代用監獄(いわゆる留置場)問題やえん罪事件などに取り組んでいる人だった。 えん罪事件については、一つの事件に一時限をついやして、詳しく説明してく れ、どう考えても無罪の人間が死刑判決を受けて、執行を待っているという理 不尽な状況がよく分かった授業だった。こう言うと、「そんな全く無罪な人間 が有罪になるなんて」と思うかもしれないが(私もずっとそう思っていた)、 しかし証拠とか犯行の再現とかで、普通に考えても絶対にこの人の犯行ではな いだろう、と思われるのに、裁判ではそれが無視されてしまう。なぜなのか理 解に苦しむのだけど、実際そうなのだ。 私が、死刑を廃止したほうがいいと思う第一の理由は、えん罪の可能性。死刑 にしてしまったら、永遠にえん罪は晴れない。取り返しがつかないのだ。国家 によって無実の人を死に追いやるなんて、その国の国民として恥ずかしい限り だ。 また、この本の解説で、中山千夏さんは死刑反対の理由として以下のようなも のをあげている。 死刑は、人権を根本から破壊する残酷な刑であること。 死刑が犯罪を抑止するという科学的な根拠は、ぜんぜん無いこと。 死刑は、人の更正の機会を完全に奪ってしまうこと。 死刑は、冤(えん)罪をはらす機会を永久に奪ってしまうこと。 また、中山さんはその他にも遺族がみんな死刑を望んでいるかというとそんな ことはないし、また、死刑を執行を執行する刑務官の苦悩についても触れてい る。 この本を読むと、死刑囚にもいろいろいて、その事件の凄惨さや殺した人数の 多さから死刑になって当然、と思える人もいる。反省の色が全く見えない人も いる。その一方で、自らの罪を認め、悔い、遺族に謝罪する人もいる。また、 えん罪の可能性があり、獄中から無実を訴えている人もいる。 それにしても、人権という面から言うと、どの死刑囚も人間らしい権利が守ら れているとは到底言えない。外部との連絡は自由にできず、行動も限られ、抑 圧された生活を何十年と続けている。死刑囚は出所することはないから毎日、 執行される日を待つ日々。刑務所内での作業で賃金がでるらしいのだけど、一 日に数百円という信じられない報酬。体調不良を訴えてもまともに聞いて貰え ない。 死刑囚なんだから犯罪者なんだから当然、と思ってしまいがちだけれど、しか し、生きている限り人間らしい生活をする権利を奪う権利が私たちにあるだろ うか。この人たちの人権を奪うことでこの人たちを罰したことになるのだろう か。もっと他の方法で罪を償うことはできないのだろうか。これではただの報 復、いじめだ。死刑囚をこのような状況に置いている私たちは犯罪者となんら 変わらない。 日本の警察には留置場があるけれど、これも国際的には非難されているらしい。 実際、国連などで再三廃止を求められているらしいのだけど、日本国内ではほ とんど報道もされていない(と、大学の法学の先生は言っていた)。 詳しいことは忘れてしまったけれど、留置場は正式には代用監獄と言って、実 際の監獄の代用として生まれたらしい。本来なら、警察に捕まったら弁護士を 立て、弁護士同伴で取り調べを受けることが理想なのだけど、代用監獄ではそ れが許されない。他にもいろいろあるらしいけれど、とにかく、人権を侵害し ているということらしい。確かに、ちょっとしたことで留置場に入れられ、た とえそれが誤解だったとしても入れられている間は犯罪者扱いだ。やったかど うか分からないのに捕まった時点で犯罪者扱いされるというのは日本社会の悪 癖だと思う。捕まった時点ではまだ無罪で、裁判で判決が言い渡されるまでは 有罪ではない。 犯罪者だから殺してもいいという理論にはイマイチ同調できない。それでは自 分を犯罪者と同等に落とす行為だ。では身内が殺されたらどう思うか、それは 犯人を殺してやりたいと思うだろう。だけど、実際に殺すかどうかは別の問題 だと思う。殺すよりも事件の真相を知りたいと思うかもしれないし、それなら ば死刑にしてしまっては永遠に分からなくなってしまう真実もあるかもしれな い。また、犯人が死刑になったとしてもそれで殺された人が戻ってくるかとい うとそんなことはないし、それよりも犯人が心から悔いて更正してくれること を望むかもしれない。 よく思うのだけど、犯罪を犯す人というのにもいろいろいるとは思うけれど、 周りに、これをやってはいけないよ、と教えてくれる人がいなかったんじゃな いかと思える人もいる。一般社会の常識を知らずに育ってしまった人。そうい う人はそれはそれで不幸だ。私たちはついつい自分に引き寄せて考えてしまう けれど、そういうことをすると人に迷惑になるとか、人を傷つけるとかそれを 教えて貰えてない人っていうは居て、結果的に犯罪者になってしまう。その責 任っていうのは社会にあるんじゃないかなぁ。 だから、社会が責任を持って更正させてあげなければいけない。そういう風に 考えると、犯罪者と言えども人権はあって、その人権を守りつつ社会のルール を教え、人との関わりを教え育んで、立派に社会で生きて行けるようにするの が刑務所の役割なんじゃないかと思う。 この本で、無期懲役で長年刑務所に入っていて、出所したもののまた同じ犯罪 を犯して死刑になっている人が多いと書いてあった。この犯人がきちんとした 社会生活を送れるようになっていたら、または出所させなければ、犯罪被害者 も、死刑囚も減ったはずなのだ。いったい日本の刑務所というのは何をやって いるのだろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「知の巨人」は秘書もすごい◆『立花隆秘書日記』 [2003年10月26日(日)] ──────────────────────────────────── 『立花隆秘書日記』佐々木千賀子/著(ポプラ社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02301074 ──────────────────────────────────── 本屋さんで働いていたとき、立花隆の著書をよく目にしたけれど、あまりにも いろいろなテーマの本を出しているので、いったいこの人の専門はなんなのだ ろう。この人っていったい・・・。と思っていた。政治、科学、工学、音楽、 宇宙、臨死体験などなど、それぞれ一つづつ研究していてもなにやら難しそう なことを平行してやっているというのはすごいなぁと思う。 私が最初に立花隆に一目置くようになったのは、『アポロ13号 奇跡の生還』 (新潮文庫)という本を読んでからだった。まだ高校生くらいだったと思う。 で、私はずっとこの本の著者を立花隆だと思いこんでいたのだけど、実はヘン リー・クーパーJr.という人が書いた本を立花隆が訳したものだった。なん でそんな風に勘違いしていたのかなと思ったら、文庫版の表紙に著者名よりも でっかく訳者の「立花隆」という名前が。タイトルと同じくらいの大きさ!  そりゃ勘違いもするわな。 この本を読んで、立花隆ってなんかすごいなぁと思ったのだけど、大いなる勘 違いだったわけだ。まぁでも訳す人っていうのはとっても重要で、この訳の中 に立花隆的エッセンスが存分に盛り込まれているのかもしれないから、まぁい いか。 そのあと、大学の時くらいに『インターネット探検』(講談社)を読んで、も のすごくインターネットの世界に興味を持ったのだった。この本ではインター ネットのどこがどう面白いのか、立花隆的視点で書かれている。NASAのサイト が面白いとか、アダルトサイトが面白いとか、なんだかインターネットってい ままで漠然としていたけれど、具体的な楽しみ方を教えてもらった感じ。私が インターネットを始めたのはたぶん、この本を読んでからだったと思う。 立花隆の著書のテーマには興味があって、書店で何度も手に取るのだけどなん となく読むまでには至らず、結局いままで読んだのは上記二冊のみ。でもなん だか面白いおじさんだなぁとは思っていた。 宇宙とか、臨死体験とかそういう本については知っていたけど、もともとはロ ッキード事件、田中角栄について取材していた人だということは今回初めて知 った。調べるとその関係の著書が多い。ほんと、首尾範囲が広いなぁ。 で、本書はその立花さんの秘書をしていた人の日記風エッセイ。時期は1993〜 1998年というから、私が『インターネット探検』を読んでいた頃だ。本書の中 で、立花さんはワープロも使えず手書きで原稿を書くのに、インターネットに はどっぷりはまってしまう様子が描かれている。キーボード操作ができるかど うかとインターネットを閲覧することは別ものなのだ。 この本の中には立花隆の愛すべき人柄が存分に表現されている。と、同時に困 ったところも。まぁ、長所と短所は裏表だから取りようによるのだけれど。最 近、立花隆批判の本が相次いで出版されているようだけれど、この人はそんな ことあまり気にしないんだろうなぁ。しかもその批判というのも揚げ足取りで あんまり的はずれっぽいし。 興味を持ったモノはとにかく徹底的に調べて知りたい。それが「知の巨人」と 評される立花隆の根本のエネルギーのよう。人に知らせるとかではなく、とに かく自分が納得できるまで知りたいのだ。で、興味がなくなるとすぅっと冷め てしまうらしい。 思うのだけど、たぶん、立花隆くらいの「知」を持った人というのはいっぱい いるのだ。と、言っても私などとうてい及ばないくらいの「知」だけれど。で、 どうして立花隆がこれだけ有名なのかと言えば、きっと庶民的なんだと思う。 知を追求しつつ、庶民の目を持っているのではないかと思う。難しいことを考 えている人は難しい言葉を使いたがる。だけど、本当に難しいのは難しいこと を簡単に説明すること。立花隆という人はそれをやっているのだろう。あんま り著作を読んだことがないけれど。 難しいテーマを私たちの身近に引っ張ってきてくれるのだ。インターネットに しても宇宙にしてもなんだかよく分からない遠い存在だったものが、実は生活 の中でこんな風に使えるとか、宇宙に行っている人間も私たちの隣にいるよう な人たちだとか、そんな風に紹介してくれる。だから本が売れるのだろう。 で、立花批判をする人たちはどうしてこんな粗のある本が売れるのか、って思 っているのだろうけど、そんなことはたいした問題でなくて、粗があっても難 しいことを簡単に知ることができるというのは、知のレベルが違う私たちにと ってはとてもありがたいこと。 そういう意味では、立花隆自身の著作にすら難しそうと思って手を出しかねて いる私にとってはこの秘書日記はとっても入りやすかった。いままで謎だった 立花隆という人の全体像が分かった気がする。 まず秘書の公募の話から始まるのだけど、なんと500人の中から1人しか選ばれ ない。そして選ばれたのが佐々木千賀子さん。学歴不問、主婦もOKという条 件での公募でなければ応募してこなかったであろう人材だそうだ(佐々木さん は主婦ではないけれど)。 とにかく広い知識と、情報処理能力、資料の整理能力、マネージメント、雑用 などなど立花隆の秘書としてはいろいろな能力が平均的に備わっていないとい けない。この本を読んでいるととにかくこの佐々木さんも多ジャンルに渡って たくさんの知識がある人だと言うことがよく分かる。 オペラが大好きだったり、実はSFおたくだったことがあったり、もちろん政 治、科学などにも造詣が深い。なのに、秘書に応募した当時は失業中で、こう いう人が野に埋もれて職がなかったりするんだなぁと思った。 そして秘書としては、常に立花さんと一定の距離を保っている。立花隆という 人を冷静に見つめる目はときに怖くもあるけれど、同時に尊敬し、愛してもい るのだろうなぁと思う。この本が面白いのは、立花隆礼賛と言った内容でない からだ。立花さんのこんなところが嫌だというのがとてもストレートに描かれ ている。こんなこと言っていいんだろうか、ってことも。だけど、秘書時代に それだけの信頼関係のようなものがあって、それがこの本に反映されているの かもしれない。 立花隆の本の世界 http://www.ttbooks.com/ ──────────────────────────────────── 『アポロ13号 奇跡の生還』 ヘンリー・クーパーJr./著、立花隆/訳(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01574210 ──────────────────────────────────── 『インターネット探検』立花隆/著(講談社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01335928 (bk1では購入不可ですが書籍情報は見られます) Amazon.co.jpでは古本で入手可能。でも古い本だし読まなくても・・・。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062081784/akane-22 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ──────────────────────────────────── [PR] ∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨∴¨ 【楽天市場】クリスマス特集! おしゃれなプレゼント選んでね。 http://pt.afl.rakuten.co.jp/c/0007389c.2563a8d3/?url=http%3a%2f%2fevent.rakuten.co.jp%2fxmas%2f 【楽天市場】お歳暮特集! 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