□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0058 □□□□□□□□□□□ 2003/11/06 Thu.---Since2000/01/26  前号の発行部数141 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。                  ◇ ◇ ◇  12月の展覧会に向けて絵を描いています。テディベアを作ったり、ビ  ーズアクセサリーを作ったり、サイトの更新をしたり、なんだかんだ  と忙しく過ごしています。秋は芸術の秋。なにかモノを作りたくなる  季節なんでしょうか。それとも鑑賞する季節? どちらも楽しいです。    膠原病のほうが少し良くなったので、体力づくりを始めました。すっ  かり筋肉が落ちているので、キャンバスを張っただけで腕が筋肉痛。  なわとびをすれば足が筋肉痛。やりすぎはいけないけれど、少しずつ  筋力を取り戻したいものです。朝、NHKを見ながらラジオ体操をしたら  少し肩こり解消。結構いいかも。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _/Contents_/ ──────────────────────────────────── -- 今日のほのぼの -- ●犬は気持ちが通じ合う◆『愛することを伝える犬たち』                          [2003年09月27日(土)] ●つくりものっぽいリアル◆『陰摩羅鬼の瑕』 [2003年09月28日(日)] ●だめ押しで4回目◆『レ・ミゼラブル』 [2003年10月02日(木)] ●なんだか苦しい◆『ハッピー・バースディ』 [2003年10月04日(土)] ●品行方正なミュージカル◆『異国の丘』 [2003年10月05日(日)] ●自業自得のダメダメ人生◆『嫌われ松子の一生』 [2003年10月06日(月)] ●バカ犬でもいい◆『しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる』                          [2003年10月09日(木)] --サイト更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ──────────────────────────────────── ※記事中の書名の下にあるURLは、オンライン書店bk1の書籍詳細ページの  URLです(特に断りのある場合を除きます)。 その本の内容、値段、大きさ  などの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ──────────────────────────────────── ■本だけじゃ物足りない。CD,DVD,ゲーム、PCソフト、電化製品などなど。 『Amazon.co.jp』はこちら  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/489986 ■いらなくなった本を Amazon.co.jp で売ることができます! 『Amazon.co.jp マーケットプレイスストア』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=akane-22&path=tg/browse/-/1058424 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 今日のほのぼの ◆ ──────────────────────────────────── (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●犬は気持ちが通じ合う◆『愛することを伝える犬たち』                          [2003年09月27日(土)] ──────────────────────────────────── 『愛することを伝える犬たち』篠原淳美/著(ベストセラーズ) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01994046 ──────────────────────────────────── 犬というのは、本来、人間のことを愛してやまない動物らしい。人間が好きで しかたないのだ。それを一生懸命伝えるのだけど、人間側がそれを受け取るア ンテナを立てていないと見過ごしてしまう。そうなると、犬からの愛情は一方 通行になってしまって、行き場を失い、犬は人間不信になったり、さまざまな 心の病を抱えることになってしまうのだ。 人間から見れば一生懸命に犬に愛情をかけているつもりでも、犬にとってみた らそれは迷惑なことだったりということもある。そうすると愛情のすれ違いに なってしまって、「こんなに愛情をかけてやっているのに問題を起こすなんて、 困った犬だ」ということになる。犬からすれば、飼い主の対応が悪いために、 どうすればいいのか分からずに犬社会のルールに従って行動しているだけだっ たりする。飼い主が犬のルールを知って、適切な対応をすれば、犬は安心して 飼い主に従って生活することができる。 篠原さんの本を読んでいると、実に様々な犬や人間が登場する。最初は犬の話 だったはずなのに、最後には人間について考えさせられていることも。この人 は、犬も人も大好きなのだなぁと思う。犬の気持ちが分かる以上に、きっと人 間の気持ちもよく分かるのだ。だから、犬のために、と言いながらも、問題有 りの飼い主たちに根気よくつき合って最終的には理解し合うことができるのだ。 犬に愛されることによって、人の心が癒されるということをとてもよく分かっ ている。犬に問題があると人の心は癒されるどころかささくれだってしまう。 だから、篠原さんのしつけ教室では、犬に愛される飼い主になって、犬を愛せ る飼い主になれるように、犬を理解するための手伝いをしてくれるのだ。 篠原さんの犬に対する愛情は、子育てにも通じる。篠原さんには4人の子供た ちがいて、この子供たちも毎日、担当を決めて10頭余りの飼い犬と保護犬の世 話をする。子供たちはそれぞれの仕事をこなすが、時々忘れてしまう。犬たち に餌をあげるのを忘れると、次の日の夕食を抜かれてしまう(犬にはこっそり 餌をあげる)。そうすることで、子供たちはお腹を空かせた犬の気持ちを想像 する。篠原さんも一緒に夕食を抜くというから、大変だ。 私は子供の頃から犬を飼うことが夢で、たびたび両親にねだったのだけど、こ とごとく却下された。共働きで留守がちだし、世話をするのが大変だというの が大きな理由なのだろうけれど、最終的には「死んだら可哀想だから」という 一言で納得させられてしまった。でも、そういう理由ってどうなんだろうと思 う。 子供ながらにも「死んだら悲しいだろうな」とは想像できるけれど、愛犬が死 んでしまったときの悲しみはそのときになってみないと本当には分からない。 だから、私は未だにそれがどれくらい悲しいのかわからない。今うちにいるチ ワワの小太郎が死んだら、と想像することはできるけど、実際にその時になら ないと分からない。事故で死んでしまうのと老衰で天寿を全うするのとでもそ の悲しみは全然違うだろう。 子供には死んだらどれくらい悲しいのかということを体験させることも必要だ と思う。そして、それ以上に犬を飼うということは数万倍も楽しいことだと思 う。だから、世の親たちには「死んだら可哀想だから」という理由でペットを 飼うことを諦めないで欲しい。死んで悲しむというのは愛情があるということ の裏返しなのだから、もし、万が一ペットが死んでしまってもそれだけの愛情 をくれたことをそのペットに感謝して心の糧にしていかなければいけないと思 う。 この本に登場する飼い主たちも様々な事情を抱えているけれど、犬から教えら れたり、癒されたり、犬を愛して犬に愛されている飼い主たちが多い。犬は実 にいろいろなものを私たちに与えてくれる。犬によって引き出される豊かな感 情が私たちを癒してくれるのだ。この愛情を犬に伝えて、人間も犬に恩返しし なければならないと思う。伝え方は、人間流ではなく犬流でなくては伝わらな いかもしれないけれど、伝えれば伝えるほど、犬は愛情を返してくれるのだと 思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●つくりものっぽいリアル◆『陰摩羅鬼の瑕』 [2003年09月28日(日)] ──────────────────────────────────── 『陰摩羅鬼(おんもらき)の瑕(きず)』京極夏彦/著(講談社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02352404 ──────────────────────────────────── 京極堂シリーズの最新作。5年ぶりらしい。前作からもうそんなに経つのか。 今回も分厚い弁当箱本。寝ながら読むと腕が痛いのだ。 いつもの事件に比べると今回の殺人事件はあまり凄惨さがない。鳥のはく製に 飾られた洋館で起きる連続花嫁殺人事件。死体も美しいまま。事件の犯人や動 機も途中でなんとなく分かるのだけど、それも作者の意図するところだろう。 最後で京極堂がいつも通りにカンカンっと憑物落としをしてくれる。 作中に登場する鳥のはく製。私、博物館なんかで動物のはく製を見るのは割と 好きではあるのだけど、鳥のはく製って気持ち悪い。作中でも触れられている けれど、ほかの動物に比べて鳥のはく製って妙にリアルなのだ。羽が本物っぽ いからかなぁ。だからなんだかこの小説の中全体に妙に作り物っぽい変なリア ルさがただよっている。 そして、事件の真相もなんだか妙な感じ。要は心の問題なのだけど、本当にそ んな風な生死感を持った人間ができるのかとか、どこか作り物めいていてうま く騙されているような感じ。 今回、犯人はいるものの、悪人は登場しない。みごとに登場人物全員が普通の 人または、ちょっと普通ではないかもしれないけれど、悪意のない人たちなの だ。この小説では極端だけれど、日常生活の中での微妙な常識のズレって私た ちでも体験する。いままで常識だと思っていたことが実は世間では非常識だっ たり、大人になるまでずっと勘違いしていたこととか、細かいことはたくさん ある。それがもっと普遍的なものだったら、この小説のような事件も起こりう るのかもしれない。 なにかもの足りない感じがするのは、今回はあんまり女性が登場しなかったか らかなぁ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●だめ押しで4回目◆『レ・ミゼラブル』 [2003年10月02日(木)] ──────────────────────────────────── 9/24に4回目のレミゼ観劇。キャストは今井清隆(ジャン・バルジャン)、内 野聖陽(ジャベール)、高橋由美子(ファンティーヌ)、岡田浩暉(マリウス )、三遊亭亜郎(テナルディエ)、瀬戸内美八(テナルディエの妻)、吉野圭 吾(アンジョルラス)、笹本玲奈(エポニーヌ)、河野由佳(コゼット)など。 本当は9/16に行くはずだったのだけど、体調悪化で入院かもという状態になっ てしまって、泣く泣く諦めたのだった。で、今回も本当はミュージカルなど観 ている場合ではないのだけど、諦めがつかなくて、だめ押しで人気のなさそう な日を選んでチケットを取ってしまった。おかげで、念願の一階S席。やっぱ り行ってよかったぁ。 ちなみに、9/16のキャストは山口祐一郎(ジャン・バルジャン)、高嶋政宏( ジャベール)、井料留美(ファンティーヌ)、岡田浩暉(マリウス)、駒田一 (テナルディエ)、森久美子(テナルディエの妻)、坂元健児(アンジョルラ ス)、新妻聖子(エポニーヌ)、河野由佳(コゼット)など。駒田一、坂元健 児は一度観たきりだけど、よかったのでもう一度観たかったし、元劇団四季の 井料留美ファンティーヌもすごく楽しみにしていたのだった。見に行った友人 に聞くと、やっぱりこの日はキャストがよかったらしい。抽選で当たって、し かも今までで一番いい席だっただけに、諦めても諦められなかった私だった。 だから、もう、キャストにこだわらずにとにかくもう一回だけ観たかった。 人気がないとはいえ、舞台のレベルは高い。実は、内野ジャベールをとても観 たかったのだ。以前、『エリザベート』のトート役で観たときにはなんだかと っても歌がひどかった記憶があって、その後、回数を重ねてうまくなったと聞 いていたので、それを観ておかないと、いつまでたっても私の中では歌の下手 な内野聖陽というイメージのままなのだ。芝居は好きなのに。今回観ることが できてよかった。歌うまくなってるし、いい感じ。結局、ジャベールは4人の キャスト全員を観たけれど、一番は岡幸二郎、二番は内野聖陽。高嶋政宏は好 みの問題で、私はあんまり好きじゃなかった。 そうそう、今回、なんだかんだでレミゼのチケットを、同じ日に重複して取れ てしまった分や友人に売った分を含めて7回分取ったのだけど、そのうち6回 分が見事に全部右サイド。それも中央寄りとかではなく、かなり右端に近い席 ばかり。一階席、二階席と列はバラバラなのに、なぜか全部右側。ある意味す ごいけど。で、最後のだめ押しで、やっと中央寄り左サイドの席が取れた。や っぱり今まで観たのと違う感じ。だって、一幕の最後で、マリウスとエポニー ヌはどこに行ったのだろうと思っていたのだけど、今回その謎が解けた。ちゃ んと左側にいた。右サイドからは見えなかっただけだった。過去3回も観てる のに全然わからなかった。 レ・ミゼラブル http://www.toho.co.jp/stage/lesmis/welcome-j.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●なんだか苦しい◆『ハッピー・バースディ』 [2003年10月04日(土)] ──────────────────────────────────── 『ハッピー・バースディ』新井素子/著(角川書店) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02224513 ──────────────────────────────────── この本を書いている人ってなんか辛そうだなぁと思いつつ読んでいたら、あと がきで著者がほんとに辛かったと告白していた。 だってなんかもう苦しい。なんかねぇ、主人公がなんとも言えない「負のエネ ルギー」を発散してるのよ。なんなんでしょう。いったい。 でも自分にもまったく経験がないわけでないような感情もあって、身につまさ れるというか、同情するというか。でも共感はしないけど。 ストーカーもどきの男の子と物書きの女性が主要な登場人物なんだけど、二人 ともなんだかなぁなのだ。どうしてそういう思考回路でそういう行動に走るの か、理解できないままストーリーは進んでいって、ちょっと恐ろしいような展 開になりかけつつも大事件にはならないまま日常に収束してしまう。 自分が当事者だったらたぶん絶対こんな展開にはならんだろうなぁと思う。登 場人物たちの性格がそうさせているみたい。だから場面場面で「ほう、そうく るか」という驚きもあったり。「なぜ、そこでそうなる!?」と突っ込んでみ たくなったり。 なんだか振り回されてしまった感じ。煮え切らないまま。でもそう、この煮え 切らない感じって、ほんとの日常の感じかも。みんなちょっとづづ煮え切らな いまま生活してるのよね。だから行動は理解できなくても、ちょっぴり現実味 があったりして。 でもね、日常が煮え切らないからこそ、小説ではスパスパっと煮え切って欲し いもんだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●品行方正なミュージカル◆『異国の丘』 [2003年10月05日(日)] ──────────────────────────────────── 昨日、劇団四季の『異国の丘』を観てきた。浜松町駅から徒歩7分の四季劇場 「秋」(隣には四季劇場「春」があって、『ライオン・キング』を上演中)。 新しくできた東海道新幹線の品川駅を利用すると東京駅を経由するよりも早く 行ける。品川駅で降りてランチ。ずっと前に品川の仮設劇場で四季の『キャッ ツ』を観たときにはビルもお店もほとんどなくて、使えない街だなぁと思った のだけど、最近は行くたびに新しいものが増えてすっかり賑やかで華やかな街 になった。新幹線が止まるようになったので、ますます開発されてゆくのだろ うなぁ。 さて、『異国の丘』。中国に対する日本の植民地支配や、ロシアによる日本人 の強制労働などがテーマで、戦争の悲惨さや無意味さをミュージカルという方 法で今の若者にも受け入れやすく表現したすばらしい作品。というのが大まか な評価のよう。四季の会報誌の受け売りもあるけど。 『李香蘭』も暗い歴史をミュージカルで表現し、わかりやすいなんていう評価 をされていて、でも実際にビデオで観たらなんだか小難しくて説明セリフばか りであんまり面白くなかった。特別感動もしなかったし。そんな訳で『異国の 丘』も前評判をあんまり信じずに期待せずに観た。 席が一階席の後ろのほうでがっくりしたけれど、それほど広い劇場ではないの で、観にくいということはない。土曜日で、チケットの入手経路がいつもと違 うので回りのお客さんのマナーがあまりよくなく、上演中に音を立てたり、前 屈みで観たり(後ろにの人が見えない)、挙げ句の果てに上演中に携帯の液晶 画面操作をしている人がいて呆れかえった。まぁ、それは上演内容が面白くな かったということも関係しているのかもしれないけれど。 そう、面白くなかった。期待せずに観た。だいたい期待せずに観るとちょっと は面白いのだけど、今回は『李香蘭』を観たときと同様になんだかとても疲れ る観劇だった。 清く正しい、品行方正なミュージカル。内容は暗いし、ストーリーも全編を通 して平板で盛り上がりに欠ける。登場人物が死ぬ場面でも淡々と過ぎてしまっ てあまり感動がない。舞台上で繰り広げられる人間模様や恋愛もあんまり共感 できず、しらけた気分だった。感動すると言われていた遺書を強制労働所の収 容者全員で覚えるという場面でもあんまり感情を動かされなかった。 だいたい、劇団四季のセリフ回しは教科書の朗読のテープを聴いているみたい でいつまで経っても好きになれない。そのうえ、今回は内容がもう歴史の教科 書みたいだし、やたらセリフで状況説明されるし、意外に歌の場面も少なかっ た。そんな、歴史的背景の説明なんかすっとばして、ストトトーンっとラスト まで行って欲しいのだけど、いちいち、戦況やら外交問題やらを律儀にきちっ と説明されるともうこちらは観ているというより見せられているという感覚。 一幕が終わった時点で、「もう十分」と思ってしまった。二幕も予想がついた し、実際、予想通りだった。 なんだか、読書感想文を書くのに、本を読むのは面倒だから本が原作になって いる映画を見て感想文を書いちゃおうとしている生徒が映画の代わりに見たら いいような、そんな感じ。この作品、ミュージカルにした意味があるのかなぁ。 原作の『夢顔さんによろしく』もそこそこ面白かったから、これ読めばわかる し、原作の方が内容が豊富。ミュージカルにするならもっと掻い摘んで(十分 掻い摘んであるのだけど)、のめり込めるような作品にしてもらいたかった。 主演の石丸幹二の演技に文句はない。けど、もう内容がね。昔こういうことが あって、こういう人たちがいたんだよ、ということは分かるのだけど、やっぱ りミュージカルは面白くなければ。ただの押しつけになってしまう。当時の体 験がある人は共感できたり、思い出したりするだろうし、今の若者だって「真 面目に」見ればそれなりに感動したり、新しい知識を得たりできるのだろうけ ど、この作品があらゆる年齢層の大勢の人たちに受け入れられるかというと、 それはないと思う。 なんにも考えないで楽しめて、見終わった後に自然と「ああ、戦争は嫌だな」 と思えるような作品ではないから。なんだか「これが正当派のミュージカルで、 この作品を観たら感動しなさい」って押しつけられているような気分になって しまった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●自業自得のダメダメ人生◆『嫌われ松子の一生』 [2003年10月06日(月)] ──────────────────────────────────── 『嫌われ松子の一生』山田宗樹/著(幻冬社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02270124 ──────────────────────────────────── 嫌われ松子というかダメダメ松子の一生という感じ。いきなり、松子さんが殺 人事件の被害者として発見される、現在から始まって、松子の甥がいままで存 在すら知らなかった自分の叔母の生涯を調べるという形で松子の過去が明らか になってゆく。松子自身の目線から語られる物語と、現在の甥が追う松子の生 涯、同棲相手の回述などが交互に降り混ざる。松子自身が語る場面はあまりに ダメダメすぎてうんざりするところもあって、うんざりしたころに現在の甥の 行動が入ってくるので、ちょっと救われる。 この松子さん、とっても不幸な人生を送っているのだけど、それがほぼすべて 自業自得。本人にはどうしようもないけれど不幸が降りかかってくるとかそう いうんじゃなくて、どう考えても己が悪いだろっていいたくなるような行動パ ターン。自分から不幸生活に飛び込んでいるようなもの。あまりにひどすぎて 滑稽ですらある。 めぐまれた環境に育ちながら、病弱な妹に両親の愛を奪われていると思い嫉妬 しつつ、父に気に入られようとがんばって勉強して国立大学を出て中学教師に なる。まぁそこまではいいかもしれない。で、校長にセクハラされつつ、ひょ んなことから問題を起こしてしまい教師を辞めさせられ自暴自棄になりつつ家 出。その後、文学青年と同棲するもその青年が自殺。青年の友人と不倫。破局。 一気に吹っ切れて風俗嬢(トルコ嬢)となって店のナンバーワンになって大金 を稼ぐ。外見もよいし、それなりに努力家なのだ。だけどなんだか行動がすご く自己中心的で刹那的。勉強はできるけどあんまり頭良くない感じ。社会性が ないっていうのかなぁ。 その後、男にだまされ、なんとその男を勢いで刺し殺してしまう。服役。その 間に美容師の免許をとって社会復帰後は腕のいい美容師として働く。ここでも それなりに稼ぐ。やっぱり勉強家。この辺りになってくるとちょっといじらし い感じもしてくるんだけど、やっぱり松子は松子だった。 教師時代の教え子に再会して教え子と同棲。男がいるとだめになるらしい。と いうか、だめな男に尽くしてしまうらしい。家出して頼れる家族もいなく、友 人と呼べるような人もほとんどなく、というか作らず、男にすがってしまう。 悲しい。 そのあともなんだかんだとあって、最終的にはどん底生活になってすさんだ中 年女性になってしまう。 最初に松子さんが殺されているのは分かっているので、その犯人が誰か、とい うのが全体を通しての謎でもあるのだけど、それは最後に分かる。分かっても なぁんだって感じなのだけど、まぁそんなことはどうでもいいくらいに波瀾万 丈な人生なのだった。 まったく共感できないけど、世の中にはこんな人もいるんだろうなぁと思える ような人生。フィクションだけど。この人、なんでこんななんだろうと思い、 笑っちゃうんだけど、松子さんは松子さんなりにがんばって生きていたのだろ うなぁ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●バカ犬でもいい◆『しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる』                          [2003年10月09日(木)] ──────────────────────────────────── 『しつけの仕方で犬はどんどん賢くなる』藤井聡/著(青春出版社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01908569 ──────────────────────────────────── 副題が「ムダ吠え いたずら トイレ…困ったクセは生まれつきじゃない!」。 著者は警察犬などの訓練の専門家らしい。テレビなどにもよく出演しているみ たい。なんか見たことあるような・・・。 内容は家庭犬のしつけの仕方についてなのだけど、当たり前と思っていたこと が実は犬にとってはよくなかったり、犬の習性とはかけ離れているために飼い 主にとって困った行動になってしまったりするよ、という感じ。 犬を飼っていて、困っている人が読めばなるほどと思うことがたくさん書いて ある。たとえば、トイレのしつけ。うちの小太郎(チワワ)も一歳過ぎたとい うのによく粗相をする。困ったちゃんだ。で、この本によると、犬を家の中で 放し飼いにするのが間違いだという。犬は犬用ハウスを作って、この中で飼っ て、トイレは別の場所に作り、ハウスから出したらトイレに連れて行って用を 足させる。これが習慣になれば粗相もなくなる、というか放し飼いじゃないか ら家の中では粗相しないだろうなぁ。 犬は案外と狭いところの方が落ち着くから家の中でもゲージ飼いしましょう、 と書いてある本を他にも見たことがある。それはそうなのかもしれないけれど、 うちの場合はすでに家の中で放し飼いにしてしまっているので、いまさらゲー ジの中に閉じこめるのは可哀想な気がする。そんなだから、トイレに関しては この本を参考にするのはやめた。 放し飼いだと、自分のテリトリーを守ろうとして番犬をするらしい。つまり、 お客さんに吠える。ハウス飼いすれば吠えなくなるという。小太郎も番犬して るけど、これは他の方法で治ればいいし、治らなければしょうがないと思って いる。うちは一軒家なので、吠えても隣近所に迷惑になるほどでもないし。 それから、必ず人間が先にご飯を食べましょう。と書いてあるけど、これもう ちは関係ないなぁ。うちは犬が先だけど、それによって小太郎が何かするとか 不都合はないし。 一環しているのは、とにかく人間が犬のリーダーになること。犬に合わせず、 人間の都合に合わせる生活をしましょう。犬には厳しくしましょう。でも体罰 はだめよ。っていうこと。 飼い主が帰って来たときに飛びついたりする場合は、無視するとか。ソファに は乗せないとか。とにかく、飼い主が上だということを教える。犬の習性に沿 ってしつけをするので、犬はおとなしく、落ち着くだろうなぁと思う。 なんだけど、この本に書いてあることを全部実践したら、なんだか愛犬との生 活がつまらなくて息がつまりそう。だって、常に自分が上にいなきゃいけない っていうプレッシャーがある。疲れちゃう。楽しくなさそう。 だから、ちょっとくらいなら困ったちゃんでもいいかなぁと思ってしまった。 その方が楽しいし。この本で参考になるところは山ほどあるけれど、他の本に 書いてあったことと同じだったりするから、必ずしも目からウロコな情報でも ない。これを踏まえて、自分と愛犬のライフスタイルに合ったしつけをしてい けばいいのではないかと思う。 この著者は警察犬や盲導犬などの訓練をしている方なので、そういう犬には完 璧なしつけというか訓練をしなければいけないのだろうけど、家庭犬にはそこ までしなくてもいいんじゃないかなぁ。 この著者、他にも数冊の本を出しているらしいけれど、オンライン書店の書評 を見たら、内容は似たり寄ったりらしいので、一冊読めば十分みたい。 ──────────────────────────────────── (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ──────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ サイト更新情報 ◆ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音 【ギャラリーと日記】 ┃ http://akane.pos.to/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/11/01) 11月のカレンダーは秋の野草です。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ┃ http://akane.pos.to/sozai/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/10/25)[壁紙-Photo]米(稲)の壁紙20点、白い花の壁紙8点、ユリ        の壁紙6点追加しました。  (2003/10/29)[写真]コスモスの写真63点追加しました。  (2003/11/01)[壁紙-Photo]紅葉の壁紙13点、野の花の壁紙15点、秋の草花        の壁紙32点追加しました。   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃チワワの小太郎 【ペットの写真と壁紙】 ┃ http://akane.pos.to/kotaro/ ┃----------------------------------------------------------------------  (2003/10/12) photo album 写真いっぱい追加しました。  (2003/10/14) wall paper 壁紙27点追加しました。かわいいです♪  (2003/11/02) story おはなし4つ追加しました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ┃ http://akane.pos.to/shopping/ ┃----------------------------------------------------------------------  お得なキャンペーン情報、新しいお店のリンクなど随時更新中! ____________________________________ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Pubzine  マガジンID:19602  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  めろんぱん  マガジンID:004615  posbee  マガジンID:00002428  Copyright(C) 2003 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛