□□□□□□□□□□□  茜色通信 Vol.0050 □□□□□□□□□□□ 2003/03/18 Tue.---Since2000/01/26  前号の発行部数126 =>>登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm  「茜色通信」の読者登録をしていただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版をお届けします。                      ◇ ◇ ◇    なんだか世界の情勢が緊迫しています。難しいことはよくわからないけれど、無実の  人がたくさん死ぬのは嫌です。イラクでは実はすでに経済制裁で小さな子供たちがた  くさん死んでいるらしいと聞きました。北朝鮮で餓死者が多数出ているのは周知のこ  とです。北朝鮮を(援助などせずに)もっと早くなんとかすればその犠牲はもっと少  なくて済んだはず、という意見もあるようです。戦争にならなくても犠牲者はでる。  戦争によってその犠牲を少なくできるかもしれない。戦争を容認する人たちにはその  人たちなりの考えがあるのでしょう。私は戦争を望みません。戦争はきっと止められ  るはず、そう思います。ただ、戦争を止めるには、戦争以外での具体的な解決方法を  見つけなければいけないのでしょう。ただ、やみくもに反対を唱えてもダメなようで  す。戦争に反対するには、戦争をしようとしている人たちのことをもっと知る必要が  ある気がします。勇気をもって、戦争を「しない」と言ってくれるリーダーが出現す  ればいいのに、と思います。   ________________________________________ _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●実は凄い会社なのだ◆『劇団四季と浅利慶太』 [2003年02月04日(火)] ●チワワの小太郎★お散歩デビュー [2003年02月10日(月)] ●ミュージカルの醍醐味◆『クレイジー・フォー・ユー』 [2003年02月17日(月)] ●冬の京都◆『オペラ座の怪人』 [2003年02月20日(木)] ●愚かな人間は戦争を繰り返す◆『命のロウソク』 [2003年02月25日(火)] --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 ★怪作展 ________________________________________ ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1の書籍詳細ページのURLです。  その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報のほか、bk1に投稿された書評なども  読めます。   『オンライン書店 bk1』はこちら http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi?aid=p-akane01465 ________________________________________ -- 今日のほのぼの -- (日記もどき『日々のほのぼの』ダイジェスト版) 『日々のほのぼの』はこちら http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ●実は凄い会社なのだ◆『劇団四季と浅利慶太』 [2003年02月04日(火)] 『劇団四季と浅利慶太』松崎哲久/著(文春新書) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02247250 最近はよく劇団四季の舞台を観に行く。四季の舞台が好きかと言われれば、諸手を挙げて 「全部の作品が大好き!」とは言えないのだけど、とにかく大劇団で、宣伝の仕方もうま く、会報(四季の会というファンクラブのようなものがあるのだ)を読んでいるとついつ い見たくなってしまうのだ。 わたしと四季の最初の出会いは『キャッツ』だったのだけど、これが印象があまりよくな くて、「ミュージカルってよくわからん」「ナマの舞台がどれだけのもんじゃい」と思っ ていた時期があった、実は。幸いなことに、その何年かあとに演劇集団キャラメルボック スの存在によってナマの舞台の良さを痛感したし、そこから他の舞台も見て、ミュージカ ルにも再び行き着くことになる。ミュージカルにせよ、ストレートプレイにせよ四季の舞 台で、舞台のすばらしさを知る人も多いに違いないけれど、わたしの場合はなんだか舞台 芸術というものにカベを感じてしまう存在だったのだ。 四季が大劇団であったが故に、そのカベも巨大に感じた。こんなに話題になってる、面白 いと言われるミュージカルが思ってたより面白くなかったんだから、きっと他のミュージ カルはもっとつまらないに違いないと思ってしまったのだ。 冷静に考えてみれば、わたしが初めて『キャッツ』を観た日、客席は空席がかなり目立っ ていた。チケットが取れないと言われている公演なのに不思議だった。わたしたちのグル ープは、友人の父親の会社でもらったチケットがたくさんあるから観に行かないかと誘わ れて大人数で行ったのだけど、それでもチケットのほうが余ってしまって、空席ができて しまった。だから、その日はそういう企業に配ったチケットの日だったのかもしれない。 空席が多いと舞台のノリが悪いというのは、今だからわかる。どんなストーリーなのかも よくわからず、俳優が全身タイツで猫のメイクというのもなんだか異様に思えた(これは 今でもそう思う)。 その後、一度も『キャッツ』は観ていない。しかし、今度、静岡で長期公演があるらしい のでちょっと足をのばして観に行ってみようかと思っている。果たして今度は楽しめるだ ろうか。過去のトラウマを克服するのにちょっと似てる。 日本の演劇の世界における四季の功績というのは量り知れない。それはもちろん、舞台の 質もあるのだが、演劇をちゃんと儲けの出る事業にしたことが一番大きいんじゃないだろ うか。浅利慶太が目指したのは、一般受けしない高尚な舞台を作る劇団ではなく、お客さ んが入って役者に給料が払える劇団だった。 劇団四季が『キャッツ』をロングラン公演する以前は日本ではロングランというものがな かった。『キャッツ』をロングラン公演するために、四季は既存の劇場を長期借りること を諦め、仮設劇場を建てた。わたしが見に行ったのも品川の「キャッツシアター」という 仮設劇場だった。 四季は、日本全国での公演によって演劇文化の地域格差をなくすことにも熱をそそいでい る。これはものすごく意義が大きい。小さな町でも本格的な上質のミュージカルや、演劇 が見れるというのは、すごいことだ。だからもっともっと四季以外の舞台も見れるといい のだけど。 たくさんのお客さんに支持されるためにはもちろん、舞台の内容も良くなければいけない のだけど、四季の場合はそれだけではなくて、ほんとうにいろいろな要素がうまくからみ 合って劇団の経営がなされている。浅利慶太氏は生まれも育ちも良い。もとからある人 脈、あとからついてきた人脈、もちろん開拓した人脈もあるだろう。そういう人との繋が りをとても上手く使って、四季をここまで大きくしてきた。そこには大きな理想、理念が あって、それに向かって着実に四季は歩んで来たし、これからも歩んでゆくのだと思う。 『劇団四季と浅利慶太』には、そんな四季のいままでの軌跡やこれからの展望が描かれて いる。四季の会報でこの本の存在を知ったのだけど、内容を見ると、やや四季を礼讃しす ぎている感もある。しかし、四季ファンにはこれもまた嬉しいのかもしれない。 四季に対する酷評が紹介されていて、それに対する反論も載っているのだけど、個人的 に、酷評のほうに激しく賛同してしまって、反論が空しく思えたりも。冒頭で、四季の独 特の台詞回しについて語られているのだけど、過去に、これが「四季節」とののしられた らしい。わたしは最近の四季の舞台で、この朗唱法が気になっていたので、とても興味深 かった。四季の俳優の台詞はこの朗唱法によってはっきりと聞こえる。それはいいのだけ ど、やりすぎると不自然に聞こえるのだ。この是非は人によって違うだろうけど、それに ついての議論が過去にあったというのは面白い。 また、わたしは四季の会に入るまでは四季がどんな公演をしているのかすべては知らなか った。一般の人たちも、四季は大型ミュージカルを上演する劇団だと思っているんじゃな いだろうか。しかし、実は大型ミュージカルの一方で、子供向けのファミリーミュージカ ルやストレートプレイもたくさん上演しているのだ。その公演数は年々増えている。全国 に四季の専用劇場がいくつかあって、さらに常にいくつかのグループが全国公演を行って いるので、同時に7、8本かそれ以上の作品が上演されているらしい。これだけのことを 行える経営基盤があるというのがすごい。 四季の舞台もいいけれど、それ以上に四季という劇団は経営体制に他の劇団と一線を画す なにかすごいものがある。今は、一社独占と言う感じ。わたしの願いとしては、四季を同 じくらいの規模の劇団があといくつか出て来て欲しい。そうすれば、もっと多様な舞台を 楽しめるのに。四季しかないからある意味「仕方なく」四季を観に行ってしまうのだ。ほ んとうはもっと違うのも観たいのに。四季レベルで地方公演、ロングランのできる劇団、 でてこないかのなぁ。 劇団四季 http://www.shiki.gr.jp/ ________________________________________ ●チワワの小太郎★お散歩デビュー [2003年02月10日(月)] スムースチワワの小太郎ももう、生後5ヶ月。三回目の予防接種がやっと終わって、つい にお散歩デビューの日がやってきた。 体重は1.8Kgに増えた。獣医さんによると、まだ乳歯がたくさん残っているので、もう少 し成長するらしい。犬は、犬歯が永久歯になると、骨格の成長が止まるんだそうだ。小太 郎はまだ堅い餌が噛めないので、お湯でふやかして与えているくらいだから、歯はまだ子 供なのだ。 最近やっと、おやつのコロコロボウロ(犬用)をちょっとだけしゃくしゃく噛めるように なった。でも、一個丸まるは食べれないから、割ってからあげている。人間のお菓子のタ マゴボウロと同じ大きさなんだけど、そのままあげると噛めなくて、何度も口に入れたり 出したり遊んだりして柔らかくしてから飲み込む。ボウロ一個でそれだけ楽しめるとはな んて安上がり。毎日、おやつにあげているのに、なかなか減らない。湿気てしまいそうだ けど、人間が食べるのもなんだしなぁ・・・。 さて、待ちに待った、初めてのお散歩の日がやってきた。なにしろものすごく弱っぴぃな ので(父によく"ヘボ"と呼ばれている)、外に出ても歩いてくれるか心配だった。弱っぴ ぃだけど、部屋の中では大暴れ。でも知らないところに行くとブルブル震えちゃうのだ。 しばらく前から、抱いて近所の公園に連れて行っていたので、外の空気には慣れている。 車が恐い(小太郎は車の音が恐いらしい)ので、公園までは抱いて行くことにした。 近所の公園は、公園と言ってもほとんど原っぱのような場所で、天然のドッグランという 感じ。犬の散歩にもってこいで、近所の犬はよくここにやってくる。大きい犬だったらフ リスビーなんかもできちゃいそう。しかし、山も近いから(田舎だぁ)、引き綱を放した ら山に入ったきり戻ってこない、なんてこともなくはないかも。それは悲しい。しかも野 犬化したら面倒だ。 小太郎は小さくて、たぶん自力では生きていけないだろうから、きっと放してもすぐに寄 って来そう。広場で、土の上に立たせたら意外と平気で、草の臭いとか土の臭いとかをク ンクン嗅ぎまわっていた。引き綱を引きながら歩くとテコテコと後ろからついてくる。か わいいぞ。でもなぜかちょっと歩くと止まって、こっちを見ながら足を踏ん張っている。 声を掛けるとまたテコテコと歩き 始める。それの繰り返し。ひょっとして、ダッコして欲しいのか? でも甘やかしてはい かん、と思い、しばらく歩き回ってから家路についた。コンクリの道路はダッコして帰っ た。 二日目は広場で引き綱を放してみた。予想どおり、ちょっと離れると必死で走って寄って 来る。最初はちょっと涙目だったけど(笑)、だんだん慣れて来て、呼ぶとぴょんぴょん 走って来る。ゆっくり歩くと後からちゃんとついて来る。置いていかれたら困るもんね (by小太郎)。 そんなこんなして遊んでいたら、女の子二人とお母さんの三人連れが子犬を連れてやって きた。どうやら近所の人らしい。初の犬友達! 聞くと、この家族もこの日がお散歩デビ ューだそう。でもあちらは運動量が半端じゃないとウワサのジャック・ラッセル・テリ ア。三ヶ月なのに小太郎よりちょっと大きい。さっきまで子供達とおおはしゃぎで遊んで いたらしい。さすが。 小太郎はというと、知らない犬&知らない人にビクビク。抱き上げようとしたら恐怖から かキャンキャン鳴く始末。わたしが話しているあいだもプルプルふるえていた。ほんとに 弱っぴぃなのだった。 最近の父と母。母は引き綱やらなにやらいろいろ買い込む私に「まったく小さい癖にお金 がかかるねぇ」と文句を言いつつ、「寒そうだから」とまた一着新しい服を買った。今ま で持ってるのの、色違いだったので、もうちょっとおしゃれなのを買おうよと言ったら 「これがあったかくていい」のだそうだ。 小太郎を「チビ(またはチビスケ)」と呼んでいた父は、ちゃんと「小太郎」と呼んでく れるようになった。バリエーションとしては「こたっぺ」「こた」「こたくん」「こたち ゃん」「へぼ」などがある。たまに間違えて弟の名前で小太郎を呼ぶ。これは母も私もた まに間違える。どうやら、弟のポジションと犬のポジションは似ているらしい。ごめん よ、弟。 ________________________________________ ●ミュージカルの醍醐味◆『クレイジー・フォー・ユー』 [2003年02月17日(月)] 2月5日に、劇団四季のミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』を観て来た。いま、 テレビでCMをやっていて、それを見るとまた劇場に観に行きたくなる。とにかく、軽快な 音楽とタップダンスが楽しい作品だった。 最近、気付いたのだけど、私は四季のミュージカルでもロングラン公演している『ライオ ン・キング』とか『キャッツ』とかよりも、こういう普通の人間が主人公の舞台のほうが 何倍も好き。人が動物の格好しててもあんまり説得力ないもんなぁ。いや、他の大多数の 人にはいいのかもしれないけど、私はあんまりなのだ。個人的には「バケモノ系」と呼ん でいる。そういえば、先日観た『人間になりたがった猫』も「バケモノ系」だった。これ もイマイチだったなぁ。ナマで観たあとに、テレビでも放映していて(キャストが少し違 っていた)、それも見たけどやっぱりイマイチだった。歌とダンスはそれなりに楽しい し、派手は屋台崩しもあって見どころ満載なんだけどね。 動物メイクよりは着ぐるみのほうがいいかも。ネズミ系のキャラクターのいる某レジャー ランドに慣れ過ぎたのかも(笑)。 『クレイジー・フォー・ユー』はお話も単純明快なラブストーリーで、それでいていろん なキャラクターが登場、最後には何組かのカップルが誕生してしまう。歌もダンスも嫌味 がなくて楽しい。どちらかというと、歌よりもダンスが見どころ。振り付けはいま話題の 『コンタクト』と同じスーザン・ストローマンだそう。『コンタクト』はまだ観てないの で、ちょっと観たくなった。 四季はこういう舞台を見ると、セットもすごくしっかり細かく創り込んであって、衣装も かわいいし、小道具にも気を抜かないところが凄い。セットもいろいろに展開して「お お、こんな風になってて、こんなに開いちゃうのね〜」ってびっくり。こういう仕掛けを 観るのも好きだったりする。 途中で、ピンクのおそろいの衣装の女性ダンサーたちが登場する場面があって、主人公の 空想の場面なんだけど、なんだか、ディズニーアニメの『ダンボ』で、ダンボがよっぱら って夢の世界に行ってしまう場面を思い出してしまった。あれはアニメだからできた映像 だけど、舞台でも似たようなことができるんだぁと感心。幻想チックな夢の場面と、現実 の場面の繋がりも自然で、自由自在。歌とダンスと芝居と台詞が自由自在なミュージカル ならではなのかも。これがミュージカルの醍醐味。 そうそう、この作品はナマ演奏だった。四季でオーケストラピットができてる舞台を観た のって初めてかもしれない。やっぱりナマ演奏はいいなぁ。 劇団四季 http://www.shiki.gr.jp/ ________________________________________ ●冬の京都◆『オペラ座の怪人』 [2003年02月20日(木)] 京都劇場の『オペラ座の怪人』がもうすぐ千秋楽を迎える。その前にもう一度ということ で、冬の京都へ行って来た。 前回の京都旅行は一昨年の12月くらいだった。ものすごく寒くて、思えば、そのあとくら いから体調が悪くなって、結局春に入院したわけだけど、このときの京都旅行が一因じゃ ないかとも思う。なので、今回はいっぱい着込んであったかい格好で行ったのだった。 寒いのは予想通りだったけど、梅の花が咲いていて、前回よりはマシだったかな。今回は 初めて北野天満宮に行った。ここは梅の名所。残念ながら、ちょっと見ごろを過ぎてしま ったみたい。先日行った、地元の曽我梅林(小田原市)のほうが綺麗だった。菅原道真公 が祀ってある学問の神様。受験生らしき親子が熱心にお参りしていた。 その後、西陣へ。町並みがいいのでは、と期待していたけど、それほどでもなかった。も っと路地のほうがよかったのかな。染織は大学のときに少しやったのだけど、織物はあま りよく知らないので、資料館みたいなところをみたくて、「織成館(おりなすかん)」と いうところに行ってみた。シーズンオフでお客が全然いない。受付のおじさんが私たちだ けに熱心に説明してくれた。うれしいやら悲しいやら。説明もいいけど、ちょっと勝手に 見させてもらいたいような気も。 おじさんの説明も終わって、まったりと展示品をみたりお土産を見たりしていたら、今度 は帯を織っているところを見せてくれる、というので、調子に乗って工房のようなところ に上げてもらって、職人さんの技を見せてもらってしまった。普段は入れてくれないとこ ろらしい(でも、説明用の小道具が揃っているところを見ると、割と頻繁に見学者を入れ ているんだろう)。実は、展示室のほうで帯の即売もしていて、「やっぱ帯は高いね〜」 なんて話していたんだけど、実際に織っているところを見てしまうと、「あれじゃ安いね 〜」となってしまった。ものすごい細かくて時間のかかる作業なのだ。大きな織り機で糸 を一本一本織っていくんだから。入館料500円でいっぱい見れて得した気分だった。おじ さん、ありがとう。でも帯を買わないでごめんね。 そのあとに西陣織会館に行ったのだけど、こちらはもう修学旅行生御用達というようなお 土産物屋さん。実演もやっていたけど、ほんとに、観光客用という感じだった。 夜は今回の目的の『オペラ座の怪人』入り口に、「千秋楽まであと12日」という看板が出 ていた。盛り上げてるなぁ。今回のキャストは怪人が高井治、ラウルが柳瀬大輔、クリス ティーヌが村井恵理子。前回は怪人が村俊英、クリスティーヌが五東由衣で、ラウルは同 じ柳瀬さん。このときのクリスティーヌの歌声が良くて、すっかり五東由衣ファンになっ てしまって、今回も五東さんだといいなと思っていたんだけど、残念。村井さんはダンス はうまいけど、歌は五東さんのがいいなぁ。怪人も、前回の村さんのが良かったような。 なんとなく、キャストは前回の方が良かった。でも、なんとなく、ラウル・柳瀬も、怪人 ・村も怪人・高井もほれぼれするような感動は受けないのだ。怪人はもっともっとカリス マな人にやってもらいたいんだけど。そんな人材がいないのか、それともそういう人は他 の舞台に出てしまっているのか・・・。 今回の注目はカルロッタ・河合和代。前回は違う人だった。河合さんはなんとなくチャー ミングで可愛い。自然に注目してしまった。 席が前のほうだったので、セットや衣装も細かいところまで見えてよかった。でも、この 舞台は上のほうから怪人が登場したり、シャンデリアが落ちて来たり(このシャンデリア の真下の席だった)するので、見上げる場面が多くて、この舞台の場合はあまりに前すぎ るのも良くない。ちょっと後ろくらいのほうが全体に見渡せていいかも。 京都劇場の次の公演は石丸幹二の『ハムレット』。『オペラ座の怪人』は京都に合った演 目だという評判だったけど、『ハムレット』も亡霊がでてきたり、古城のようなところが 舞台になっているので、京都に合っているような気がする。駅ビルなどにポスターがいっ ぱいあって、着々と広報活動をしていた。さすが四季。 京都二日目も寒くて、上賀茂神社、下賀茂神社に行って、その後はお土産屋さんめぐり。 上賀茂神社は広くて、雰囲気があってよかった。この季節、寒いけど観光客が少ないから まったりと見れていい。下賀茂神社のほうがなんとなく商売っ気がある感じだった。それ にしても寒いので、次はもう少し暖かい季節に来ようと何度も思った。暖かい季節に京都 劇場でいい演目があれば、またそれを観に行くことにしよう。 劇団四季 http://www.shiki.gr.jp/ ________________________________________ ●愚かな人間は戦争を繰り返す◆『命のロウソク』 [2003年02月25日(火)] 『命のロウソク 日本人に救われたユダヤ人の手記』 ソリー・ガノール/著、大谷堅志郎/訳(祥伝社黄金文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02184702 この本の帯には「本書は少年版『アンネの日記』である」というコピーが。これは宣伝文 句としてはよい。このコピーを見てつい買ってしまった。でも内容は、『アンネの日記』 とは異なる。ナチスによるユダヤ人迫害の歴史を伝えるという意味では共通するものがあ るかもしれないけど。 『アンネの日記』を読んだのは中学生くらいだったかなぁ。日記の内容はあまりよく覚え ていないけれど、これをきっかけに、第二次世界大戦、ナチス、ユダヤ人の強制収容所な どについて知った。アンネはナチスから逃れるために家族とともに隠れ家に移り住む。最 終的には密告されて強制収容所に収容され、そこで姉のマルゴットと共に亡くなった。連 合軍が収容所を解放する日は近かった。アンネの父親は生き延びて、戦後、アンネが隠れ 家での生活を綴った日記を発見、出版する。この父親が生き延びなければ日記は世に出な かったかもしれない。アンネの日記はナチスの恐怖もそうだけれど、隠れ家のなかでの生 活を描いていて、文学的趣きがあったような気がする。 『命のロウソク』の著者は収容所を生き延びて、高齢になってから当時の体験を本にまと めた。ユダヤ人だけを集めたゲットーでの生活、収容所での労働など少年時代の体験を描 いている。『アンネの日記』のような趣きはないけれど、著者が直接体験したことが淡々 と描かれていて、胸に迫るものがあった。 副題に、「日本人に救われたユダヤ人の手記」とあるように、ビザを発給して多くのユダ ヤ人を救った杉原千畝氏との出会い、収容所を解放した日系二世部隊についても書かれて いる。著者自身は杉原氏が救ったユダヤ人の中には入っていないのだけど、著者が触れた 杉原氏の人柄、杉原氏が命のビザを発給するに至る過程がよくわかる。そして、最後に著 者を救ったのは杉原氏を同じ顔だちの日系二世部隊の兵士だったことから、著者の日本人 に対する親近感が伝わってくる。しかし、本書はそれ以上に、ナチスの非道、ユダヤ人の 迫害、収容所での悲惨な生活など、戦争の恐怖や人種差別について深く考えさせられる内 容だった。「日本人に救われたユダヤ人の手記」というのは日本用に作られた副題だろ う。ちょっとやり過ぎかも。しかも、日本語版は原書よりもカットしてある部分があるら しい(訳者まえがきでカットした部分を明示してある)。それでも十分な内容ではあった けれど。 それにしても、ナチスによるユダヤ人の迫害というのはあまりにも悲惨。どうしてこんな ことができるのだろうかと思ってしまうのだけど、島国に暮らす日本人には二つ以上の民 族が共存する感覚がイマイチよく理解できないのかもしれない。この本のなかで、「キリ スト様を殺したのはユダヤ人」というフレーズが何度がでてきた。一般の人がユダヤ人を 差別(迫害)するときの理由として、聖書の内容が出て来るというのがなんか変。聖書な んて神話や伝説と変わりないように思ってしまうけど、信じている人にはそれが真実なの かもしれない。そういう民衆の深層心理のようなものをうまく煽って、ユダヤ人の迫害は 行われたのかも。そういえば、日本でも在日外国人(特にアジア系?)の差別が未だに根 強い気がするけど、それってなにが根拠なんだろう。特に根拠なんかなくても自分と違う ものを差別しようという集団意識みたいなものがあるのだろうか。 それにしても、迫害や人殺しの根拠にされてしまう宗教ってどうなの。宗教って人を救う ものだと思うんだけど、その逆を行ってる宗教もあるようで、そういうのって悲しい。自 爆テロだとか、聖地の取り合いだとか、自分たちの国が欲しいとか、あの民族が嫌いだと か悪いとか、宗教がからむ争いって多い。なんとかならないもんかなぁ。これじゃぁ、救 われないでしょう。 ゲットーではユダヤ人は家畜並みの扱いを受ける。逆らえば殺される。もう、従うしかな いのだ。それでも、床下に財産を隠したり、外部から食料を仕入れたり、皆したたかに生 きている。人間って強い。著者の周りでも何人も殺されたり死んだり行方不明になったり している。それでも著者は何度も殺されそうになりながらも、生き延びる。これが本当だ ったらすごい。疑うわけじゃないけど、本当に何度も命の危険にさらされて、間一髪で生 き延びているのだ。あの戦争を生き延びた人には、こういう人がいっぱいいるのかもしれ ない。語らないだけで。 戦争を知らない私などは、もっとたくさん語って欲しいと思うのだけど、当事者は語りた くないものらしい。あまりに辛過ぎるのかもしれないし、この本の著者がいうように、体 験したものにしかわからないという気持ちがあるのかもしれない。この著者も長い間沈黙 を守っていたのだ。 人間はバカだから、こんなに辛い体験をしているにも係わらず、また戦争をしようとして いる。学習能力なさすぎ。きっと何人の子供、何人の病人、何人の市民が犠牲になるだろ うという概算まで出しているのに、それでも戦争をしようとしている。戦争で死ぬのは人 間だけではない。自然も破壊される。これがかなり大変らしい。自然が回復するのには時 間がかかるのだ。一方では医学の研究などで一人でも多くの命を助けようとしているとい うのに、一方では最新兵器で簡単に命を奪う。弱い人から死んでゆくのだ。戦争をしよう としているエライ人たち、想像力なさすぎなのでは。 『アンネの日記 完全版』アンネ・フランク/著、深町真理子/訳(文春文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01054343 ※私が持っているのは、皆藤幸蔵/訳(文芸春秋)。昭和59年初版。現在入手不可能か も。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ・・・・・・─・─・─・──・──・──→この続きも日々更新中です。 ________________________________________ --更新情報-- ★茜音 【ギャラリーと日記】 http://akane.pos.to/ ◇3月のカレンダーはウメの花。小田原市の曽我の梅林で撮影しました。(2003/02/28) ◇プロフィール少し更新しました。(2003/03/10) ★ぱんだ雑貨店 【壁紙とWEB素材】 http://akane.pos.to/sozai/ ◇[壁紙-Photo] ウメの花の壁紙18点追加しました。 (2003/02/28) ◇[壁紙-Photo] 菜の花の壁紙4点、ウメの壁紙15点追加しました。(2003/03/10) ★茜音ミニショッピングモール 【お店やサービスのリンク集】 http://akane.pos.to/shopping/ ◇お得なキャンペーン情報、新しいお店のリンクなど随時更新中! ★怪作展 http://akane.pos.to/kai/ 昨年末のグループ展の展示風景の写真を掲載しました。(2003/02/24) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音-AKANE-】     メールフォーム  「茜色通信」Web site■登録・解除・変更・バックナンバーはこちらから      ■「茜色通信」は、以下のシステムを利用して無料で配信しています。  まぐまぐ  マガジンID:0000023568  E-Magazine  マガジンコード:akaneiro  カプライト  マガジンID:6392  Pubzine  マガジンID:19602  Macky!   マガジンID:akaneiro  melma!  マガジンID:m00073386  Copyright(C) 2003 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛