□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0039 □□□□□□□□□□ 2002/04/14 Sun.---Since2000/01/26  発行部数102  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    ハワイに行ってきました! 予想以上に楽しかったです。で、帰って  来てからなぜか入院しています(笑)。友人には天国から地獄だねと  言われてしまいましたが、入院生活は全然地獄じゃないのです。ハワ  イも天国、入院も天国です。楽しいと思えばなんでも楽しめてしまう  得な性格なのかも。膠原病の一種、多発性筋炎という病気です。原因  や完全に治す方法がまだ分かっていない、いわゆる難病の一種なのだ  そう。本人はいたって元気なのですが、周りの方々が非常に心配して  くださって、なんだか申し訳ない気分。難病だろうがなんだろうが、  普通に生きてるし、とりあえず症状が治まれば普通に生活できるらし  いし、なんにも悲観することはないんですけど、やっぱり周りの方々  は「大丈夫かしら」って思うみたい。もし普通に生活できなくても、  そのときはそれなりの生活を楽しめばいいことですしね。実際、病気  の本人が「もう治らないんだぁ」って思って悲観してしまう場合もあ  るんだろうなぁ。今の私には考えられないけど。暗い気分で過ごして  も、明るくのほほんと過ごしても同じ時間なら明るく過ごした方が楽  しいのだ。退院してもしばらくは自宅療養。外に出られなくても、家  でやりたいことはいっぱい。今からいろんな計画を立てておこうと思  います。 **********************************************************************          【    書籍のご案内    】      『Webカテゴリ別デザイン&配色パターンガイド』     シーズ/編・著(エムディエヌコーポレーション) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02137705     「茜音」http://akane.pos.to/ が掲載されています。トップページの   画像に解説が少しついて「文化」-「アート」というカテゴリのページ   にサンプルサイトとして載っています。 ********************************************************************** _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●芋づる式読書のすすめ〜『本の雑誌血風録』 [2002年02月20日(水)] ●エッセイストのできるまで〜『別人「群ようこ」のできるまで』 [2002年02月26日(火)] ●ノスタルジックなのだ〜『哀愁の町に霧が降るのだ』                          [2002年03月05日(火)] ●あったかハワイ [2002年03月13日(水)] ●タハツセイキンエンってなんじゃらほい [2002年03月14日(木)] ●入院じゃぁ〜 [2002年03月15日(金)] ●あっさり一時帰宅 [2002年03月16日(土)] ●多発性筋炎は難病らしい。 [2002年03月24日(日)] ●ステロイド剤を飲む [2002年03月31日(日)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★りんくる =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp )  の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報  のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ※ブリーダープログラムに参加しているので、そのままお買い物していただく  と、私のポイントが加算されます。間接的にですが、サイトの運営費用の足  しになります。欲しいものがあったらお買い物してみてください。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●芋づる式読書のすすめ〜『本の雑誌血風録』 [2002年02月20日(水)] 『本の雑誌血風録』椎名誠/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02124805 今はもう廃刊していしまったのだけど、自然満載雑誌『シンラ』に椎名誠が連 載を持っていた。わたしはその雑誌が好きだった。と、同時アウトドアという 言葉は、やけに健康的すぎてあまり好きではなかった。だから、自然いっぱい の南の島のようなところでキャンプしてモリを持って海に潜って魚を捕るよう なことを記事にしているらしき、この連載は一度も読んだことがなかった。わ たしは今、それをちょっと後悔している。でも押し入れに全部とってある(こ れも凄いでしょ)在りし日の『シンラ』をわざわざその為にひっぱり出してま で、在りし日の椎名誠の連載を読もうとは思わないのだが。 わたしの中のシーナマコトという人のイメージは、南の島の青い空と、青い海 と、白い砂浜をバックに、真っ黒に日焼けして上半身ハダカで、モリなんぞを 持ってカメラ目線で微笑んでいて、その回りにはシーナ氏と同じような格好の 現地の子ども達が走り回っている、というものだった。そして、この人は当然、 そんなアウトドアな暮らしが好きで、それでは食べていけないから、いっちょ 本でも書いて生活費の足しにしよう、とか思って本を書いてみたら意外と売れ ちゃった、とかそういう経歴なのかと思っていた。まさか、この人がサラリー マンだったとは。まさか、雑誌の編集長などという肩書きを持っていたとは。 まさか、こんな面白い文章を書くく人だったなんて。そして、こんな面白いお 友達がたくさんいるなんて。もうびっくり。 『本の雑誌血風録』には、椎名誠が趣味の雑誌『本の雑誌』を発行するように なったいきさつと、『本の雑誌』が売り上げをのばしてその結果、本当の会社 「株式会社本の雑誌社」になるまでが書かれている。こう言ってしまうと実に つまらないのだけど、この本の味噌は登場人物にある。みな、実名だ。 『本の雑誌』の前身となるコピー誌を発行していた目黒孝二。冷たい目をして いる。あくまでも冷静に客観的にものごとを見る、活字中毒者。すぐにヒート アップする椎名誠に冷水を掛けるような発言をする。 それから、イラストレーターの沢野ひとし。絵本好きが高じて児童書の出版社 に勤務していた。その独特のヘタウマ画法が人々の心を捕らえて離さない。こ の本にも意味不明の4コママンガがたくさん載っている。最初はなんじゃこり ゃ、なんだけど、数日経って「ああ、あのヘタウマで意味不明のサワノさんの 絵がみたい」と思えてきたら立派なサワノ中毒。そして、その絵のとおり、本 人もホワホワと生きているらしい。重要な場面で登場して、その場の空気をな ごませてさっさと退場してしまうサワノ氏にどんなに救われたことか。しかし、 実際に仕事をしたら大変かも。締め切りは守らないとね。 そして本を布団にして寝る男、木村晋介。沢野ひとしと椎名誠の幼馴染みの弁 護士。歌がうまい。この人はこのメンバーの中では普通に見えるが、一般人の 中に入ったらやっぱりちょっと変なのだろうな。なにしろ本を布団にしてしま うんだから。でも弁護士という職業柄、いざというときにはとても頼りになる のだ。 それから、「本の雑誌社」の最初の社員、群ようこ。この人の観察眼も面白い。 この本の中で椎名誠は群ようこの著作から、多く引用している。いくら「本の 雑誌」を愛読していたからといって、(二十数年前だが)給料三万円で、三畳 ほどの狭い事務所で日がな一日電話番をして過ごすなんて、この人も変わって いる。ま、それだけ、「本の雑誌」に魅力があったのだろうけど。 椎名誠はもともと業界誌の編集長だった。とにかく本ばかり読んでいる目黒孝 二と知り合って、本の話に花を咲かせ、それが元になってやがては『本の雑誌』 を作ることになる。もともと、編集長だったので、雑誌を作るという作業はそ れほど難しくなかったと思う。『本の雑誌』は最初はミニコミ誌のようなもの だった。目黒孝二が営業をしたり、口コミなどで、だんだんといろいろな本屋 に置いてもらえるようになり、読者も増えた。すると今度は人手が足りない。 雑誌を作るのにしても、本業はちゃんとあるわけで、その合間に作る為にかな りハードな作業になる。当時 はみな、それぞれ会社に勤めていて、まさに二足のワラジだったのだ。しかも いきあたりばったりな『本の雑誌』には儲けななし。会社の上司に嫌味を言わ れつつも、めげずに好きな雑誌を作り続ける人たち。さまざまな問題を時には いきあたりばったりに、時には知的に、時には力わざで乗り越えながら、つい には本当の株式会社になってしまうのだ。 『本の雑誌』のおかげで、椎名誠は単行本を出すことになり、それがベストセ ラーになる。それからはテレビ、ラジオ、雑誌などにひっぱりだこ。椎名誠と はこういう人だったのか、とわたしは椎名誠を再発見した気分だ。ただのアウ トドアおやじではなかったのだなぁ。 わたしは今は風呂で『本の雑誌』を読むのが楽しみになっている。この雑誌の 存在はかなり前から知っていたものの、読もうと思ったのは一年ほど前。この マイナーそうな変な表紙(沢野ひとしのイラストだ)の変なタイトルの雑誌が 意外と売れるので、おかしいと思ってパラパラと中身を見たのが最初だった。 衝撃的だった。なんだこの雑誌は。なにしろやっていることがデタラメ。座談 会もランキングもいい加減。こんなに好き勝手な雑誌があっていいのだろうか。 でも面白い。そしてわたしも『本の雑誌』にハマってしまったのだった。 『本の雑誌』に載っている書評はあまり読まない。わたしが読んでいる本とは 違うジャンルの書評が多いから、読んでもよくわからない。では何を読んでい るのかと言われるとこまるのだけど、特集はだいたいいつも面白い。コラムも 読んでいる。作り手の顔がよく見える雑誌だ。あるとき、この雑誌を作ってい る人たちの中にあのアウトドアおやじ椎名誠を発見した。アウトドアなだけで はなかったのだとわかった。そして今わたしは、たぶん一生読むことはないと 思っていた椎名誠の本を読んでいる。人生とは何が起きるかわからないものだ。 ちなみに、この『本の雑誌血風録』を読むとその中に登場する本を読みたくな る。『本の雑誌』→『本の雑誌血風録』→その仲間たち→さらにその仲間た ち・・・・。芋づる式読書となる。こまった。まだまだ他にも読みたい本がい っぱいあるのに。この芋づるに絡まってはいけない。いけないと思いつつも読 んでしまうのであった。 ___________________________________ ●エッセイストのできるまで〜『別人「群ようこ」のできるまで』 [2002年02月26日(火)] 『別人「群ようこ」のできるまで』群ようこ/著(文春文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00578448 わたしは基本的にエッセイというものを読まない。特に女性エッセイストとい うと、林真理子が代表格のようで、林真理子の生き方にも生活にも考え方にも 特に共感するということがなく、だからその著作も全く読んだことがない。で、 女性エッセイストというのはなんとなく、みんな林真理子と似たり寄ったりな のかという全くもって失礼な先入観があったりするから、今までも自分からそ ういう本を読もうと思ったことはなかった。 別にエッセイが嫌いな訳じゃない。例えばペットの話とか、出産もののエッセ イなどは好きだ。ただ、小説などに比べると読みごたえがなく、すぐに読めて しまって、本当にただの時間潰しにしかならないような気がすることが多い。 時間が余ってしまってその隙間を埋めるためにちょっと読書でもしようか、と いう人にはいいかもしれないけど、わたしの場合は生活の合間の隙間を無理矢 理に見つけてせっせと溜まった本を読破していかなければいけないという、ち ょっと脅迫的な読書なので、読んだ後に、時間を無駄にしてしまった、という 空しい読後感が残るとちょっと怒りにも似たさびし〜い気分になってしまう。 脅迫的といっても基本的には好きで読んでいるのだけど。あと、本の値段分以 上に楽しませてくれないと寂しい気分いなったりする。貧乏根性だなぁ。 そんなエッセイ食わず嫌いなわたしなのだけど、奇跡的にも群ようこの本は過 去に一冊だけ読んだ記憶がある。友人に勧められたのだ。なんと言って勧めら れたのかよく覚えていない。そのうえ、タイトルも曖昧。内容などさっぱり覚 えていない。やっぱりわたしの肌には合わなかったみたい。ただし、群ようこ という名前はよく覚えている。当時、書店の店頭でよく見る名前だったのだけ ど、イマイチ読み方が分からなくて、「グンようこ」なのだと思っていた。そ うしたら、その本を勧めてくれた友人が「ムレようこ」と言っていたので、そ のとき初めて正しい読み方がわかったのだ。 まさか今になって群ようこの本を読むことになるとは思わなかった。群ようこ は本の雑誌社の最初の社員だった。給料は3万円。二十年以上前のことだが、 3万円というのは当時としてもかなり安かったらしい。「本の雑誌」→椎名誠 →群ようこという芋づる式読書。この本にはそのタイトルの通り、群ようこが なぜ群ようこになったのか、そのいきさつが書いてある。転職につぐ転職のあ げくに「本の雑誌」の読者になり、ひょんなことからそこの社員になり、その あげくにエッセイストになってしまった。 最近つくづく思うのだけど、面白い文章を書いている人というのは、かなり身 体を張って面白い(あるいは大変な)体験をしている人なのだと思う。本人が 意識しているかいないかにかかわらず、その体験や感じ方や行動パターンは他 の人とはきっと違うのだ。わたしは昔は文章がうまい人が文筆家になるのだと 思っていた。もちろん、文章がうまい人も文筆家になっているけど、別に文章 がうまくなくたって、生活が面白ければその体験を書くだけで文筆家になれる のだ。面白い文章を書くには面白い体験をしなければいけない。そんな面白い 体験を天然で自然に毎日やっている人たちが世の中にはいるのだ。そんな人が ひとたび思い立てば、エッセイストになるのは結構、簡単なのではないかと思 う。どんなにエッセイストになりたくても、つまらない毎日を送っている人に は無理だ。エッセイストになりたければ、まず自分の生活を面白くしなければ いけない。 実はこれはエッセイストに限らない。絵を書くにしても、写真を撮るにしても、 小説を書くにしても、なにかを生みだそうとするには、まずなにかを吸収しな ければいけないのだ。なんの感動もないつまらない毎日を送っていてはなにも 生まれない。小さなことにも感動しているとなんだか毎日が楽しくなる。今日 は昨日よりもちょっといい天気になったとか、近所にすごくかわいいネコを見 つけたとか、そんなことでもなんだか嬉しくなってくる。そんな風に暮らして いれば、何かを生み出そうとするときにはきっとイメージが溢れ出してくるだ ろう。 群ようこはもともとエッセイストになるつもりなんてなかったらしい。でもき っと、そういう素質はあったのだろう。これだ!と思って入った本の雑誌社。 そこでは一日中、かかってこない電話の前で電話番をするのが仕事だった。そ んな仕事をOKしてしまうような人なのだから。 しかし、わたしは今後、群ようこはもう読まないだろうなぁと思うのだった。 この人の面白さはもう十分わかったので、お腹いっぱいという感じ。ごちそう さまでした。 ___________________________________ ●ノスタルジックなのだ〜『哀愁の町に霧が降るのだ』                          [2002年03月05日(火)] 『哀愁の町に霧が降るのだ』椎名誠/著(新潮文庫) 上巻http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00766983 下巻http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00766984 椎名誠が青春時代に数人の仲間と共同生活を送った、克美荘の日々を綴った小 説。このタイトルと『克美荘日記』などとしないところが椎名誠らしくていい なぁ。そして、克美荘での日々と綴ってあるものの、話は現在、過去、未来へ 自在に飛ぶのである。そうは言っても、これが描かれたのが昭和56年頃だから、 その当時の現在が描かれていて、シーナさんはまだサラリーマンを辞めたばか り。まだまだ若いという感じがするし、いま読むとこの話が書かれたときの 「現在」はすでに20年以上も前なので、それすらノスタルジックな感じがする。 もちろん、克美荘の話はそれからさらに20年くらい遡るから、ますますノスタ ルジックなのだ。 彼等は20才そこそこで、日の当たらない安いアパートの一室で共同生活をし、 毎晩のように酒盛りをして、常に貧乏だったというから、当時としては不良の 部類にはいるのだろう。しかし、そこで生活していたのは椎名誠を始め、沢野 ひとし、木村晋介といった今をトキメク人たち。彼等は昔、不良だったのだ。 酒も盗んだ。喧嘩もした。だけど、その生活はなんだか懐かしく、ホノボノと している。日の当たらない部屋でじめじめになった布団を集団で河原に干しに 行ったり、みんなそれぞれにレンアイしていたり、すごく青春なのだ。そして、 なんだかこういう男の人たちっていいなぁ、とちょっと憧れてしまう。女の子 だと、共同生活しても決してこんな風にはならない。いい感じの男臭さ、男の 子臭さがあって、この本を読んだ人はみんな、共同生活に憧れてしまったりし たんじゃないだろうか。 この本には続編があるのだけど、読まないつもりだった。なのに、読み終わっ たら、続きが無性に気になる。あの人は、この人は、いったいどうなったの? 気になる、気になる。これは読まずにはいられない。なんだか適度にいいかげ んで、適度に几帳面で、適度に乱暴で、適度に読者に気を使うという妙なシー ナ節が身に染みてきた。 ___________________________________ ●あったかハワイ [2002年03月13日(水)] ハワイに行ってきた。大学生の時にヨーロッパに行って以来なので、6年ぶり の海外。パスポートの期限が切れる前に行けてよかったぁ。しかし、パスポー トの写真は若い。しかも今よりちょっと痩せてるし。これっていいのか、悪い のか・・・。 なぜハワイなのか。それには深い訳があったのだ。だいたい私は暑いところは 大嫌いだし、泳ぐのなんてもっての他(ダイビングはちょっとやってみたいけ ど)。だから、ハワイなんて柄じゃない。行くなら、北海道とかヨーロッパと かのほうがよかったのだけど、ヨーロッパは高いし、北海道は国内だし、海外 でお手軽でいいところはないものか、と考えた結果、自然がいっぱいのハワイ に行くことになった。アジアはお手軽だけど、あの、雑然とした雰囲気と辛い 料理が苦手なので却下。ハワイはリゾートというイメージが強かったのだけど、 実は大自然に感動できるという話を聞いたから一度行ってみたいと思ったのだ 。(こうして書いてみるとたいして「深い」理由ではないのう・・) 一緒に行ったのはJTBで働いている大学時代の友人。もちろんツアーはJT B。テロの影響もあってか格安だった。ハワイまでは飛行機で7時間(帰りは 9時間)。時差は19時間なのだけど、これは日付け変更線をまたいで日付け が変わってしまうからで、日付けを無視すれば5時間の差。日本が月曜の昼の 12時ならハワイは日曜の夕方の5時。うちの母親は「どこに行こうと時差なん て関係ないけどねぇ」という人なのだが、私はもろに時差の影響を受けてしま う。で、ハワイに4泊したのだけど、やっと時差が気にならなくなったころに 帰国、そして日本でまた時差ボケになるというデリケートな体質なのだ。こう いう面ではうちの母親が羨ましい。 ハワイはものすごく暑いのかと思ったら、全然そうでもなくて、長そででも過 ごせるくらいだった。さすがに日中は暑いけど、朝夕は薄い上着を着ていても いいくらいの暖かさ。とても過ごしやすかった。ホカホカしていて、気持ちよ くて、ここになら住んでもいいなぁと思ってしまった。でも夏はもっと暑いん だろうなぁ。ハワイは今、冬らしいから。 泳ぐだけならグアムとかサイパンとかが近くていいらしいけれど、ハワイは観 光スポットがたくさんある。そしてなんといっても日本語がよく通じる。観光 客に日本人が多いのもあるかもしれないけれど、現地に日系人が多いというの が理由の一つにあるらしい。どこに行っても必ず一人は日本語をしゃべれるス タッフがいる(日系人のこともあるし、日本人のこともある)。日本の食料品 も簡単に手に入るし、和食レストランもたくさんある。和食に限らず、食べ物 には困らないらしい。イタリアンレストランで一度食事をしたけれど、美味し かったぁ。 ディナークルーズではでっかいロブスターがまるまる一匹出てきて、そのあと にステーキがでた。う〜ん、贅沢。運がよければクジラやイルカが見れるとい う話だったので期待していたんだけど、ものすご〜く遠くにクジラ(らしきも の)とイルカの群れ(らしきもの)が見えただけだった。これは期待していた だけに残念。1月から3月くらいがクジラが見れる時期らしいのだけど、今回 はこのクルーズで「らしきもの」を見たきり、はっきりとは見れなかった。し かし、ディナークルーズではサンセットや夜景が見れたので大満足。船の中で は歌やダンスのショーが行われていてこれもなかなかよかったのだけど、やっ ぱり私は海とか夕日とかの方がよかったなぁ。もうちょっとショーの質が高け ればよかったのだけど。夕日が沈むときにはなぜかタイタニックのテーマが生 演奏生歌で流れていて、あの歌はロマンチックなんだけど、船の上で聞くのっ てなんか複雑。これから沈んじゃいそうな気分になってしまった。歌はめちゃ うまだったんだけど。 泊まったのはホノルルのシェラトンワイキキだった。19階で海と夜景の両方 が見れる部屋。やはり海側の部屋が高いらしいのだけど、両方見れる部屋とい うのもかなりお得だ。ホテルには夜しか帰らないというのなら、夜景だけ見れ れば十分かも。夜景もものすごくきれい。日本のように派手なネオンなどなく て、オレンジの光りがキラキラとしていてとってもいい。私は最終日に、夕日 が沈むのをベランダに出てじっくり堪能。本当はワインとチーズなんかあった らよかったんだろうけど、テーブルの上には、残念ながら水とポテトチップス。 空の色が刻一刻と変わって、日本では見られないようななんとも言えない美し いグラデーションを作る。夕日が沈んだあとは今度は夜景がきらめき始める。 これは両方が見れる部屋の特権。なんて贅沢なんだぁ・・・と思って一人で感 動していたら、免税店で買い物を堪能した友人が帰って来た。さっそく夕日を 見ていたことを自慢したら、彼女はどうやら買い物の方がよかったらしい。い やはや。 結局、砂浜には初日にちょっと行っただけで、あとはずっと観光してしまった。 オプションでハワイ島一日観光。これはキラウエア火山が目玉なのだけど、ハ ワイ島は全体的にあまり人が住んでいないらしくて、自然がいっぱい。バスか ら景色を見ているだけで楽しかった。火山は本当に雄大な感じがした。 ダイヤモンドヘッドにも登った。登山口から30分くらい登る。子供にも登れ るように整備されているのだが、やはりかなりきつい。でも頂上から見る海は 格別。ここからもクジラが見れるみたいなのだけど、いなかった。 JTBはハワイにものすごく力を入れているらしい。JTBのお客さん専用の バスが数分おきに走っていて、主要な場所にはこのバスで行くことができる。 3時間でホノルルの観光スポットを回って案内してくれるバスがあったり、専 用の携帯電話を貸してくれて、いつでも日本語で対応してくれたり、もう至れ り尽せり。逆にJTBじゃないお客さんが間違えてJTBのバスに乗ろうとす ると断られちゃったりしていてちょっと可哀想だった。ハワイに行くならJT Bだな、と痛感する旅でもあった。JTBのまわし者ではないのだけどね。英 語がしゃべれて、外国を堪能したい人は他の旅行会社の格安ツアーのほうがお 得だと思うけど、お手軽にハワイを楽しみたい場合はJTBがお勧め。実際、 これならうちの祖母を連れてきても大丈夫だと思ったし、そういう感じのおじ いさん、おばあさんを連れた家族もいた。 しかし、ハワイはリゾートというか、巨大なテーマパークのようで、リピータ ーが多いのもよく分かる。私もお金があったら(暇はいっぱいあるので)、ま た行きたいなぁ。 ___________________________________ ●タハツセイキンエンってなんじゃらほい [2002年03月14日(木)] またしても変な病気になってしまった。多発性筋炎という病気らしい。まだよ くわからないのだけど、入院して検査することになった。しかしベットの空き 待ちなのでまだいつ入院するかはわからない。 今回はiBookを持ち込んでモバイルといきたいところだけど、 電源を必要とす るものは持ち込み不可。バッテリーだけで持つのかどうか不安。病気のことよ りもそんなことばかり考えている。相変わらずノー天気なのだ。今回も本がい っぱい読めるかなぁとか、ね。 多発性筋炎って、珍しい病気なのかしら。手が荒れてしまったので、まず皮膚 科に行ったのだけど、なんと隣のブースの先生までやってきて「ちょっと見せ て」と言いながら私の手を見ていった。「膠原病の一種だね」とのこと。膠原 病ってなんじゃ。あとで調べると、どうやらリューマチとかが膠原病の仲間ら しい。ふうん。 手荒れは症状の一部で、実はむくみがひどくて手が痺れたり、動かすと筋肉が 痛くて腕が上がらなくなったりする。今はそうでもないけど、一時期は雑巾絞 りができなかったし、ペンを握って字を書くのも大変だった。この病気、握力 が弱くなったり、階段の昇り降りが大変になったりするらしい。私もちょっと 辛いけど、そういうのに鈍感なのと、あとは勢いと根性でなんとか普通に生活 してきてしまった。専門の先生は内科。ちょっとした筋力テストのようなもの をしたのだけど、結構普通にクリア。症状が深刻なのかどうかイマイチよくわ からない。検査しないとね。 なんだか私は原因不明の病にかかりやすい。3年前の卵巣のう腫の手術のあと、 やっと普通に生活できるようになったというのに。母いわく「あんたは春の季 節がダメだねぇ」。あんまり季節は関係ないと思うんだけど、たしかに前回も この季節だった。 それにしても、よくハワイ旅行に耐えたのう。ダイヤモンドヘッドにも登った し。ほんとに鈍感だし、無意識にがんばっちゃったみたい。手は痛かったけど。 ハワイの前から症状はあって、旅行の後には病院に行かないといけないなぁと 思っていたのだけど、ほんとは旅行の前に行った方がよかったのかも。でもそ れでハワイが中止になったら悲しいという無意識の判断が働いて我慢しちゃっ たのかも。3月の後半は演劇に行く予定が二つもあって、それももう行けない と思うと悲しい。でもとりあえずハワイには行けたのでそれはよかった、とい うことにしよう。あとは入院ライフを楽しむのだ。 ※3年前の病気のことは1999年の3月,4月の日記と「まんが・ぱんだな日常」 に詳しく書いてあるよ。(古いので天井裏ページに隠してあったりする) http://akane.pos.to/akane/f/tenjyouura.htm ___________________________________ ●入院じゃぁ〜 [2002年03月15日(金)] 急にベッドが空いたので、入院することになった。まだ全然、準備していない というのに。っていうかこんな文章を書いている場合ではないのだ。 iBook持 ち込みモバイル入院は取りあえず断念。メールチェックはできない。気持ち的 にはその方が楽かも。本は大量に持ち込む。ストックはメモをつけて部屋に。 読み終わっちゃったら母に持ってきてもらおう。 実は今日は溜まっていた仕事を片付けに午前中だけのつもりでバイトに行った のだった。でもまだ開店前に叔母が連絡してくれて、入院する段取りになった。 う〜む。仕事だけでも片付けたかった。もう仕方ないので諦めて帰宅。今、大 急ぎでいろんな準備をしているところ。早く入院して早く退院するのだ。 ___________________________________ ●あっさり一時帰宅 [2002年03月16日(土)] きのうの午後に入院して、一泊しただけで、帰ってきてしまった。土日は検査 がないので安静にしてれば外泊もOKとのこと。病院にいるとお風呂にゆっく り入れないので、やっぱりうちがいいなぁ。 数日前の文で病名を間違って書いていたみたいだけど(訂正済み)、正しくは 多発性筋炎。でもそれも検査しないとはっきりしないとのこと。治療もそれか ら。泊まり込みでいろんな検査を受けるような感じ。思いがけずに健康診断で きてちょっとよかったかも。というか、もうすでに健康ではないのだけど。 明日はまた病院。来週は帰れるのかなぁ。。。 ちなみに、多発性筋炎だった場合、ステロイド剤による治療が一般的だそうだ けれど、私の場合、比較的軽そうなので、ステロイド剤は使わなくてもいいか も、だって。うんうん、それがいい。 ___________________________________ ●多発性筋炎は難病らしい。 [2002年03月24日(日)] また外泊許可がでて、家に帰ることができた。やっぱ家のお風呂はいいのう。 病院ではなぁ〜んにもしないでいいので、ある意味快適なんだけど、ベッドの 上が生活空間で、身体を動かすことをしないから、なんだか鈍っちゃう。 病名は多発性筋炎(膠原病の一種)ということで確定した。厚生労働省が特定 疾患に指定している難病らしい。ほえっ。ということは、私は突如として難病 と戦う薄幸の女になってしまうのだろうか。そんなばかな(笑)。なんだかよ くわからないのだけど、特定疾患というのは、原因不明で決定的な治療法がな い病気(いわゆる難病)に対して、国が公費で治療費などの一部を負担してく れるという制度らしい。 今は症状も軽いけれど、一般的に膠原病は治りにくくて周囲からも理解されに くく、とてもやっかいな病気らしい。だから、あとあともっと症状が進行した り、急に重症になっちゃったり、そうじゃなくても現状がずぅっと続くだけで もうっとうしい。なぜ今、精神的に元気かといえば、単純に「そのうち治るだ ろう」という気分だからであって、これが治らないとなれば、それはそれで私 だってちょっとは気が滅入るってもんだ。 入院して一週間ちょっと。病院でゴロゴロしていた所為なのか、症状が進行し ているのかわからないのだけど、家の階段を登るのがちょっと大変。太ももの 筋肉が痛い。座ってても立っていても大丈夫なのだけど、座ってる姿勢から立 ったり、立ってる姿勢から座ったりするのが大変。筋肉痛のひどいやつって感 じ。筋肉痛だったら二、三日治るんだけど、これは治らないんだな。だからう っとうしい。二の腕も痛かったんだけど、こちらの方はひどくもならず、よく もならず。日常生活ではあまり困らない。でも痛みがあるから動作がゆっくり になっちゃう。もう老人みたいだ。 一応の検査が一通り終わったので、明日くらいからは治療に入るみたい。治療 にはステロイド剤が有効ということだけど、この薬っていろんな副作用が聞か れるのでちょっと心配。使わないでも済むかもしれないという話も聞いている ので、できれば使わないで済めばいいなぁ。薬剤師の友人に相談したら、ステ ロイドという薬はいろんな病気に効くし、その使用量の範囲もすごく幅がある らしい。だから、大量に使えばそれだけ副作用が心配だけど、少量ならば、そ れほど心配しなくてもいいのでは、ということだった。そうなのか。風邪薬で もなんでも副作用はあるもんね。 難病情報センターのホームページ http://www.nanbyou.or.jp/ 特定疾患とは? http://www.nanbyou.or.jp/tokuteisikkan/sikkan.html 多発性筋炎の説明 http://www.nanbyou.or.jp/tokuteisikkan/t/t2.html http://www.nanbyou.or.jp/tokuteisikkan/t/igaku/t2.html ___________________________________ ●ステロイド剤を飲む [2002年03月31日(日)] また今週も一時帰宅。本当はもう退院してもいいのだけど、まだ検査があるの で、通院するのが面倒だろうから入院してていいよ、と言われ、来週半ばまで 入院することになった。症状が悪化しなければ、来週木曜日ごろ退院。 先週の火曜日から薬を飲みはじめた。これがすごくよく効く。結局、血液検査 の数値があまりよくなくて、ステロイド剤を使うことになってしまったのだけ ど、この薬、すごい。飲んだその日から身体が軽くなって、痛みが劇的に減っ た。その分副作用が強いというのもよく分かる。 私が飲んでいるのはプレドニゾロンという種類のもので、ひと粒 5mgを一日4 錠。量としてはそれほど多くはないと思う。副作用も、一番出やすいのは顔の 下の方にお肉がついて丸顔になるとか、お腹が空くの食べ過ぎに注意とか、そ の程度。あとは免疫機能が落ちるので、感染症にかかりやすくなるのがちょっ と心配。もっとたくさん飲んでいる人の場合は、糖尿病、胃潰瘍などの心配が 大きくなるらしい。私もそういう副作用がでてくる可能性もあるにはあるのだ ろうが、そんなことばかり心配していても仕方ないので、なるべくストレスを 溜めないように、悪いことは考えないようにしちゃうのだ。 薬の所為だけじゃなく、病院で安静にしている所為で体力、筋力が落ちている。 見た目は普通なんだけどなぁ。これで肺炎とかになったらコロッと逝っちゃう のかも。気をつけよう。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ─────────→この続きも日々更新中です。 ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ トップページのカレンダー更新しました。4月も透明水彩。(02/03/24) 最近の私。に「ちょっとだけ京都・ハワイ編」追加しました。(02/03/24) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 透明水彩(Watercolor)の壁紙10点追加しました。(02/03/24) ★りんくる http://akane.pos.to/link-ru/ 4月からの新ドラマやミュージカルなど追加。(02/04/13) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】  「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。  Copyright(C) 2002 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛