□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0038 □□□□□□□□□□ 2002/03/05 Tue.---Since2000/01/26  発行部数105  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。    最近、旅行づいています。10月に博多。1月に京都。そしてなんと今日  からはハワイに行ってきます。久々の国外脱出。ちょっとドキドキし  ます。いろんな意味で。うちの家族は海外でいろんな災厄に見舞われ  ているので、なんだか私も今回、ちょっと不吉な予感が・・・。いか  んいかん。適度に自己防衛、適度に楽しんでくることにします。それ  にしても、私にはハワイは似合わない。アウトドアからは程遠いとこ  ろにいる人なので。ヨーロッパに行くお金はないし、アジアはイマイ  チ好きじゃない(辛いものと人込みが苦手)ので、妥協してハワイで  す。大自然がとても美しいらしいので期待大なのだ。      ********************************************  【お知らせ】  「茜音」http://akane.pos.to/ が『Webカテゴリ別デザイン&配色  パターンガイド』という本に載りました。トップページの画像に解説が  少しついています。 文化-アートというカテゴリのページにサンプルサ  イトとして載っています。    『Webカテゴリ別デザイン&配色パターンガイド』  シーズ/編・著(エムディエヌコーポレーション) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02137705      ******************************************** _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●魔法使いになる〜『西の魔女が死んだ』 [2002年01月22日(火)] ●今度のMoMAは名作揃い! [2002年01月23日(水)] ●雪やこんこん・・・ん? [2002年01月26日(土)] ●川内倫子の写真が好き〜『うたたね』 [2002年01月28日(月)] ●寒い京都〜「オペラ座の怪人」 [2002年01月31日(木)] ●WEBの活用法〜『ホームページにオフィスを作る』                         [2002年02月06日(水)] ●トップランナーに京極夏彦〜『今昔続百鬼-雲』 [2002年02月08日(金)] ●いったいどうなる〜『利家とまつ』 [2002年02月10日(日)] ●痛快ドロボウ劇〜『オーシャンズ11』 [2002年02月13日(水)] ●「広報紙のつくり方」なんて本があるのだ。 [2002年02月17日(日)] ●あの『模倣犯』が映画化。 [2002年02月18日(月)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp )  の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報  のほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ※ブリーダープログラムに参加しているので、そのままお買い物していただく  と、私のポイントが加算されます。間接的にですが、サイトの運営費用の足  しになります。欲しいものがあったらお買い物してみてください。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●魔法使いになる〜『西の魔女が死んだ』 [2002年01月22日(火)] 『西の魔女が死んだ』梨木香歩/著(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02054957 新潮文庫の新刊。タイトルだけではどんな内容なのかわからないが、もともと この本、ハードカバーで児童書として出ていたもの。私が働いている書店で、 児童書の棚に置いておいたらちょこちょこと売れていたので、気になっていた。 文庫で大人向けに出たのでこの機会にちょっと読んでみた。 『白い犬とワルツを』が大ベストセラーになった新潮文庫。もともと着実によ い本を出している出版社だけど、やはりこのベストセラーに気をよくして、同 系統の本を売り出すことにしたのかもしれない。この『西の魔女が死んだ』の 帯には「最後の3ページ、涙があふれてとまりません!」とどこかで聞いたこ とのあるような(『白い犬とワルツを』のコピーと似てるぞ)文章が。 なにしろタイトルに「魔女」とついているし、もともと子ども(といっても小 学校上級生から中学生)向けに書かれた本なので、純粋なファンタジーかと思 っていたのだけど、ちょっと違った。空を飛んだり、変身したり、そんな魔法 は出て来ない。でも心に染み入るような小さな奇跡の物語だ。 物語は主人公の中学生まいの祖母が亡くなるところから始まる。まいと母親は 二人きりのときは祖母のことを「西の魔女」と呼んでいた。祖母のことをそう 呼ぶようになったのは二年前のある時期、まいが祖母の家にしばらく滞在した ことがきっかけだった。 登校拒否になっていたまいは、祖母の家にしばらく預けられることになった。 祖母はイギリス人で、日本人の祖父と結婚してずっと日本に住んでいる。祖父 はまいが小さなときに亡くなってもうこの世にいない。祖母はまいが考えてい ることは何でもわかるようだった。そして祖母の家系には魔女の血が流れてい るという話をまいに聞かせる。まいは自然豊かな祖母の家で、その日から魔女 になるための修行を始めた。 まいと祖母の生活は静かで、豊かな時間だ。英国生まれの祖母の作る料理や生 活の知恵は日本人の私からみてもちょっとおしゃれで、うらやましい。でもそ れは国の文化の違いであって、まいの祖母のように豊かに暮らすことは日本流 でも可能だと思う。魔女になるためには、なんでも自分で決めなければならな い。魔女になる修行は大変だけど、まいは少しずつ社会のなかで自分らしく生 きるこつを身につけてゆく。祖母と過ごした短い期間の経験は、きっとまいの 一生を左右するような大きな出来事だったのではないか。子どもから大人へ成 長する過程での大事な宝物のような時間をまいは祖母と一緒に過ごしたのだ。 まいは学校に戻り、二年がたったある日、突然、祖母は亡くなった。まいにす てきな贈り物を残して。 「最後の3ページ、涙があふれてとまりません」というコピーはうそではなか った。あふれてとまらないというのはちょっとオーバーだけど。似たような話 で、『ハッピーバースデー』(金の星社)という児童書がある。こちらは親か ら虐待を受けて声がでなくなってしまった女の子の話。いじめも原因だったか な、よく覚えてない。自然の中で過ごすうちに快復して声がでるようになる。 すごくストレートでわかりやすいストーリーで、アニメ映画にもなったので本 がよく売れたのだけど、ちょっと暗い感じがする。それに比べると『西の魔女 が死んだ』はタイトルはなんとなく暗いけれど、お話はきらきらしていて明る い気持ちになる。たまにこういう本を読むと心がほっとする。同じ作者の別の 本も読みたくなった。 ___________________________________ ●今度のMoMAは名作揃い! [2002年01月23日(水)] 上野の森美術館で開催中のMoMAニューヨーク近代美術館名作展を見てきた。 最近はあまり展覧会に行っていなかったので、ひさしぶりに本物の作品たちを 目にしてちょっと感激。いい作品を見ると、スポンジに水がしみ込むみたいに 心にすぅーっと栄養たっぷりの何かがしみ込むみたい。 今回は教科書に載っているような有名な作品がたくさん来ていた。作家で言う と、ピカソ、マティス、モディリアニ、ダリ、デュビュッフェ、ルソーなど。 画集などで見たことある作品が多くて、そういう作品の前でいちいち「ほぇ〜」 っとなってしまった。有名な作品ってやっぱりとてもよくて、なにかオーラが 出ているみたい。 なかでも、ピカソ、マティスは画集よりも本物のほうが数千倍いい。というか 画集ではよさが伝わらない。ピカソなんて私、大量の本物を見るまであまり好 きじゃなかったのだけど、数年前のピカソ展で感動して、いまではすっかりフ ァンになってしまった。何が違うって色が全然違う。印刷物になるとどうして も原画の色を完全に再現することはできない。今回の展覧会の図録を見ても、 マティスの作品なんかどうみたって色が違う。でもそれは仕方ないのだ。だか ら本物を見て欲しい。本当に色彩が踊るように活き活きしている。 作品数はそれほど多くないのだけど、久々に内容の濃い展覧会だった。たまに こういうのも見ておかないと、心がカピカピになってしまうからね。なるべく 見に行かないと。 ___________________________________ ●雪やこんこん・・・ん? [2002年01月26日(土)] 今日は雪になるという予報だったらしいのだけど、例によって雨。このあたり は暖かいらしくて、めったに雪が降らない。こちらで雨が降っている日に、東 京に向かう電車に乗ると、途中から雪になって、都心に近付くと積もってると ころもあったりして、面白い。 雪は交通機関が麻痺したり、ころんでけが人がでたり、被害も多くなるのだけ ど、でも、やっぱり雪が降るとなんとなく心踊ってしまう。北国の人にとって はなんの変哲もない雪も、私たちにとってはなにか神秘的な力があるような気 がしてきてしまうのだ。夜中に、しんしんと降る雪の音を聞きながら、明日の 朝は積もってるかな、と考えてちょっぴりワクワクしながら眠るのもまた楽し い。 ___________________________________ ●川内倫子の写真が好き〜『うたたね』 [2002年01月28日(月)] 『うたたね』川内倫子/写真、構成(リトルモア)http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02079471 『花火』川内倫子/写真、構成(リトルモア)http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02079472 『花子』川内倫子/写真(リトルモア)http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02079473 川内倫子の写真は朝の匂いがする。最初に見た写真がどんなモノを撮った写真 だったのか、忘れてしまったのだけど、その印象は強く残っている。朝、太陽 が完全に地上を照らす直前、夜と昼の間のようなほんの一瞬。澄んだ空気に薄 く朝靄がかかって、空気が凛と張り詰めたようなそんな一瞬。これから一日が 始まる予感がする。ひんやりとした空気の匂い。川内さんの写真を見ていると、 そんな匂いを思い出す。 淡い色合いなのに甘くない。幻想的でありながらリアル。妙に生々しい。その 生々しさが逆に作り物のような印象を与える。現実と幻想のはざまを印画紙に 焼きつける。不思議な写真たち。 道ばたのたんぽぽ。死んだハト。夜空に広がる花火。死んだハチ。空中を乱舞 する海鳥。水面に群がるコイ。写真家の視線はさまざまなものに向けられてい る。 私が好きなのは、植物や自然を写し取ったもの。なんとも言えない、自然の美 しさ、凛々しさのようなものを感じる。みんな精一杯生きているんだ、という ような。なぜそんな風に感じるのか不思議なのだけど。きっと、撮っている人 が、被写体の気持ちになって、共鳴しながら撮影しているのかもしれない。 ___________________________________ ●寒い京都〜「オペラ座の怪人」 [2002年01月31日(木)] 真冬の京都に行ってきた。ものすごく寒かった。寒いとは思っていたけど、体 感したらホントに寒い。お寺は暖房があまりないし、あんなところで修行して いるお坊さんたちは偉いよ、まったく。小田原は温暖でいいところだわ。 今回は観光客が少ないと思われる季節を狙って行った。しかも第一目的は劇団 四季の「オペラ座の怪人」を観ること。京都劇場は駅の中にある劇場で、めち ゃくちゃ交通の便がいい。観劇だけなら新幹線で日帰りできる。でもそれでは 寂しいので、一泊して観光してきた。駅のそばにホテルを取ったので、夜、観 劇してすぐに帰って寝ることができた。 「オペラ座の怪人」は妙に京都に合っていて、お寺めぐりの後に観ても違和感 がなかった。重厚なセットや音楽、演出が古都によく似合う。舞台の音楽はC Dで何度も聞いていたのだけど、実際に観てみると予想以上にセットも衣装も 豪華で、演出も凝っていた。途中、火花が散ったりという特殊効果もたくさん 使っているのに、それがよく生きていて、某演出家さんの舞台のようにディズ ニーランドのアトラクションもどきには見えなかった。この違いってなんだろ う。やっぱり演出家の手腕の問題なのかしら。照明の使い方が違うからかもし れない。今回、席もとても見やすいところで、ラッキーだった。一度観たら病 みつきになってしまう人が多いのがよく分かる。私も行けるものなら何度でも 観てみたい。 お寺めぐりは、一日目は宇治方面へ。二日目に中心部を回った。京都の主要な お寺はほとんど以前に見ているので、今回ははじめてのところは一ケ所しかな かった。特別公開中の大徳寺の塔頭(たっちゅう)の芳春院。大河ドラマ『利 家とまつ』の前田利家の奥さん、まつのお寺だそうだ。落ち着いた、いいお庭 のあるお寺だった。お庭は小堀遠州の作だそう。ここではお抹茶をいただいた。 一日目の宇治では萬福寺、平等院、伏見稲荷と回った。万福寺はちょっと中華 風でオリエンタルは雰囲気のあるお寺。面白い形のものがたくさんあって、楽 しい。すぐ外に白雲庵という普茶(ふちゃ)料理のお店があって、高かったけ ど、すごく美味しかった。今回食べたものの中では一番。普茶料理とは中国禅 寺の精進料理だそう。本当は4人くらいで大皿から取り分けて食べるらしいの だけど、このお店では一人前から出してもらえる。 平等院は3回目くらいだけど、こんなに観光客が少ないのは初めて。気兼ねな く写真もとれるし、本堂の中の説明もいつもはディズニーランドのホーンテッ ドマンションみたいに詰め込まれてしまうのだけど、今回は悠々と見ることが できた。そばに、綺麗な宝物館ができていて、屋根の上に飾ってある鳳凰など を間近で見ることができる。伏見稲荷は山の上まで続く赤い鳥居が有名。ここ は拝観料がいらないので、お得。キツネのお守りがかわいい。山の上まで行く と2時間くらいかかるらしいので、今回も途中までで帰ってきてしまった。一 度上まで行ってみたいなぁ。 二日目は三十三間堂、高台寺、銀閣寺、大徳寺へ。三十三間堂は好きで京都に 行くと必ず寄る。千一体の仏様がずらっと並んでいるのは壮観。木彫の二十八 武衆と、風神、雷神の像も必見。一つ一つに生命が宿っているように生き生き としている。年月を経て、木にも生命が宿るのかもしれない。今は渋い木の地 の色が見えるけれど、昔は鮮やかに彩色されていたよう。 高台寺は蒔絵が有名。豊臣秀吉の奥さん、ねねのお寺としても有名。一度行っ たことがあるのだけど、蒔絵をもう一度見てみたくて再訪。お庭や建物もよか った。 銀閣寺も京都に行く度に寄っているような気がする。金閣寺よりも落ち着いて いて好き。銀閣の建物もいいのだけど、お庭をぐるっと見て回るのが楽しい。 全体的に観光客は少なかったのだけど、さすがにここには人が多い。でもいつ もよりは全然少ないけど。 大徳寺は広い境内の中に塔頭(たっちゅう)と呼ばれる小さい建物がたくさん ある。常に公開されているのは4つくらい。あとはほとんどが非公開。今回は 芳春院が特別公開されていた。おすすめは高桐院。ここにも何度も来ているけ ど、穴場。かなり観光客が多い時期に来ても割りと空いている。竹林の中にあ って、春や夏に来ると、竹のさやさやと鳴る音が聞こえてとても落ち着く。お 庭はどういう形式なのかよく知らないのだけど、石庭でもなく、池もなくて、 コケと樹木でできている。このお庭がとても好き。秋は紅葉で色鮮やかになる し、夏は緑が生い茂る。今回は真冬だったので、木も竹も枯れていて寂しかっ た。これはこれでよいのだけど。 やっぱり京都はいいなぁ。お寺は落ち着くし、仏様も見れば見るほど味がでる。 信仰心なんてないんだけど、なんだか拝みたい気分になってくる。だんだんと 仏様が身近に感じてきて、普通に「こんにちは」「さようなら」と声をかけて しまうことも。本当はお祈りしなきゃいけないのかもしれないけど、それより ももっと気軽にとりあえず挨拶してしまう。無関心に通り過ぎることはできな い。仏様はそこに「ある」んじゃなくて「いる」という感じ。生命があるよう。 でも恐い感じはない。みんなやさしい顔をしている。本当に不思議。 今年、まだ初詣でに行ってなかったので、お寺巡りでいやと言うほど初詣でが できた。でもいろんな神様を拝み過ぎちゃったかな。 ___________________________________ ●WEBの活用法〜『ホームページにオフィスを作る』                         [2002年02月06日(水)] 『ホームページにオフィスを作る』野口悠紀雄/著(光文社新書) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02095840 著者の野口悠紀雄さんは『「超」整理法』(中公新書)や『「超」勉強法』 (講談社)というベストセラーを書いた方。プロフィールを見ずに、書名と内 容が面白そうだったので買ったのだけど、そういえば野口悠紀雄って聞いたこ とがある。 本書ではホームページの賢い利用法がたくさん載っている。既存のホームペー ジではなくて、自分のホームページスペースの上手な使い方だ。個人でホーム ページを開設しても、そんなに簡単にいろんな人が見てくれる訳ではない。こ れは、ホームページを開設している私としてはとてもよくわかる。 個人のホームページって、作りっぱなしで更新されなかったり、ひとりよがり だったりして、他人が見ておもしろいページってあまりない。知人から「ホー ムページ作ったから見てよ」と言われて、そのサイトを見たとしても、大概は 自分には興味のないことだったり、一度見れば十分な内容だったりということ はよくある。そういうサイトを作っている人は、大抵、しばらくするとぱった りと更新をしなくなったり、サイト自体を閉鎖してしまったりする。これは、 作っている本人が楽しんでいないからだと思う。 たとえひとりよがりなホームページだったとしても、少なくとも、作っている 本人が楽しければそのホームページの存在意義はある。他人が見てくれなくて も自分が楽しければそれでいいのだ、というスタンスで運営していれば。そう いうホームページは結果的にマニアックながらも面白いサイトになっている可 能性が高い。そして、少しずつでもお客さんは増えてゆくだろう。 作っている本人が便利に利用しているサイトは長く続くし、本人以外の人にも 楽しかったり、便利だったりする。これは、私が自分のサイトを運用していく 上で感じたことだったのだけど、この本にも同じようなことが書いてあった。 つまり、まずは自分が便利に使えるサイトを作ろう、ということ。そして、そ のサイトを最大限に利用する。その結果、そのサイトが他の人たちにも便利に 使ってもらえたら万々歳。 この本では、まず手始めに、WEBの特性を生かして、自分用のリンク集を作 ってみることを薦めている。自分用リンク集は私も作っているけど、どのパソ コンからもアクセスできるので便利だし、レイアウトも好きなようにできて、 ブラウザのブックマークよりも使いやすい。それに、他の人に複数のサイトを 勧めたいときにも、自分のリンク集のアドレスを教えて、そこから各サイトに 飛んでもらうという方法がとれる。 その他にも私生活でもビジネスでも、ふむふむと納得してしまう便利なWEB 利用法がいっぱい載っていて、面白かったし、勉強になった。これは今後のサ イト制作に生かせそう。 野口悠紀雄Online http://www.noguchi.co.jp/ ___________________________________ ●トップランナーに京極夏彦〜『今昔続百鬼-雲』 [2002年02月08日(金)] 『今昔続百鬼-雲』京極夏彦/著(講談社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02092140 昨日のNHKの「トップランナー」に京極夏彦氏が出演していた。もっと取っ 付きに難い感じの人なのかと思ったら、茶髪だったし、要領良くしゃべるし、 面白い人だった。ご本人が「陰気なのに親しみやすい」人柄だと自分を評して いたけど、その通り。そのあまりに的を得た答えに感心した。自分のことをこ んな風に適確(?)に評せる人ってあまりいない。 ちなみに、どんどん増える蔵 書をうまく整理するこつは、「愛と執念」だそう。ものごとにこういうキャッ チフレーズをつけて興味を引きつけ、それについて理路整然と説明して、それ がわかりやすい。そういう風に話せる人ってあまりいないと思う。それって特 殊能力だよなぁ。京極作品にもそんなテイストが生きている。 それにしても、「トップランナー」の司会のふたり(田辺誠一とはな)は相変 わらずなんとも言えない、ほのぼのオーラを発している。会話の合間に妙な間 があるのだけど、慣れると面白い。でもゲストにはもう少し突っ込んだ質問を して欲しいけど。 『今昔続百鬼-雲』。しばらく前に読んだので、新鮮な感想ではないのだけど、 なんか書いてみる。実はタイトルに「冒険小説」と小さくついてる。冒険小説 って一体なんだ、と思いつつ、読んでみたら、確かにある意味「冒険」小説だ った。 時代は京極堂シリーズと同じ戦後何年かたった頃の日本。戦後の混乱は収まっ たものの、まだ昔の因習や渾沌とした部分が残っていて、完全には近代化して いない頃の話。 妖怪を研究している多々良勝五郎先生とその助手(?)の「俺」 こと沼上。妖怪を求めてあちこち旅をしているのだが、その先々で事件に遭遇 してしまう。多々良先生は太った巨体に大きなリュックサックを背負ってどこ へでも強引に突き進む。常識離れした性格ながら、どこか愛嬌がある。沼上さ んは先生に振り回されつつも旅を楽しんでいる模様。弥次さん喜多さんの珍道 中みたいで面白い。最後には豪華ゲストも登場して京極ファンとしては嬉しい。 ___________________________________ ●いったいどうなる〜『利家とまつ』 [2002年02月10日(日)] 今年の大河ドラマは若手の人気者が揃って出演している。始まる前から話題だ った。題材も戦国時代で、私の好きな時代。けっこう期待していたのだけど、 期待が大きすぎたのか、思った程の面白さじゃなかった。でも視聴率はなかな かよいらしい。世間の人々には受けているのかぁ。 私は大河ドラマをよく見ていて、今までの大河ドラマでもそこそこ面白いと思 っていたから、今回、いままでのような大河ドラマ特有のシブ〜イ良さがなく なってしまったような気がして寂しい。一年間という長丁場なので、一話ごと にはそれほど大きな盛り上がりはないのだけど、夏ごろにだんだん盛り上がっ てきて、年末くらいになると、ああ今年の大河もそろそろ終わりね、なんてち ょっと寂しくなる。それで、今年は割と面白かったね、とか、あんまりね、と か批評したりする。 今年の大河はまだ始まったばかりだけど、ちょっと例年とは違うような気がす る。一話ごとに無理矢理(?)盛り上がりを作っているみたいで、しかも一つ 一つのエピソードが薄っぺらい。なんでそうなるのか、さっぱりわからん。ど うやら、政治的な駆け引きとか、戦国武将の知略、攻略とかそういうものより も、家庭の話に重点を置きたいようなのだけど、あまりに唐突にストーリーが 展開しすぎてつまらない。もっと歴史の機微みたいなものを見たいのに。 信長役の反町隆史はがんばってはいるのだけど、空威張りのようで懐の深さが ない。前田利家の唐沢寿明はせこせことした小者のよう。利家ってもっと包容 力のあるどっしり構えた感じのイメージがあるのだけど。これから変わってゆ くのかしら。それとも私のイメージが違うのかなぁ。まぁでも、キャスティン グよりも脚本の問題でしょう、きっと。演出もおかしいときがある。ギャグ満 載。 中でも松島菜々子はとってもイイ味を出している。全体的に女優陣はいい。酒 井法子も天海祐希もかわいい。ついでに加賀まりこもいい。いいんだけど、や っぱり脚本がおかしいときがある。見ながら、そりゃないだろう、と突っ込ん だり。そうそう、男優陣では的場浩司、竹野内豊がいい感じ。でも竹野内と反 町が一緒に出てると「あ、ビーチボーイズだ」と思ってしまう。いかんいかん。 大河ドラマ『利家とまつ』 http://www.nhk.or.jp/taiga/ ___________________________________ ●痛快ドロボウ劇〜『オーシャンズ11』 [2002年02月13日(水)] 封切後すぐの映画を見るのって珍しいのだけど、なんとなくタイミングが合っ て、『オーシャンズ11』を見にいってきた。 ブラッド・ピットが出ている。特に好きな訳じゃないんだけど、この人の出て いる映画はなぜかよく見ている。その中でも、この映画のブラピは結構好き。 ちょっと知的でスマートな泥棒をひょうひょうと演じている。 この映画、出ている人たちがゴージャス。それも嫌味じゃないゴージャスさ。 いかにもドル箱スターを集めました的じゃないところがなんともいい。さりげ なくジュリア・ロバーツが出てたりして。ジュリア・ロバーツはすごく好きで、 彼女が出てるとそれだけで見に行ってしまうのだけど、今回はジュリア目当て じゃなくて、作品が面白そうだと思って見に行った。あ、でもやっぱりジュリ アも見たいなぁと思って行ったのかな。でも彼女の魅力は押さえぎみだったの が残念。役柄的にも、もうちょっと、いつものような、あけっぴろげでサバサ バした女性でもよかったような気がしたのだけど。 仮釈放中の泥棒オーシャンが仲間を集めて巨大カジノの地下にあるセキュリテ ィー万全の金庫から大金を盗み出すというストーリー。予告編を見ただけでも ワクワクする。オーシャン役のジョージ・クルーニーがまた渋くてかっこよく て、ちょっとかわいいオジサンを好演。オーシャンの右腕となって仲間を集め て計画を実行に移すのがブラピ。いろんな方面のプロフェッショナルが集まる のだけど、ひとりひとりはただのコソ泥のような気もする。でもみんなで集ま るとすごいんだな、これが。一番若いマット・デイモンはスリの役。この人も かっこいい。ほんとに粒ぞろいだわ。その他の仲間たちも個性派ぞろい。でも 俳優さんの名前とかよく知らないのだけど。 派手なアクションシーンもなく、CGもなく、知的にスマートに進む痛快ドロ ボウ劇。字幕を追うのがちょっと大変だったけど、すごく楽しめた。もう一回 くらい見てもいいなぁ。 オーシャンズ11 http://www.oceans11.jp/ ___________________________________ ●「広報紙のつくり方」なんて本があるのだ。 [2002年02月17日(日)] 『DTP・インターネット時代の広報紙・社内報のつくり方』 円山尚、古賀弘幸/著(中央経済社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02040301 自治体や会社で広報紙や社内報などを作るのは大抵は素人だ。出版社に入社し た訳でもないのにイキナリ広報出版物を作れ、などと言われたら最初は誰だっ て戸惑うだろう。それでも昔は、学校で作る「○○だより」のようなものの延 長でなんとか作れたのかもしれない。レイアウトなどもほとんど手作業だった ようだし。でも最近はDTPやらインターネットやらなにやら得体の知れない ものがたくさんあって、そういう広報出版物を作るのも大変そうだ。そんな人 たちの強い味方になるのがこの本。 まず編集に入る前の心構えや準備などから始まって、企画の立て方、取材やイ ンタビューの仕方などが事細かに書いてある。それから、やっと原稿の作成の 仕方になり、見出しの付け方があって、レイアウトの仕方、最後に校正の説明 がある。これ一冊で、出版物の作り方の大まかな流れが分かってしまうのだ。 これは広報出版物に限らず、普通に出版の仕事をしたいと思っている人にも入 門書としてはいいのではないだろうか。だって、DTPの本には、企画の立て 方や取材の仕方は書いてないし、逆に企画の立て方の本があったとしてもレイ アウトの仕方や見出しの付け方なんて書いてないだろうと思う。 そして、これはホームページ作りにも役立つ本なのだ。今はホームページが広 報紙の役割を果たすことも多いから、企画の立て方や読者アンケートの取り方、 構成の仕方などは参考になる。取材の仕方やインタビューの方法などはなかな か素人ではわからないのだけど、それがわかりやすく書いてある。意外に重要 なのが見出しの付け方。ただ単に奇抜で目を引くような見出しをつけるのでは なくて、ちゃんと見出しの付け方の法則というか定番のようなものがあるらし い。これはフムフムなるほどなぁと思った。 こういう本はあるようでなかなかない。とっても役立つ一冊だ。 ___________________________________ ●あの『模倣犯』が映画化。 [2002年02月18日(月)] ベストセラーとなった宮部みゆきの『模倣犯』が映画化される。主演はSMA Pの中居正広。これ、わたしとしてはかなりぴったりな配役。最初に聞いた時 に、う〜むと唸ってしまうほどイメージ通り。でも中居くんの演技力には別の 意味で、う〜むむむ・・・と唸ってしまうのだけど。 あんまり渋くきめてばかりじゃなくて、中居くんの持ち味のナチュラルなバカ さや子供っぽさがうまく出ればマル。彼が演じる医学生とか医者とかってどこ か嘘っぽい。今回はエリートの役だけど、その嘘っぽさがうまく生きれば連続 殺人犯のリアリティもでてくるんじゃないかな。 それにしても、映画化されるということで、ストーリーは完全にネタばれ。ネ タばれでも面白く読めるけれど、なんの情報もなく読みたいと思っている人は 嫌だろうなぁ。「主人公の連続殺人犯が中居くん」ということが最大のネタば れなのだ。この主犯格の犯人、下巻の途中から登場する。映画では最初から登 場するのかなぁ。 『模倣犯』宮部みゆき/著(小学館) 上巻 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02006986 下巻 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02006987 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ トップページのカレンダー更新しました。3月は透明水彩。(02/02/28) ギャラリー(油彩画)に一昨年と昨年に描いた作品、6点追加しました。 (02/03/02) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 透明水彩(Watercolor)の壁紙13点追加しました。(02/03/02) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】  「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。  Copyright(C) 2002 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛