□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0033 □□□□□□□□□□ 2001/10/11 Thu.---Since2000/01/26  発行部数104  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。  内容にあんまり季節感がないとはいえ、もう秋だというのに真夏の日  記をお届け。最新の日記を読みたい方はHP( http://akane.pos.to/ )  を見て下さいね。  アメリカの同時多発テロから一ヶ月。本当に痛ましい事件でしたが、  果たして報復攻撃という手段が正しいのかどうか、もっと他にテロの  原因そのものを無くす手段があるのではないかといろんなことを考え  てしまいます。このままでは復讐の連鎖で罪のない人たちが大勢、犠  牲になるような気がしてなりません。ケンカ両成敗という言葉があり  ますが、テロに対して武力で解決しようとするアメリカにも問題があ  るのではないでしょうか。そしてそれを支援する日本にも。もっとも  っと平和に。子どもたちが健やかに育つ世界に。飢える人のない世界  に。戦争のない世界になることを願い続けたいと思います。   ★こんなサイトを見つけた。ある意味過激だ。 反戦平和アクション http://peaceact.jca.apc.org/ JCA-NET http://www.jca.apc.org/ Anti War http://antiwar.jca.apc.org/ _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●"まおまお"オーラ炸裂〜『風と共に去りぬ』 [2001年08月07日(火)] ●おしゃべり、飲食、携帯電話〜『風と共に去りぬ』三回目                         [2001年08月12日(日)] ●これが上川隆也だ〜『少年たち』『少年たち2』 [2001年08月17日(金)] ●大平光代さん、方向を間違えないでね〜『あなたはひとりじゃない』                         [2001年08月18日(土)] ●舞台は!?〜いしだ壱成逮捕。 [2001年08月20日(月)] ●島田歌穂のミュージカル〜『葉っぱのフレディ』 [2001年08月25日(土)] ●痛快時代小説〜『続巷説百物語』 [2001年08月26日(日)] ●楽しいぞ〜『ミスター・ムーンライト 月光旅人』 [2001年08月30日(木)] ●華やかなハプスブルクの時代〜エリザベート関連書籍3册                         [2001年09月05日(水)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★いるかプロジェクト =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp ) の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報の ほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●"まおまお"オーラ炸裂〜『風と共に去りぬ』 [2001年08月07日(火)] ミュージカル『風と共に去りぬ』を再び観てきた。前回、二階席だったが、今 回は一階の二列目ドまん中。オペラグラスなしで肉眼ではっきり見える席。も う大興奮。やっぱ舞台は肉眼で観ないとね。 とは言うものの、たとえ二階席でも前回一度観ているので、今回は見どころを 絞って観ることができたのでよかった。二階からだと顔の表情とか、微妙な息 づかいとか全然分からないのだけど、近くで観るとよく分かる。歌も、歌って る表情を見ながら聞くのと、表情が全然分からないのとではやっぱり違う。帝 劇は大きすぎて、ちょっと後ろの席になってしまうと、細かな演技は観れない のだ。だから、ひたすら歌で構成されてる『エリザベート』なんかは声だけで も聞きごたえがあって、あんなに熱狂してしまったのかも。 山口祐一郎も大地真央の演技は相変わらず。ときどき操り人形のように見えて おかしい。"まおまお"(最近、大地真央のことをこう呼んでいる。なんか可愛 いから。)はやっぱりとても綺麗。そして若作り。声も演技も顔も。大地真央 はどうやったって大地真央なんだ。"まおまお"オーラが眩しい。祐一郎さんも どうやったって祐一郎オーラが出てる。ときどき「素」っぽい演技をするのが またおかしい。この「おかしい」は古典でいう「いとをかし」の意味。変って いえば変なんだけど、そこがまたいいのね。 メラニー役の杜けあきは、やはり影のヒロインで、演技も歌もとてもよかった。 そして相手役、アシュレの今井清隆もやはりいい。見た目がアシュレっぽくな いのを別にすれば、演技も歌も素敵。今回は、大分、原作のイメージから離れ て純粋に舞台を観ることができたので、健康そうな杜メラニーと頑丈そうな今 井アシュレも、アリかな、と思えた。二人とも、近くから観た方がより綺麗。 この二人のデュエット永遠」という曲が一番好き。 レット・バトラーの曲では登場シーンで歌う「葉巻き」が一番祐一郎さんっぽ くて好きなのだけど、なぜかパンフレットにはこの曲の歌詞が載っていない。 あまり主要な曲ではないのかしら。 レットのテーマ曲のように何度もBGMで使 われていたけど。一番の山場(娘のボニーが死んでしまって失意のシーン)の 「掌」という曲もいいのだけど、個人的には「葉巻き」の方が好きだなぁ。 今井アシュレの一曲だけのソロ「しあわせに一番近い場所」もとてもいい。な にしろ声がいい。今井さんの歌をもっと聞きたい。この曲もパンフレットに歌 詞は載っていない。なぜ? "まおまお"の曲では最初に歌う「マグノリア」が明るくて、スカレーットらし い曲だと思う。さすがに主演なので、ソロもいっぱい。どれもいいのだけど、 これが素晴らしいっていうのは・・・ないなぁ。 全体的に、もっとお芝居の部分を減らして、歌を増やして欲しい。ミュージカ ルなんだし、歌のうまい人をこれだけ揃えているのだから、もっともっと歌が 聞きたかった。 そうそう、アトランタ炎上のシーン。火薬がパンパン破裂して閃光が走る。そ の奥からスカーレットとレット・バトラーたちが乗った馬車がス〜っと登場。 後ろでは家々が赤々と燃えている。この演出、やりすぎ。ディズニーランドの アトラクションみたいだ。『ローマの休日』(大地真央、山口祐一郎主演)の スクーターが空を飛ぶ演出並みにツボに入ってしまった。家の窓から見える、 燃える火の表現とか、ディズニーランドの「カリブの海賊」と同じなんだもん (布の下から風を当ててゆらゆらさせて、赤い照明を当てて、火っぽく見せて る)。そういう、装置に依存した演出があまり好きではないのし、あまりにも 「この舞台装置すごいでしょ。見て見て」って感じで嫌だ。そりゃあ東宝はお 金持ってるだろうし、帝劇は日本最大級の劇場だろうけどね。日本最大級だか らこそできる演出なのかもしらんが・・・。だからって火薬がパンパンはやり すぎじゃ(火だけならゆるせるかも)。 舞台美術はとてもきれいなのに。森のシーンと、アトランタの空は特に綺麗。 それから、二階席からはよく分からなかったけれど、近くで見ると衣装もいい。 デザインも可愛いし、生地もいい。着てみたくなった。もう少しウェストを引 き締めないときれいに着られないけどね。きっと。 ___________________________________ ●おしゃべり、飲食、携帯電話〜『風と共に去りぬ』三回目                         [2001年08月12日(日)] 帝国劇場で『風と共に去りぬ』を観てきた。三回目だ。三回も観るなんてさす がに自分でも呆れる。『エリザベート』の時と違って、今回は三回とも前売り でとったので、確信犯。だから阿呆さ加減も『エリザベート』の時よりは薄ら いでいるかも。エリザのときは本当に「私って阿呆じゃ」と思ったもんね。今 回は冷静な自分がいる。まぁ、どっちゃでもいいことだけど。 今回は母が取ってくれたチケット。二階のS席二列目ど真ん中。例えS席でも、 二階から観ると、役者さんがみんな寸詰まりに見えるので、個人的には二階S 席よりは一階A席の方が好き。二階から観ると舞台全体がとてもよく見えるの で、二階の方が好きだという人はいるかもしれないケド。 最近はオペラグラス(っていうか双眼鏡)を持参していく癖がついているので、 二階だろうが一階の後ろだろうが、へっちゃら。でもあんまりオペラグラスば かり覗いていると全体が見えないので、どうしても最初に観る時は肉眼で見る ことになる。で、全体を理解したら、二回目以降に観る時はお目当ての役者さ んを中心に気になるところをオペラグラスでよ〜く見ちゃう。 『風と共に去りぬ』は観る度に良くなっているような気がする。本当に良くな っているのか、私が慣れてきてるからなのかわからないのだけど。噂では初日 はダメダメだったようなので、本当に良くなってきているのかもしれない。特 に、今回は今まで大根だと思っていたレット・バトラー山口祐一郎氏がとても 良くなっていた。っていうかもしかしたら、この人、夜の部のほうがノリがい いのかも。前回二回は昼の部だったのだけど、今回は夜の部。見に来てた他の お客さんも山口さんは夜の方がいいって話してたらしい(母・談)。母が「今 日は大根じゃなかったんじゃない?」と言うので「そうだね」と答えておいた。 いや、私が慣れてしまっただけかもしれないのだけど(しつこい)。 一回目から思ったけど、この作品、振り付けがイマイチ。一緒に観た友人に聞 くと、気にならなかった、と言われてしまったけど、私はこの振り付けがすご く気になる。だって、なんか不自然でお話に合ってないような気がする。わざ とらしいのよね。でももしかしたら、脚本、演出すべてが関連して不自然さを かもしだしているのかもしれない。セリフでも変な言い回しが気になるし。再 演することがあったら、改善してるといいなぁ。再演・・・するんだろうか。 『ローマの休日』は再演したからねぇ。きっとするだろうね。 そうそう、舞台装置もね、スピード感をだすため(By演出家)に円盤を使わず にベルトコンベアーみたな横に流れてセットが移動する装置が使われているん だけど、これが本当にスピードがあって、ときどき、変。シャーーって横から 役者さんがセットと共に登場したり、退場したりして余韻ってものがないの。 別にゆっくりでもいいんじゃない? 今回観ていて、途中、ふっと「昼メロ(お昼のメロドラマ)」みたいだなと思 ってしまった。でもこれは公演プログラムでも演出家の山田和也氏が「スカー レットとレット・バトラーの出会いと別れをちゃんと描いたメロ・ドラマを創 ろうと決心した」と書いてあるから、狙いどうりなのかもしれない。昼メロや、 ハーレクイン小説のような世界だ。ある意味、安っぽい恋愛小説風ではあるの だけど、原作の面白さでなんとかなっているようだ。イマイチ、大衆っぽさが 抜け切れない。そこがいいところなのかもしれないけど、私としては、もうち ょっと芸術性の高いものを期待したい。頑張れ東宝! 二回目の時も、今回も、とってもいい場面で携帯電話が鳴った。劇場内が別の 意味で静まり返った。役者さんも息を呑んでるのがわかった。どうにかならな いものか。これに関しては携帯の電源を切らなかったお客さんも悪いが、それ 以上に帝劇側にも問題アリ。初めて観劇するお客さんもいるのだろうから、そ ういうお客さんにも分かるように劇場内でのマナーを告知する努力をもっとや ってもらいたいものだ。誰も聞いていない場内放送、場内案内係りのお姉さん によるマニュアル的な呼び掛け。これだけじゃ、電源も切り忘れるさ。椅子の 背にでっかく注意書きするとか、開演の前にプロジェクターでも使って幕に注 意事項を投影するとか、チケットにもっと目立つように注意書きをいれるとか、 もっともっとやり方はあるだろう。 「おしゃべり、飲食、携帯電話は絶対禁止」をもっと徹底して!お願い帝劇さ ん。あと二階席は乗り出し禁止っていうのもね。前に座ってる人が乗り出すと 見えなくなっちゃうのよ、二階は。だから一階の方がいいのだ。 『風と共に去りぬ』全5巻(新潮文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00160877 ___________________________________ ●これが上川隆也だ〜『少年たち』『少年たち2』 [2001年08月17日(金)] NHKで放送しているドラマ『少年たち2』(全3話)。上川隆也が主演なの だが、これがとてもいい。3年前に放送した『少年たち』(全3話)も再放送 していて、最近ドラマや映画で泣くことなんてなかったのに、最終話で泣かさ れてしまった。こういうのが見たかったのよ。 民放で、上川隆也はそれなりに出演しているけれど、起用の仕方はNHKが一 番心得ている。『宮本武蔵』も『白い影』もそれなりによかったけれど、シリ アスな面ばかりが強調されていて、上川さんの軽やかさがあまり出ていなかっ た。そう、キャラメルボックスの過去の作品で見た上川さんはとっても軽やか。 「軽い」んじゃなくて、「軽やか」なのだ。 『お水の花道』の石崎オーナーなんて、コメディなのに一人だけシリアスとい う妙なキャラになってしまっていて、『新・お水の花道』では大分出番が少な くなっていたような気がする。これって、隆也の所為じゃなくて、製作側のキ ャスティングミスか、キャラ設定を間違ってるんじゃないかって思った。せっ かくのコメディ、もっと面白い隆也が見たかったよ。 『少年たち』では上川隆也という役者のいいところがみんな生かされている。 シリアスでありながら軽やかさを失わない、絶妙なバランス。うまいなぁと思 う。 ぜひぜひ民放の方々もNHKを見習って、上川隆也という役者をうまぁ〜く起 用してもらいたいものだわ。主役じゃなくていいの。主人公の隣に住んでるち ょっとおせっかいで面白い人とか、商店街の八百屋のおじさんとか、おいしい 脇役ってあるじゃない。そういうのが見たいなぁ。カッコ悪くて、おもしろい 隆也が見たい。でも筧利夫みたいになっちゃやだけどね。 NHKドラマ『少年たち2』 http://www.nhk.or.jp/drama/syonen2/index.html ___________________________________ ●大平光代さん、方向を間違えないでね〜『あなたはひとりじゃない』                         [2001年08月18日(土)] 『あなたはひとりじゃない』大平光代/著(光文社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02030656 『だからあなたも生きぬいて』(講談社)の著者で、弁護士の大平光代さんの 二册目の著書。少女時代にイジメを受け、自殺未遂、そして非行に走り、暴力 団組長の妻にまでなりながらも、周囲の人の支援によって更正して、中卒なが ら宅建、司法書士の資格を取り、さらに司法試験に一発合格するという異色の 経歴の持ち主。今は、自分の経験を生かし、弁護士として多くの少年事件を手 掛けている。 この人の文章は堅くて広がりが感じられず、物語として読むとあまり面白くな いのだけど、彼女の経験に裏打ちされたノンフィクョンの魔力で、つい読んで しまう。 前作は自伝だったが、今回は雑誌に連載された相談コーナーをまとめたもの。 子育てに悩む母親や、生き方に迷う若者からの相談に真剣に答えている。が、 紙面の関係かどうか、質問も答えも短いので底が浅い。これで本当に悩みが解 消するのかどうか・・・。やはり本当に悩んだら直接身近な人に相談したほう がいいよな、と再認識してしまった。 そうは言っても、今、本当に悩んでいる人がいるとしたら、これはこれで参考 になるところがあるだろう。深刻に悩んでいなくとも、わかってるんだけど踏 み出せないとか、いまのままではダメだけど、具体的にどうしたらいいかわか らないとか、そういう人は試しに読んでみるといいかもしれない。 大平さんはとにかく行動力があって、がんばり屋。なんでも努力で克服する人。 私は日々だらぁ〜〜っと生きているから、あんまり参考にならなかった。そん なに頑張ったら疲れちゃうよ、って思う。だけど彼女にとってはそれが生きる 活力なんだろう。私の活力は「だらぁ〜〜」だから。 それにしても、この本、途中途中に「みっちゃんのひとりごと」というコラム があって、服装のこととか、好きな食べ物のこととか書いてあるんだけど、い らないんじゃないかと思う。この連載をしていたのが『女性自身』ということ で、こういうプライベートなことを書けば読者が喜ぶと思ったんだろうか。 「みっちゃんの〜」というタイトルからして媚を売ってるみたいだ。ひょっと して弁護士界のアイドルになろうとしてる? 『だからあなたも生きぬいて』(講談社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00007182 ___________________________________ ●舞台は!?〜いしだ壱成逮捕。 [2001年08月20日(月)] いしだ壱成が大麻不法所持で逮捕されてしまった・・・。いや、ファンじゃな いの。何が悲しいって、彼が主演している舞台を9月に観に行くはずだったの が悲しい。大阪公演は明日から中止。東京公演も代役を立てるか、または中止 ということも。 どちらにしても、いしだ壱成は見られない。楽しみだったのになぁ。体調不良 とかならまだしも、こういう形で共演者や主催者に迷惑をかけるなんて最低。 一緒にやっている人たちが可哀想。大阪公演をこれから見に行こうとしていた 大勢の人たちも、さぞやがっかりしていることだろう。 ライコスのスペシャルサイトにアクセスできないけど、さっそくページを削除 しちゃったのかなぁ。乱暴な・・・。説明文を載せろ〜。(アクセス集中した んだろうな・・ちょっと同情) 大江戸ロケットスペシャルサイト http://www.lycos.co.jp/special/ohedo_rocket/ 劇団☆新感線 http://www.vi-shinkansen.co.jp/ いしだ壱成オフィシャルHP http://www.issei2000.net/ ___________________________________ ●島田歌穂のミュージカル〜『葉っぱのフレディ』 [2001年08月25日(土)] 『葉っぱのフレディ』を観てきた。 ここ一週間以上、お休みがなくて、体力のない私はヘロヘロだったんだけど、 上演時間も短かったし、楽しくて、寝ないで観れた。島田歌穂はテレビで観た とおりだったけど、やっぱりかわいくて歌がうまいぞ。 ビデオでは「?」だったネタが子どもにすごくウケていて、私はもう子どもじ ゃないのね、と悲しくなった(十分大人だっツーの)。少年フレディが主人公 なんだけど、でてくる人たちはファッションや台詞や役作りが日本人。クレア とかダニエルとか名前は全部、外国人なんだけど、設定は現代の日本みたい。 あまり違和感はない。 音楽がとてもきれいで、これを聴くだけでも心洗われる。ピアノと弦楽器の生 演奏。地元の市民会館なので、もちろんオーケストラピットなんてなくて、舞 台後方の薄い幕の後ろで演奏者五人が演奏しているという演出。これも照明効 果でシルエットがとてもきれいだった。 絵本もいいし、ミュージカルも同じくらいいい。両方合わせて楽しみたい作品。 『葉っぱのフレディ-いのちの旅-』(童話屋) レオ・バスカーリア/作、みらいなな/訳、島田光雄/画 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01591208 K-LINKS(島田歌穂さんの情報、葉っぱのフレディ公演情報など) http://www.k-links.com/ ___________________________________ ●痛快時代小説〜『続巷説百物語』 [2001年08月26日(日)] 『続巷説百物語』京極夏彦/著(角川書店) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02020338 やっぱり京極夏彦は時代物がいい。近未来が舞台の『ルー=ガルー』もよかっ たが、あの手のモノは他にもっと上手い作家がいそう。京極夏彦は過去という 異世界を活き活きと描き出す。そう、私たちにとって、未来と同じく過去も未 知の世界。資料としていろいろなものは残っているものの、過去の人々が実際 どういう風に生きたのかなんてわからないのだ。だから、未来と同じく過去も 現在と繋がる異世界だ。 過去が未知の世界だと実感したのは、昔の人の平均身長を聞いた時。江戸時代 頃の人たちってすごく小さかったらしい。たぶん150センチあれば背が高い方。 とある展示館で江戸時代の人の実物大の人形が置いてあって、びっくり。だっ て、不二屋のお店にいるペコちゃんの人形並みの小ささだった。だから京都の お寺の狭ぁ〜い茶室も、昔の人にとっては普通の部屋だっただろうし、昔のお 殿様が乗っていた、窮屈そうな小さいカゴも当時の人にとっては調度いい大き さだったんだろう。そりゃあ、今だって平均身長は伸び続けているけど、それ にしても昔の人は120センチとか130センチとかだったなんて、本当に驚きだっ た。世の中、まだまだ知らないことって多い。こんな基本的なことを知らずに 昔の道具なんかを見ていたなんて・・・。もっと早く教えてくれよ〜という気 持ちになったのだった。 だからね、時代物ってなんでもありだと思う。過去のことなんて皆知らないん だから。小説の中に描かれていることが嘘だったとしても、そういうこともあ るかもね、って思えるから。京極氏の作品ってみんなそうだ。「それはないだ ろ〜」って突っ込みをいれつつ、「そういうこともあるかもしれないなぁ」と 思いたくなる。超常現象じゃなくて、すべて人間の為したこと、という共通の オチもあるいみお約束になっていて、事件がきれいに解決する。これが私は好 き。 『巷説百物語』は江戸時代が舞台で、いろいろなトリックを使って悪い人がや っつけられてしまう。京極作品はみんなそうだが、この作品も登場人物たちが 一癖も二癖もあって人間臭い。そして愛嬌がある。『続巷説百物語』は見た通 りこの『巷説百物語』の続編。主要な登場人物は同じ。新たなキャラも加わっ て、さらに面白い。こんなんじゃどんな話かわからないね。実は『巷説百物語』 を読んだのは大分前なので、内容をほとんど忘れてしまった。それでも『続〜』 を読んだら登場人物たちのことはだいたい思い出したし、それよりもなにより もストーリーが面白いから前回の話なんて覚えてなくたって全然大丈夫だった。 一気に読めてしまう。話が複雑すぎて結局のところどんなストーリーだったの かってことは、たぶん、またすぐに忘れてしまいそうだけど。そのとき楽しけ ればいいの。 それにしても京極堂のシリーズの最新作はいつになったら出るんだろう。 『巷説百物語』京極夏彦/著(角川書店) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01696619 ___________________________________ ●楽しいぞ〜『ミスター・ムーンライト 月光旅人』 [2001年08月30日(木)] 『ミスター・ムーンライト 月光旅人』演劇集団キャラメルボックス 二年ぶりに上川隆也が出演するので、楽しみにして行った。キャラメルは若手 でもバンバン主役に抜擢されて、最近はベテラン勢が脇を固めることが多かっ たのだけど、今回は上川隆也が主役。ちょっと意外でびっくりした。さえない 司書の役だったが、ギャク満載で弾けまくっていた。楽しい、楽しい。 隆也のハイテンションに引っ張られてか、他の役者さんたちも何故かいつもよ り上手くみえる。不思議。 ストーリーは幽霊モノ。キャラメルの定番ね。西川浩之の図書館長が脇でイイ 味だしていた。西川さんはいつも脇で面白いことをしているので、ついそっち を見てしまって本筋を見逃してしまう。今回は主役の隆也がそれ以上に面白い ので、西川さんのギャグも調度いい。他の役者もそれぞれによかったけれど、 細見大輔だけはなぜか上滑りしていた。シューーーって滑ってた。大丈夫か? 私は前田綾ちゃんのファンなので、上川隆也との兄妹のシーンがすごくツボに 入ってしまった。ビデオだったら何回も巻き戻してるね。ダブルキャストの小 川江利子も是非見てみたいものだわ。う〜ん、チケットとっておけばよかった。 キャラメルボックスは舞台美術がいつもとても綺麗。それを利用はするんだけ ど、大掛かりな舞台装置は使わない。セリとかフライングとか。セットが回っ たりもしない。暗転もない。一つのセットが図書館になったり、誰かの家にな ったり、また別の場所になったり、役者の台詞、演技、照明などでそういう風 にみえるからすごい。最近いろいろ見ているけど、こういう舞台ってあんまり ない。いや、他にもあるだろうけど、私が見てるのでは少ない。余計な仕掛け がないから、役者の演技がストレートに観れる。だからきっと直接心に響いて しまうのだろうな。みんな泣いてるし。私は未だに泣いたことないケド。 演劇集団キャラメルボックス http://www.caramelbox.com/ ___________________________________ ●華やかなハプスブルクの時代〜エリザベート関連書籍3册                         [2001年09月05日(水)] 『皇妃エリザベートの生涯』マルタ・シャート/著、                      西川賢一/訳(集英社文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00022042 『皇妃エリザベートの真実』G・プラシェル=ビッヒラー/著、                      西川賢一/訳(集英社文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01594331 『ハプスブルク歴史物語』倉田稔/著(日本放送出版協会) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01064905 9月に入っても何かと忙しいのだけど、本だけはせっせと読んでいる。今回の 3册はちょっと前に一気に読んだものの、落ち着いて感想を書いている暇がな くて今になってしまった。 それにしても、私、読書好きな人でよかった。子どもの頃は本を読んでいる子 もそうでもない子もそれほど差はないかもしれないけれど、この年になると、 読んでいる人と読んでいない人では生涯に読んだ本の累計が明らかに違ってく る。本を読まない人はその分の時間を他のことに有意義に使っているのだろう から、どちらがいいとは言えないのだけど、個人的には自分の人生(おおげさ ?)が本によってどれだけ助けられたことか(ひまつぶし読書も含めて)。ま さに本サマサマなのだ。 読んだ本の内容なんて全部覚えてないし、読む速度も遅いし、もっともっとた くさん本を読んでいる人は世の中にい〜っぱいいると思うのだけど、昔から、 これは読みたいけど今は読んでる時間がない!とか難しすぎて読めなかった本 とかが、少しずつでも読破できている。この分なら死ぬまでにはなんとかアレ もコレも読めるかもしれない、と欲張りな私は将来の読書計画まで立てている。 しかし早死にしても悔いがないように、読みたい本はなるべく早く読むように しよう。 さて、エリザベート関連の本。買い揃えた分は全部読めた。これ以上マニアに なっても仕方ないので、もういい、という感じ。集英社文庫からは西川賢一さ んの訳でエリザベート関連の本が4册ほど出版されている。物語として読める のはマリールイーゼ・フォン・インゲンハイム著の『皇妃エリザベート』と 『ハプスブルクの涙』。それぞれ、エリザベートの前半生と後半生が多少フィ クションもまじえて物語形式で綴られている。原著は10册以上もあるシリーズ ものだそうだが、日本語版では訳者が主要なエピソードだけをまとめて2册に ぎゅっと凝縮したそうだ。できれば原書どうりにシリーズもので読んで見たい 気もするが、皇妃エリザベートの生涯をざざぁーっと知りたいという人にはい いかも。物語なので、恋愛小説的な要素もあって面白い。 で、今回はその他の2册を読んでみた。『皇妃エリザベートの真実』は、エリ ザベート本人やその周辺の人々(知人、親戚、使用人など)が記した手紙や記 録などの資料をもとに、素顔のエリザベートに迫っている。『皇妃エリザベー トの生涯』ではエリザベートが好んだ旅行や、音楽などそれぞれの事柄につい て章を設け、いろいろなエピソードを紹介している。二冊とも、すこし学問的 であくまでも歴史的事実を尊重して書かれている。もちろんフィクションはな いので、物語的な面白みに欠けるが、エリザベートの本当の姿を知ることがで きる。二冊とも同じエピソードが紹介されていたりするので、どちらか一冊を 読めばいいかという気がするが、どちらがお勧めというのもないので、結局は 二冊読むのがいいのかもしれない。 エリザベートはハプスプルク家最後の皇妃と言われる。これだけ聞くと、直接 はどうかわからないけれど、ハプスブルク家の滅亡の遠因くらいにはなったの かな、と思ってしまうのだけど、『ハプスブルク歴史物語』を読むとそうでは ないことが分かる。どうしようもない時代の流れのなかでハプスブルク家は消 滅した。断言してしまったけれど、世界史に疎いので本当はよくわからない。 でもたぶんそんな感じだ。『ハプスブルク歴史物語』は教科書的ではっきり言 って全然面白くないのだけど、本当に本当のおおまかな流れはなんとなく分か った。 それぞれのエピソードについて細かく説明されていないので、突然でてくる人 名なんかも多くて何がなにやらわからない。でも、さすが長い歴史のあるハプ スブルク帝国。知ってる人がたくさんいた。まず、オーストリアの女帝マリア ・テレジア。フランス革命で断頭台の露と消えたフランス王妃、マリー・アン トワネットの母だ。『ベルサイユのばら』にもでてくる。歴史の授業でもなん となくおおらかな母親像が印象に残っていて、さすがに国母とよばれるだけあ る。日本にはこんな人いないもんなぁ。 そして、ハプスブルク家の支配下ので活躍した音楽家たち。モーツァルト、ベ ートーヴェン、ヨハン・シュトラウス、マーラー。学者ではフロイトがいる。 ハプスブルクといえばウィーン。ウィーンと言えば世紀末美術、アールヌーボ ー。私はクリムトもエゴン・シーレも大好き。この記述を読んで、ハプスブル クはアールヌーボーに繋がるのかぁと初めて自分の中でその存在を実感できた。 ハプスブルクってなんだかすごいね。 エリザベートについてはあまり書かれていないが、その夫のフランツ・ヨーゼ フ一世は皇帝として長く在位していたので多く書かれている。エリザベート関 連の本ではあまり触れられない、戦争のことや、エリザベートの死後のことな どが書いてあるので、それなりに興味深かった。エリザベートとフランツの息 子のルドルフが死んでしまったので、その後に皇太子となったフランツ・フェ ルディナント大公がサライェヴォで暗殺されたことが第一次世界大戦の引き金 になった。歴史の授業でオーストリアの皇太子暗殺事件を習ったが、「エリザ ベート」を知るにつけこの皇太子っていったいいつの皇太子なんだろう(ルド ルフは死んじまったし)・・・と謎だったのだけど(すごく無知)、フンフン こういうことだったのかぁと、ちょっと賢くなった気分。 まぁ、とっても退屈な本(頭は良くなるかも)だったので、かなりハイスピー ドで飛ばし読みしたが、ハプスブルク家は巨大だったということと、なんだか 賑やかで華やかな時代だったということと、いろんな有名人がいたということ (その有名人が私のなかで「ハプスブルク」というキーワードで繋がった)は よくわかった。つまりちょっと物知りになった。たまにはこういう本もいいも んだ。 『ベルサイユのばら』全5巻(集英社文庫)池田理代子/著 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01853832 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ 最近読んだ本、買った本、気になる本に解説をつけました。(01/09/19) トップページのカレンダー更新しました。10月のカレンダーは横浜のみなとみ らい21地区で撮影してきました。ちょっとセピアにしてみた。 (2001/10/01) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 横浜の壁紙7点追加しました。 (2001/10/01) ★いるかプロジェクト http://akane.pos.to/iruka/ 【いるマガ】バックナンバー随時追加してます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2001 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛