□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0030 □□□□□□□□□□ 2001/07/05 Thu.---Since2000/01/26  発行部数104  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。  まだ梅雨が明けてないんですよね〜。毎日とっても暑い日が続いてい  ます。こうなると雨が恋しい。さて、本屋さんではすでに夏休みの絵  本、自由研究の本、読書感想文の課題図書、推薦図書が勢ぞろい。子  供達にいっぱい本を読んでもらいたいので、課題図書以外の本もたく  さん置きたいのですが、スペースは限られていて、泣く泣く返品して  います。夏休みってどの本屋さんにも同じような本が並んでてつまら  ないですね。本屋さんとしては、棚の中から掘り出し物を見つけてく  れると嬉しいなぁ。 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●『バターはどこへ溶けた?』〜打倒チーズだ! [2001年05月26日(土)] ●『天使のツラノカワ』〜オトナな一条ゆかり [2001年05月28日(月)] ●『生んだら無敵』〜松本明子の私生活 [2001年05月30日(水)] ●小泉内閣の人気のひみつ? [2001年05月31日(木)] ●チケット争奪戦に敗れて落ち込む。ず〜ん。 [2001年06月05日(火)] ●『ベルばら』〜美しすぎる世界〜それは愛? [2001年06月06日(水)] ●「タカラヅカ」に夢中になる人。 [2001年06月12日(火)] ●車と正面衝突・・・鳥の話。 [2001年06月13日(水)] ●「つくる会」の教科書を見てみた。 [2001年06月15日(金)] ●隠れミュージカルファン発掘 [2001年06月20日(水)] ●手作りのテディベア [2001年06月21日(木)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★nuinui ★いるかプロジェクト =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp ) の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報の ほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●『バターはどこへ溶けた?』〜打倒チーズだ! [2001年05月26日(土)] 『バターはどこへ溶けた?』ディーン・リップルウッド/著(道出版) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02020592 『チーズはどこへ消えた?』スペンサー・ジョンソン/著、門田美鈴/訳(扶 桑社)が350万部のベストセラーだそうだが、この『バターはどこへ溶けた?』 は『チーズ〜』を踏まえて読むとより一層面白い。 『チーズ〜』は本編のねずみと小人の話もつまらないし(ひねりがないという か、芸術的でないというか、心に訴えるものがないというか・・・)、妙に説 教臭くて、上から物を言っているようだし、最初と最後についてるディスカッ ションも鼻につく感じで、「なぜこれがベストセラー?」と問いたくなるよう な本だったが、『バター〜』は『チーズ〜』よりも数倍面白い。 『バター〜』をそれだけで読めばなんてことないのだけど、『チーズ〜』をパ ロってるところが随所にあって(本自体が『チーズ〜』のパロディではあるの だけど)、思わず笑ってしまう。しかもそれが私が『チーズ〜』を読んでいて 鼻についた箇所を的確に捕らえていて、「そうそう、もっとやれ〜」を言いた くなるのだ。 例え話は、『チーズ〜』で言うところのねずみをきつねに、小人をネコに置き 換えているのだけど、これもウィットに富んでいて(少なくともチーズよりは) 面白い(世紀の大傑作とは言わない)。 なによりも好感が持てるのは、、『チーズ〜』の作者が、ねずみと小人の話を 人生の糧になる、非常に有益な例え話だと堅く信じて、この本を執筆している のに比べ、『バター〜』の作者はきつねとネコの話は取るに足りない話で、本 にするほどの話じゃないし、この本も一度読んだらどこかへうっちゃって(捨 てちゃって)く れればいい、なんてことを書いているところ。 とにかく、『チーズ〜』の嫌なところは、本当に当たり前のなんでもない話を 大仰に、すごく役に立つかのように書いて、それを宣伝文句にして売っている ところ(しかもその話がつまらない)。それを買っている日本人というものに も呆れた。いや、話題になってるし、個人で買って読むのはいいかもしれない けど、それを企業(それも一社でなない)で社員の人数分購入して、セミナー かなんかのテキストにしているという話を聞いて、「そんな会社にゃぁ〜、入 りたくないよ」と思った。 だから、『チーズ〜』を馬鹿にするかのように『バター〜』が出版され、それ が売れている(15万部だそうだ)と聞いて、私は正直に、「それみたことか、 ざまぁみろ」と思った(きっと『バター〜』を出版した道出版の人たちも「し てやったり」と思ったことだろう)。 『チーズ〜』を読んだ日本人は『バター〜』も読んだほうがいい。『チーズ〜』 に感動してしまった人は『バター〜』にも感動する可能性が大きいからだ。つ まり何にでも影響されやすい人。『チーズ〜』に違和感を持った人は『バター 〜』には少し共感するかもしれない。どちらも何も感じないかもしれない。そ れはそれでいい。『チーズ〜』を読んでない人は『バター〜』も読まないでい いと思う。自分の道を歩んで下さい。 『チーズ〜』と『バター〜』を両方読んだ上で、『チーズ〜』はやっぱりすば らしい、と思う人もいるだろう。それは人それぞれだからいいのだけど、みん なが読んでるから、みんなが影響を受けたって言ってるから、といって『チー ズ〜』に感動した「フリ」をしてる人がいっぱいいるような気がする。 世の中には『チーズ〜』なんかよりも有益で為になり、人生感を変えてしまう ような名著が山程あるのだから、ベストセラーに惑わされるのではなくて、自 分だけの一冊をみつけたほうがいい。『バター〜』の作者もきっとそういう気 持ちで『バター〜』を書いたんだろう。『バター〜』は読んだらうっちゃって、 自分の道をみつけませう。 そうそう、この本、扶桑社に訴えられたみたいですね。装丁などが似ているか ら消費者が間違えるとかなんとか。まちがえるか!消費者をなめんな!それも ちょっと『バター〜』が売れてきてから訴えるところが嫌。まぁ、とりあえず 訴えとかなきゃいかんな、という企業の都合っちゅうもんもあるのかもしれな いけどさ。 『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01956710 ___________________________________ ●『天使のツラノカワ』〜オトナな一条ゆかり [2001年05月28日(月)] 『天使のツラノカワ』1〜3巻 一条ゆかり/作(集英社) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01978683 昼休みに読みはじめてはまってしまった。面白い。さすが一条ゆかり。過去の 人気少女漫画家がつぎつぎとアダルトコミック、アダルト小説に落ちている (あさぎり夕とかいがらしゆみことかね)というのに、第一線でまだまだイケ てる。一条ゆかりって幾つなんだろう・・・。タカラジェンヌと少女マンガ家 はみんな年令不詳だわ。(劇団四季もなぜか生年は伏せてるなぁ。誕生日だけ 公表してるってのは、プレゼントが欲しいからなのか?) ___________________________________ ●『生んだら無敵』〜松本明子の私生活 [2001年05月30日(水)] 『生んだら無敵』松本明子/著(小学館) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02017650 松本明子は、もともとそんなに嫌いではなかったのだけど、子供を生んでから ちょっとやわらかい雰囲気がでてきて、最近は結構好きだ。この本では、妊娠、 出産、育児の様子、気持ちが赤裸々(?)に綴られている。 しかしはっきり言って、そ〜んなに大したことは書いてない。いや、妊娠中毒 症になって緊急入院したりとか、大変な目にもあっているのだけど、全体的に はごくごく一般的(だと思う)に妊婦さんが体験することと同じだろう。文章 もそれほど弾けてなくて、大人しい感じだ。けど、松本明子らしく、「そこま で書くか!」っていうような笑えるネタが随所にあって松本明子ファンには面 白いだろう。便秘に悩まされて、排便がどんなに辛いかとか・・・。私もかな り笑った。 他の人に熱烈に薦めたいというような本ではないのだけど、個人的には松本明 子という人と、ダンナさん、お姑さん、お子さんなどの彼女を取り巻く家族た ちがとても好きになってしまった一冊だった。 本当に本に書いてある通りなら、旦那さんはとってもやさしい。家事も手伝う、 育児も手伝う、お嫁さんの体調も気づかう・・・。満点パパだ。私もこんな旦 那さんが欲しいものだ。お姑さんもとても頼りになる。本当にあったか家族な のだ。 だから、他の芸能人が出している(一般人とは懸け離れた生き方を赤裸々に描 いている)自伝とか、離婚の真相の暴露本とかと全く違う。読んでいてほんわ かできるエッセイだ。(ちなみに私は芸能人の過激な自伝、暴露本のたぐいは 読んだことがない。読む気にもならないが。) 松本明子のまわりにはあったか家族がいる。たぶん、彼女の人柄の所為だろう。 彼女自身が努力家で、人との関係にとても気を使う人なのだと思う。だから、 まわりの人も彼女を助けたいし、彼女から得るものがたくさんあるから、まわ りにやさしい人が集まって、あったか家族ができあがるのだ。 この本を読むと、テレビからは伝わりにくい、松本明子という人の素直な気持 ちが伝わってくる。優しい旦那さんにはいつも感謝しているし、きつく当たっ てしまったときには反省して、次からは気をつけようと思う。家族をとても大 切にしていて、家族からも大切にされている。仕事と育児を両立させようとが んばってしまう。がんばりすぎてまた反省する。そんな繰り返し。テレビの中 ではイケイケでつっぱしっているような松本さんも私たちと一緒なのね。悩ん で、反省して、努力しているのね。「私もがんばろう」と思えた。 ___________________________________ ●小泉内閣の人気のひみつ? [2001年05月31日(木)] 小泉内閣メールマガジンが発刊される。準備号を読んでみた。 http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2001/05/jyunbi.html 私は常々、総理大臣は人気がある人がやったほうがいいと思っていた。なぜな ら、私たちの身の回りに置き換えてみても、同じ仕事を頼まれるのでも、嫌い な人から頼まれたらムカつくし、好きな人から頼まれれば二つ返事で引き受け たくなるのと同じで、きっつい政策でも、嫌われ者の総理大臣が言うよりも、 好かれている総理大臣が言う方が印象がいいに決まってるのだ。国民が受け入 れ易くなる。 国民だって馬鹿じゃないんだから、好かれているのにはちゃんと理由があって、 小泉さんは他の政治家とは違ってるとか嘘がないとか、政治なんてわからない けど、そういう人間の本性みたいなところはちゃんと分かるのだ。だから、森 さんが言うと嘘っぽく聞こえるITだって、小泉さんが言うと真実味がある。 小泉さんはIT、ITって馬鹿みたいに連呼してない。けど、メールマガジン を発行することで、ちゃんとITを押し進めていることが分かるのだ。だから 支持率がうなぎ上りなのも分かる気がする。 暗ぁ〜く沈んでいた人たちも、小泉さんが何かやってくれる、と思えば(例え 成果が上がっていなくとも)ちょっと元気になって、元気になる人たちが増え れば自然と結果は良くなるのだ。デフレスパイラルならぬ小泉効果スパイラル。 最近の小泉さんは後光が差して見えるよ。 ___________________________________ ●チケット争奪戦に敗れて落ち込む。ず〜ん。 [2001年06月05日(火)] 『エリザベート』大阪公演の山口祐一郎氏出演のチケットが取れず、友人と二 人でズ〜ンと落ち込んでしまった。「もう仕事も手につかないよ」「やってら ないね」と不良大人と化した私たち。どんなに悪い席でも一枚も取れないなん てことはないと思っていたので、かなりショック。 発売日に一日中電話をかけ続けたのに繋がらず、「電話回線が少ないんだよ」 と文句を言っていたのだが、ネットの掲示板を見てみると、他の人も「ずっと かけていたのに繋がらず、チケットが取れなかった」と言っているので、本当 にたくさんの人がかけていたようだ。日曜日だったしね。仕方ないので発売日 翌日の昼休みにかけてみたが、やっぱり話し中。何度かかけて、やっと繋がっ た!と思ったら、希望の公演は全部売り切れだった(泣)。なんてこったい。 大阪旅行の話も急に萎んでしまった。しゅん。もうユニバーサルスタジオもど うでもいいわ。 オークションではチケット本体じゃなく、予約番号が売りに出されていて、か なりの高値(万単位!)がついていた。あこぎな商売するなぁ。行けないなら 買わなきゃいいのに。 次は神戸公演!がんばろっと。 ___________________________________ ●『ベルばら』〜美しすぎる世界〜それは愛? [2001年06月06日(水)] 宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』平成版4作品を NHK衛星第2で4日連続で 放送している。既に3作品放送されて、明日が最終日。 宝塚の「ベルばら」は現在、公演されていて、第3次ベルばらブームなんだそ うな。第1次は昭和の初演時、第2次は平成元年からの再演時。今テレビで放 送されているのは、平成元年、二年の作品。昭和版の放送予定もあるそうだか ら、楽しみだ。 宝塚を最初から最後まで通してちゃんと見たのは初めて。生で見たことはない。 今まであんまり興味がなかったんだけど、こうして見てみると、面白い。歌舞 伎や狂言(どっちも見たことないんだけど)みたいな型があって、ここはこう 演じるっていうのが決まってるところがあるのだ。全体の構成も、プロローグ で華やかに歌って踊って、本編があって、フィナーレでまた踊って歌って・・ っていう、決まったパターンがあるみたい。テレビで言ったら『水戸黄門』み たいで、どうなるかわかってるんだけど、その決まったパターンを楽しむって いう感じ。 それにしても、オスカルとアンドレがポーズつけながらセリ上がって登場した ときには失礼ながら爆笑してしまった。最初は笑えるのよ。初め見た時は。で も何度も見てるうちにだんだんパターンがわかってきて、なんかそれがないと 逆に寂しくなってくる。吉本新喜劇で言うと、わかってるんだけど笑っちゃう コテコテギャクみたいな。(個人的には吉本のコテコテの笑いはよくわからん けど) いやぁ、タカラヅカにはまっちゃう人の気持ちが分かってきてしまった。いか んなぁ。観に行きたくなってきた。 もともと、「ベルばら」の原作マンガのファンで、何度も読んでいたから、ス トーリーも登場人物も馴染みがあって、テレビ放送用に多少シーンがカットさ れていても話は分かるし、舞台版で端折ってあるシーンがあってもマンガを読 んでいるからその背景が分かってるというのがよかったかも。 それにしても、タカラヅカはマンガの実写版みたいだ。化粧で目はデカく見え るし、金髪だし、キラキラの軍服にフリフリのドレス。マンガでは男装の麗人 オスカルが一番人気だが、舞台ではオスカルはもちろん、男役全員が男装の麗 人。そして甘い台詞を吐きながら歌ったり踊ったり・・・それからラブラブシ ーンもある。これはもうマンガから飛び出した登場人物たちが繰り広げる3D の夢の世界。メロメロだね。お風呂の中で思わず歌ってる自分に気付いた。 ♪あ〜い それはぁ〜 かなしみ〜♪ 恥ずかしいのう。 全くの余談だが、この頃(フランス革命の頃)のドレスって、スカートの中に フラフープみたいな輪がいくつも入っていて、スカートがきれいに丸く広がる ようになっていた。で、スカートの裏の生地は防水加工になっていたそうだ。 何のためかっていうと、おトイレのため。舞踏会のときに、踊りながら、女の 人がちょっと合図すると、男の人がお庭の茂みの方に導いて行って、そこで立 ったまま用を足していたらしい。スカートの中は大変なことになっていただろ う。ってことはもちろんノーパンだったのかなぁ。ちなみに、この話、昔読ん だ子供用のトイレ大百科みたいな本に載っていた。だからもしかしたらウソか も(笑)。タカラヅカの舞台で も貴婦人はみんな広がるドレスを着ていたので、この話を思い出してしまった。 もちろんタカラヅカの人たちはおトイレは着替えの前に済ませているだろうけ どね。 おトイレといえば、この頃は水洗トイレがないから、市民も貴族もオマルを使 っていたらしい。市民は汚物がある程度溜まると二階からだろうと三階からだ ろうと窓から路地へ捨てていたらしい。これはホント。だからパリの道はまん 中が窪んでいて、そこに汚物が溜まっていたらしい。臭そうだ。豪華な宮廷生 活の裏側にはこ んな庶民の暮らしもあるのよね。 ベルばらに話を戻そう。私はベルばらの登場人物は割とみんな好きだ。派手な オスカルに比べてアンドレが地味すぎるのだが、最後は何故かオスカルとアン ドレは結ばれて、二人とも戦死してしまう。オスカルは男ぶってる癖に、男性 にも女性にもモテモテで、自分もフェルゼンに恋してしまって、妙に女っぽい 色気がある。タカラヅカでもオスカルを色気のある人がやるとアンドレとのラ ブシーン(今宵ひと夜のシーンというらしい)ではドキドキしてしまう。普段、 男の振りをしているオスカルが出撃の前夜、急に女らしくなって、アンドレに 「今宵ひと夜、あなたの妻に」と言うのだ(書いていても恥ずかしい)。この ギャップが堪らんのでしょう。 アントワネットとルイ16世の夫婦も好きだ。アントワネットはスウェーデンの 貴族、フェルゼンとプラトニックな不倫関係に陥るのだが、最終的にはルイ16 世と子供達への愛に目覚める。あまりにも退屈な夫(善良な農民のような皇帝 だ)とは対照的なフェルゼンと恋をしたいという気持ちもわかる。どちらかと いうと、恋に恋する子供のようなアントワネットにフェルゼンが振り回されて しまったのではないか。フェルゼンに同情するし、アントワネットを命がけで 助けにくる場面はものすごーく複雑な気分がする。かなわぬ恋に真剣に向かい 合う男らしさ(?)と、ばかばかしさ。男ってばかよね、でもそこがかわいい、 みたいな。こんな風に思ってるの、私だけかな。 結局、フェルゼンの助けを断って、自ら断頭台へ登る決意をするアントワネッ ト。最後までフランスの王妃らしく振る舞いなさい、という母マリア・テレジ アの言葉を思い出して、王妃として断頭台の露と消える。タカラヅカのこのシ ーンはとても好き。アントワネットの「さようならベルサイユ。さようならパ リ。さようならフランス。」という台詞で泣きそうになる。この人がもっと早 く王妃としての役目に気付いていたなら、この人が王妃ではなく、庶民の妻だ ったら、この人がもっと賢かったなら。しかしアントワネットは最後は王妃と して死に、死ぬことで王妃として生きた証を残した。 宝塚でも、原作でも、別のフランス革命の本を見ても、ルイ16世とアントワネ ットは処刑の場で、立派な振るまいをしたと書いてある。死に対して潔い人と いうのは、それだけで尊敬してしまう。ルイ16世とアントワネットに罪がなか ったとはいわないが、彼らがすべての罪を負っているわけではない。たとえ人 として罪がなくとも王として、王妃として、罪なくして死ぬことを潔く受け入 れたのだ。 アントワネットが無知だったのは彼女だけの罪ではなかっただろうし、浪費を とめられなかったのも、まわりに諌める者がいなかったからだろう。可哀想な 人だ。純粋で、無垢で、子供っぽくて、だまされやすい。生まれ持った気品と、 美しさの為に、まわりから持ち上げられて、諌められることもなく(諌める者 を排除してしまったのだろうが)、子供のまま大人になってしまったような人 だ。だからこそ人を引きつける。何故だか、こういう人にすごく魅かれる。自 分が他人の顔色を伺いながら生きているからかもしれない。「生まれ持った」 気品というのに憧れているのかもしれない。そういえば、私はどちらかという と早死にの人に憧れる。太く短い生涯が美しくみえるのかも。 その他の登場人物、ジャンヌ、ポリニャック夫人、ロザリーなど、みんな魅力 的だ。悪役的なところもあるけれど、それぞれの信念に沿って一生懸命生きて いるところがいいんだろう。一生懸命っていうのは大事。私ももうちょっと一 生懸命生きなきゃなぁ。 『ベルサイユのばら』(集英社文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01853832 ___________________________________ ●「タカラヅカ」に夢中になる人。 [2001年06月12日(火)] ここ数日で宝塚歌劇の知識がかなり増えてしまった。人間の脳って不思議なも ので、興味のあることに関しては底なしに吸い込むのね。もういいよってとこ ろでちょうどよく止まるというのも不思議。興味ないけど覚えなきゃいけない ことは全然覚えられないというのに。 タカラヅカに関しては出演者が全員女性で、歌って踊ってきらびやか〜ってく らいの知識しかなかったんだけど、調べてみるとネット上にも雑誌にも情報は いっぱい。特に今は世間で『ベルばら』熱が再燃している(雑誌が焚き付けて る?)ので普通の女性誌にも小特集が組まれていたりする。 意外だったのは、男役トップの人って、思ったよりも年期が入っている。宝塚 音楽学校に入って、二年勉強してから正式に団員になれるらしいのだが、この 学校の受験資格が中学卒業年から高校卒業年まででチャンスは4回しかない。 だから、最高でも18才くらいで宝塚音楽学校に入って、二年勉強、その後正式 団員になってから、10年とか15年以上がんばってやっと男役のトップになれる みたい。音楽学校受験は相当な難関、団員になってからもみんながみんなトッ プになれる訳ではない。男役として修行を積んで、積んで、努力して、努力し てやっとトップになれるのだ。すごいぞ。 一方、娘役のトップは男役のトップよりも若いようだ。娘役は娘役で苦労があ るようで、男役がより男らしくみえるように、娘役はより女らしい演技が求め られるそうだ。男役と娘役、両方が協力してこそタカラヅカらしい舞台ができ あがる。 歌、踊り、演技、三拍子完璧にそろった人というのはなかなかいないようだが、 得意分野でなくとも、みんな標準以上に歌えたり、踊れたり、演技できたりす るのだから偉い。こういう基礎的な訓練をきちんとしていて、なおかつ音楽学 校では生活態度など厳しく躾けられているのだから、タカラジェンヌはどこで もやっていけるだろう。お嫁さんにしてもよし、芸能人になってもよし、OL になっても職場の華として立派にやっていけるかもしれない。言葉遣いとか丁 寧そうだしね。 そう思ってみると、自分の子供を宝塚に入れたいというお母さんの気持ちもよ くわかる。舞台に向いていなくとも潰しが利くかも。でも子供はかわいそうか な。 宝塚歌劇、劇団四季。もっと子供の頃に出会っていたら、私もミュージカル女 優をめざしていたかもなぁ。今からじゃ、ぜ〜んぜん無理だけど。歌ヘタだし、 体堅いし、滑舌悪いし・・・。裏方ならできるかなぁ。 ___________________________________ ●車と正面衝突・・・鳥の話。 [2001年06月13日(水)] うちの父親が運転する車に鳥が体当たりしてきたらしい。後ろの車に影響がな い程度に急ブレーキを踏んだらしいのだが、その後、鳥がどうなったのかわか らなかった。 で、家に帰ってから念のため車を調べてみたら、車の前部(バンパーの周辺) の隙間(空気穴?)に頭から突っ込んでお亡くなりになっていた。なんとも痛 ましい事故だ。私はかわいそうでその鳥を見ることはできなかったけれど、父 が言うにはどうやらムクドリらしい。 家に帰ってくる早々、がたがたやっていると思ったら、この鳥を埋めてあげる ための道具を物色していたようだ。父はご丁寧にお線香も持って山(うちから 歩いて二、三分)へ埋葬しに行った。でも山火事になるといけないので帰ると きにはお線香は火を消して土をかぶせて来たらしい。埋葬した後にお線香がた ってたら人間の 死体が埋まってるみたいで気持ち悪いだろうなぁ。 折しも、ツバメが巣を作る時期。学校(父は小学校教師)で子供達に「鳥を大 切に」と教えている時なのに・・・とちょっと落ち込んでいた。しょうがない ね、お父さん。 ムクドリと言えば、うちは過去に何度か雨戸の戸袋に巣を作られたことがある。 ちょっと油断して開け閉めをさぼっていると知らない間にヒナが孵っていたり するのだ。そうなると巣立ちまで雨戸は閉めっぱなし(戸袋が使えないから)。 なんとも人間を恐れない大胆不敵な鳥だ。そして自ら車に突進する間の抜けた 鳥。他人とは思えん。私も交通事故には気をつけよう。 ___________________________________ ●「つくる会」の教科書を見てみた。 [2001年06月15日(金)] 「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書(扶桑社)を見た。全部読んだわけ ではないし、他の教科書と比べたわけではないので、断定はできないけれど、 ざっと見でもかなり片寄った内容の教科書だと思った。 公民の教科書の巻頭カラーで「阪神大震災で自衛隊が大活躍」というようなタ イトルで救助活動にあたる自衛隊の写真が載っている。確かに自衛隊は大活躍 しただろうが、この書き方では自衛隊しか活躍しなかったみたいに読める。実 際には阪神大震災のときには自衛隊よりもボランティアの活躍の方が注目され ていたのは記憶に新しい。少なくとも私はこの巻頭カラーのページだけで不快 感を感じた。 歴史の教科書の方は、新聞でも報じられている通り、南京大虐殺について南京 事件として掲載しており、慎重な言い回しになっているものの、虐殺はでっち 上げだといいたげな文章だ。この事件に関してはでっちあげなのかどうなのか 私にもよく分からないのでどうとも言えないのだけど、一般的には虐殺は事実 であると考えられているのだから、やはり片寄った書き方のような気がする。 採択前の教科書の書店での販売については、あまりいいとは思えない。帯には 大きく、「国民の皆様に直接判断していただきたい」と書いてあるのだが、比 べるべき他の出版社の教科書が販売されてないのだから、判断しようがないだ ろう。 ところで、この教科書、相当に売れている。扶桑社はベストセラー『チーズは どこへ消えた?』の出版社。『チーズ〜』といい『新しい歴史教科書』といい、 あこぎな商売をしている。 『新しい歴史教科書』 http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=02033429 扶桑社 http://www.fusosha.co.jp/ 新しい歴史教科書をつくる会 http://www.tsukurukai.com/ ___________________________________ ●隠れミュージカルファン発掘 [2001年06月20日(水)] 暑い。蒸し蒸しする。気持ち悪い。梅雨です。 7月から11月まで、観劇の予定がびっしり入ってしまった。と、言っても月に 一回か二回だけど、多いときは三回ということも・・・。チケット代だけでも 10万くらいは行ってるのかしら。いやはや。 ミュージカルとか演劇とかって一部では高尚な趣味だと思われているようだけ ど、全然そんなことなくて、ほんとにテレビ見たり本読んだり映画見たりする のと同じような感覚で気軽に楽しめるもの。ただし、チケット代(と交通費) はかなりかかるので、高尚ではないけれど、高価な趣味かもしれない。私にと っては。 いろんなところで「最近、ミュージカルが好きなの!」と言っていたら、隠れ ミュージカルファン(別に隠れてた訳じゃないかもしれないけど)が続々と出 現して、面白い。中でも、15年来の劇団四季ファンなんて方もいてびっくり。 ミュージカルファンって結構身近にいるのね。 私はその時夢中になってることを回りの人にガンガン話してしまうのだけど、 ミュージカルが好きな人や宝塚歌劇が好きな人で、そのことを隠してる人も結 構いるらしい。なにか世間の風当たりが強いのかしら。ミュージカルも宝塚も 演劇も楽しいのになぁ。偏見があるの?(←特に宝塚?) 私の場合は「好きなの!」と触れ回って隠れファンを発掘した結果、過去の公 演のCDを貸してもらえたり、「あの公演のあの人は凄かった」とか生の感想 を聞けたり、チケット争奪のコツを教えてもらえたりしてので、すごく得した 気分。ミュージカルファンは語る、語る。仲間を見つけると嬉しいのね。私も 嬉しい。 そんな訳で、ここ数日は友達の友達から貸していただいた『エリザベート』の 宝塚雪組版とウィーン版のCDを聞いていた。やっぱいいなぁ。曲がいいから ある程度歌唱力のある人が歌えば絶対いいものになるのね。ウィーン版はもち ろん言葉は全く分からないのだけど、日本版と流れが一緒なのでだいたいどの 場面かわかる。言葉がわからない分、純粋に曲を聞けるのもいいかも。 雪組版もいい。一路真輝がトップで黄泉の帝王トートを演じている。歌がうま いの。東宝版でエリザベートを演じているから、両方聞いて頭の中でミックス すれば一路真輝をトートとエリザの二役にしてオリジナル『エリザ』のできあ がり。なんて馬鹿なことを考えたり・・・。(これって私だけじゃないと思う) そしてやっぱり夏の大阪公演のチケットが取れなかったことが思い出されて、 くやしい気分になってしまった。でもCDで我慢じゃ。 ___________________________________ ●手作りのテディベア [2001年06月21日(木)] 友達が結婚するので、ペアのテディベアを作った。テディベア本体は最近は1 日半くらいで一体できる。今回はそれにウェディングドレスとタキシードを着 せるので、なかなか時間がかかってしまった。 手作りでテディベアを作ってると言うと時々感動されたりするんだけど、本当 に作るのが楽しくて好きなので、逆に戸惑ってしまう。私としては、作る過程 で相当に楽しんでいるので、あげる段階になると、できあがったモノは私が楽 しんだあとのお古のようで、実際は完成したばかりなのに、使い古しのような 気がしてくる。だからあげるのがちょっと申し訳ない気分になったりする。こ の気持ちは、できあがったものを自分の手許に置いておきたいという気分とは また別モノなのだ。 すごくよくできたモノは手許に置きたい気分にもなるのだけど、家に置いてお いても場所をとるだけなので、最近はできるだけ人にあげるようにしている。 なにしろ作る過程が一番楽しい。できあがったモノはそれなりに大事にしてく れる人に引き取ってもらえると嬉しい。元手がかかっているので買い取っても らえれば尚嬉しい。そのお金でまた新たなクマを作るのだ。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ トップページのカレンダー更新しました。7月はきゅうりの葉っぱです。 (2001/06/30) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 野菜の葉っぱの壁紙3点追加しました。(2001/06/30) ★nuinui http://akane.pos.to/nuinui/ ウェデングベア追加しました。(2001/06/23) ★いるかプロジェクト http://akane.pos.to/iruka/ 【いるマガ】バックナンバー随時追加してます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2001 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛