□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0029 □□□□□□□□□□ 2001/06/11 Man.---Since2000/01/26  発行部数105  「茜色通信」をご購読いただきありがとうございます。  私のサイトの更新情報と日記(日々のほのぼの)のダイジェスト版を  お届けします。  梅雨本番。鬱々としています。暑いのが苦手なので、これからもっと  暑くなると思うと、ますます憂鬱になってきます。なるべく気を紛ら  わすようにしているのですが、暑いものは暑い!もうひたすら我慢す  るしかないのですね。海は好きだけど、夏の海は嫌い(暑いから)。  晴れた日は好きだけど、真夏日は嫌い(暑いから)。寝るのは好きだ  けど熱帯夜は嫌い(暑いから)。暑さに苦しむ夏がやってきます。憂  鬱・・・・。 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●地雷ゼロキャンペーン [2001年05月08日(火)] ●『妖怪馬鹿』〜バカは死ぬまで治らない [2001年05月09日(水)] ●母の日/本の整理 [2001年05月13日(日)] ●日記をサボっていたここ数日・・・。 [2001年05月16日(水)] ●『オペラ座の怪人』〜なんだかパッとしない小説 [2001年05月17日(木)] ●『壁抜け男』〜平凡な毎日が一番 [2001年05月18日(金)] ●『皇妃エリザベート』〜ヒロスエ若い! [2001年05月19日(土)] ●『ハプスブルクの涙』〜お姫様になりたい。 [2001年05月20日(日)] ●めんどくさがりや [2001年05月22日(火)] ●バック・グランド・ミュージック略してBGM [2001年05月23日(水)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 ★いるかプロジェクト =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm ※記事中の書名の下にあるURLはオンライン書店bk1( http://www.bk1.co.jp ) の書籍詳細ページのURLです。 その本の内容、値段、大きさなどの詳細情報の ほか、bk1に投稿された書評なども読めます。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●地雷ゼロキャンペーン [2001年05月08日(火)] 雨なので鬱々としている。 4月30日に放送された、地雷除去キャンペーンの生放送番組を今日になって 見た。例によって録画してたやつ。坂本龍一の音楽は万人受けする。このCD (「ZERO LANDMINE」)は、うちの店でも予約がたくさん入っているが、 今は 品切れ状態のようだ。1500円くらいだし、収益が全部地雷撤去にあてられるそ うなので、私も一枚購入するか。百万枚売れれば、5億の収益だそうで、それ だけあれば地雷撤去作業もかなりの成果が上げられるだろう。 こういうドキュメンタリーものに弱くて、菅野美穂の現地レポートでボロボロ 泣いてしまった。映画やドラマじゃめったに泣かないのだけど。 私が日本の、今の両親の元に生まれたのは偶然だし、地雷の被害にあっている 国の子供がその国に生まれたのも偶然だ。人は生まれる環境を選べない。そう 思うと、ひと事ではない。もしかしたら、テレビに映っている少女は私だった かもしれないし、もしかしたら、私は加害者の国に生まれていたかもしれない。 どちらにしてもひと事じゃない。 だからといって、私一人で何ができる訳でもないし、私は私の人生を地雷撤去 に捧げようというような崇高な志しがある訳でもない。ただ、日本の人たちが 地雷の存在を知って、地雷の被害にあっている国や人々がいるということを知 ることにはとても大きな意義があると思うし、もっともっとこういう番組をや ってくれたら、と思う。問題は地雷だけじゃないんだけど、せめて地雷だけで も・・・。 最近は夏になっても戦争ものの児童書が売れない。このことは、私にとって少 なからずショックだった。戦争というものがどんどん身近ではなくなっている のだ。私が子供の頃は、夏といえば戦争を思い出す時期で、テレビでも追悼番 組が放送されたり、特集が組まれたりしていた。最近はマスメディアの扱いも 小さくなっている。子供は戦争というものの情報に触れる機会が少なくなって いるし、それを実体験をもって語れる大人も少なくなっている。私自身はこの 状況をかなり危機的だと思っているのだが、世間一般ではどうなのだろう。教 科書問題の本質もよくわからないし、テレビでも雑誌でも、もっともっと過去 を掘り起こす作業をして欲しい。 それと同時に、地雷のように、現代に残る戦争の遺物や、現在も続いている紛 争についてももっとたくさん取り上げて欲しいと思った。 TBS開局50周年記念・地雷ゼロキャンペーン http://zero.tbs.co.jp/ ___________________________________ ●『妖怪馬鹿』〜バカは死ぬまで治らない [2001年05月09日(水)] 『妖怪馬鹿』京極夏彦・多田克己・村上健司/著(新潮社/新潮OH!文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01990696 「○○馬鹿」というときの、「馬鹿」は愛称であり、敬称であり、たまに蔑称 でもあるけれど、自分で言う時には謙遜であったりもする。 「○○博士」とか「○○の天才」とかいうよりも身近な感じがしていい。「野 球馬鹿」と言えば、野球ひとすじで他のことはできない人のように思われるし、 実際そうなのかも知れないけど、少なくとも野球に関しては他人よりも秀でて いることが分かる。秀でてなくても、普通以上に野球を愛しているということ は分かる。「野球馬鹿」という呼称は、プロ野球選手にも使うけど、好きで好 きで仕方がなくて、いくつになっても草野球に熱中しているような人にも使う だろう。それは、その分野では一目置かれているということだ。だから「馬鹿」 は敬称なのだ。 で、この本の著者たちは自分達のことを「妖怪馬鹿」と言っている。妖怪が好 きで好きでたまらない人たちだ。たぶん、その知識は「博士」の域だと思うの だが、自分で妖怪「博士」と言うのも照れるので、ちょっと謙遜して妖怪「馬 鹿」と言っている、そんな感じがした。かわいいじゃないか。 本の内容は、この妖怪大好きおじさん三人プラス担当編集者の青木(仮名)さ んの四人が延々語り合うというただそれだけ。ときどき妖怪の話から脱線した りするのだが、それもまたちょっとカルトな話題だったりして面白い。 これで一冊本ができてしまうというのにもオドロキだ。もしかしたら京極夏彦 あたりがかなり手を加えて構成しているのかもしれない。それもアリだと思う けどね。しかし、京極夏彦にも水木しげるにもましてや妖怪にも何の興味もな い人が読んでも全然つまらないかもしれない。初心者ではなくて、コアなファ ンの為の本のような気もする。反面、対話形式でほんとにおバカな話をしてい るので、なんの前知識がない人が読んでもそれなりに面白いかも、という気も する。注釈もついているし。 私は妖怪についてはほぼ一般的な知識しか持ち合わせていないと思うが、京極 作品はほぼ全部読んでいて、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる主要な妖怪(一反 もめん、砂かけ婆、ねずみ男、子泣き爺、塗壁など)は知っていたから、それ なりに楽しんだ。世の中にはこういうこと(妖怪研究)をやっている人たちが いるんだぁと発見できただけでもめっけもんだ。 特筆しておかなければいけないのは、ところどころに登場する、京極夏彦が描 いた漫画。古今東西の名作漫画の画風をそっくりマネしているのだが、これが めっちゃ上手い。なんだこの人。妖怪が好きで、漫画も描けて、デザイナーで、 小説家。変な人だ。 ___________________________________ ●母の日/本の整理 [2001年05月13日(日)] 明日は母の日。なので、一日早いけれど、ケーキとカーネーションを買って帰 った。母が喜んでいた。しかし、普段おもいっきり親不孝な娘なので、こんな つかの間の喜びではなくて、もっとちゃんとしないといけないかもと、妙に反 省してしまった私だった。 なんだか部屋が雑然としているので、意を決して片づけに取り組んでみる。大 きな本棚が5本もあるというのに、一向に本が片付かない。買ったまま読めず にいる本もさることながら、読み終わった本の処理がまた難しかったりする。 あるとき突然、読み返すこともあるので、捨てるに捨てられず、古本屋にも売 れず、それこそ「本棚の肥し」と化している。 私は本に関して雑食性なので、いろんな本があって、整理に困る。展覧会のカ タログ、映画や演劇のパンフレット、雑誌、文庫、コミック、ハードカバー、 写真集、絵本、自分で撮った写真のアルバム、展覧会などのチラシを集めたフ ァイル、パソコンソフトのマニュアル、旅行ガイド、スケッチブックなどなど。 これが全部綺麗に納まる書斎があればいいのだけど、そんな贅沢なものはない ので、仕方なく隙間にまで本を詰め込んでしまうのだった。その結果、文庫も ハードカバーも読んだ本も読んでない本もあちこちに点在してしまう始末。せ めて文庫だけとか、ハードカバーだけとか、まとめて整理できる棚があればい いのだけど。 それでも文庫は冊数の割りに場所を取らないからいいのだけど、ハードカバー の本はもう大変なことになっている。読むのには、文庫よりも大きくて読みや すいハードカバーの本が好きなので、ついつい買ってしまう。文庫になってい ればそちらを買うのだが、新刊がハードカバーででていると文庫になるまで待 とうなんて気にはならない。そして散財してしまってちょっと後悔したりもする。 今日は結局、パソコン関係の雑誌を捨てて、その空いたところに読み終わった 本を入れたりしてなんとかちょっとは綺麗になった。が、状況はあまり改善さ れてないような気もする。これからも本は増えるだろうし、小説も意を決して 処分しなければならなくなるのかしら。そうなったら悲しいかも。 ___________________________________ ●日記をサボっていたここ数日・・・。 [2001年05月16日(水)] 日記をサボっていたここ数日・・・。 ネタはあるものの(ウソじゃないぞ)、なんとなく考えがまとまらなくて、頭 の中が散漫になっていた。んで、日記サボり。 日曜日に友人の展覧会に行く。大学時代の友人たちが出品するグループ展に行 った後、別の友人の旦那さんの個展に。旦那さんは一学年上の先輩になるから、 知り合いといえば知り合い。 大学の頃の友人達はみんなそれぞれ頑張ってる。でも、割合からいったら、今 でも作品を作って発表し続けているのは少数派。結局、ずっと続けていけるか どうかが問題。なんでもいいからずっと作り続けて、発表し続けていれば、そ こそこ名前は売れるだろう。その間にも脱落者はでるし、だんだん少数になっ ていく。いきなり人気作家になれば別だが、そうでなくて、コツコツと地味に 続けていくのは、金銭的に大変そう。見切りをつけて、別の収入の道を選ぶの もいい。人生長いんだから、老後の楽しみにとっておくのもいいかも。私の銅 版画も老後の楽しみだな。歳とって、お金の使い道もなくなってきたら、プレ ス機を買って、アトリエを借りて銅版画を作りたい。それまでは油絵、水彩で 我慢我慢なのだ。 月曜日。新しい携帯電話を買う。P503i、カラー液晶でiアプリが使える。いま までのは着メロのダウンロードができなかったので、早速いろんなサイトを見 てみることに。でもJ-POPには見向きもせず、ディズニーサイトに直行。 マニア向けの曲もいくつかあるものの、だいたいがメジャーなものばかりでち ょっとガッカリ。でも「美女と野獣」など数曲ダウンロードしてみる。くまプ ーさんは単体でサイトがあって、そこはかなりマニアックだった。にんまりし ながらプーさんの曲もダウンロード。プーさんはずっと前に楽譜をみながら自 分で打ち込んだものを着メロにしていたのだが、誰も知らない上に、あまり着 メロっぽくなかった。今回、同じ曲をダウンロードしたんだけど、16和音の上 にプロが編集してるからサビがばっちり入っていていい感じ。 そしてそして、宝塚のサイトへ。宝塚の曲はほとんど知らないのだけど、「エ リザベート」の曲をもらいに行く。3曲もあって大満足。でも着メロには向か ないのか、宝塚版と東宝版と編曲が違うのか分からないのだけど、なんとなく 変な感じ。ま、いいか。 そのほか、待ち受け画面なんかもいっぱい見て、ダウンロードして遊んでいた ら、パケット料金が跳ね上がった。うんぎゃ〜。でも今月はもう満足したから いいや。また来月遊ぶことにしよう。 火曜日。パソコンの調子があまりよくないので、システムを入れなおすことに。 なんだかんだでいろいろ失敗してしまって、水曜日も一日かかりきりになって しまった。今はなんとか無事に動いている。 この機会に、ネットスケープ4.7を6にしてみた。慣れてないから使い難い。 しかもチケット予約のサイト「e+(イープラス)」ではネスケ6は対応してい ないとかで、チケットの抽選予約が申し込めないときた。なに〜!?これでも う、以前のバージョンに戻したくなった。しっかりしてくれ〜。っていうか、 これは「e+(イープラス)」の問題? ___________________________________ ●『オペラ座の怪人』〜なんだかパッとしない小説 [2001年05月17日(木)] 『オペラ座の怪人』 ガストン・ルルー/著、三輪秀彦/訳(創元推理文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=00462470 劇団四季がミュージカルをやっている、『オペラ座の怪人』。ミュージカルが マイ・ブームなので、是非とも観に行きたいのだが、今は仙台公演中で次の公 演地も広島で、遠くて観に行けない。 なので、せめて原作を読んでみようと思った。実は、このミュージカル、大分 前から気にはなっていて、この本を買ったのも数年前だったりする。ミュージ カルの方は、『ライオンキング』『キャッツ』と観たものの、あまり四季に魅 かれるものがなかったので、『オペラ座の怪人』もそれほどよくないかも、と いう感じで一度も観ないまま、今に至ってしまった。 原作の方は、買ってすぐに読みはじめたのだが、途中までで止めてしまってい た。たしか、この当時にもっと他に読みたい本があったからだと思う。今回は 前よりも気合いを入れて読みはじめたので、一気に最後まで読んだ。それほど 夢中になれるような話ではないけれど、登場人物を自分の空想でキャスティン グしながら読んだので、楽しかった。それがなければ辛かったかも・・・。 怪人、歌姫、貴族、ペルシア人。みんなそれなりで、登場人物にあまり感情移 入できない。怪人の過去もなんだかよくわからないし、貴族と歌姫の恋も若さ でつっぱしってるような感じだし、何が言いたいのかよく分からなかった。 でも、これ、ミュージカルにしたらすごくいいと思う。実際に観てないので自 分の空想でものを言ってるけど、歌が効果的に使われてるし、オペラ座という 劇場が舞台になっているから、実際の劇場で演ったら面白そう。はっきり言っ て、小説として読むとそれほど面白くないのだけど、それをミュージカルでや ったら・・・と想像しながら読むと空想が広がって面白かった。 バイト先でこの本のストーリーを話したら、映画はまた違うストーリーになっ ているらしい。いろんなバージョンがあるのね。ミュージカルはどうなってる のかしら。 オペラ座の地下に大きな湖があって、そのそばに住む怪人はオペラ座を知り尽 くしていて、壁の中や客席のボックス席など神出鬼没。オペラ座の関係者には 幽霊だと思われている。歌手のクリスチーヌを手に入れたい怪人と、クリスチ ーヌを愛する青年貴族ラウル・ド・シャニイ子爵。誘拐されたクリスチーヌを 助けに向かう子爵とペルシア人はピンチに陥る。あらすじを書くと結構面白そ うだ。この話はミステリーなのかもしれないのだが、そのオチは「怪人の正体 は実は・・・・」っていうところにあるはずなんだけど、なんだか良く分から ないまま終わってしまった。映画化するときにストーリーを変えたくなる気持 ちもわかる。 途中、怪人は自分の姿を現さずにクリスチーヌに歌を教える場面がある。クリ スチーヌは怪人の歌声があまりにもすばらしいので、「歌の天使」が現れたの だと思う。つまり怪人はとても人間離れした美しい歌声だという設定なのだ。 しかし、容姿は醜くて仮面をつけている。私はこの歌声に迷わず山口祐一郎さ んを想像してしまった。四季時代には怪人もやっていたそうなので、是非観て みたかった。残念。 ___________________________________ ●『壁抜け男』〜平凡な毎日が一番 [2001年05月18日(金)] 劇団四季の『壁抜け男』をビデオで見た。フレンチミュージカルということで、 ヨーロッパ好きな私にはかなり気になるミュージカルではあったのだけど、劇 場には見に行かず終い。今は名古屋の方で公演しているらしい。 主演は石丸幹二さん。ダバダ〜♪のCMに出ていた、「違いが分かる男」(結構 前だけど)。一度も生の舞台を見たことがないし、石丸さんが出ている舞台も このまえNHKでやってた『ハムレット』が初めて。特にすごく好きという訳 でもないけど、嫌いじゃない。なんでも卒なくこなす感じがする。 『壁抜け男』は、平凡な主人公がある日突然、壁を抜けられるようになるとい うお話。どうしてそんな能力を持つことになったのか、全く説明がなくて唐突 に壁を通り抜けられるようになる。で、その力を利用して宝石を盗み、貧しい 人たちに分け与える義賊になる。隣に住む若い奥さんに恋をしていた主人公は、 彼女に自分の存在を知ってもらいたくて、わざと警察につかまるのだが、壁を 抜けて脱獄。しかし彼女の夫である検事の悪事の証拠を握っていたので、その 夫に虐げられている彼女を救うために、再び刑務所に戻って裁判を受け、そこ で夫の悪事を暴いてみせる。彼女は悪い夫から解放され、主人公と結ばれる。 だけど、恋をした所為で壁を抜ける能力がなくなってしまった主人公は壁の中 から出られなくなってしまい、それを知った彼女も一緒に壁の中に入ってしま う。 喜劇的なんだけど、最後は悲劇で終わるという、なんだかややこしい話だ。し かも恋をする相手は人妻だったりする。大人のお話ね。ストーリーは、壁抜け の力にしても、隣の人妻に恋をして、夫の悪事を暴いたからといっていきなり 結ばれてしまうということも、恋をすると壁から抜けられなくなってしまうと いう設定にしても「なんで?」と突っ込みたくなるような唐突さなんだけど、 そこを気にしていてはいけない。そういうもんだ、と思わないと。また、その 唐突さが軽快な音楽と合っていていいのかもしれない。 音楽のジャンルはよくわからないのだけど、『おおシャンゼリゼ』を思い出す ような軽やかなリズム(シャンソンなのかなぁ)。思わずスキップしたくなる ような、明るい曲調だ。実際、あとで一人でその音楽を思い出してスキップし てしまった。恥ずかしい。この曲がまた、耳に残るのだ。非常に楽しい。 普通のラブストーリーでもなく、悲劇でもなく、「生きることは楽しいんだよ」 「平凡でいいんだよ」と言っているようなミュージカルだった。『ライオンキ ング』や『エリザベート』のような壮大さはないけれど、もっと身近な感じが してとてもよかった。今度東京で公演があったら観に行くことにしよう。生の 石丸さんの歌声はビデオの100倍素晴らしいに違いない。 劇団四季 http://www.shiki.gr.jp/ ___________________________________ {magclick} ___________________________________ ●『皇妃エリザベート』〜ヒロスエ若い! [2001年05月19日(土)] 『皇妃エリザベート』 マリー・ルイーゼ・フォン・インゲンハイム/著、西川賢一/訳(集英社文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid=01322035 数年前の集英文庫の夏のフェア「ナツイチ」(広末涼子がイメージキャラクタ ーとして使われていて、帯にまだあどけないヒロスエの写真が載ってる!思え ば、このとき購入者に配られたヒロスエバッチはすごい人気だった。翌年の後 藤理沙は散々だったけどね)のラインナップに入っていて、私はまだイギリス のエリザベス1世とこのエリザベート(オーストリア皇妃)との違いもよくわ からず、なんとなく買って読んだ。 だいたい、いつの時代の人だとか、どんなことをした人なのかとか全く前知識 がなくて読んだので、まあまあ面白かったなぁ、というくらいの感想しかなか った。読み終わってもエリザベートに特別興味を抱くわけでもなく、相変わら ずいつの時代の人かもよくわからず(年代が本文中にでていてもよく覚えてな い)、エピソードもそれほど「なるほどそうだったのかぁ」とか「すてき!」 とか思えるものでもなくて、お姫様ものの恋愛小説くらいにしか思えなかった (実話だというのは知ってたけど)。 この本を買った次の年かその次の年の「ナツイチ」に続編の『ハプスブルクの 涙』が入っていたのだけど、(すこし気にはなってたものの)特別興味をそそ られなくて、結局買わなかった。 思えば、この頃は宝塚版の『エリザベート』が公演されていた頃で、ヅカファ ン(宝塚ファン)にはエリザベートという名前が知れ渡ってきていた頃だ。私 も遅ればせながら東宝版『エリザベート』を見て、そういえば前に文庫を買っ て読んだなぁと思い出した。しかしどんな内容だったかよく覚えてなかった。 今回、改めて読み返してみると、ミュージカルにでてきたようなエピソードが ちゃんと書いてあった。ミュージカルと比較しながら読むと面白い。しかし最 初に読んだ時も思ったのだが(ストーリーを覚えてない割に微妙な感覚はよく 覚えていたりする)、この訳があまりよくない。確かにとても読みやすいのだ が、なんとなく素直に受け入れられないような感じ。原作の持っている味でも あるのかもしれないけど、会話の細かいニュアンスが不自然な感じがするのだ。 男性が訳しているからなのか、訳者が小説に慣れていないからなのかわからな いのだけど、なんとなく人間味があまり伝わってこない。本当に微妙な感覚な ので、他の人は感じないかもしれないし、私もうまく説明はできないのだけど。 ___________________________________ ●『ハプスブルクの涙』〜お姫様になりたい。 [2001年05月20日(日)] 『ハプスブルクの涙』 マリー・ルイーゼ・フォン・インゲンハイム/著、西川賢一/訳(集英社文庫) http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-akane01465&bibid= 01343940 『皇妃エリザベート』の続編の『ハプスブルクの涙』も今回買って読んだ。こ のシリーズの原作は12册もあるそうなのだが、訳者がエリザベートの後半生の 主要なエピソードを拾って一冊にまとめたらしい。『皇妃エリザベート』には 30才くらいまで、『ハプスブルクの涙』には30才から60才で暗殺されるまでが まとめられている。 どちらかというと『ハプスブルクの涙』の方が文章が活き活きといしていて読 みやすい。内容的にはエリザベートの後半生は親戚関係の不幸や息子の心中事 件や自身の放浪の旅や暗殺など、かなり暗い事件が多いのだけど、文章は『皇 妃エリザベート』よりも人間味を感じさせるものになっている。 原作をそのまま訳したのではなく、訳者が主要なエピソードを選び、まとめる という作業をしているし、最後の章では原作にない部分を補うような文章が訳 者によって追加されている。これにより、訳者の思い入れが強くなって、より エリザベートが活き活きと描かれているのではないかと思う。 それにしても、エリザベートという女性は本当に数奇な運命に翻弄された人だ ったようだ。バイエルン王室の親戚という出生で、エリザベートの姉と政略結 婚するはずだったオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフと恋愛結婚。王家の恋 愛結婚というのはめずらしかっただろう。実際はどうだったのかわからないが、 この小説でもミュージカルでも夫のオーストリア皇帝は生涯エリザベートを愛 しつづけた。 エリザベートは皇妃としての生活が窮屈で人前にでることも、豪華なドレスや 高価な装飾品で着飾ることも嫌いで、一人で物思いに耽ることや、乗馬や散歩 が好きだった。身の回りの世話をする人たちも堅苦しく接する人は嫌いで、友 達のように気軽に話せる人たちを集めた。オーストリアにいると公務で人前に 出ることも多く、堅苦しい宮廷生活を強いられることになるので、少しでも自 由の身になれる場所へと旅に出る。旅先では夫が懐かしく、二人は頻繁に手紙 のやりとりをしていたようだ。しかしオーストリアに戻ってくるとまた旅にで たくなるという繰り返しだった。 エリザベートがヨーロッパの方で人気が高いというのは、孤独を愛し、放浪を つづけ、数々の不幸に見舞われつつも、夫を愛し、夫から愛されていたという ところなのではないかと思う。夫のフランツはオーストリア皇帝として非常に まじめに公務をこなし、国民のために尽くしたようだ。暮らしぶりも質素で、 早朝から深夜まで勤勉に皇帝としての仕事をこなしていた。そして妻が皇妃と しての職務をほっぽりだして旅から旅の生活を続けていても、妻のことを思い 遣り、好きなようにさせていたのだ。なんていい夫だろう!この夫婦の不幸は 一国の主人としての義務と責任を負わなければいけない立場だったということ かもしれない。フランツ・ヨーゼフが皇帝でなければ、二人はもっと幸せな結 婚生活を送れたかもしれない。 ミュージカルの批評を見ていると、エリザベートは自分勝手だったという風に 書いてあることがあるのだが、それは違うと思う。彼女の性格が自分勝手でわ がままだったのではなく、結果的にそうなってしまったのだろう。たぶん、彼 女自身は自分の考え方をしっかりもっていたのではないかと思う。しかし、皇 妃という立場で は、それを実現するのが難しかったのだろう。 子供も自分の手で育てたかったし、乗馬も自由にしたかったし、面倒な上辺だ けの人付き合いはしたくなかった。しかしどれも、皇妃の義務と宮廷のしきた りで片付けられてしまって彼女の希望は聞き入れられなかった。その結果、心 の自由を求めて放浪を続けることになってしまったのだろう。そして、親の愛 情を受けられなかった息子は父親と心を通わすことができず、母はそばに居ら ず、結果的には自ら命を絶ってしまう。不幸に不幸が重なるのだ。 エリザベート自身は息子の死によって抜け殻のようになっていた時に旅先でイ タリア人の無政府主義者、ルイジ・ルキーニに暗殺される。暗殺という形では あったけれども、エリザベートは心では自ら死を求めていたようだった。これ は、小説でもそういう風に書いてあるし実際もそうだったのだろう。ミュージ カルでは架空の登場人物である黄泉の帝王トートが死を求めるエリザベートを ルキーニを使って死に至らしめる。 非常にドラマチックな人生だ。他人事だから言えるが、こういう人生にちょっ と憧れもある。マリー・アントワネットは贅沢しすぎて国民の反感を買ったが、 その贅沢には憧れる。エリザベートは自ら贅沢しようとはしなかったものの、 生まれつきの美貌と皇妃でなければ着られないような贅沢な衣装と装飾品で着 飾った姿は憧れる。私はマリー・アントワネットもエリザベートも好きだ。要 するにお姫様が好きなのだろう。「ローマの休日」も好きだし。しかし窮屈な 宮廷生活には到底耐えられそうにない。憧れてるだけで十分だ。 ___________________________________ ●めんどくさがりや [2001年05月22日(火)] 休みの日に一日中、家にいることが多いのだけど、ある程度、出歩かないとな んとなく鬱々としてくる。五日間仕事して、二日休んで、また仕事して。そん な繰り返しだとだんだん自分が嫌になってくる。 でも元来めんどくさがりやなので、出かけようと思っても、今日はいいや、と 止めてしまったり・・・。誰かとの約束なら絶対に行くのだけど、ひとりで出 かけようとすると、よっぽど必要性がなければ家にいる方がいいと思ってしま う。めんどくさがりやだ。家にいてもそれほどたいしたことはしないし。 最近は演劇のチケット取りで鬱々としている。観たい、けどチケット取るのは めんどくさい。でもチケット取らないと観れない。それで鬱々・・・。 地元のチケットぴあが移転してしまったので、最近は発売日に並んで取るとい うことができない。発売日に電話して取るのよりも、窓口に並ぶ方が気が楽だ。 電話嫌いだから。電話は相手がどこでどんな風にしゃべってるのか分からない から気持ち悪い。 インターネットの抽選予約も利用するが、はずれることが多くて、これも結構 ストレス。当たってもどこの席だかわからなかったりする。発売日に電話する 前に取りあえずエントリーしてみる価値は十分あるけど。 まあ、チケットはその気になれば取れるのだ。けど、観に行く日をいつにする か考えたり、何日に発売だからぁ・・とか気にしているのが疲れちゃって、行 く気が失せそうになることもある。 どれを観たい、というのも前評判とか、広告チラシとかで決めるので、一生懸 命チケット取ってもつまらないかもしれない、という不安がある。もっと、劇 場中継をテレビでたくさんやってくれればいいのに。劇場中継を観ても、それ で満足ということはなくて、面白そうだったら本当の舞台を観に行く。やっぱ 生がイチバン。 ああ、この鬱々感を吹っ切る為に何か観に行きたいなぁ。(行けないけど) ___________________________________ ●バック・グランド・ミュージック略してBGM [2001年05月23日(水)] 最近、パソコンを開きながらCDを聞いている。文章を書く時には音楽は邪魔 になって、思うように書けなくなってしまうのだが、メールチェックやサイト 閲覧にはあまり影響はない。とは言っても、私の場合は音楽がない方がリラッ クスできるというときも多い。聞いてると疲れちゃうのだ。なんでだろ? CDは長くても一時間ちょっと。パソコンに向かう時間も、メールチェックと 日記を書くくらいなら、30分か長くても一時間で済ませてしまおう、と思うの だが、なかなかそうはいかない。いざパソコンを開くとなんやかやで1時間は あっと言う間に過ぎてしまうのだ。そしてまた寝る時間が遅くなる。基本的に 朝方人間なので、夜は早く寝たい。起きる時間は一緒なんだけどね。 できればCDを一枚聞き終わる前にメールチェックを終わらせて、ふとんに入 りたいのだけど、今日もまた、CDが終わったあとの静寂の中でこの文章を書 いている。あ〜あ。 (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/akane/f/honobono.htm ___________________________________ {magclick} --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ トップページのカレンダー更新しました。6月は青い空と樹です。 画像だけでも爽やかに。 (2001/05/31) ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 「樹」の壁紙3点追加しました。 ★いるかプロジェクト http://akane.pos.to/iruka/ 【いるマガ】バックナンバー随時追加してます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2001 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ {magclick}