□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0026 □□□□□□□□□□ 2001/05/09 Wed.---Since2000/01/26  発行部数111 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●新学期で、桜が満開。 [2001年04月02日(月)] ●『エリザベート』〜歌と装飾美の共演 [2001年04月03日(火)] ●『陰陽師』〜面白い吾郎ちゃんが見たい [2001年04月04日(水)] ●『私がアナウンサー』〜菊間さんはすごく偉い。 [2001年04月08日(日)] ●「エリザベート」何回も見に行ってる場合じゃないのだ。 ●『エリザベート』〜私を黄泉へ連れってって。 [2001年04月11日(水)] ●にんまり/万引き対策? [2001年04月12日(木)] ●『陰陽師』〜ドラマ・コミック・小説 [2001年04月13日(金)] =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm まさに演劇三昧の4月でした。帝劇の『エリザベート』に毎週のように通い、 その合間に蜷川幸雄さんの『マクベス』、キャラメルボックスの『風を継ぐ者』 を観に行きました。劇場という閉ざされた空間で等身大の役者さんが演じる、 演劇、ミュージカル。数百人のお客さんを前に発せられる舞台のエネルギーっ てすごいものがあります。映画やテレビでは味わえないもの。そしてその舞台 そのものをビデオに収めても、生の舞台の方が数倍、数百倍くらい良いのです。 しかも、その日のその回その回ごとに微妙に違って、全く同じモノは二度と見 ません。再演されても同じキャストになるとは限りません。刹那的ですねー。 そこがよいのでしょう。そして自分でもおかしいと思えるくらい『エリザベー ト』にどっぷり漬かった一ヶ月。日記読んでてもかなり壊れてます。笑えます。 なんとも幸せな一ヶ月でした。 4月はなぜか毎日のように長文を書いていて、一号分に載せ切れませんでした ので、二号同時に発行します。新着情報はVol.27に掲載しました。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●新学期で、桜が満開。 [2001年04月02日(月)] 世間は新学期である。私自身が新学期とか新年度とかいうものと関係がなくな ってからもう3年くらい経つ。こんなに長くフリーターをやってるとは思わな かった。就職するか結婚するか、それとも多少なりともクリエイティブな世界 で稼いでいるか・・・そう予想していたのに。 まぁともかく、新学期である。うちは両親が学校に勤めているので、新学期と か夏休みとか、私自身には関係がなくても、その時期がくると自然と意識する。 だって、夏休みなんて、普段平日は家にいないはずの両親がそろって家にいた りして、私の平日休みののんびりムードが強制的に壊されてしまうのだ。今は 春休み。二人 とも毎日仕事には行くのだけど、出勤時間が自由なので、普段ならとっくに出 掛けている時間に家にいたりしてびっくりする。 自分は関係ないのだけど、そういう風に学校の行事を意識すると、多少季節感 がでていいかもしれない。何もないとほんと、一年がぼーーっと過ぎてしまう から。 ところで、毎年、春になるとバイト先の本屋にお客さんが増える。新学期の準 備で辞書や参考書を買う親子とか、進学祝いなどでもらった図書券を握りしめ てやってくる子供達とか、そういうお客さんが増えるのかと思っていた。もち ろん、それもあるのだろうけど、実はもう一つ理由があった。そのことに気付 いたのは最近なんだけど、お店のそばに、桜並木があるのだ。で、桜祭りなん かをやっている。そのお花見客がやってきているのです。いやぁ、桜の威力っ てすごい。日本人はホントに桜が好きなのね。 うちのそばにも枝垂れ桜が咲いている家があって、いま、満開。これがまた綺 麗なんだ。毎日そこを通るんだけど、芽が膨らんで、蕾みになって、花がポツ ポツと咲いてきて、だんだんピンクのベールみたいになっていく。毎日ベール が濃くなっていくのをみるのが楽しみに、そこを通っていた。でも、たぶんこ れからは少しづつ散っていくのだろうな。 梅が咲いたときには庭に梅の木が欲しくなったけど、桜も欲しくなった。将来、 私が自分の家を持つことができたなら、梅と桜を植えよう。それから、昔から 好きな薔薇とチューリップも。うーん、なんだか夢見る少女な私。 ___________________________________ ●『エリザベート』〜歌と装飾美の共演 [2001年04月03日(火)] 前回の公演は母が取ったチケットで観に行ったのだけど、どうしてももう一度 観たくて、アンコール公演をやると知って今回は自分でチケットを取った。二 度目でもすごく楽しめた。もう一回見に行きたいなぁ。次にまた再演すること があれば、また観に行くと思う。 オーストリア皇帝と結婚したエリザベートだが、窮屈な宮廷暮らしに耐えられ ない。常に自由を求めていた彼女の生きざまを描いたミュージカル。創作キャ ラの死の帝王トート。彼はエリザベートを愛し、彼女に愛されることを望み、 常に彼女に付きまとう。最後は暗殺者ルキーニがエリザベートを殺し、エリザ ベートはトートと共に死の旅路へ。 100年前に処刑されたルキーニが狂言廻し となって物語が進んでゆく。 主演の一路真輝(エリザベート)はもちろん、山口祐一郎(死の帝王トート/ 内野聖陽とWキャスト)、高嶋政宏(ルイジ・ルキーニ)、鈴木綜馬(オース トリア皇帝フランツ・ヨーゼフ)、井上芳雄(皇太子ルドルフ)らのメインキ ャストが全員、文句無しに歌が上手い。 最初に観たとき、テレビでお馴染みの高嶋政宏の、歌も、その演技も、存在感 の大きさにも驚いた。はっきり言って、そこまでの役者だと思っていなかった から。この舞台での高嶋兄はホントにすごくて、狂言廻しである彼がエリザベ ートとトート、ヨーゼフの物語をとことん盛り上げる。これを他の役者がやっ たら、きっと全然違う舞台になっているだろう。 ほとんどが歌で綴られるのだけど、要所要所にトートダンサーズ(黄泉の帝王 トートのバックで妖艶なダンスを繰り広げる白髪、白塗りの男性ダンサーたち) が登場して、舞台が装飾的な雰囲気に包まれる。彼らはただ踊るだけで、セリ フも歌もないのだけど、出番は多いし、肉体美を存分に披露することができて、 かなり美味しい役だと思う。ただ、全員白塗りなので近くで見ても誰が誰だか わからないのが惜しい。最初、黒いコート姿で登場して、登場する度に微妙に 違う衣装になっている(どれも黒なのでわかりにくいけど)。で、だんだんと 薄着になって、最後には半裸で踊りまくる。このダンサーたちは、ただひたす ら踊っているだけだし、ときどき変な登場の仕方をしたり、おかしな振り付け があったりして、ある意味笑える。一緒に行った友人は隣で声を殺して爆笑し ていた。 舞台美術もすごくよくて、大掛かりな鏡の屏風や、装飾的な柱や、時にはプロ ジェクターでスクリーンに映像を映し出したり、「おお!」と思える仕掛けが いっぱい。衣装も、派手すぎず、地味すぎず、でも高級な感じがするドレスと か、少女時代の清楚な服とか、嫌味がなくていい。全体的にそれぞれの役の雰 囲気を引き立たせる、役にはまった衣装だ。 歌は、歌い手もいいし、楽曲もいい。つい聞き惚れてしまって、一曲終わるご とに拍手しながら「ほぅ」とため息がでた。高嶋兄の歌はノリノリだし、一路 真輝はしんみりとじっくりと感情を込めて歌い上げる。山口祐一郎は素敵な大 人の歌声で盛り上げるだけ盛り上げるし、鈴木綜馬も一路とのデュエットで引 き込まれるような歌声を披露する。いやぁ、ゴージャス。これならA席8000円 の元はとったでしょう。個人的に、新人の井上芳雄がとってもお気に入りなの だけど、彼はジャニーズ系の美少年で、キレのいいダンスととても綺麗な歌声 に、ついつい目がハートになってしまった。 舞台の内容とは関係ないんだけど、私の隣に座っていたおばさんは、途中でも 最後でも全く拍手をしない人だった。ミュージカルだと、大抵、曲が終わるご とに拍手が起る。別に強制があるわけでもそういう暗黙のルールがあるわけで もないのだろうけど、やっぱり役者さんが歌でわぁーーと盛り上げて一区切り つくと、見ている方も拍手したい気分になるのだ。まぁ、そういう途中の拍手 はともかく、そのおばさん、全く拍手する気配がなくて、最後のカーテンコー ルのときくらい拍手すればいいのに、と思った。 映画やテレビと違って、舞台は生身の人間が大汗かきながら大きな舞台で演じ ているのだ。しかもほぼ毎日。これってすごいことでしょう。体調を崩して穴 を開けるわけにいかないから、体調管理も万全にするだろうし、体力もつけな きゃいけないし、とても常人には無理。しかもこんなに感動的な歌を聞かせて くれて、楽しませてもらったんだから、お金払っているとはいえ、人としてや っぱり「ありがとう、お疲れさま、よかったよ」の拍手はするべきだと思う。 一人一人の拍手は小さいけれど、みんなの拍手と一緒になって、それは舞台上 に届いていると思う。体張って頑張ってる人たちが目の前にいるんだから、そ れが礼儀ってもんだ。一生懸命拍手してる私の横で微動だにせずじっとしてる おばさんにちょっと嫌な気分がした。(そのおばさん、別に舞台がつまんなか ったって訳でもなさそうだったし) 『エリザベート』の舞台を観ているときの気分は、ディズニーランドのパレー ドやショーを観ている時の気分に似ている。次々とキャラクターがでてきてダ ンスして、大音響でノリノリの音楽が流れていると、なんだか楽しい気分にな る。音楽とダンスと衣装と舞台美術とストーリーで飽きさせないのだ。 観終わったあとの気分は、すごく歌の上手い友だちとカラオケに行った後みた い。私はカラオケでは歌わないのだけど、人の歌を聞いているのは好き。うま い子の歌だったらなおさら。そういう子とカラオケに行った後は、なんとなく すっきり気分爽快。ストレス解消された感じ。『エリザベート』を観た後は、 心が軽くなった。たまっていたストレスがちょっと解消されたみたい。気分が いい。これは癖になるね。心のマッサージみたいな。 とりあえず、買ってきたCDでも聞いて余韻に浸るとしよう。 『エリザベート』 http://www.toho.co.jp/elisabeth/welcome-j.html ___________________________________ ●『陰陽師』〜面白い吾郎ちゃんが見たい [2001年04月04日(水)] 稲垣吾郎の「陰陽師」(NHK、ドラマDモード)を見た。私の職場(本屋)では ほとんどが漫画の「陰陽師」読者なので、みんな、「あの琵琶のお化けはどう するの?」とか「妖怪はCG?」なんて憶測していたんだけど、CGの妖怪な んて出なかったね〜(笑) 実は私は漫画の方はちゃんと読んでなくて(これから読もうと思ってるけど)、 一冊目が出た頃からの小説版「陰陽師」ファン。だから妖怪はかなり人間臭い イメージがあって、別にCGじゃなくても十分にイケルと思っていた。それに、 小説だと変にイメージが固定されていないから、映像でどんな風に料理されて も、それはそれでアリかも、と思える。だって、私のイメージは私だけのもの だし。 「陰陽師」の原作は平安時代の物語だけど、言葉使いは現代っぽいし、立ち居 振るまいもあまり時代がかっていない。だから入り込みやすいんだけど。 ドラマの方も言葉遣いは現代と一緒。何かのインタビューで、吾郎ちゃんが 「『麿は・・』とか『おじゃる』とか言わないし(笑)」と答えていたのには 爆笑したけど、確かにそういう変な言葉使いはしてない。 職場での期待も大きくて、吾郎ちゃんはいったいどういう演技をするのか噂し てたんだけど、私達の期待としては、まじめにやればやるほど面白い吾郎ちゃ んが「ソムリエ」チックにとことん真面目おかしくやって欲しい、という意見 にまとまった。 そういう意味では一話では吾郎テイストはあまり発揮されてなくて、ただの色 男になってたけどね。だいたい、小説での設定では清明も博雅も40男で、妻子 はなく、清明は外見はとても若く、年齢不詳に見え、そして長髪を垂らしてい る。この設定がドラマではどうなっているのかよくわからないのだけど、髪型 が違うことは一目瞭然。年齢の設定なんかはこのままうやむやにされちゃうの かな。 それにしても、うちのテレビはNHKの映りが悪い。 BSは綺麗なんだけど、地 上波はダメ。さらにビデオに撮るとますます汚い。それを忘れて、「陰陽師」 はビデオ録画してしまったので、かなり悲惨だった。衣装とか化粧とかもっと ちゃんと見たかったのに。BSでも放送があるみたいだから、それでもう一度 見ちゃおうかな。 NHKドラマDモード「陰陽師」 http://www.nhk.or.jp/dmode/ ___________________________________ ●『私がアナウンサー』〜菊間さんはすごく偉い。 [2001年04月08日(日)] 『私がアナウンサー』菊間千乃/著(文芸春秋) フジテレビアナウンサーの菊間千乃(きくま・ゆきの)さんの手記。98年9月 2日、レギュラー出演していた朝の報道番組「めざましテレビ」の生放送中に ビルの五階から転落、心と体に大きな傷を負った。約一年にわたる治療とリハ ビリ。一日も早く仕事に復帰したいという思い。マスコミへの不信感。小さい 頃からアナウンサーになるという夢を持っていた彼女の不安と絶望と希望がひ しひしと伝わってくる。 私がそのニュースを知ったのは、番組の間の短いニュースか、新聞の芸能欄の 小さな記事だったと思う。はじめ、「え?キクマさんが大怪我?」と思って、 でも詳しい状況はよくわからず、その後、ワイドショーなども見なかったため、 菊間さんが復帰してからも「あ、治ったんだぁ」と暢気に一人安心していた。 大体、5階から落ちて命が助かっただけでもめっけもんなのに、それから一年 たたずして復帰してしまうというのはすごいことだ。それなりの葛藤があって あたりまえだろう。 事故の当時、スポーツ新聞やワイドショーではその瞬間のVTRを流したり、 あることないこといろいろと書き立てたり、随分騒いだらしい。たまたま、私 はそのとき、あまりワイドショーを見てなかったので、どうしてビルから落ち ることになったのかすら、よく知らなかった。ただ、日頃からアナウンサーは 喋るだけじゃなくて、なんでも体験してレポートしなければならないから、大 変な仕事だなぁとは思っていたので、なんとなくこういう事故もありうるだろ うなと、かなり冷静に受け止めていた。もちろん、怪我の具合とか、復帰でき るのだろうかとか心配はしたのだけど、マスコミもそれほど騒がなくなったし、 そのままわからずじまいになってしまった。 アナウンサーは喋るのが仕事。ではない。視聴者に伝えることが仕事だ。だか ら伝える為には自分でやってみる。嫌いなものでも食べて味を伝える。苦手な ことでもやってみてどうだったかを伝える。ときどき、レスキュー隊一日体験 などと言って細いロープに滑車をかけて向こう側まで伝ってみたりしているの を見ると、つくづく「アナウンサーも体張ってるなぁ」と思う。報道番組を受 け持てば、犯罪や災害の現場いにも行くし、もしかしたら戦場にだって行くこ とがあるかもしれない。そして、現地の人の話を聞き出す為に、人とコミュニ ケーションする力だって必要だ。バラエティー番組では暴走しがちな個性豊か なタレントさんたちを上手くまとめて番組を進行させなければいけない。こん なにいろいろなことを要求される職業はあまりないのではないか。そう思うと 容易にキー局のアナウンサーになれないというのもわかる。そうそう誰にでも できる仕事じゃないだろう。 菊間さんは小さい頃から「フジテレビの」アナウンサーになりたかったそうだ。 ただのアナウンサーじゃなく、フジテレビの、というのが面白いのだけど、そ れにはお父さんの影響があるらしい。お父さんは高校バレーの強剛チームの監 督。毎年行われる「春の高校バレー」の放送があるのがフジテレビだ。お父さ んを取材しにくる人たちを見て、自分もアナウンサーになれたら、という夢を 抱いたそうだ。 それにしても小さい頃の夢を叶えた人ってあまりいないんじゃないかと思う。 フジテレビのアナウンサーに憧れて、本当にフジテレビに入社できてしまうな んてすごい。そして入社してからも、自分の理想とするアナウンサー像に近付 こうと、すごい努力をしているのだ。そして何よりも、アナウンサーという職 業に自信と誇りををもっていることがよく伝わってくる。 転落事故はおそらく人為的ミス。だけど、この本ではそのことについてはあま り触れられていない。最終的には刑事告訴までするのだけど、その結果やそう するまでの経過はよくわからない。それよりも、怪我をしたことで、わかった マスコミの嫌な面や、必死に看病してくれた両親のこと、自身の心の葛藤など が描かれている。 怪我は、肋骨や胸椎、腰椎、せん骨の骨折。そして、一歩間違えれば下半身不 随になっていた可能性もあった。治療の為の強烈な痛み、長期に渉るギブスの 装着による不便な生活、リハビリの苦痛は他人事ながら涙が出そうになった。 文章のそこここに、とにかく早く復帰したい、という気持ちがとても強かった ことが窺える。自分が受け持っていた番組で、他の人が代わりに出演している のを見て、「自分が戻る場所はもうないんじゃないか」と不安になったりした そうだ。 それでも事故からわずか4ヶ月後の99年1月には仕事を開始し、その 年の4月には本格的に復帰しているからすごい。 私だったら一年は休むでしょ う。なまけものだから。 やっぱりアナウンサーは大変だ、と思った。そして、誇りをもって仕事をして いる菊間さんをとても尊敬する。「私がアナウンサー」というタイトルも頷け る。これからもテレビで菊間さんを見たら影ながら応援しようと思った。がん ばれ。 ___________________________________ ●「エリザベート」何回も見に行ってる場合じゃないのだ。                         [2001年04月09日(月)] ミュージカル「エリザベート」をどうしてももう一度観たくて、またチケット を取ってしまった。今度はS席¥13,000(前回はA席¥8,000)。 なんかめっ ちゃ高いんだけど、それでもいい!ってくらい観たい。 お目当てはトート役の山口祐一郎さんなんだけど、山口トートは人気があるら しく、すべて売り切れ。Wキャストの内野聖陽さんの回はまだ幾つか席が残っ ている公演があった。それでもたぶんチケットは残りわずか。もうなんでもい いや、と思って内野トートで観に行くことにしました。内野さんもちょっと気 になってたし、一路真輝さんや、その他のキャストが観れて歌が聴ければもう それで十分。しかもS席なんてラッキー。・・・でもやっぱり山口トートがよ かったけどね。 前回は友人と二人だったけど、今回は一人。友人も、行く前はバカにしてたく せに、帰ってきたらすっかり山口ファンになっていたのが笑えた。今回も誘っ たんだけど、予定が合わず、見送り。いままで、一人で観に来てる人ってどん な人だろうと思ってたけど、私みたいな人たちなのね・・・・。私も今日から 演劇オタク・・もといミュージカルファンの仲間入りだわ。自分のことながら 笑える。もうこの勢いで劇団四季も宝塚もガンガン観に行っちゃおうかな。で もお金がないから無理なんだけどさ。 来週はキャラメルボックス「風を継ぐもの」。 さ来週は蜷川さんの 「マクベ ス」。今月は演劇月間なのでした。「エリザベート」何回も見に行ってる場合 じゃないのだ。 ___________________________________ ●『エリザベート』〜私を黄泉へ連れってって。 [2001年04月11日(水)] 昨日は「エリザベート」な一日でした。今日はその余韻で、一日ほわぁ〜んと しておりました。幸せ。 電話予約では山口祐一郎さんの出演される回は取れなかったので、昼間の、内 野聖陽さんの回を予約。チケットを受け取るために少し早く劇場につきました。 同じ日の夜の回は山口さんが出演されるので、複雑な気持ちだったけど、窓口 でチケットを受け取り、ふっとみると、なんと夜の回のチケットもまだある! 電話予約では扱っていない、立ち見席( 3,000円)と補助席(10,000円)。お お〜〜。大興奮。どうしよう!昼を観て、夜も観るなんて、私アホだわ〜と思 いつつも心が動いてしまいました。 実は、事前に、「『エリザベート』また見に行くの。でも山口さんじゃないの」 と、友人に報告したときに、その友人から、「夜の山口さんの回もチケットあ ったら観ちゃうんじゃないの〜」なんて言われていて、そのときは「あはは〜。 お金ないから観ないよー」なんて答えていたんだけど、まさかホントに当日券 があるとは!当日券がでても、朝から並んで取る人たちがいると聞いていたの で、まさか昼の時点であるなんて予想してませんでした。 昼の回の開演までまだまだ十分時間があるので、ぶらぶらしながらしばらく悩 んだ末、結局、夜の回のチケットを購入することに。だって今観ないとたぶん あとで絶対後悔するから・・・・(←言い訳)。 立ち見は二階席のB席のさらに後ろ。安いのは魅力だけど、昼も観て夜も観る のに立ち見はつらいかも(←これも言い訳)っちゅうことで、補助席を購入。 補助席なんだけど、S席とA席の間の通路なので、なかなかいい席なのだ。う っほほ〜い(←アホ)。これで一安心。ああ楽しみ。 で、内野さんバージョン。内野さんは俳優座の実力派。とはいえミュージカル はこの『エリザベート』初出演。歌は当然、山口さんには適わない。だからき っと演技的なところでがんばってるんだろうなぁ、と予想してました。まぁ、 そのとおりだったんだけど、いかんせんこの作品はミュージカル。ほとんどが 歌な訳ですよ。だから、歌がイケてないと何やってもダメかも。まぁでも歌も うまいです。ホントに。ただ、やっぱりWキャストの山口さんの方を観ちゃう と、もうほんと、可哀想。内野さんが下手っていうんじゃなくて、山口さんが 上手すぎるのね。この二人、どちらがでてるかで、作品全体の色合いが全然違 うような気がしました。 内野さんバージョンを観て、「ああ、トートってあんまり出番なかったのね」 と気付きまして、山口さんの存在感の大きさってすごいなと改めて思いました。 山口さんが出てる方は、主役はエリザベート(一路真輝さん)とトートだ、と 納得するのですが、内野さんの方は、もう少しトートが脇役っぽくなってしま っていて、逆にエリザベートと夫のフランツ・ヨーゼフ(鈴木綜馬さん)の二 人が引き立っていました。私は一路さんと鈴木さんのデュエットの曲もすごく 好きなので、それもあるかもしれませんけど。二人とも歌上手いです。実は鈴 木さんもすごく気になっていて、歌声が素敵だし、温和そうな素顔も魅力的。 山口さんがいない分、鈴木さんに注目してしまいました。劇団四季出身だけあ って、部分部分で激しく踊ってたりします。四季時代は芥川英司さんという芸 名だったそうです。 内野トートはなんかちょっとエロい。もともと黄泉の帝王トートという役自体 がちょっとエロティックな存在なんだけど、山口さんはそれを歌ですごく表現 していて、観客はそれでメロメロになっている訳です。で、内野トートは演技 で表現しようとしているから、なんかやたらエリザベートに触りまくっててセ クハラ野郎になってました。友だちが、「内野さんは顔が女っぽいから、トー トの化粧して、カツラつけるとオカマっぽいよね」と言ってたんだけど、私も 内野トートが登場したときにSMAPがやってる「竹の塚」(宝塚のパロディ ー)を思い出してしまいました。化粧怖いよ。 内野さんは内野さんでいいんですけど、ミュージカル初挑戦で、ベテランの山 口さんとWキャストというのが、よかったのか悪かったのか・・・。 さて、夜!とうとう山口トートと再会できます。後ろの席には山口ファンの女 の子たちがグループで来ていました。横にいた親子も何度も来ているらしく、 小学生くらいの女の子がお母さんに各場面の細かいところまでいろいろと質問 していました。 トート閣下の登場。はぁ〜。素敵な歌声。うっとり。そしてなんだか今日の閣 下はノリノリ。すごい気合いはいってました。歌の盛り上げ方が違うの。後で ファンのサイトで見たら、昨日は20周年の記念日だったようで、きっといろい ろプレゼントとかもらって嬉しかったのかなぁ。後ろの女の子たちは終わって から、「誰か知り合いが観に来てたんじゃない?」と言ってましたが、そうか もしれません。 私は山口トートと皇太子ルドルフ(井上芳雄くん)の「闇が広がる」が一番好 き。二人の声が綺麗にハモってて、盛り上がる、盛り上がる。内野バージョン だと、この歌、それほどいいと思わなかったんだけど。私の耳は思いっきり素 人の耳なので、細かいテクニックとかそういうのは全くわからないんだけど、 この歌は夜、寝る前に思い出すとずっとグルグル頭の中で回ってしまって眠れ なくなるという魔の歌です。山口さんの歌ってなんか不思議な波長がでてると 思う。宇多田ヒカルの歌声にはα波がでてるそうだから、きっと山口さんや鈴 木さんや、井上くんの声にもナントカ波がでているに違いない。今夜の「闇が 広がる」はまた一層すばらしくて、歌い終わるのを待切れずに盛大な拍手が沸 き起こっていました。 ルドルフの井上くんは、新人ながら人気急上昇中で、最近はCMにもでてるら しい。見てみたい。ルックスもいいし(身長 180cmで甘いマスクなの)、ダン スもできるし、芸大の声楽科に在学中で、歌も声も最高な21才(←たぶん)。 惚れるね。皇太子役としては出番は少ないんだけど、初めて観たときからとて も強烈な印象があって、とても新人とは思えなかった。そう思ったのは私だけ じゃなかったようで、初演のときにはなかったのに、再演では売店で一路さん や二人のトートと一緒にポスターやグッズが売られていました。 ファンのサイトで、井上くんが自分の役以外にもアンサンブルとしていろいろ な場面にいろんな役で何度か出演しているということを読んだので、注意して 観ていたら、ホントに出てました。出演者の顔が分かるくらいの席に座ってれ ば、すぐ見つかります。なんかオーラが出てるんでしょうかねー。 山口トートがノリノリだったからか、リピーターが多かったからか、カーテン コールもすごく盛り上がりました。山口さんはカーテンコールの一回目の登場 からなぜか満面の笑みで、最後の登場の時には一路さんの手にキスしてました。 そこでお客さんからも「きゃぁ」という声が沸き上がりました。ジャニーズじ ゃないんだから。そういう私も心の中でちょっと叫びましたけど(笑)。 そんな訳で、一人で行ったにもかかわらず、とてもとても楽しんで帰って来る ことができました。「レ・ミゼラブル」や「屋根の上のバイオリン弾き」のよ うに、毎年「エリザベート」をやってくれるといいなぁ。でも今回と全く同じ キャストは難しいかな。。。。 『エリザベート』リンク集を作ってみました。 http://akane.pos.to/link-ru/hp/hp-elisabeth.html ___________________________________ ●にんまり/万引き対策? [2001年04月12日(木)] 昨日に引き続き今日もほわわ〜ん。今日はバイトだったので、友人に昨日の舞 台の様子を報告。興奮してしゃべりすぎて疲れた。でも、舞台を思い出すと顔 がにんまりしてきちゃう。いかんいかん。特に一人で道を歩いている時は思い 出してはいけません。にやにやしながら遠くを見つめて歩いてると変な人だと 思われちゃうからね。 学校が始まったので、お店に高校生が増えてきた。万引きが多いので気をつけ ねば。店員同士で万引き対策を話し合うのだけれど、うちの店は根本的な構造 に問題があるので、決定的な対策はナシ。頻繁に見回るしかない。盗むのはイ ケナイことだけど、それを見過ごしては青少年の為にならんし、第一店の為に ならないので、 頑張って防犯に努めよう。でも私は基本的に人がいいらしく、怪しい人を見分 ける能力が全くない。みんな何を基準に怪しい人を見分けてるんだろう・・・。 ___________________________________ ●『陰陽師』〜ドラマ・コミック・小説 [2001年04月13日(金)] 『陰陽師』第二回を見る。 一回目に引き続き、安っぽいメロドラマになってるよ〜。実際お金もかかって 無さそう(うちのテレビの映りが悪い所為だけじゃないと思う)。 夢枕獏の原作小説の清明は下世話な事にも通じているのでは・・・というよう な曖昧な設定で、具体的な色恋沙汰は全くなかった(と思う)。今日、岡野玲 子のコミック版『陰陽師』の一巻を読んだのだけど、こちらではちょっと女っ たらしっぽい清明になっているものの、小説と同じように(式神は別として) 女性を一歩退い て見ているようなところがきちんと残っている。 テレビの方では陰陽師の仕事よりも、色恋に主眼が置かれていて見ていてとて もつらい。しかも、ハーレクイーンやフジテレビの昼メロよりもちゃちい。私 は面白い吾郎ちゃんが見たいというのに。 そういう設定にするのなら、逆に陰陽師の技を見せる時には織田無道ばりのす ごみをみせるとか、バリバリCG使っちゃうとか、なんかもうちょっと陰陽師 としての見せ場を作ったほうがいいんじゃないか?いったいいつ陰陽師の技を 使っているのかよくわからん。 あまりに安っぽすぎて、衣装もセットも大河ドラマの使い回しに見えてくる (実際そうかも)。このストーリーなら別に時代劇にしなくてもいいのに。あ あ、そういえば「サイコメトラー エイジ」っていうドラマもあったねー。あ れは面白かった。 コミック『陰陽師』の一巻の最後に夢枕獏氏のことばが載っていて、そこにコ ミック版の成功の秘密が書いてあった。夢枕氏も小説のコミック化に懐疑的で、 まぁ、私が二、三日前に書いたことと同じようなことを書いているんだけど (私は知らずに書いていたので、この文章を読んで正直びっくりした)、夢枕 氏が自分の作品のコミック化を許可するときには、必ず、この人に書いてもら いたい、という漫画家を指名するそうなのだ。そして、一番いいのは、小説家 が「この人にコミック化してもらいたい」と思っている漫画家が、以前からそ の小説をコミック化したいと思っていてくれること。つまり両思いってことね。 『陰陽師』の場合はまさにその両思いだったそうで、夢枕さんは「コミック化 するのなら岡野さんしかいない」と思っており、岡野さんの方でも『陰陽師』 を漫画化したいと思っていたらしい。そういうことならこの漫画の完成度の高 さも納得できる。夢枕獏の『陰陽師』のテイストを残しながら、岡野玲子の独 自の世界を味合わせてくれる。ひと粒で二度美味しい。 小説もコミックもオススメ。でもテレビドラマはちょっと・・・・。果して映 画はどのようなものになるんでしょうね。友人は「さくや妖怪伝」みたいにな っちゃったらやだなぁ」と言ってた。確かにそれは嫌かも。 「陰陽師」NHKドラマDモード http://www.nhk.or.jp/dmode/ 夢枕獏公式サイト「蓬莱宮」 http://www.digiadv.co.jp/baku/ 岡野玲子オフィシャルサイト「OGDOAD」 http://www.najanaja.co.jp/ 「さくや妖怪伝」 http://www.heldula.com/sakuya/ (茜音「日々のほのぼの」より) http://akane.pos.to/ ___________________________________ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2001 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛