□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0018 □□□□□□□□□□ 2000/09/02 Sat.---Since2000/01/26  発行部数105 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●大学に通う [2000年08月02日(水)] ●ある日のお客さん。 [2000年08月03日(木)] ●早起き。 [2000年08月04日(金)] ●スクーリング [2000年08月06日(日)] ●二連休。 [2000年08月09日(水)] ●新たな楽しみが・・・。 [2000年08月10日(木)] ●北川悦吏子『毎日がテレビの日』角川文庫 [2000年08月15日(火)] ●町田市立図書館 [2000年08月17日(木)] ●たんぼの話 [2000年08月19日(土)] ●遠藤周作『王妃マリー・アントワネット』新潮文庫 [2000年08月23日(水)] ●ミュージカル『エリザベート』 [2000年08月27日(日)] ●ドナ・ウィリアムズ『自閉症だったわたしへ』新潮文庫 河野万里子/訳                          [2000年08月30日(水)] ●『ホワイトアウト』 [2000年08月30日(水)] ●山口祐一郎 [2000年08月30日(水)] ●CGI集め。 [2000年09月02日(土)] --更新情報-- ★りんくる ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm 一ヶ月のごぶさたです。8月は通信大学のスクーリングにはじまり、ミュージ カル『エリザベート』に終わりました。もう山口祐一郎さんにメロメロです。 歌声が耳から離れない。とあるHPでプロフィールを見るとなんと1956年生ま れなんだそうな。40代だなんて信じられない。ちょっと間違ってるんじゃない の?と思ったけど、どうやら合っているらしい。劇団四季時代も入れて、舞台 のキャリアは20年近い。これからは要チェックの俳優さんです。そうそう、要 チェックといえば、エリザベートとはなんの関係もないけど、女優の小西美帆 さんも。かわいいです。ファンの方のHPがとっても充実しています。 http://mihoo.room.ne.jp/~fp/ 今月は通学電車でいっぱい本が読めました。本大好き人間だということを再自 覚した月でもありました。「いやぁ本って本当にいいもんですね」(水野晴郎 風に) ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●大学に通う [2000年08月02日(水)] 今日から玉川大学のスクーリングが始まりました。司書の資格を取るべく、4 月から通信で勉強をはじめたのですが、これがなかなか手強い。一人で勉強す るのって大変です。 スクーリングとは、一定期間大学に通って、先生の授業を直接受けます。時間 がないので、進み方はものすごく速いですが、一人でやっているよりどんどん 進んでゆくので気持ちいいです。がんばって付いていかねば。 通信では年令も職業も様々な人が集まってきます。で、教室のなかも、おじさ ん、おばさん、おねえさん、おにいさんといろんな人がいます。ふと、どこか と似ていると思ったら、それは自動車の教習所でした。教習所にはいろんな人 がいたもんね。 スクーリングは通信学部全体で同じ日程でやっているので、司書課程だけじゃ なくて、普通に卒業したい人とか、教職課程の人たちもいます。結構な人数で す。みんな頑張って勉強してるのね。普段一人でやってると挫けそうになるけ ど、こういう風に同じような人がたくさんいると思うと自分も頑張ろうと思え てよいかも。 一年で取れる予定だった司書資格も二年くらいかかりそうだけど、まあ、のん びりやりましょう。 ___________________________________ ●ある日のお客さん。 [2000年08月03日(木)] 私の働いている本屋さんに来た、へんなお客さんのことをふと思い出したので、 忘れないうちに書いておこうと思います。 変なお客さんと言っても、その人がおかしい人だったという訳ではなく、お客 さんとして変だったのです。いやお客さんとしても変じゃなかったかもしれな いけど、私にはちょっと苦手なタイプでした。 ある日、本屋のPCソフト売り場のそばを通りかかったら、ソフト売り場の方か らお客さん(おじさん)がやってきて、「CD-ROM、ありますか?」と聞かれた。 「CD-R」なく「CD-ROM」。場所はPCソフト売り場。周りにあるのは全部CD-ROM (中にはフロッピーってのもあるかもしれないけど)。 これって、本屋の真ん中で「本、ありますか?」って聞くのと同じ事だ。だか ら、私は一瞬絶句してしまった。まさか、周りの棚を指さして「CD-ROMならこ こにあるのが全部そうですが・・・」と答える訳にもいかないので、気を取り 直して「なんというタイトルですか?」と聞いてみた。本屋としてはここでお 客さんを小馬鹿にしてはいけないのだ、と心の中で唱えながら。 そのお客さんは明らかにソフト売り場の真ん中からでてきて、それまでソフト 売り場を見ていたはず。だからパソコンソフトを探しに来ていることは間違い ない。ってことはCD-ROMとソフトは別物だと思っているのか?(別物といえば 別物なんだけどね) ともかく、「なんというタイトルですか?」という質問におじさんは、「H社 のCD-ROM」と答えた。H社っていうのは出版社だ。PCソフトの会社ではない。 だからまたしても一瞬の間があって、でもまた気を取り直して「何という(タ イトル)・・・・?」と聞いてみると今度は、「H社の辞典のCD-ROM」という 答え。 「それを早く言え!」と心の中で思いつつ、引きつった笑顔で「ああ、わかり ました」と答えて私は辞典、辞書関係のCD-ROM売り場に 行ってH社の辞典の CD-ROM版を探してみました。でも、ない。で、探してる間、おじさんは横にい て、「○○巻あって、買うと○十万くらいするやつのCD-ROM版があるんだよー」 などと自信満々に語っていた。私は心の中で、「そんなに詳しく分かってるん なら最初っから全部教えろ!」と憤ってみた。 なんでこの人は最初から「辞典のCD-ROM版」と言わないのだろう・・・。いや、 本当に詳しくなくて(このおじさんも決して詳しい訳ではないと思うけど)、 「よくわからないんだけど、こういうのあります?」って聞いてくれればこち らも探してあげようという気にもなるけど、よくわからないキーワードからポ ツポツと言われて、最終的に自信たっぷりに語られちゃあ、いやぁ〜な気分に もなるさ。もしかして、私、なめられてたのかなぁ。うわ。ますます嫌な気分。 まあともかく、店頭にはH社の辞典はなかった。だから、そのことをお客さん に伝えて、取り寄せできるかも、と言ったら、「値段はいくらくらいなんだろ うね〜」ときた。ソフトの値段は、ものにもよるけど、レジにあるパソコンで 調べられるはず。だけど私はその検索の方法を知らなかったので、社員さんに 調べてもらおうと思い、お客さんには「少々お待ち下さい(店員の常套句)」 と言ってレジに走った。 レジに行ってみると社員さんがいない。どうも休憩に入ってしまったらしい。 仕方ないので休憩室も兼ねてる事務所に行くことに。と、レジの外を見たらさ っきのお客さんが立っている。パソコン売り場とレジはくっついているので、 私についてきたんだろう、と思ってまた、「少々お待ち下さい」と言って事務 所にダッシュ。 事務所にいた社員さんにソフトの検索をお願いして一緒にレジに向かおうとし た。と、事務所の外にでたら、そばの売り場にまたさっきのお客さんが。事務 所とレジはちょっと離れてるのでここまでついてこなくても・・・と思ってお 客さんと目があったら、お客さんは商品を見てる風で「ここにいるから」って 言う。ああ、見たいものがあったのかなぁなんて思いながら「わかりました (笑顔)」と答えてレジに向かった。 で、パソコンで検索。H社というのは確実だけど、お客さんが言っていた辞典 のタイトルはちょっと曖昧だった。だから私は社員さんに「お客さんは○○○ っていうタイトルだっていってますけど違うかもしれませ〜ん」なんて明るく 言っていたら背後から「○○○っていうタイトルだよ!」という怒ったような 声が。こわごわ振り返るとそこにお客さんが立っていました。「うぉー(心の 叫び)」と驚き、動揺しながらも「あ、は、はいわかりました」とかなんとか 取り繕った。 結局、本のほうのデータは見つかったけれど、CD-ROM版のデータはなくて、そ の説明は社員さんが対応してくれた。(どういうやりとりがあったのかは知ら ない) このお客さん、何が一番問題かというと、「少々お待ち下さい」と言っている にもかかわらず、どこまでも私の行く先々についてくるところ。待ってて、っ て言ってるんだからそこで待っててもらいたいのだ。店員としては。 最初の方の、CD-ROMうんぬんのやりとりは、よくあることだ。辞典売り場を目 の前にして「辞典はどこですか?」って聞く人とか、文庫売り場の方から歩い てきて「文庫はどこにあるの?」と聞く人も多い。今回のお客さんは聞き方に 問題もあったけど。こちらの心象を悪くするような聞き方だった。(他の店員 だったらどうだったか知らない) だけどね、二回も「お待ち下さい」って言ってて、しかも走って移動してる私 の行く先々についてこなくてもいいと思うの。このケースの場合は技術力の足 りない店員が他の店員の手を借りるっていう、ちょっとかっこわるいところを 見せたくないっていうのもあるし。第一、振り返ると同じ人が背後にいるのっ て、気持ち悪い(実はこれが正直な感想)。 この人に限らず、本屋泣かせのお客さんはたくさんいる。態度がでかい人とか、 言い方がきつい人とか、無理難題を押し付けてくる人とか。本屋さんは万能で はありません。何しろ安月給、安時給で働かされているのだから、いい人材が たくさんあつまってきたりしないのです。今いる人たちが悪い訳じゃなく、い い人材でも待遇の悪さに辞めてしまうので、スペシャリストが育たないのです。 お客さんは大事だけど、お客さんと店員に上下関係はない(と思う)。だって、 お客さんがいないと商売できないのは確実だけど、お客さんだって、本屋があ るから欲しい本が店頭で選べて買える訳だから、お互い様ってこと。お店の店 員にはやさしく接してくださいねー。で、いろいろ聞かれれば、こちらも調べ てあげよう、という気にもなります。嫌な客でも顔で笑ってできるだけ丁寧に 接しようと勤めてはいますけど、やっぱり嫌な客よりはいいお客さんの方がこ ちらとしてもやる気がでますからね。 ___________________________________ ●早起き。 [2000年08月04日(金)] スクーリング三日目。早起きがきついです。 いつもより二時間早く起きるから、二時間早く寝ればいいんだけど、寝れない。 今日こそは早寝しよ。 大学は同じ境遇(というのも変だけど)の人がたくさん集まっていて、なんと なくライバル意識がめばえたり、励まされたりして、「がんばってレポートも ださなきゃな」って気になってきます。鉄の意志で勉強しないと、ついつい遊 びに走ってしまうのです。いかん、いかん。 ___________________________________ ●スクーリング [2000年08月06日(日)] 暑い、暑い。 通信大学のスクーリングは明日で一区切り。丸一日授業を5日も連続して受け ていると、慣れないことなので胃が痛くなってきます。うーん、相変わらず弱 い体です(笑)。あと一日。がんばろう。 明日はテストですが、これが通れば単位がもらえます。 ___________________________________ ●二連休。 [2000年08月09日(水)] スクーリングが一段落して、二連休。 キャラメルボックスのビデオみたり、本を読んだり、ぼーっとしてすごしてし まいました。やることいっぱいあったはずなのに。あっという間に休みが終わ ってしまった・・・。明日は久しぶりのバイトだわ。 ___________________________________ ●新たな楽しみが・・・。 [2000年08月10日(木)] 大好きな劇団、演劇集団キャラメルボックスの第二の公式HPができてしまった。 http://www.caramelbox.net/ 以前からあった、劇団員それぞれのHPやら日記やらをまとめたものだけど、ひ とまとめにして表紙(?)ができると見易くなりました。HPの見せ方なんかも勉 強になるキャラメルボックスです。前はそれぞれのページは面倒であまりみな かったんだけど、まとまってみるとお気に入りのコーナーにはよく出入りする ようになりつつあります。まだ8月8日(キャラメル15周年!)にオープンし たばかりなのでよくわかりませんが。 私もこういうHP作ってみたいなぁ。。。。 ___________________________________ ●北川悦吏子『毎日がテレビの日』角川文庫 [2000年08月15日(火)] 装丁とタイトルに惹かれて買ってしまった。 北川悦吏子さんはドラマの脚本家(超有名ですね)。キムタクと常磐貴子ちゃ んの『ビューティフル・ライフ』が一番最近なのかな。もちろん見てました。 この本はエッセイ集。雑誌「CAZ」に連載していたものらしい。しかも95〜97 年くらい。だから丁度『愛していると言ってくれ』と『ロング・バケーション』 の頃で、そのときの苦労話や裏話がいっぱいです。両方とも見てたし、このあ たりの作品で北川悦吏子というシナリオライターの名前がぱぁーーっと世にで てきましたよね。「ロンバケ」は私の中でもかなりのヒット作です。その後の 『ラブ・ジェネレーション』よりもやっぱ「ロンバケ」。北川ドラマ、思わず 見てしまうのだけど、今だ「ロンバケ」以上のヒットはないのが残念。(私の 中でね) エッセイ自体はかなり軽い感じ。内容はともかく、文章が。軽く読めちゃいま す。いいかんじです。でもやっぱりこの文庫の装丁がヒットかな。個人的には。 ___________________________________ ●町田市立図書館 [2000年08月17日(木)] 今日からまた一週間大学に通います。司書の資格の勉強です。 で、先生が勧めていた、町田の市立図書館に行ってみました。幸いにも通学途 中だったので。閉館時間が迫っていて、ゆっくりみていられなかったけれど、 ざっと回ってみたら意外に広い。東京造形大学に通っていた頃、近いので町田 でよく買い物をしていたけれど、図書館がどこにあるかわからなくて行ったこ とがなかったのです。友人たちに噂は聞いていたけれど、こんなに立派だとは 思わなかった。児童書だけでも図書館一つできるんじゃないかなぁ。いいなぁ。 また行きたいけど、小田急町田駅からはちょっと歩くので、暑い夏はちょっと やだ。 ___________________________________ ●たんぼの話 [2000年08月19日(土)] 私の家の近所には水田があります。今日、気がついたのですが、水田によって 稲の穂の出方に差があるみたいです。ある水田では稲穂にごま粒くらいの大き さの実(花?)がついていて、別の水田ではもうお米大の実がついています。 それが、水田によってきれいに成長具合がそろっています。水田の性質なのか、 米の種類が違うのか・・・・。よくわかりませんが、ちょっとした発見でした。 ちなみにお米大の実がついた稲穂の水田ではカカシや鳥避けネットが設置して ありました。カカシは突然出現すると人間のほうがびっくりします。 ___________________________________ ●遠藤周作『王妃マリー・アントワネット』新潮文庫 [2000年08月23日(水)] 遠藤周作はずっと前に『海と毒薬』という作品を読んだことがあって、社会派 な作家なんだ、という認識くらいしかなかったです。『海と毒薬』も面白くて、 一気に読んでしまったけど、この『王妃マリー・アントワネット』も上下二巻 を一気に読んでしまいました。遠藤周作がこういう、外国の歴史上の人物の伝 記を書くというのは意外でしたが、文庫見返しの出版案内を見ると他にもイエ ス・キリスト関連の物などを書いているらしい。 私はかの有名な池田理代子さんの『ベルサイユのばら』の影響か、昔からマリ ー・アントワネットには愛着がありました。なにしろ湯水のようにお金、それ もフランスの国費を使っての贅沢三昧。まあその後ギロチン台に登ることにな るのですが、それにしたって、思い付く限りの贅沢をして、おしゃれをして、 美味しいものを食べて・・・・というのは女性の憧れなのです。 普通の感覚からすれば、王妃でありながら国民の餓えや貧困を知らず、「王妃 には王妃のみだしなみというものがあります」とかいいながら贅沢していたら いずれ報いがくるとわかりそうなものですけどね。 面白いのは、このマリー・アントワネットのお母さんはオーストリアの女帝マ リアテレジアという人で、名君というか、女傑というか、とにかく善く国を治 めた人なんだそうです。学生時代にこれを知った時に、子育てって難しいなぁ、 と感じました。お母さんがいくら優秀でも立派な子供が育つとは限らないんで すね。 遠藤周作の小説では史実を追いながらも登場人物など多少フィクションがまじ っているようです。 それにしてもマリー・アントワネット、読めば読む程魅力的。なんなんでしょ う。すごく私好み。だいたい、私は刹那主義的なところがちょっとあって、 「あとでどうなろうとも今が楽しければいいじゃん」という生き方も有りだな、 と思っています。実際にはできないから、憧れでもあるんです。快楽主義とい うのかなぁ。よくわからないけど。 マリー・アントワネットは王妃としては最悪でしたが、人間的にはとても魅力 があったんだと思います。だからこそ、こうして歴史の上で惨然と輝いていら れるんじゃないでしょうか。私の知る限り、悪女という言われ方はされていな い。どちらかというと子供っぽい、無邪気な印象があります。 美しいものが好きで、おしゃれが好きで、でも派手ではなくて、夫には貞節を 守り、社交的で、ものごしも優雅で気品がある。言うことなしですね。ただち ょっと庶民と懸け離れた金銭感覚しか持ち合わせてなくて、しかもそれを諌め る人もそばにいなかったことが不幸だったのでしょう。夫が頼り無かったとい うのが一番の原因でしょうが。 夫のルイ16世は狩りと錠前作りが趣味で、政治的手腕はなく、ほとんど無能と いわれても仕方のないような人物に描かれています。でも、人柄はよく、家族 を愛する、温和で素直な性格。 まったく、この夫婦は王を王妃でなければ人々に愛され、平和な生涯を送れた のではないかと思えてきます。 私は歴史に詳しくないので、フランス革命が実際には何が原因で起こったのか (もちろん複数の原因があるのでしょうが)よく分かりません。この本の裏表 紙のあらすじ紹介には、マリー・アントワネット「悲劇の王妃」とかかれてい ます。確かにフランス革命の矢面にたたされて、若くして処刑されましたが、 それ以前の贅沢三昧の結果で、自業自得ではないかと思っていました。ですが、 必ずしもそうではなく、ある意味、自由を求めて市街戦で亡くなった庶民と同 じような、革命の犠牲者の一人なのかもしれません。別の時代、別の場所、別 の家族とだったらもっと幸せに、長生きできたかもしれませんから。 ___________________________________ ●国立西洋美術館、国際子ども図書館 [2000年08月27日(日)] 国立西洋美術館の『レンブラント、フェルメールとその時代』を観た。思った より混んでなくて(でも空いてはいなかったけど)よかった。それにしても展 覧会のタイトルに「その時代」とかって入っているのは要注意。この展覧会も フェルメールは一点だけ、レンブラントも油彩は一点しかなかった。フェルメ ールは門外不出で作品数も少ないから一点でも見れたのは幸運だけど、もう少 しレンブラントを観たかった。レンブラントは版画などが数点あったけれど、 作家別ではなくて、主題別に展示してあったので、あまり堪能できなかった。 他の作家もバラバラに展示してあって、よく見ないとわからない。この展示方 法は個人的にはあまり好きじゃない。作家別に観た方が、作風などが記憶に残 るのに。 その後、新しくできた、国際子ども図書館に行ってみた。まだ部分開館で見る ところはほとんどなかった。まぁ図書館だから見るというより調べたり、読ん だりしに行くところなんだけど。子どもの絵本コーナーがあったけど、狭くて 本の数も少なかった。でも本格的に開館したら、かなり大きい図書館になるみ たいなのでまた行ってみようと思う。 国立西洋美術館 http://www.nmwa.go.jp/index-j.html 国際子ども図書館 http://www.kodomo.go.jp/ ___________________________________ ●ミュージカル『エリザベート』 [2000年08月27日(日)] 母がチケットを取ったのでつき合って行ったのだけど、予想以上に面白かった。 エリザベートは元宝塚の一路真輝。もう一人の主役、黄泉の帝王トートは山口 祐一郎と内野聖陽のダブルキャスト。私が見たのは山口祐一郎さんの方。山口 さんは『ローマの休日』でも観たので、今回はテレビでも活躍している内野さ んの方が観たかったけれど、どちらもそれぞれよいに違いない。とあるメルマ ガに内野さんの回を観た人の感想があって、「内野さんがこんなに踊れて歌え るとは思わなかった」というようなことが書いてあった。 あまりにも良かったので、普段は買わないプログラムなんてものも買ってしま った。それによると、山口祐一郎さんは「ミュージカルのキング」と評されて いて、全くその通りだと思った。もと劇団四季。『ローマの休日』『レ・ミゼ ラブル』、今回の『エリザベート』などに出演し、ミュージカルになくてはな らない存在になっているよう。実際、背が高くてとても舞台映えするし、もち ろん歌も踊りもうっとりするくらい上手い。 主演の一路真輝さんにもうっとり。台詞が全編ほとんど歌で、途中途中で聞か せどころがあって、気持ちが舞台に入り込んでしまった。 そして、トートダンサーズと呼ばれるダンサーがかっこいい。黒い衣装、白塗 り、銀髪なので素顔はわからず、みんな同じに見える。台詞はなくて、要所要 所でひたすら踊る。白塗り、銀髪といえば、トート役の山口さんもそう。もう これはマニアが好きそうなコスプレの世界。そうでなくてもこの舞台の衣装は すごい。一路真輝さんのドレスもきれいだった。 そして舞台装置も凝っている。巨大な鏡を使ったり、スクリーンに映像を写し 出したりして、それぞれのシーンを現している。最初、舞台上の物の動きがス ムーズだと思っていたら、普通は舞台の真ん中を中心としてドーナツ型にくり 抜かれていて、中心は回らずにドーナツの部分が回るようになっていて、それ がとてもうまく使われていた。つまり舞台を上から見ると ◎ こういうに回 る部分が作られているよう。それで感心していたら、突然セットの正面と側面 全体が巨大な鏡になって、驚いた。舞台で全面鏡にしたら客席が映ってしまう のではないかとハラハラして観ていたんだけど、そこは上手く設計してあるよ うでちゃんと舞台上の人物が写っていた。どこから観ても客席は映るようにな ってるのかなぁ。 物語りは夢と現実、過去と未来が入り交じったような構成で、歴史的人物を扱 っているのだけどファンタジーな要素もかなり入っている。観ていて、ディズ ニーランドのアトラクションや、ディズニーのアニメ映画を思い出してしまっ た。ディズニーは歌も多いし。ディズニー好きの私にはたまりません。でもそ れも最初だけで、最後はもう『エリザベート』という作品のすごさを噛み締め ました。 そしてなんと2回目か3回目のカーテンコールでスタンディングオベーション! これにはもうびっくりびっくり。舞台は何度も観ているけど、スタンディング オベーションなんて初めて。観客が一体になった感じで気持ちよかったぁ。そ して一路真輝さんもちょっと目頭をおさえていて、なんか役者さんっていいな ぁって思った。役者名利に尽きるよね。 東宝ミュージカル『エリザベート』 http://www.toho.co.jp/stage/eriz/welcome-j.html ___________________________________ ●ドナ・ウィリアムズ『自閉症だったわたしへ』新潮文庫 河野万里子/訳 [2000年08月30日(水)] TBSのドラマ『君が教えてくれたこと』の原作だったか、参考書だったかで、 エンドロールに出ていた本。このドラマでは主演のともさかりえが自閉症とい う設定で、同じ時期にやっていた別のドラマでも藤井フミヤが自閉症の役をや っていた。偶然なのかな。ともかく、それで自閉症にスポットがあたって、こ の本も文庫化されたらしい。 買う前は、面白いかどうかわからなくて少し躊躇ったけど、読んでみたら割と すんなり読めてしまった。ドラマとは全く違う印象が残った。 自閉症という言葉はよく聞くけれど、詳しいことはよく知らなかった。後天的 な精神障害のようなものだと広く思われているようだけど、実は先天的な脳の 異常だそうだ。だから、自閉症児に対して、親の育て方が悪いとか、周囲の環 境が悪いとかそいう批判は間違っている。 ただ、この本はそういう自閉症のメカニズムというか、医学的なことを語って いるのではなく、あくまでも作者の自伝である。そのなかに、自閉症の人特有 の行動があるというだけだ。 著者のドナ・ウィリアムズは大人になるまで自分が自閉症であることを知らな かった。医者にかかっても、精神分裂病と診断されたり、周囲の人からはちょ っとおかしいと思われていたり、その上、実の母親から虐待を受けたり、かな りひどい育ち方をしたようだ。 他人と自分との間に深い溝、高い壁のようなものを感じており、感情を上手く 伝えることができない。自分の世界を『こちらがわ』、外の世界(社会)を 『あちらがわ』と呼ぶ。そして、現実世界で自分のとった行動さえも他人のも ののようで、自分の過去を話すときには自分のことを『あなた』と言う。この 感覚は私にはよく分からない。そして、私たちの感覚も彼女には分からない。 ドナは人に親切にされたり、愛情を示されたりするとそれが耐えらず、逃げ出 してしまう。 これは説明されても実感としては分からないものだ。でも、理解するための手 がかりにはなる。ドナは自分は人とは違うと思いながらも、社会の中に入って 「普通に」暮らしたいと思う。その為に、「キャロル」と「ウィリー」という 仮面の人格を作り上げて、彼女たちに現実の世界を演じさせた。これは多重人 格とかそういうものとは違う。私たちは誰でも、その場その場で、多少演技す ることがある。それと同じようなものだと思う。 そして、さまざまな経験を経て、いままで決して表面にでてこなかった、本当 のドナが現実世界を生きられるようになるのだ。その過程には本当にさまざま な出会いや出来事があって、彼女の心や体の葛藤がよく伝わってくる。ドナは 本当に努力家だし、勉強家だ。最終的に自分が自閉症であるということに気付 くのも、自分で医学書を読みあさった結果だった。 ドラマはドラマでよかったけれど、自閉症の人の心の内側がほんのちょっとだ け垣間見れるのはこの本で、ドラマでは無理だと思う。ちなみに、ドラマのス トーリーとは全く違う。ドラマにするのには大変な苦労があったと思うけれど、 この本を読んで、自閉症を演じるのは相当難しいことなのではないかと思った。 この本を読まずに、ドラマを見ていたたときにも不審な点はいくつもあったけ ど、読んだらますます大変だと思った。でも、ともさかりえ、がんばってたし、 かわいかったからいいか。 訳者あとがきによると、自閉症の人は心が豊ではない、というような論文が発 表されているそうだが、訳者の河野万里子さんは、少なくともドナに関しては 決してそうではないと言っている。私もそのとおりだと思う。これだけの文章 を書く才能、詩的な表現をする才能があって、自分の心の内を表現することが できるのだ。自閉症の人が心が豊ではない、と思われてしまうのは単にそれを 表現する術を知らないからではないかと思う。努力と訓練によって、心の内側 の豊かさを表現することは可能なのだろう。けれど、それを強制することはで きない気がする。彼らには彼らの世界があるのだろうから。 自閉症の人に「こちらがわ」に順応してもらうだけではなく、私達も「あちら がわ」を理解する努力をするべきだと思った。それにしても、自閉症の人の心 の中は、一筋縄ではいかなそうな不思議な世界だと思う。 ___________________________________ ●『ホワイトアウト』 [2000年08月30日(水)] 織田裕二好きの友人に誘われて見に行った。和製ダイ・ハード。確かに。 アメリカ映画のコピーのような感じだった。銃撃戦あり、決死の脱出あり、大 爆発あり、猛吹雪あり、そりゃあ撮影は大変だっただろう。個人的には山を超 えて雪崩が襲うシーンは好きだけど、それ以外は「おお!」というより、「は ぁ、お金かかってるねー、大変だったねー」という感じだった。 なにしろ最初からバタバタと人が死ぬ。ああ、この人も殺されちゃうの?って 感じ。人質もテロリストも。あんまり人がバタバタ死ぬのは好きじゃない。映 像だと本当に簡単に死んでしまう。恐い。 正直、小説の方が面白いだろうな、という感想。 主要な出演者で、女性が松島奈々子一人しかでてこない。これがアメリカ映画 とかだと、警察の上層部とかで女性がでてくるんだろうけど、警察官もテロリ ストも全部男性。ああ、日本ってまだまだ男性社会なのね。 ___________________________________ ●山口祐一郎 [2000年08月30日(水)] キャー。やばいわ。 山口祐一郎さん、大ブレイクの予感。 TBSで三夜連続で放送された『百年の物語』の第一話に出演していて、とぉっ てもかっこよくて、原田龍二を喰ってしまった感があります。『ローマの休日』 も『エリザベート』もよかったぁ。舞台映えするのよね。大きいし。 そんでテレビでもまたいい感じ。ふふふ。 と、思っているのは私だけじゃなかった! ふと、『百年の物語』のBBSを覗いてみたら、「山口さんかっこいい」という 投稿があるわ、あるわ。みんな考えてることは一緒なのね 〜。 舞台もやってもらいたいけど、でもテレビもでてほしいなぁ。でもあんまりメ ジャーになってしまうのもちょっと寂しいし・・・・。うーむ。。。。 ネットで写真探したけど、公式HPはないみたい。ファンの人のHPが少しあるだ け。これからぐぐっと行くのでしょう。応援するぞ。 『エリザベート』 http://www.toho.co.jp/stage/eriz/welcome-j.html 『レ・ミゼラブル』 http://www.toho.co.jp/stage/les_mise/welcome-j.html 『百年の物語』 http://www.tbs.co.jp/100nen/ ___________________________________ ●CGI集め。 [2000年09月02日(土)] HPをいっぱい更新しようと思っていたんだけど、なぜかCGI集めに時間を費や してしまいました。フリーで配付してるCGIスクリプトを見て回ったり、自分 で試しにつけてみたりするのが楽しいんですよねー。 更新の構想はたくさんあるのに、時間がないぞ。 (茜音「日々のほのぼの」より抜粋) http://akane.pos.to/ ___________________________________ --更新情報-- ★りんくる★ http://akane.pos.to/link-ru/ 7月から始まったドラマのHPとか追加しました。(2000/08/09) 今回は、毎週は見てないけど気になるドラマも入っています。 「OLヴィジュアル系」とか、「ナースのお仕事3」とか。 図書館関係、新聞関係のリンクを追加しました。(2000/08/18) ★茜音 http://akane.pos.to/ トップページのカレンダー更新しました。(2000/09/01) 9月は近所の池に咲いていた花。名前を調べたら コナギ という水辺の植物 でした。 ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ コナギの写真など壁紙を5点追加しました。(2000/09/02) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2000 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ {magclick} {magclick} {magclick}