□□□□□□□□□□ 茜色通信 Vol.0017 □□□□□□□□□□ 2000/08/01 Tue.---Since2000/01/26  発行部数105 _/Contents_/ -- 今日のほのぼの -- ●『経済ってそういうことだったのか会議』日本経済新聞社                        [2000年07月25日(火)] ●『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』演劇集団キャラメルボックス                        [2000年07月27日(木)]   ●北村薫『ターン』新潮文庫 [2000年07月29日(土)] --更新情報-- ★茜音 ★ぱんだ雑貨店 =>>登録・解除・変更はこちらから http://akane.pos.to/common/f/akaneiro.htm BIGLOBE コンテンツの占いで遊んでしまった。遊ぶと言っても無料のお試し版 では満足できず、有料のものにまで手をだしてしまい、反省。でも一回 300円 って高すぎる〜。 それにしても占いって恐い。好きだけど、すごく信じてる訳ではなくて、結果 が良かったら嬉しいな、って程度。で、ときどき悪いことが書いてあってあ〜 あ、がんばろ、って思ったり。だけど、ある一点において、占星術でも姓名判 断でも高島暦でも全部大吉だったりしたら、恐〜い。凶よりはよいけど。 ___________________________________ -- 今日のほのぼの -- ●『経済ってそういうことだったのか会議』日本経済新聞社                          [2000年07月25日(火)] およそ経済の本とは思えないような、かわいいささえ漂う緑色の表紙のハード カバーの本。「ポリンキー」のCMや『だんご3兄弟』、「バザールでござーる」 などなど数々のヒット作の生みの親、佐藤雅彦さんと経済学者、竹中平蔵さん との対談集。 経済ってよくわからないけど、「そういうことだったのか」というタイトル通 りの感想を持ってしまう本です。正直言って、この一冊で経済のあらましにつ いてよくわかったか、というと全然わからないのですが、少なくとも経済を身 近なものに感じることはできました。私がお店で日用品を買うのも経済だし、 銀行にお金を預けるのも経済、友だちに100円貸すのも経済です。 「経済」ということばの語源は「共同体のありかた」だそうで、決して株やお 金もうけばかりが経済ではなく、「みんなで住みやすい社会をつくりましょう」 というのが経済なのではないかと思いました。 この本の第一章「お金の正体」というところで、「外国のお金っておもちゃみ たい」という佐藤氏の言葉がありましたが、先日発行された二千円札を見た、 私のまわりの人たちの感想も同じものでした。「おもちゃのお札みたい」と複 数の人が二千円札の第一印象を語っています。どうして外国のお金や二千円札 がおもちゃのお金みたいなのか、その謎はこの本の中で解明されています。 外国のお金がおもちゃのお金みたいだと感じるのは、海外旅行をした人なら経 験があるかと思います。私など、星の王子様の印刷された、フランスのお札を 大事にアルバムに貼って保管してありますが、これは額面通りの紙幣としての 価値ではなく、私にとっては旅の思い出の品としての価値しかありません。ど ちらの価値のほうが大きいか、というのは別の問題ですが。日本でフランが日 常的に使えるのなら、このお札の価値もまた変わってくるでしょう。私にとっ ても額面通りの価値のただのお札になってしまうかもしれません。 昨日、母がどこかで二千円札を手に入れてきて、「お守りに」と私にも一枚く れました。これから大量に出回るだろうからお守りも何もないと思ったのです が、母いわく、「これから大量に出回るかどうかわからない」というので、も らって、切手ファイルの中に一緒にしまっておくことにしました。二千円札は 私にとっては額面通りの「二千円」の価値のあるものです。だから初めて見た 時もおもちゃのお札とは感じませんでした。これで二千円の買い物ができる、 二千円分の価値のあるもの。ですが、母にとっては、二千円以上の価値のある ものだったようです。ま、最初だけでしょうけど。 こんな風にすごく身近なところから経済の謎を解いていくというのが多くの人 の習慣になれば、日本の経済ももっとよくなるのかな。この、『経済ってそう いうことだったのか会議』がとてもよく売れているのは、みんな経済のことを 知りたいのにそれに答えてくれる本があまりなかったから。もっともっとこう いう身近な経済本がたくさんでるといいのに。そして日常生活のなかに「経済」 が入ってくる日が来るとよいですね。今は「経済」って自分とは遠いところで 行われているもののような気がします。 ___________________________________ ●『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』演劇集団キャラメルボックス                          [2000年07月27日(木)] 家族旅行中の事故でたったひとり生き残った「ほしみ」と幽霊となって彼女を 見守る家族たちのお話。 前宣伝では、「ほしみ」はとっても純粋な女の子。この役をできる役者がいな かったから、再演希望が多かったのに再演できなかったとまで言われていたか ら、どんな主人公なんだろうと思っていたら、本当に純粋だった。というより、 純粋すぎて私にはよく理解できませんでした。理解できなかったけど、「ほし み」役の小川江利子ちゃんはとってもはまっていました。やっぱ可愛い。 再演希望が多かったというだけあって、ストーリーは面白かったです。でも家 族全員死んでしまうという設定は悲しいですね。「ほしみ」のその後が見てみ たい気もします。 幽霊役の方々の衣装がすべて(小道具まで!)モノトーンで揃っていて見てい てきれいでした。舞台セットもちょっとホーンテッド・マンションっぽくてよ い感じ。ものすごく激しくもなく、悲劇的でもなく、喜劇でもなく、ほんとう にやさしく通り過ぎる風のようなお芝居でした。 ___________________________________ ●北村薫『ターン』新潮文庫 [2000年07月29日(土)] 毎年、夏に「新潮文庫の100册」というフェアがあります。 二年ほど前から、 このフェア商品の帯についている 「Yonda?くん(パンダのキャラクター)」 のマークを二枚集めて送るとなんと全員にキーホルダーやストラップをくれる、 という太っ腹なことをはじめました。 で、一昨年も昨年もキーホルダーやストラップ欲しさに二冊は買おう、と心に 決め、「夏の100册」の目録を見たのですが、なにしろ名作揃い。 だからもう 何を読もうか迷っちゃって・・・・というのは嘘です。本当は、名作揃いだけ に、自分で読みたいと思うような本は既にみんな買って読んでしまっていたの です。だから残ったもののなかから読みたい本を探すのはちょっと大変でした。 ところが今年は『100册+50』という訳で、50册増えています。だからラインナ ップも豊富!今年は読みたい本がすんなり決まりました。また来年もやってね、 新潮文庫さん。来年は200册だ! で、去年買った『スキップ』に引き続き、今年のラインナップに入っていたの が『ターン』。半信半疑で買った『スキップ』が面白かったので、今年はその 続編ともいえる『ターン』を買ってみました。 『スキップ』は面白かったけれど結末が(個人的に)ちょっと寂しい感じがし たのですが、『ターン』はホッとするような終わり方になっていて、私は『タ ーン』の方が好きです。ただ、どちらも日常の些細なことがやさしく描かれて いて、読んでいて安心するような気がします。物語自体は、いったいこの先ど うなるんだろう、というドキドキしながらついつい読み進めてしまうのですが、 語り口がとても穏やかです。 『ターン』の主人公は版画(それも銅版画)をやっている人で、その他にもイ ラストレーターも登場したりして、個人的に共感とまではいかないけれど、そ うかもしれないなぁと思いながら読めました。版画って楽しいです。 『スキップ』は心だけが若者に戻ってしまうおばさんのお話でした。『ターン』 は29歳の版画家が交通事故のあと、心も体もきっかり一日前に戻ってしまって、 そして一日たって、事故のあった時間になるとまた、同じ一日前に戻ってしま う、というお話。同じ一日が何度も何度も繰り替えされるのです。・・・・と 書くとなんだか恐ろしいですねー。しかもその「ターン」する時間の中には一 切の生き物も人間も存在しないんです。虫の声も聞こえない。こわーい。 だけど、読んでいると恐いことは恐いんだけど、ホラーのようなオドロオドロ しい恐さは全くなくて、主人公は誰もない店でもきちんとお金を払って買い物 をするし、好き放題する訳でもなく、日常を保とうとします。いつか帰れる時 がくるかもしれない、と思いながら。でもなんだか同じような日常が繰り替え されることってありますよね。毎日会社に行って、帰って寝てまた会社に行っ て・・・とか。そういう、私たちの日常をふっと思い起こしてしまうような、 不思議な気持ちになるお話です。 (茜音「日々のほのぼの」より抜粋) http://akane.pos.to/ ___________________________________ --更新情報-- ★茜音 http://akane.pos.to/ 『茜音』8月のカレンダーに更新しました。 今回は近所で撮影した夕焼け空。 なんとなく今回は「空」の気分でした。 ★ぱんだ雑貨店 http://akane.pos.to/sozai/ 空の写真を13点追加。 近所とか、岩手とかいろいろなところで撮影した空。 でもどこで見ても空は空。空は繋がっているんだなぁ。 というわけで、キャプションなしです。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行■そふえのりこ(祖父江典子)     【茜音】     【アトリエの屋上BBS】       「茜色通信」HP■登録、解除、変更はこちらから。    「茜色通信」は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。    【いるマガ】っていうメールマガジンもやってます("o")/~~~    Copyright(C) 2000 Sofue Noriko  発行者の許可なく転載することを禁じます。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ {magclick} {magclick} {magclick}