主役は犬たち。ある血統に連なる犬たちの物語が連綿と語られる。あの犬の子どもがこれで、この犬の孫がこれで、この犬の祖父が…って途中で訳が分からなくなってしまった。それよりも一頭の犬の人生(犬生?)をじっくり語ってもらうほうがよいなぁ。
人とかかわりの深い軍用犬の歴史を通して人間の歴史を語るという意味では新鮮だと思う。しかし、どこかこの物語に登場する犬たちには愛着が湧かないのだった。
久しぶりに“日本文学”を読んだ気がする。なんだかんだ言って、長く世に残るものというのはいいものなのだ、と思った。共感はしないのだけど、物語として、単純に面白い。
人間を人間とも思わないようなひどい仕打ちに耐える労働者たちが次第に結束してついに反旗を翻す。その結果やいかに…。
同時収録の「党生活者」は小林多喜二の実体験に基づいて描かれているそうだが、これもわかりやすく面白い。共産主義者が“赤”として取り締まられていた時代。多喜二自身も警察での拷問により29歳の若さでこの世を去っている。
これらの物語を現代と通じるモノがあると思うかどうかは人それぞれだろうけれど、共感を覚える人たちも少なからずいるのかもしれない。資本家の搾取。働いても働いても上がらない賃金。現代と似ているようで違う気もするが…。
私自身は、この人たち(共産主義者)の目指す社会の全体像というものがイマイチよくわからなくてそれが理想的なのかどうかすらナゾ。労働者の待遇改善は必要だけれど、その手段として労働者の結束、上への反抗というものが果たして正しいのかどうかは疑問が残る。結局、政治の問題なのでは?
「蟹工船」の当時は労働者たちがひどい処遇を受けても訴え出る場所もなかったけれど、今はきちんとそれを相談する窓口がある。だから当時とは状況が違う。…という記事を新聞で見た。共産主義も取り締まりの対象ではない。言論の自由もある。しかし、やはり現代のワーキング・プア問題を「蟹工船」と同じと感じる人が多いというのは事実なのだろうから、どうしたら改善できるのかを社会全体で考えていく必要があると思うのだった。
それでもボクはやってない スタンダード・エディション周防正行(監督)、加瀬亮;瀬戸朝香;山本耕史;もたいまさこ;役所広司 東宝 ¥ 3,990 [DVD] ISBN:4988104043627 / ASIN:B000QJLROI |
痴漢えん罪事件は実際に何件も起こっているのだけど、果たして本当にえん罪だったのかどうかっていうのは世間の人々も気になるところだと思う。無罪になっても「本当にやってないの?」っていう目で見られてしまうのではないかなぁ。そう思うと、裁判なんてやらずに、やってなくても「やった」って認めて示談金を払ってしまうほうが実はいいのではないかとか考えてしまう。そのほうが世間に知られなくて済むのだったら…。
映画では最初からずっと主人公はえん罪を主張していて、実際になにもしていないという前提で語られている。そして、ラスト。裁判の判決が出る。
そこでハタと思った。え。本当にこの人はやっていないんだろうか…。
思い返してみれば、映画の冒頭で主人公が痴漢と間違えられて駅の事務所に連れて行かれるシーンははっきり描かれているのだけど、痴漢を「やっていない」という証拠の映像は“ない”のだった。
そこに監督の意図を感じる。最後の最後で、自分が裁判員になったような気分。いままでの経過を見てきて、あなたはこの人を無罪にしますか? それとも有罪にしますか? と問われている感覚に陥ったのだった。やるな、周防監督。
主な内容は裁判の経過。岡田資(たすく)氏は、米兵捕虜の処刑容疑でB級戦犯に問われたのだが、責任を一身に負って部下を守り抜きひとりで刑をかぶった…ということらしい。同様の裁判で死刑判決が出た場合も、執行されることは少なかったようなのだけど、岡田氏は昭和24年に刑死している。裁判中もそうだが、獄中での態度も立派で、日米双方の関係者から尊敬を集めていたようだ。
岡田氏が立派な人物らしいということは分かったけれど、一方で、戦場で指揮を執った作戦については批判もあるようで、どういう点を判断基準にすればいいのかよくわからなかった。自分のしたことについて、潔く責任をかぶったということなのかというと、そういう訳でもないようで、客観的(かどうかは分からないけど)な資料としては読む価値があるかもしれないけれど、小説形式にしたほうが理解しやすそう。小説だとフィクション性が高まるのだろうけど、逆にそのほうが物事の真実が伝わったりするものなのだ。
そういう意味では映画を先に見た方が分かりやすかったかも。
明日への遺言 特別版小泉堯史(監督)、藤田まこと、富司純子、ロバート・レッサー、フレッド・マックィーン、リチャード・ニール、西村雅彦、蒼井優、田中好子 角川エンタテインメント ¥ 4,935 [DVD] ISBN:4988126205751 / ASIN:B0019546LO |
読み終わっても、何が書いてあったのか…よく覚えてないのだった。
有名な、知っているCMについて書かれているのだけど、そういえばそんなCMあったよね、懐かしい〜とは思うのだけど、反面「だからなに?」ってことしか書いてなくて、新鮮な驚きはないのだ。
結局、これをやれば“確実に売れる”広告っていうのは存在しないってことなのよね。
『レベッカ』シアタークリエ 2008年4月6日-6月30日 脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ 音楽:シルベスター・リーヴァイ 演出:山田和也 出演:山口裕一郎、大塚ちひろ、シルビア・グラブ、石川禅、吉野圭吾、治田敦、阿部裕、KENTARO、伊東弘美、寿ひずるほか
最初のときは、(原作を読んでいたにもかかわらず)ストーリーを追うのでいっぱいいっぱいだったけれど、二度目なので余裕をもって見られた。その所為かどうか、一度目よりも舞台全体が熟成されてよい感じだった。
山口裕一郎氏は相変わらずファイティングポーズで歌っていたけれど、歌声は健在。大塚ちひろ嬢も、真実を知ったあとの強さが強調されていてよかった。しかし、やっぱり衣装の色に違和感。強く成長した後に、ピンクっていうのは違う気がする。前半がピンクのほうがよかったんじゃないかなぁ。
つまりこの本、写真の撮影技術というよりも、ネコ好きのためのネコ本。ネコはいったいどこにいるのか。ネコの活動時間はいつなのか。ネコに写真を撮らせてもらうための心得とは…などなど。ネコ好きには堪らない一冊となっているのだった。
当たり前なのだけど、経営と会計は密接に関わり合っていて、なにか商売をするときにはお金の計算は避けては通れないものなのだ。会計が苦手な人が商売をしてもきっとうまくいかないに違いない。私などもそうなのだけど。だからと言って、人任せにするのもいただけない。苦手でもなんでも自分で乗り越えなければ。
逆に言えば、会計に強い人というのは商売人の素質がある。一言で言ってしまえば当たり前のことなのだけど、お花が好きなだけではお花屋さんにはなれない。お店は開けるかもしれないけれど、利益を上げるためには会計の知識が必要。お花があまり好きじゃなくても、ある程度会計の知識があればお花屋さんができるかもしれない。そういうこと。
最近、つくづく思うのだけど、中学とか高校とか、小学校でもいいけれど、もう少し会計とか簿記とか経済とか、教えて欲しかったなぁ。英検よりも簿記の資格のほうがよっぽど生きていくのに役に立つと思う。
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)山田 真哉(著) 光文社 ¥ 735 [新書] 2005-02-16 ISBN:9784334032913 / ASIN:4334032915 |
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)関根 眞一(著) 中央公論新社 ¥ 756 [新書] 2007-05 ISBN:9784121502445 / ASIN:4121502442 |
怒り狂う相手への対応。どう考えても相手が悪くても、頭を下げなければいけないとか、クレーム処理係は、よほど人間の器が大きくないと務まらないと思う。
しかし、こちら側の過失の場合は、正当なクレームで、それをきちんと受けることでサービスの質を高めることができるのだ。クレームを言ってくれた顧客に気持ちよくまた利用してもらえるようにことも重要。後味が悪い思いをさせると二度と利用してもらえないことだってありうる。たかがクレーム処理、されどクレーム処理なのだった。奥が深い…。