フューチャリスト宣言 (ちくま新書 656)梅田 望夫(著)、茂木 健一郎(著) 筑摩書房 ¥ 735 [新書] 2007-05-08 ISBN:9784480063618 / ASIN:4480063617 |
これは、梅田色というより茂木色なんだろうか…。ネット時代の教育についてとか、なるほどと唸るような話題もあったのだけど、なにかが違う。なにが違うんだろうと考えた結果、どうもこの二人の未来像のなかに、製造業とか農業とか「ものをつくる人」の存在が見えてこないということが違和感の原因ではないかと思い当たった。
ネット社会が将来いい方向に向かうという前向きなビジョンはとてもいいのだけど、それってなにか、恩恵にあずかるのは格差社会の上のほうの人間の話なのではないの、って感じ。そのために苦労する人たちってのもいるんじゃないのかなぁ。
ネットを使えば、会議などに費やす時間を大幅に短縮できるとか、効率がよくなるとか、それはいいのだけど、そうやって効率をよくできない世界というのもあって、米作りには絶対に数ヶ月かかるし、ものをつくるための研究には実験や検証で膨大な時間がかかる。そういうものとの時間の格差ができてしまうような気がして怖い。その格差がなんとなく見えないカベになりそうな気がする。うまく言えないのだけど。
要するに、そういう「ものづくり」の世界とスピードや効率重視のウェブの世界との関連性が見えてこないから現実感が乏しく感じてしまうのではないか。
そういえば、「ウェブ人間論」はそのタイトル通り、人間とウェブの関係について語られていたから、読んでいてもしっくりと来たのかもしれない。今回は、どうもバーチャルな世界の話ばかり。人間がみえない。もう少し、目線を下げた未来像を聞いてみたい。
そんなわけで、お二人の対談部分は理解が難しい部分もあったのだけど、最後に収録されていた講演の内容は一般向けの言葉でわかりやすかった。これを巻末に収録したのは正解。