噂に違わず面白かった。遊女は切ない。しかしただ単に切ない女ではなく、遊女なりのプライド、生き方があるのだ。恋をして、恋にやぶれて、仕事に燃えるものもあり、自害するものもあり。そして恋人と共に外の世界に飛び出してゆくものもあり。
幾人かの遊女たちが描かれているのだけど、それぞれのエピソードが繋がり合って、意外な真相が明かされる。織りなされる人間模様が面白い。そして、遊女の世界はやっぱり、儚く美しい。女のための官能小説の題材としてはもってこいなのだった。(官能なしでも十分いけるけど)
霧里、朝霧、茜、緑、八津、三津、東雲…出てくる名前がいいなぁ。
吉原遊女のお話はこれ一冊でお腹いっぱい。この人の、別の小説が読んでみたくなった。
そうそう、あとね、この本の装幀がすごく好き。半分ジャケ買い。