逆に落ち込むかも◆『子宮癌のおかげです』
2007/09/07(金)

子宮癌のおかげです―女弁護士の全摘57日間の記録
渥美 雅子(著)

工作舎
¥ 1,470 [単行本] 2003-09
ISBN:9784875023746 / ASIN:487502374X

叔母が子宮癌の手術をしたので、癌関係の本を読みあさっている。これを書いたのは弁護士さん。初期の子宮頸ガンでの子宮全摘手術の体験記。

この方の性格のせいか、あっけらかんと明るい闘病記となっている。同じ病気の人が元気になるような内容…だと思って読んだのだけど、明るすぎて読んだ方は逆に落ち込むかも。

この方よりも軽い症状、または同じ程度の病ならいいけれど、もっと重い人は、こんなあっけらかんとしていられない。

確かに、軽い病気ではないし、子宮全摘は身体的にもダメージは大きいのだけど、生命の淵を彷徨うような症状ではないのだ。もっと症状が重ければ、抗ガン剤やら放射線やらの治療も加わって、その副作用に苦しめられる。ガンの治療の辛さはそこだと思う。

そうは言っても、自覚症状から診断、手術にいたる経過や、かかった手術費用や保険で降りた金額などは参考になる部分が多い。また、安楽死、尊厳死についての法律的な見解も興味深かった。本人が強く望んでも安楽死は簡単にはできないのだ。

読みながら共感するところも多い反面、おいおい…と突っ込みたくなるエピソードも満載。入院中に飲酒して大変なことになったり、病院を抜け出して仕事したり。

もともとパワフルな人のよう。強いんだろうなぁ。だから、読みながら、あんたはそうかも知れないけど、普通の人はそうじゃないだろって思っちゃった。自分が病気になったから病人の気持ちがよくわかったって本人は思っているかもしれないけれど、もっともっと弱い人もいっぱいいるのよ。

だから、逆にこの人とは病気の苦労を分かち合えないかもしれないと思った。同じ病気になっても、考え方は人それぞれなんだなぁ。この人みたいに即決即断できる人って、珍しいのではないだろうか。

だからね、これ読んで元気になる人と、これ読んで落ち込んじゃう人と、両方いると思う。病人に読ませるのは要注意。だけどもう叔母さんに渡しちゃった。落ち込まなきゃいいんだけど…。